夏から秋にかけて山野で風にゆれる赤いワレモコウを見かけたことはありませんか。
可愛らしいそのぽっこりとした形はフラワーアレンジメントのアクセントとして人気があります。
決して主役にはならない花ですがその可憐な形と秋を思わせる赤茶色の素朴な美しさは人々を魅了します。
- ワレモコウとはどんな花?
- ワレモコウの花言葉
- ワレモコウの育て方や注意点
- ワレモコウの名前の由来
- ワレモコウの開花時期
- 種類(原種、園芸品種)
- まとめ
1. ワレモコウとはどんな花?
原産地は日本、朝鮮半島、中国、シベリアの多年草です。
バラ科ワレモコウ属で和名を吾亦紅(ワレモコウ)または吾木香(ワレモコウ)といいます。
別名には、ダンゴバナ(団子花)、キュウリグサ(葉に胡瓜の香りがあることから)、ボウズバナ(坊主花)、ウマズイカ(馬西瓜)、オハグロバナ(お歯黒花)、ノコギリソウ(鋸草)など。
花は穂の先端から咲き、花弁はありません。
赤茶に見える花に見える部分は実は萼(がく)の部分です。
乾燥しても美しさが保てるのでドライフラワーとしてもよく利用されます。
薬草としても知られており、根は地楡(ちゆ)という生薬です。
タンニンやサポニンを多く含み、乾燥させたもの止血や下痢止め、解毒、火傷、外傷、湿疹などに用いたそうです。
2. ワレモコウの花言葉
2-1. 変化
ワレモコウの花が上から下に向かって順に咲いていくことに因んでつけられたといわれています。
2-2. 明日への期待
この花言葉も「変化」と同じく順々に咲いていくことからつけられたと思われます。
2-3. もの思い
秋風吹く野原で細長い茎を揺らす姿がもの思いにふける様子に見えることからつけられたともいわれます。
2-4. 愛慕
落ち着いた赤茶色のつつましい小花の様子を「秘めた思い」として表現しているそうです。
3. ワレモコウの育て方や注意点
元々山野で自生しているワレモコウは寒さ暑さにも強くとても育てやすい植物です。
寄せ植えにしても他の花々を引き立てます。
切花としても長く鑑賞できるのでとても重宝します。
冬には地上部分が枯れてしまいなくなったかのように思えますが、春になると新芽がでてくる宿根草です。
地下茎を伸ばしてぐんぐん元気よく広がって繁殖するのであまり増やしたくない場合は鉢植えで管理するといいでしょう。
また、茎が倒れてくる場合は支柱を立てて支えます。
自立するなら支柱は必要ありません。
3-1. 場所
庭植え、鉢植えとも日なたで育てます。
暑さにも強いので真夏の強い日差しでも大丈夫。
半日陰だと花つきがよくなくなり茎もヒョロヒョロとなり、株も大きく育ちません。
鉢植えの場合は真夏の直射日光を避けたほうが葉やけしませんが、多少葉やけしても丈夫なのでできるだけ日光に当てます。
斑入り品種の場合は真夏の間は明るい日陰に置いたほうが葉やけを起こさなくてすみます。
3-2. 植えつけ
鉢植えの場合休眠中の2月から3月に毎年植え替えます。
庭植えは3~5年に1回掘り上げて、株分けと植え直しを行います。
ワレモコウは肥沃な土を好むので市販の培養土を使うとよいでしょう。
もし土が痩せている場合は腐葉土を混ぜてあげます。
3-3. 水やり
鉢植えの場合、土が乾いたらしっかりと水をやります。
もし触ってみて土が湿っているようでしたら水をやる必要はありません。
庭植えの場合、植え付けたばかりで根がしっかりとはってしっかりと定着するまでは水をしっかりとやりますが、そのあとは極端に乾燥しない限りは水をやる必要はありません。
ただ乾燥しすぎると花がそのまま枯れてしまうので注意。
3-4. 肥料
山野の植物なので肥料なしでも十分育ちますが、美しく育てるには肥料は必要です。
葉が痛み始めたら肥料が不足しているサインです。
7日から10日に1回液体肥料を与えましょう。
肥料を与えると草丈も高くなるので好みの草丈を考えながら量を加減して与えます。
3-5. 切り戻し
6月に1/3ほど刈り込んであげると草丈も低くなり小さくまとまります。
