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「ご謙遜を」の使い方・意味・類義語・対義語・返事・英語表現など | SPITOPI

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「ご謙遜を」の使い方・意味・類義語・対義語・返事・英語表現など

「ご謙遜を」は、自分の能力・実力についてへりくだる相手に対して用いられる定形的な慣用句です。

自分の立場や能力を低めて謙遜している相手に対して、「またまた、ご謙遜を(なされているのですね)」と返事をすることで、相手の立場・能力を再び持ち上げてあげることができるのです。

この記事では、「ご謙遜を・謙遜」という言葉の意味・用い方・類語・対義語・返事(返し方)・英語などを詳しく解説していきます。

  • ご謙遜を(謙遜)の意味
  • ご謙遜をの使い方
  • 謙遜の類語(類義語)
  • 謙遜の対義語と「ご謙遜を」に関連する英語表現
  • 「ご謙遜を」を用いた返事の返し方
  • まとめ

1. ご謙遜を(謙遜)の意味

ご謙遜を(謙遜)の意味

「ご謙遜を・謙遜」という言葉には、具体的にどのような意味があるのでしょうか?

1-1. 「ご謙遜を」には「へりくだっている相手(謙遜している相手)」を持ち上げる意味がある

「ご謙遜を」には「へりくだっている相手(謙遜している相手)」を持ち上げる意味がある

「ご謙遜を」という言葉は、「褒められた相手の謙遜表現に対する返事」で使われることがほとんどです。

「あなたが描かれた書画は、素晴らしいお手前ですね」と褒めた時に、「全然そんなことはありません。

私の書道や絵画は趣味の延長線上にあるものに過ぎませんから」と相手が謙遜した時に、「またまた、ご謙遜を。

本当に素晴らしいご作品だと思っております」というような返事を返します。

「ご謙遜を」は、「へりくだっている相手・自分の立場を低く見せている相手(=謙遜している相手)」に対して「またまた、ご謙遜を」と定形的な返事を返すことによって、「相手の存在・能力・魅力」をもう一度持ち上げてあげるという意味や効果があるのです。

簡単に言えば、「私なんて大した人間ではありません・私の実力や魅力なんてたかが知れています」と謙遜する相手に対して、「ご謙遜を」は「そんなことはありません。

あなたの能力や魅力はやっぱり大したものだと思います」という再肯定の意味を持っているのです。

1-2. 「ご謙遜を」には「礼儀・常識・思いやりを弁えている自分」を示せる意味がある

「ご謙遜を」には「礼儀・常識・思いやりを弁えている自分」を示せる意味がある

「ご謙遜を」という言葉をかける相手の大半は、「一定以上の能力・魅力・成果・努力を示しているのに敢えて謙遜している人」です。

大会に優勝したりチャンピオンになったりしたキャリアのあるプロスポーツ選手が「自分なんて大した選手ではなく、まだまだ未熟者です」と謙遜したとしても、本気で自分が一般のプレイヤーより劣ると思っているわけではなく、見ている人もその人が平均以上の素晴らしいプレイヤーであることは分かっているわけです。

そんな状況で、「そうですね。まだまだ未熟ですから頑張ってください」と返事をする人がいるとしたら、非常識で無礼な人間であることを自己アピールしているようなものです。

頑張っている職業人が「私なんて大した仕事なんて何もしていないですから」と謙遜した場合でも、「そうですね。もっと頑張ってきちんと仕事して下さいね」と返事をする人は、礼儀や配慮のないおかしな人と見られるだけでしょう。

謙遜しているまっとうな人に対して、「またまた、ご謙遜を」と返すのは、自分自身に「礼儀・常識・配慮(思いやり)」が備わっていることを示すという意味もあるのです。

1-3. 「謙遜」の意味

「謙遜」の意味

謙遜の意味は、「自分についてへりくだること・控えめな慎ましい態度を取ること・自分の立場や能力を低めて見せること」になります。

自分の能力や価値を低く評価することの意味もありますが、厳密には「自己否定・自己嫌悪」の意味は含まれておらず、「自分で自分の才能や実績が分かっていながらも敢えて驕らずに自分を控えめに見せる」というニュアンスがあります。

謙遜は「卑下(ひげ)」の類似語とされることもありますが、厳密には卑下にある「自分を卑しく低めること・自己嫌悪の自分を嫌う心理」の意味合いは謙遜にはありません。

2. ご謙遜をの使い方

ご謙遜をの使い方

「ご謙遜を」には、「相手の能力・魅力・努力・実績に関する発言(返答)」に対してどのような使い方があるのでしょうか?

