ミスミソウはキンポウゲ科ミスミソウ属に分類される、日本・ヨーロッパ・北アメリカが原産の多年草です。
日本では本州中部以西から九州にかけて広く分布しています。
園芸の分類としては、山野草に分類されています。
降り積もった雪の中から茎を伸ばして花を咲かせることから、雪割草とも呼ばれています。
- ミスミソウとはどんな花?
- ミスミソウの花言葉
- ミスミソウの魅力
- スハマソウとミスミソウの違い
- ミスミソウの群生地
- ミスミソウを育てるコツ
- 種類(原種、園芸品種)
- まとめ
1. ミスミソウとはどんな花?
花の色は、白・ピンク・紫・青と多彩です。
花びらのように見えるところは萼花弁と呼ばれるもので、正確には花びらではありません。
萼花弁は8?12枚前後。
愛らしい花を付けた姿が魅力的なことから、園芸愛好家の間でも大変人気があります。
2. ミスミソウの花言葉
2-1. 「自信」「信頼」
この花言葉は、ミスミソウが寒い冬を乗り越えて可憐な花を咲かせる強い性質を持っていることに由来しています。
逆境をものともしないその強さをよく表しています。
自信を無くしているお友達に励ましの気持ちを込めて贈り物にしてみるのも良いですね。
2-2. 「忍耐」
ミスミソウは、雪に覆われていても雪の下で葉を緑に保っている性質があります。
厳しい寒さに負けずにじっと春を待ち続けるその姿から、この花言葉が付けられました。
ミスミソウが持つ不屈の強さに共感を持つ人は多いのでしょうね。
2-3. 「はにかみ屋」
ミスミソウが早春に雪の中から茎を出して可愛らしい花を付ける様子が、遠慮がちに恥ずかしそうに顔を出しているように見えることから、この花言葉が付けられました。
楚々として可憐な花を付けた姿は、正に「はにかみ屋」のイメージですね。
3. ミスミソウの魅力
ミスミソウの魅力は何といってもその可憐な花の姿と多彩な花色。
そして、小さな体で健気に冬を乗り切る強い性質です。
雪の中から芽吹く様子は、見る者の心を動かします。
毎年ミスミソウの群生地を訪れては、その姿に元気をもらうという熱心なファンも少なくありません。
4. スハマソウとミスミソウの違い
スハマソウもミスミソウもどちらもキンポウゲ科ミスミソウ属の多年草で、どちらも「雪割草」と呼ばれています。
スハマソウとミスミソウは、葉の形の違いで分類されています。
スハマソウは「洲浜草」とも書かれ、葉の先が丸みを帯びています。
ミスミソウは「三角草」とも書かれ、葉の先が尖っています。
5. ミスミソウの群生地
5-1. 大崎雪割草の里
新潟県にある大崎雪割草の里では、おおよそ30万株の雪割草(オオミスミソウ)が群生しています。
3月上旬から4月中旬頃まで、整備された遊歩道から愛らしい花を観賞することができます。
天気の良い日には、遊歩道から佐渡島を望むことができます。
5-2. 猿山岬
石川県の奥能登最後の秘境と呼ばれる猿山岬の一帯には、日本有数の雪割草の群生地があります。
3月中旬から4月上旬にかけて、色とりどりの愛らしい花が一面を埋め尽くす絶景を見に、何度も足を運ぶファンがとても多いのだそうです。
6. ミスミソウを育てるコツ
6-1. 用土
ミスミソウが自生しているのは、湿り気のある場所です。
山野草用の土が市販されていますので、そういったものを用意すると良いでしょう。
市販の用土を使わない場合は、水はけの良い土と保水力のある土を混ぜて用土を作りましょう。
(日向土4:桐生砂4:赤玉土2の割合)
6-2. 水やり
用土を乾燥させ過ぎたり、水のやりすぎには気を付けましょう。
ある程度は土を湿らせた状態を維持するようにします。
季節を問わず、土の表面が乾いてきたら、鉢底から水が出てくるまでたっぷりと水を与えます。
ただし、夏場の高温になる時期は、水の与えすぎに注意しましょう。
高温多湿な環境には弱いです。
6-3. 肥料
花が咲き終わったら、週に1回、液体肥料を与えましょう。
夏の高温になる時期は肥料は与えません。
暑さが落ち着いた10月~11月頃に、週に1回、液体肥料を与えます。
秋には花芽を大きくするために液体肥料の他に、有機肥料も与えると良いでしょう。
6-4. 置き場所
11月頃から開花中は、日によく当てましょう。
丈夫に育ちます。
冷たい風や雨の当たらない、風通しの良い場所が適しています。
花が咲き終わってから10月頃までは明るい日陰で育てましょう。
高温多湿と強い日差しには弱いので、直射日光が当たらないように注意しましょう。
6-5. 手入れ
枯れた葉を放置しておくと、病気が発生する原因になってしまいます。
虫が付いてしまうこともありますので、枯れた葉はそのまま放置せずにきちんと摘み取りましょう。
葉を摘み取る時は、新しい葉が出てきてからにしましょう。
6-6. 植え替え
1~2年に1度、一回り大きな鉢に植え替えをしましょう。
鉢が根づまりを起こすと、根が水を吸えなくなってしまい枯れてしまうことがあります。
植え替えは、花が咲き終わってから4月中旬~5月頃か、9月~10月に行います。
6-7. 病気・害虫
ミスミソウはサビ病にかかりやすいので注意しましょう。
葉に赤サビのような色の斑点が発生したら、すぐに葉を摘み取り、薬を散布します。
