ベニバナ(ベニバナ)は、あざみの様な形の黄色い花を咲かせます。
平安時代にはベニバナを使った紅染め(くれないぞめ)は宮中の女性達には大変な人気がありました。
古来から日本では馴染みのある紅花ですが、花言葉や育て方等を見ていきたいと思います。
- ベニバナとはどんな花?
- ベニバナの花言葉
- ベニバナを育てるポイント
- ベニバナの名前の由来
- ベニバナの開花時期
- 種類(原種、園芸品種等)
- まとめ
1. ベニバナとはどんな花?
1-1. ベニバナとはどんな花?1
ベニバナはエジプトが原産とされていますが、日本にはシルクロードを経て4~5世紀には渡来していたようです。
平安時代には千葉県長南町での栽培が主だったようですが、江戸時代中期以降からは山形県最上地方や埼玉県桶川市や上尾市での栽培が主となりました。
その後中国から大量にベニバナが輸入されたり、化学染料が普及したことから、ベニバナの生産は激減しました。
現在では山形県がベニバナの産地として有名で県花にも指定されていますすが、ベニバナ染めや観光用にわずかに生産されるのみになってしまいました。
1-2. ベニバナとはどんな花?2
キク科の花なので黄色い色をしていますが徐々に紅色に代わって行きます。
花の形は菊より小さく、あざみによく似ています。
現在では料理で使う為に花びらを乾燥させた「サフラン」としてご存知の方が多いのではないでしょうか。
しかし、サフラン(番紅花)はとても高価なので、その代用としてベニバナが使われることが昔の西洋では多かったようです。
また、ベニバナの油はリノール酸やオレイン酸を豊富に含んでいるので、高価ながら健康志向の方達に購入されています。
1-3. ベニバナ染め
ベニバナの花びらを不織布に入れて水に浸けます。
すると、最初は黄色い汁が出てきます。
黄色い汁を充分に出し切ったら、炭酸カリウムを水に溶かして、その中に先程のベニバナを入れてよく紅色を揉み出します。
ベニバナの赤い色が出たら、クエン酸を加えて中和させます。
そこへ予め湿らせておいた布を入れればベニバナ染めの完成です。
綿やウールより、絹の染まり方が一番見事な色が出ます。
山形県と場にバナを、町花に指定している千葉県長南町では、どちらもベニバナ染めの体験が出決ますので、一度は経験しては如何でしょうか。
2. ベニバナの花言葉
ベニバナは6月11日の誕生花です。
2-1. 「化粧・装い」
これは、ベニバナが口紅の天然色素として使われたり、衣服の染料として用いられてきたことから付いた花言葉でしょう。
女性の美しさを表す花言葉とも言えるでしょう。
2-2. 「特別な人」
化学染料が作られてから、天然のベニバナは大変貴重な存在となっています。
また、古来から天皇の勅許が無ければ着られなかった特別な高貴な色でもありました。
恐らく、そのようなことから、「特別な、かけがえのない」という意味の花言葉になったのでしょう。
2-3. 「愛する力」
ベニバナの花言葉はどれも自分の愛する人に贈りたくなるものですね。
特に女性は、昔の中国では「女は好きな男の為に化粧する」と言われましたが、実際好きな人に会う時はメイクにも力が入りますね。
これも相手への愛情の1つでしょう。
2-4. 「包容力」
愛する人を大きな愛で包んで上げたい、愛する人には好きなことをさせてあげたい、という気持ちもベニバナの花言葉には含まれています。
男性から女性にベニバナを贈ると喜ばれるでしょう。
3. ベニバナを育てるポイント
3-1. ベニバナは3月~4月に種を撒きます
耐寒性に優れているので、関東以南の地域では、10月~11月にも種撒きが可能です。
また、同時期に苗を植える方法もあります。
根が傷むと枯れてしまうので、苗を植える時はポットから出した時に付いている土はほぐさないようにしましょう。
根は地面の中に真っ直ぐに伸びる直根性なので、根が傷つくと株が弱ってしまうのです。
そして、一度植えつけたら移動させないことがポイントです。
3-2. 日当り
ベニバナはエジプトが原産なので、日当りと風通しの良さを好みます。
種を撒いたら、発芽するまでは土を乾燥させないように水やりをします。
その後本葉が5~6枚出て、根がしっかりして来たら鉢や地面に植えつけます。
プランターに植え付けるなら、15~20cm間隔で、地植えなら20cm~30cmの間隔を開けて植えていきます。
3-3. 水やり
ベニバナはやや乾燥気味を好むので、根腐れを起こさない様に鉢植えやプランターは土の表面が乾いたら水を上げて下さい。
地植えの場合は雨だけで大丈夫です。
3-4. 追肥は原則要りません
ベニバナは肥料が多過ぎると茎だけが伸びすぎてしまうので、苗を植え付ける時に緩効性の化学肥料を土に混ぜたら、追肥は要りません。
ただし、鉢植えの場合は様子を見て月に1回程液肥を与えても良いでしょう。
余り手が掛からない植物と言えるでしょう。
3-5. 害虫