2-1. 「ご謙遜を」という言葉の「相手の能力」に対する使い方

「ご謙遜を」という言葉の「相手の能力」に対する使い方

「ご謙遜を」という言葉を返事として使う時には、「相手の能力についての謙遜表現」に対して使うことができます。

例えば、サッカー大会で優勝した選手が「私のサッカーの腕前なんて本当に大したことがありません」と謙遜したり、プロに近いレベルで歌の上手い人が「私の歌声なんて全く人様に聞かせられるものではありません」と謙遜したりした時に、「またまた、ご謙遜を。

十分に凄い実力をお持ちだと思います」というような返事の形で使うことができます。

2-2. 「ご謙遜を」という言葉の「相手の魅力」に対する使い方

「ご謙遜を」という言葉の「相手の魅力」に対する使い方

「ご謙遜を」という言葉を返事として使う時には、「相手の魅力についての謙遜表現」に対して使うことができます。

例えば、誰もが振り返るような美貌の女性が「私なんてそんなに褒められるほどの美人ではありません」と謙遜したり、大勢の女性ファンを惹きつけるジャニーズの男性が「私なんて芸能人としてまだまだ人気がないほうです」と謙遜したりした時に、「またまた、ご謙遜を。

十分にお美しいと思います(十分に今でも素晴らしい人気があると思います)」というような返事の形で使うことができます。

2-3. 「ご謙遜を」という言葉の「相手の努力・実績」に対する使い方

「ご謙遜を」という言葉の「相手の努力・実績」に対する使い方

「ご謙遜を」という言葉を返事として使う時には、「相手の努力・実績についての謙遜表現」に対して使うことができます。

例えば、毎日勉強を頑張って一流大学に合格した人が「私の勉学の努力なんて全く大したことありません」と謙遜したり、ビジネスで大きな実績を上げている人物が「私のビジネスの成功なんて本当の大物実業家と比べればたかが知れています」と謙遜したりした時に、「またまた、ご謙遜を。

十分に素晴らしい誇れる実績だと思います」というような返事の形で使うことができます。

3. 謙遜の類語(類義語)

謙遜の類語(類義語)

謙遜と似た意味を持つ「類語(類義語)」を紹介していきます。

「謙遜」と「謙虚・謙譲」の意味の違いについても説明します。

3-1. 態度が形式的な礼儀に適っているというニュアンスを持つ謙遜の類語(類義語)

態度が形式的な礼儀に適っているというニュアンスを持つ謙遜の類語(類義語)

「恭謙(きょうけん)・遜譲(そんじょう)・ 慎み ・ 謙虚さ ・ 遜恭(そんきょう) ・ 嗜み(たしなみ) ・ 謙譲 ・ 謙抑さ(けんよくさ) ・ 慎み深さ ・ 遠慮 ・ 遜譲」などがあります。

「恭謙」の意味は「慎み深くてへりくだっていること・恭しい(うやうやしい)態度でへりくだること」です。

「遜譲」の意味は「自分の立場をへりくだって人に譲ること・自己主張が弱くて人に譲ること」です。

「遜恭」の意味も「恭しい態度でへりくだっていること・自分を強く主張しないこと」です。

謙抑の意味は「へりくだって控えめにすること・自分の力を敢えて抑制して表に出さないこと」です。

このグループに分類されている謙遜の類語(類義語)は、「態度や言動が形式上の礼儀に依拠していて、恭しくて控えめである」といったニュアンスを持っています。

3-2. 虚栄心・自惚れ(自己顕示)が弱いというニュアンスを持つ謙遜の類語(類義語)

虚栄心・自惚れ(自己顕示)が弱いというニュアンスを持つ謙遜の類語(類義語)

「忌憚(きたん) ・ 謙譲(けんじょう)」などがあります。

「忌憚」の意味は「忌みはばかって遠慮すること・嫌っていやがること」です。

「忌憚のない意見・言葉」という慣用句で使われることが多く、忌憚のない意見・言葉の意味は「相手にはばかって遠慮することなく、言いにくいことでも率直に言う意見」という意味になります。

「忌憚のないご意見をお聞かせ下さい」という定形的な表現で意見を募る場合には、色々な多様な意見を聞かせてもらって勉強したい(参考にしたい)という意味合いが込められています。

「謙譲」の意味は、「自分についてへりくだること・相手に譲って自分を低く見せること」です。

このグループに分類されている謙遜の類語(類義語)は、「日常的な振る舞いにおいて虚栄心(見栄)や自惚れ(自己顕示)が弱い」というニュアンスを持っています。

3-3. 謙遜の気持ちが強いというニュアンスを持つ謙遜の類語(類義語)