他の植物に伝染することがありますので鉢を隔離しましょう。
日当たりが悪すぎたり、風通しが悪いと発生します。
6-8. ふやし方(株分け)
植え替えをする時に株分けを行います。
1つの株を2~3つに分け鉢に植え付けます。
大きすぎる鉢に植えると根腐れを起こしやすくなりますので注意しましょう。
1株に芽が1~2個のものは3号鉢、芽が3~5個のものは4号鉢が良いでしょう。
6-9. ふやし方(種まき)
ミスミソウは、金平糖のような種を付けます。
種が茶色くなり始めたらすぐに採って、日陰で少し乾燥させてからすぐにまきましょう。
浅い鉢に用土を入れて種をまき、種が隠れる程度土をかぶせます。
種をまいてから3~4年で花が咲くようになります。
7. 種類(原種、園芸品種)
7-1. ミスミソウ(三角草)
雪割草として最も親しまれているオオミスミソウよりも小型の品種です。
葉の先が尖っていて葉が薄いのが特徴です。
本州の中部以西から九州にかけて自生しています。
白、ピンク、青、紫など多彩な色の可憐な花を咲かせます。
7-2. オオミスミソウ(大三角草)
雪割草として最も親しまれているのがオオミスミソウです。
花は2cm程と、ミスミソウよりも大きい品種です。
葉の先が浅く3つに割れているのが特徴です。
山形県以南の日本海側に自生しています。
オオミスミソウの群生地は観光名所にもなっています。
7-3. スハマソウ(洲浜草)
小型の品種で、葉の先が丸みを帯びているのが特徴です。
花は白、薄いピンクが多く、萼花弁は6~15枚くらいです。
本州から四国にかけて自生しています。
丸みを帯びた葉の形が海岸に突き出した州浜に似ていることから、この名が付きました。
7-4. ケスハマソウ(毛洲浜草)
小型の品種で、花茎や葉に毛が生えているのが特徴です。
6~10枚ほどの萼花弁つけますが、6枚のものが多いようです。
花の色は、白、ピンク、濃いピンクなどがあります。
株が大きくなると痛みやすくなります。
近畿地方から四国に自生しています。
7-5. 玉三郎(園芸品種)
佐渡産の人気品種です。
涼しげな印象の淡い藤色の萼花弁の先の方に濃い紫色の玉班が乗る、大変美しい花を咲かせます。
雪割草の中でも特に模様花と呼ばれ、とても人気があります。
高さは8~15cm 程。
耐寒性の強い品種です。
7-6. 初鏡(園芸品種)
初鏡(はつかがみ)は、二段咲きと呼ばれる咲き方をする品種の代表格です。
花色は、濃いピンク色の中心の方に白色が入っています。
その色のコントラストの美しさと形の整った花形から、名花と言われています。
秀花と呼ばれる他の品種の元ともなった品種です。
7-7. 花神(園芸品種)
花神(かしん)は花が三段に盛り上がって見える三段咲きと呼ばれる咲き方をする品種です。
萼花弁の縁を彩る濃いピンク色と、中心部の緑色とのコントラストが美しい三段咲きの秀花です。
外側の萼花弁に白い玉班が入ると、とても華やかな印象になります。
7-8. 赤鬼(園芸品種)
赤鬼(あかおに)は、三段咲きを代表する名花で、愛好家の誰もが知っている有名な品種です。
濃いピンク色と緑色の萼花弁が生み出すコントラストが見事な、大輪の豪華な花を咲かせます。
新品種を作り出す園芸家が目標としている名花です。
7-9. 谷間鶴(園芸品種)
谷間鶴(たにまづる)は唐子咲と呼ばれる八重咲に似た咲き方になる花と、標準的な咲き方になる花が、1つの株でどちらも咲く「咲き分け」と呼ばれる珍しい品種です。
シンプルな色合いですが、「咲き分け」独特の華やかさがあります。
7-10. 茜鶴(園芸品種)
茜鶴(あかねづる)は、雄しべと雌しべまでもが萼花弁に変化した千重咲きと呼ばれる咲き方をします。
その花は豪華で、多くの人から愛されています。
淡いピンク色で中心が白色という優しい色合いの花は、長年にわたり人気があります。
名品と呼ぶに相応しい品種です。
7-11. 千佳(園芸品種)
千佳(せんか)は、千重咲きを代表する名花です。
濃いピンクと花の内側にリング状に入った緑色のバランスがとても美しい複色花です。
華やかな色合いが印象的なこの品種は、愛好家に人気の高い複色花の中でも特に絶大な人気を誇る名花です。
まとめ
ミスミソウは古くから多くの人々に愛されてきました。
江戸時代の中期にはすでに一般の人々の間でもその魅力が知られるようになっていたと伝えられています。
見た目の可憐さ、美しさだけでなく、厳しい冬をじっと耐え忍んで健気に小さな花をさかせるその姿に心を打たれた人は数知れないのでしょうね。
時代が変わっても愛され続けるミスミソウ。
自分の手で育ててみてはいかがでしょうか。
まとめ
ミスミソウは古くから多くの人々に愛されてきました。
江戸時代の中期にはすでに一般の人々の間でもその魅力が知られるようになっていたと伝えられています。
見た目の可憐さ、美しさだけでなく、厳しい冬をじっと耐え忍んで健気に小さな花をさかせるその姿に心を打たれた人は数知れないのでしょうね。
時代が変わっても愛され続けるミスミソウ。
自分の手で育ててみてはいかがでしょうか。
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