脇芽も出て花がたくさん咲くので刈り込んであげるといいでしょう。
3-6. ふやし方
ワレモコウのふやし方はタネまきと株分けの2つの方法があります。
タネまき:秋に種をとり冷蔵庫い保管します。
種まきは2月から3月になってから。
発芽率もとてもよいので大体2年目から開花します。
株分け:2月から3月の休眠期の植え替えと同時に大きくなった株の地下茎を切り分けます。
とても堅いので剪定バサミなどを使用します。
大体3、4分割くらいにして小分けし過ぎないようにします。
斑入り種は株分けでふやします。
3-7. 害虫・病気
ハダニ、うどんこ病
まれに発生することがありますが、ワレモコウは丈夫なため重症化することはあまりありません。
どちらも乾燥した時期に発生します。
もしハダニが発生して気になる場合、水を葉にまくとポロポロと水と一緒に流れ落ちます。
ハダニの水に弱い性質を利用して、被害の拡大を防ぐことができます。
または「粘着くん液剤」「バロックフロアブル」「マラソン乳剤」「ケルセン乳剤」「でんぷんスプレー」などの薬剤を吹きかけます。
うどんこ病はうどん粉をまぶしたように葉っぱの表面に白いカビが生える病気です。
ハダニと同じく水を土や植物にかけることで、適度な湿度が保たれ、菌があたりに飛び散るのを防ぐことができます。
4. ワレモコウの名前の由来
日本で自生しているワレモコウ。
古くは漢名の地楡(ちゆ)と呼ばれていました。
ワレモコウと呼ばれるようになったのは江戸中期以降だそうです。
その名前の由来は諸説ありますのでご紹介します。
・神様が赤い花を呼び集めたとき、呼ばれなかったワレモコウが自ら「吾(われ)もまた紅(こう)なり」と申し出た言葉が短縮されて「ワレモコウ」になったという説。
・昔、インド原産の「木香」というアザミに似た花をつける薬草の根を香料や薬に用いました。
日本でもワレモコウがその植物に似ているとのことで「自分たちの木香」ということで「ワレモコウ」になったという説。
5. ワレモコウの開花時期
8月から10月が開花の時期。
初夏に茎を伸ばして草丈が1mになって枝別れしたそれぞれの先端に穂状の小さな可愛らしい花をつけます。
花持ちは7日程度。
秋遅くまで咲いているように見えますが実は花は終わっていることが多いです。
ワレモコウには花弁がないため、花が咲き終わっても萼(がく)が赤いため咲いているかのように見えるのです。
6. 種類(原種、園芸品種)
6-1. ナガボノワレモコウ(ナガバノアカワレモコウ、ナガバノシロワレモコウ)
ロシアからモンゴル、中国東北部、朝鮮半島、日本列島に分布。
主に日当たりのよい湿った草原や湿地帯に自生します。
9月から11月に開花します。
花色は白と薄茶色の2食あります。
6-2. オランダワレモコウ(サラダバーネット)
ヨーロッパから西アジア、北アフリカ原産。
5月から6月にかけて緑から薄茶色の花穂をつけます。
ハーブとしても効能はむくみ改善・消化促進・美肌効果など。
葉をハーブティーにして飲みます。
若葉はサラダに散らしたりしてそのまま食べることもできますが育ちすぎたものは葉が硬くなります。
また花が咲く季節には苦くなるので注意。
6-3. ヒメワレモコウ
ワレモコウの矮性種です。
初夏から咲き始めます。
とても丈夫で育てやすい花です。
まとめ
ススキと共にの秋を彩る植物として飾られるワレモコウは秋の季語でもあります。
短歌や俳句でも数多く詠まれてきています。
「吾木香さし出て花のつもりかな」小林一茶
「吾も亦紅なりとひそやかに」高浜虚子
「吾亦紅すすきかるかや秋くさのさびしききわみ君におくらむ」若山牧水
その素朴な美しさが今も昔も人々に親しまれているのですね。
3. ワレモコウの育て方や注意点
元々山野で自生しているワレモコウは寒さ暑さにも強くとても育てやすい植物です。
寄せ植えにしても他の花々を引き立てます。
切花としても長く鑑賞できるのでとても重宝します。