謙遜の気持ちが強いというニュアンスを持つ謙遜の類語(類義語)

「謙譲(けんじょう) ・ 卑下(ひげ)・卑屈(ひくつ)」などがあります。

「謙譲」の意味は「自分についてへりくだること・相手に譲って自分を低く見せること」です。

「卑下」の意味は「自分を敢えて低い位置(卑しい立場)に引き下げてへりくだること・自分を人より劣った者として扱うこと」です。

「卑屈」の意味は「いじけたり拗ねたりして必要以上に自分を貶めること」や「自分を低い立場にいやしめて服従や妥協をしようとする勇気のない態度」です。

卑下・卑屈は辞書的に「謙遜の類語」として分類されていることが多いのですが、謙遜と比較すると「自己否定・自己嫌悪・いじけ(拗ね)・皮肉屋」などのニュアンスが強くなっています。

そのため、謙遜よりも「いじけた自己嫌悪+すねた自己否定(自己批判)の悪い意味を持つ言葉」として認識されることが多くなっています。

このグループに分類されている謙遜の類語(類義語)は、「人間関係やコミュニケーション場面において自らをへりくだる謙遜の気持ちが強い」というニュアンスを持っています。

3-4. 人間性として謙虚な性質が強いというニュアンスを持つ謙遜の類語(類義語)

人間性として謙虚な性質が強いというニュアンスを持つ謙遜の類語(類義語)

「謙虚さ(けんきょさ) ・ 謙譲 ・ 謙譲さ」などがあります。

謙虚と謙譲の意味はいずれも、「自分についてへりくだること・控えめである様子・人に譲って自分を低めていること」になります。

このグループに分類されている謙遜の類語(類義語)は、「人間性や性格特徴として謙虚な性質が元々強くある」というニュアンスを持っています。

3-5. 「謙遜・謙譲」と「謙虚」の違いについて

 「謙遜・謙譲」と「謙虚」の違いについて

「謙遜・謙虚・謙譲」はどれも「へりくだる・慎ましくて控えめな態度」という似たような意味を持っていますが、厳密には微妙な意味や使い方の違いもあります。

謙遜(けんそん)は「自分の能力・魅力・価値などを引き下げてへりくだること」の意味であり、人から「美人ですね・素晴らしい作品ですね」などと褒められた時に、「とんでもないです・全くそんなことはありません」といったんその褒め言葉の内容を否定するのが謙遜になります。

謙虚(けんきょ)は「控えめで慎み深い様子、自分の能力・魅力地位などにおごらずに素直な態度で人に接すること」の意味があり、人から「美人ですね・素晴らしい作品ですね」などと褒められた時には、自信満々ではない慎みのある態度で「それほどでもないのですが、そんなお褒めの言葉を頂いてとても嬉しいです。

励みになります、ありがとうございます」と返すのが謙虚になります。

謙譲(けんじょう)は謙遜に近い「自分をへりくだって低く見せる」という意味があります。

謙虚に関しては「おごらずに素直な態度で相手に対応する控えめな様子」といったニュアンスがより強くなっていて、人から褒められた場合に謙遜と比べると「相手の褒め言葉の否定(そんなことありません)の度合い」は弱いのです。

4. 謙遜の対義語と「ご謙遜を」に関連する英語表現

謙遜の対義語と「ご謙遜を」に関連する英語表現

謙遜と反対の意味を持つ「対義語」を紹介していきます。

「謙遜」に当たる英単語、「ご謙遜を」の言い回しに関連する英語表現にはどのようなものがあるのでしょうか。

4-1. 不遜・横柄・尊大:謙遜の対義語

不遜・横柄・尊大:謙遜の対義語

自分をへりくだって低く見せる謙遜と反対の意味を持つ対義語には、「不遜(ふそん)・横柄(おうへい)・尊大(そんだい)」があります。

「不遜」の意味は、「自分について思い上がっていること・おごり高ぶっていて人に対する敬意がないこと」です。

自分を特別な偉い人間(優れた人間)と考え、相手を見下した態度を取る様子を表す熟語として「傲慢不遜(ごうまんふそん)・傲岸不遜(ごうがんふそん)」があります。

「横柄」の意味は「人を見下したような偉そうな態度を取る様子・人を踏みつけにしたり馬鹿にしたりするようなふんぞり返った態度・ひどく威張っていて人に対する敬意を持っていないこと」です。