ベニバナはハモグリバエやアブラムシに食われる被害に遭ったり、炭疽病にも罹りやすい花です。
炭疽病は土中の菌が雨の時、泥はねに依って株に付き、寄生します。
そこで、株元をマルチングしたり水やりの時は株に水を掛けて菌を流すようにしましょう。
病気になった部分は回復しないので、その部分だけを切り取り、殺菌剤を撒いて他に感染しない様にして下さい。
4. ベニバナの名前の由来
ベニバナは咲き始めは鮮やかな黄色ですが、段々にオレンジから紅色へと変化します。
染料としてはこの紅色になった花を使っていたので、ベニバナと言う名前になったそうです。
5. ベニバナの開花時期
ベニバナの開花時期は5月~7月頃です。
丈は80cm~120cm位ですが、20cm~30cmに育った頃に支柱を立てて、茎が倒れにくくしてやります。
ベニバナにはとげがあるので、花を摘む時には園芸用の手袋等を使いましょう。
染料用として花を摘むのは早朝。
まだ朝露が残っている時間帯に摘みます。
しかし、家庭で花瓶に入れて楽しむのなら、晴れた日の日中に、またドライフラワーにするなら花が充分開いてから株元から切り取ります。
6. 種類(原種、園芸品種等)
6-1. ベニバナ(原種)
エジプト原産です。
6-2. 出羽在来種
古くから山形県で栽培されていた品種。
ただ、草の方や開花期、成熟期にばらつきが大きかったので、早世、中世、晩世に分けられました。
6-3. もがみばにばな
出羽在来種の中世種から選抜された物で、現在山形県内で栽培されているベニバナは殆どがこの「もがみべにばな」です。
まとめ
ベニバナはとても歴史を持った植物で、古来から女性の口紅や衣服等様々な物の染料として親しまれてきました。
特に所謂十二単の色の襲(かさね)の中でも鮮やかな「紅襲」や「紅のグラデーション」は、高貴な女性しか身に付けることは出来ませんでした。
枕草子では、清少納言が中宮定子の紅の衣裳の素晴らしさを情熱を込めて描いています。
つい染料として見がちなベニバナですが、ベニバナの花も可愛らしく、色の変化も楽しめますので、ガーデニングにも積極的に取り入れたい花です。
平安時代は紅染めは高価であったこともあり、また色も今でいうショッキングピンクを落ち着かせたような色だったので、華美を戒める時代の風潮の中、天皇の勅許が無いと着ることが出来ない色でした。
また、口紅の原料でもあったので、それこそ平安時代の宮中の女性達の間では憧れの色だったのです。
ベニバナの別称は「末摘花」です。
そう、源氏物語に出て来るさる宮家の姫宮、不美人の代表として描かれていますが、冬の早朝その姫宮の鼻の先が赤かった為、こんな美しい色を表す名前で呼ばれるようになりました。
可笑しいですね。
あまり手が掛からないので、庭の一部分に植えてみては如何でしょう。
3. ベニバナを育てるポイント
3-1. ベニバナは3月~4月に種を撒きます
耐寒性に優れているので、関東以南の地域では、10月~11月にも種撒きが可能です。
また、同時期に苗を植える方法もあります。
根が傷むと枯れてしまうので、苗を植える時はポットから出した時に付いている土はほぐさないようにしましょう。
根は地面の中に真っ直ぐに伸びる直根性なので、根が傷つくと株が弱ってしまうのです。
そして、一度植えつけたら移動させないことがポイントです。
3-2. 日当り
ベニバナはエジプトが原産なので、日当りと風通しの良さを好みます。
種を撒いたら、発芽するまでは土を乾燥させないように水やりをします。
その後本葉が5~6枚出て、根がしっかりして来たら鉢や地面に植えつけます。
プランターに植え付けるなら、15~20cm間隔で、地植えなら20cm~30cmの間隔を開けて植えていきます。
3-3. 水やり
ベニバナはやや乾燥気味を好むので、根腐れを起こさない様に鉢植えやプランターは土の表面が乾いたら水を上げて下さい。
地植えの場合は雨だけで大丈夫です。
3-4. 追肥は原則要りません
ベニバナは肥料が多過ぎると茎だけが伸びすぎてしまうので、苗を植え付ける時に緩効性の化学肥料を土に混ぜたら、追肥は要りません。
ただし、鉢植えの場合は様子を見て月に1回程液肥を与えても良いでしょう。
余り手が掛からない植物と言えるでしょう。
3-5. 害虫
ベニバナはハモグリバエやアブラムシに食われる被害に遭ったり、炭疽病にも罹りやすい花です。
炭疽病は土中の菌が雨の時、泥はねに依って株に付き、寄生します。
そこで、株元をマルチングしたり水やりの時は株に水を掛けて菌を流すようにしましょう。
病気になった部分は回復しないので、その部分だけを切り取り、殺菌剤を撒いて他に感染しない様にして下さい。
4. ベニバナの名前の由来
ベニバナは咲き始めは鮮やかな黄色ですが、段々にオレンジから紅色へと変化します。
染料としてはこの紅色になった花を使っていたので、ベニバナと言う名前になったそうです。
スポンサーリンク