冬には地上部分が枯れてしまいなくなったかのように思えますが、春になると新芽がでてくる宿根草です。
地下茎を伸ばしてぐんぐん元気よく広がって繁殖するのであまり増やしたくない場合は鉢植えで管理するといいでしょう。
また、茎が倒れてくる場合は支柱を立てて支えます。
自立するなら支柱は必要ありません。
3-1. 場所
庭植え、鉢植えとも日なたで育てます。
暑さにも強いので真夏の強い日差しでも大丈夫。
半日陰だと花つきがよくなくなり茎もヒョロヒョロとなり、株も大きく育ちません。
鉢植えの場合は真夏の直射日光を避けたほうが葉やけしませんが、多少葉やけしても丈夫なのでできるだけ日光に当てます。
斑入り品種の場合は真夏の間は明るい日陰に置いたほうが葉やけを起こさなくてすみます。
3-2. 植えつけ
鉢植えの場合休眠中の2月から3月に毎年植え替えます。
庭植えは3~5年に1回掘り上げて、株分けと植え直しを行います。
ワレモコウは肥沃な土を好むので市販の培養土を使うとよいでしょう。
もし土が痩せている場合は腐葉土を混ぜてあげます。
3-3. 水やり
鉢植えの場合、土が乾いたらしっかりと水をやります。
もし触ってみて土が湿っているようでしたら水をやる必要はありません。
庭植えの場合、植え付けたばかりで根がしっかりとはってしっかりと定着するまでは水をしっかりとやりますが、そのあとは極端に乾燥しない限りは水をやる必要はありません。
ただ乾燥しすぎると花がそのまま枯れてしまうので注意。
3-4. 肥料
山野の植物なので肥料なしでも十分育ちますが、美しく育てるには肥料は必要です。
葉が痛み始めたら肥料が不足しているサインです。
7日から10日に1回液体肥料を与えましょう。
肥料を与えると草丈も高くなるので好みの草丈を考えながら量を加減して与えます。
3-5. 切り戻し
6月に1/3ほど刈り込んであげると草丈も低くなり小さくまとまります。
脇芽も出て花がたくさん咲くので刈り込んであげるといいでしょう。
3-6. ふやし方
ワレモコウのふやし方はタネまきと株分けの2つの方法があります。
タネまき:秋に種をとり冷蔵庫い保管します。
種まきは2月から3月になってから。
発芽率もとてもよいので大体2年目から開花します。
株分け:2月から3月の休眠期の植え替えと同時に大きくなった株の地下茎を切り分けます。
とても堅いので剪定バサミなどを使用します。
大体3、4分割くらいにして小分けし過ぎないようにします。
斑入り種は株分けでふやします。
3-7. 害虫・病気
ハダニ、うどんこ病
まれに発生することがありますが、ワレモコウは丈夫なため重症化することはあまりありません。
どちらも乾燥した時期に発生します。
もしハダニが発生して気になる場合、水を葉にまくとポロポロと水と一緒に流れ落ちます。
ハダニの水に弱い性質を利用して、被害の拡大を防ぐことができます。
または「粘着くん液剤」「バロックフロアブル」「マラソン乳剤」「ケルセン乳剤」「でんぷんスプレー」などの薬剤を吹きかけます。
うどんこ病はうどん粉をまぶしたように葉っぱの表面に白いカビが生える病気です。
ハダニと同じく水を土や植物にかけることで、適度な湿度が保たれ、菌があたりに飛び散るのを防ぐことができます。
4. ワレモコウの名前の由来
日本で自生しているワレモコウ。
古くは漢名の地楡(ちゆ)と呼ばれていました。
ワレモコウと呼ばれるようになったのは江戸中期以降だそうです。
その名前の由来は諸説ありますのでご紹介します。
・神様が赤い花を呼び集めたとき、呼ばれなかったワレモコウが自ら「吾(われ)もまた紅(こう)なり」と申し出た言葉が短縮されて「ワレモコウ」になったという説。
・昔、インド原産の「木香」というアザミに似た花をつける薬草の根を香料や薬に用いました。
日本でもワレモコウがその植物に似ているとのことで「自分たちの木香」ということで「ワレモコウ」になったという説。
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