「尊大」の意味は「他人を見下すようなひどく威張った態度を取ること・自尊心が異常に強くて他者に対する配慮が全くないこと・自惚れた言動が多い高慢」です。

謙遜の対義語とされる「不遜・横柄・尊大」は、日本文化や日本の道徳観念においては「尊敬できる人物・良い人物・魅力的な人物」に対しては用いられることのない言葉であり、ほぼ「嫌悪すべきおごり高ぶった威張った人物」に対する悪い意味合い(ニュアンス)でしか使われることがありません。

4-2. 「謙遜」の英語表現と日本文化の価値観

「謙遜」の英語表現と日本文化の価値観

謙遜という言葉は、「自分の能力・魅力・功績を敢えて隠して控えめにいう謙譲精神・韜晦(とうかい)」を前提にしていて、日本文化・日本人の価値観と親和性のあるものになっています。

日本文化においては、いかに優れた能力や魅力を持っていても、自分自身で「どうだ、凄いだろう。

私にはこれだけの力があるのだ」というような自己顕示・自慢をしてしまうと、「人間性・道徳性の評価」が落ちてしまいやすいのです。

自分の他者からの評価を高める意味でも、謙遜をする価値があるとも言えます。

「謙遜」を意味する英単語には、“modesty、humility、humble”などがあり、“be modest、be humble”で謙遜しているを意味します。

謙遜家・謙遜する人は“a modest person”と表現します。

4-3. 「ご謙遜を」に当たる英語の表現

「ご謙遜を」に当たる英語の表現

例文1:You are always so(too) modest.

例文2:You are depreciating yourself. You are self-depreciation.

例文3:You have always an unassuming attitude.

(あなたはいつもご自分について謙遜しています。)

5. 「ご謙遜を」を用いた返事の返し方

「ご謙遜を」を用いた返事の返し方

「ご謙遜を」という言葉を用いた返事の返し方は、基本的に「自分の能力・魅力・存在価値を実際以上にへりくだって見せている相手」や「実力はあるのに自信のある態度を取らない控えめな相手」に対して返すということになります。

自信満々な発言をする人や自己肯定感(自己顕示欲求)が非常に強い人に対しては、「ご謙遜を」という返事を返すことは通常ありません。

5-1. 自分の実力・業績を謙遜してへりくだる相手に「ご謙遜を」で返す

自分の実力・業績を謙遜してへりくだる相手に「ご謙遜を」で返す

ご謙遜は「そんなことございません。

またまた、ご謙遜を(なされているのですね)」という文章の定形的な形で返事に使われることが多くなっています。

2つほど「ご謙遜を」の返事をする会話のやり取りを示します。

絵画の作品を巡る会話

絵画の作品を巡る会話

Aさん「この絵画は大きな賞を取ってもおかしくないくらいの素晴らしい出来栄えですね」

Bさん「そんなことないですよ。

私の絵は下手の横好き、暇人の趣味みたいなものでして、とてもプロの画家の作品と並べられるような代物ではありませんから」

Aさん「いえ、プロの画家から見ても十分に評価に値するご作品だと思いますよ。またまた、ご謙遜を」

仕事の努力や成果を巡る会話

仕事の努力や成果を巡る会話

Aさん「今回のプロジェクトでは、Bさんの素晴らしい仕事によってこんなに素晴らしい成果を出せたのですね」

Bさん「そんなことはないです。私なんてまだまだ若輩者でして、大した仕事は何もできていないのですから」

Aさん「いえ、Bさんの才能や頑張りがなければここまでの成果は出せなかったと思います。

またまた、ご謙遜を」

5-2. 謙遜してくる相手に対する「ご謙遜を以外の返事」の返し方

謙遜してくる相手に対する「ご謙遜を以外の返事」の返し方

謙遜してくる相手に対して、「ご謙遜を以外の返事」を返したい、できれば謙遜する相手を喜ばせて上げたいという場合には、「表面的な相手の言葉」ではなく、「表面的な言葉に出てきていない相手の背景・心理状態」を推測してコミュニケーションする「プロセスリフレーミング」と呼ばれるコミュニケーション手法を使うと良いかもしれません。

例えば、素晴らしい仕事の実績を褒めた時に、「私なんてまだまだ未熟者で実力もないですから」と謙遜された時には、相手の表面的な言葉に出てきていない「理想の仕事状態のレベルの高さ」を意識して、「○○さんの求められている仕事のクオリティーはとても高いのですね。

そのお陰で私たちはいつも助かっています」と返すのがプロセスリフレーミングになります。

あるいは、「もう年ですから大した仕事もできません」と謙遜された場合にも、プロセスリフレーミングで「○○さんの長年の経験に裏打ちされた一つ一つのお仕事が本当に勉強になるんです。

いつもありがとうございます」という形で「ご謙遜を以外の返事」を返すことができます。

まとめ

まとめ

「ご謙遜を」という言葉の「意味・用い方・類語・英語・例文」などを詳しく解説してきましたが、いかがだったでしょうか。

「謙遜」という言葉には「へりくだること・控え目な態度をとること」や「へりくだって自分の立場や能力を低く見せているさま」という意味があります。

「ご謙遜を」は話し言葉で用いられる慣用句の一種であり、「今日は素晴らしいご活躍でしたね」「いえ、自分なんてまだまだ未熟者です」「またまた、ご謙遜を」といった定形的な会話の流れで用いられやすくなっています。

「ご謙遜を」という言葉について調べたい時には、この記事を参考にしてみて下さい。

「ご謙遜を」を用いた返事の返し方

「ご謙遜を」という言葉を用いた返事の返し方は、基本的に「自分の能力・魅力・存在価値を実際以上にへりくだって見せている相手」や「実力はあるのに自信のある態度を取らない控えめな相手」に対して返すということになります。

自信満々な発言をする人や自己肯定感(自己顕示欲求)が非常に強い人に対しては、「ご謙遜を」という返事を返すことは通常ありません。

5-1. 自分の実力・業績を謙遜してへりくだる相手に「ご謙遜を」で返す

自分の実力・業績を謙遜してへりくだる相手に「ご謙遜を」で返す

ご謙遜は「そんなことございません。

またまた、ご謙遜を(なされているのですね)」という文章の定形的な形で返事に使われることが多くなっています。

2つほど「ご謙遜を」の返事をする会話のやり取りを示します。

絵画の作品を巡る会話

絵画の作品を巡る会話

Aさん「この絵画は大きな賞を取ってもおかしくないくらいの素晴らしい出来栄えですね」

Bさん「そんなことないですよ。

私の絵は下手の横好き、暇人の趣味みたいなものでして、とてもプロの画家の作品と並べられるような代物ではありませんから」

Aさん「いえ、プロの画家から見ても十分に評価に値するご作品だと思いますよ。またまた、ご謙遜を」

仕事の努力や成果を巡る会話

仕事の努力や成果を巡る会話

Aさん「今回のプロジェクトでは、Bさんの素晴らしい仕事によってこんなに素晴らしい成果を出せたのですね」

Bさん「そんなことはないです。私なんてまだまだ若輩者でして、大した仕事は何もできていないのですから」

Aさん「いえ、Bさんの才能や頑張りがなければここまでの成果は出せなかったと思います。

またまた、ご謙遜を」

5-2. 謙遜してくる相手に対する「ご謙遜を以外の返事」の返し方

謙遜してくる相手に対する「ご謙遜を以外の返事」の返し方

謙遜してくる相手に対して、「ご謙遜を以外の返事」を返したい、できれば謙遜する相手を喜ばせて上げたいという場合には、「表面的な相手の言葉」ではなく、「表面的な言葉に出てきていない相手の背景・心理状態」を推測してコミュニケーションする「プロセスリフレーミング」と呼ばれるコミュニケーション手法を使うと良いかもしれません。

例えば、素晴らしい仕事の実績を褒めた時に、「私なんてまだまだ未熟者で実力もないですから」と謙遜された時には、相手の表面的な言葉に出てきていない「理想の仕事状態のレベルの高さ」を意識して、「○○さんの求められている仕事のクオリティーはとても高いのですね。

そのお陰で私たちはいつも助かっています」と返すのがプロセスリフレーミングになります。

あるいは、「もう年ですから大した仕事もできません」と謙遜された場合にも、プロセスリフレーミングで「○○さんの長年の経験に裏打ちされた一つ一つのお仕事が本当に勉強になるんです。

いつもありがとうございます」という形で「ご謙遜を以外の返事」を返すことができます。

まとめ

「ご謙遜を」という言葉の「意味・用い方・類語・英語・例文」などを詳しく解説してきましたが、いかがだったでしょうか。

「謙遜」という言葉には「へりくだること・控え目な態度をとること」や「へりくだって自分の立場や能力を低く見せているさま」という意味があります。

「ご謙遜を」は話し言葉で用いられる慣用句の一種であり、「今日は素晴らしいご活躍でしたね」「いえ、自分なんてまだまだ未熟者です」「またまた、ご謙遜を」といった定形的な会話の流れで用いられやすくなっています。

「ご謙遜を」という言葉について調べたい時には、この記事を参考にしてみて下さい。

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この記事は2021年02月11日に更新されました。

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