野原に、道のわきに、その元気な姿を見せてくれるタンポポ。
都会の植え込みの中にも自生するような生命力旺盛な花で、息つく間もなく会社勤めをしている人でもタンポポを発見して目をなごませることはあるはず。
しかし雑多に生えているようで実は種類が豊富で、中には花の色が真っ白だったり、赤橙だったりするタンポポもあります。
また、花言葉は生き生きした黄色の花弁のイメージと、綿毛になった時の儚さの両方を併せ持っています。
今回は、知っているようで知らないタンポポのことをご紹介します。
- タンポポとはどんな花?
- タンポポの花言葉
- タンポポの育て方や注意点
- タンポポの名前の由来
- タンポポの開花時期
- 種類(原種、園芸品種)
- タンポポの利用法
- 身近な花だからこそ、改めてタンポポを見直そう
1. タンポポとはどんな花?
タンポポは、キク科タンポポ属の花です。
ユーラシア大陸を中心として自生していることが大半ですので、アメリカ大陸などではあまり目にする花ではありません。
大多数のタンポポは花は黄色、葉は地面に対して平行に伸びるロゼット型です。
根は50センチにまで達し、大きな株では1メートルにもなることがあります。
特徴として、秋になると綿毛になるということが挙げられます。
タンポポの花弁は、「舌弁花」という花びらです。
舌弁花は一枚一枚に子房を持ち、その上に毛状の突起の「冠毛」が生えています。
子房が熟したころ、冠毛は乾燥白く変化します。
これが綿毛です。
タンポポの他には同じキク科花、例えばアザミなどに見られます。
2. タンポポの花言葉
タンポポは花が咲いている時と綿毛の時のイメージが全く異なります。
そのため、花言葉もいくつかあり、がらりと違った印象になっています。
どちらかというと、神秘的な綿毛のイメージで連想された花言葉が多いです。
2-1. 愛の神託
ヨーロッパでは、綿毛を飛ばして恋占いをしていたようです。
恋に恋する乙女たちが、野原のタンポポを摘んで綿毛を飛ばし合っていたのでしょうね。
2-2. 別離
綿毛が風に飛び、散り散りになってしまう様から、別れをイメージする花言葉も持ちます。
しかし、タンポポの別れは新たな芽吹きのチャンス。
別れだったとしてもそれは暗いイメージではないでしょう。
2-3. 神のお告げ
これも綿毛で占いなどを行ってきた歴史からついた花言葉です。
タンポポの歴史は大変古く、ひょっとしたら神事に使われたこともあったのかもしれませんね。
2-4. 真心の愛
最後に、黄色い花のイメージの花言葉です。
その大らかで無垢な花は、真正面からぶつかってくる純粋な愛を感じさせます。
3. タンポポの育て方や注意点
タンポポは観賞用としても歴史があります。
ただし、種類が二種類あり、日本の在来種を二ホンタンポポ、ヨーロッパ原産のものを西洋タンポポと言います。
2種は花の下の総苞片で区別することができ、総苞片が閉じていれば二ホンタンポポ、反り返ったものがセイヨウタンポポです。
観賞用として育てられてきたのは、主にセイヨウタンポポです。
3-1. 観賞用の西洋タンポポについて
持ち込まれたのは明治ごろと言われています。
育て方は大変簡単で、2月から3月くらいに二当たりのいい場所に植え付けを行った後は、ほぼ放置して大丈夫です。
非常に強く、害虫などに関しても特に気を付けることはないでしょう。
ただし、花つきが悪いと感じたら追肥をするなどして様子を見ると、元気な花が咲き乱れることでしょう。
また、どんなに丈夫と言っても真夏の直射日光に長期間当てるのは危険です。
鉢の場合は半日陰などに場所を移し、地面に植えた場合は日陰を作ってやりましょう。
4. タンポポの名前の由来
日本でのタンポポの歴史は古く、江戸時代には「ツヅミグサ」と呼ばれ親しまれていたようです。
ツヅミとは鼓、タイコのこと。
その後、幼児が太鼓のことを表す「タンポポ」という言葉が、そのまま花の名前になったと言われています。
なお、英語名はダンデライオンです。
フランスの「ライオンの歯」という言葉が由来となり、タンポポの花ではなくギザギザした葉のことを形容した名前です。
また、フランス語では「ピサンリ」と言うそうです。
タンポポには利尿作用のあるのですが、そこから「おねしょ」というユニークな名前が付けられました。
5. タンポポの開花時期
年中かわいらしい姿を見せているイメージのタンポポですが、ここでも二ホンタンポポとセイヨウタンポポで違いがみられます。
セイヨウタンポポは一年中発芽、開花します。
よって、いつでも目を楽しませてくれる存在として親しまれてきました。
対して二ホンタンポポは3月~5月くらいの春先だけの開花で、あまり長い開花時期を持つ花ではありません。
なお、セイヨウタンポポは種子を作るのも一年中行います。
繁殖力に優れた上に開花時期も通年ですから、日常風景を彩る花と言えます。
6. 種類(原種、園芸品種)
タンポポは多岐に渡る種類が存在します。
在来種と外来種、またその交配種で、その数は学説により230以上ともいわれます。
今回は、よく目にするほんの一部の自生種についてご紹介します。
6-1. カントウタンポポ
日本の在来種で、関東を中心に分布しています。
6-2. エゾタンポポ
北日本から日本海側の二ホンタンポポはこのエゾタンポポです。
大きく広がった葉を持ちます。
6-3. カンサイタンポポ
カントウタンポポに対し、西日本で見られる二ホンタンポポはこのカンサイタンポポです。
小さく可憐な花を付けます。
6-4. シロバナタンポポ
このシロバナタンポポは黄色ではなく、白い花を付けます。
別名トウカイタンポポとも言い、その名の通り関東から西に沿って自生します。
6-5. コウリンタンポポ
ヨーロッパ原産のタンポポなのですが、その後日本に自生した「帰化植物」として根付いています。
花は赤橙の色をしており、従来のタンポポとはまた違ったイメージの品種です。
6-6. セイヨウタンポポ
現在、日本の自生しているタンポポの8割を占めるという外来種のタンポポです。
在来種の二ホンタンポポより花が大きめです。
セイヨウタンポポは芽吹き、開花、繁殖時期が通年行えるため、繁殖力が大変強く、二ホンタンポポを圧倒しています。
そのため逆に在来種のタンポポを見たければ、少し山間の神社や人里離れた野原など外来種の影響が少ない環境に行く必要があると言えます。
6-7. アカミタンポポ
ヨーロッパ原産のタンポポで、葉に切れ込みが多いのが特徴です。
主に都市部に自生し、セイヨウタンポポに次いで見かけることが多い品種です。
7. タンポポの利用法
セイヨウタンポポは東ヨーロッパや中東では食用やハーブなどとしても利用されています。
サラダなどの生食でも食べられていますし、根を炒ってコーヒーにした「たんぽぽコーヒー」なども有名です。
最近ではエキスをサプリメントで摂取することもできるようになり、その生命力の強さがうかがい知れます。
また、フランスではタンポポの葉を料理にも使うことも多く、その苦みが珍重されています。
通常のセイヨウタンポポは苦みが大変強く、日が当たらないように育成した「ピサンリ・ブラン」は苦みが弱く食べやすいタンポポの葉です。
更に、タンポポからワインを作ったり、生薬として用いたりもします。
珍しいところでは、ロシアンタンポポという種類のタンポポにゴムの原材料となる成分が含まれているため、タンポポからタイヤを作るなどといった用途でも使用されています。
8. 身近な花だからこそ、改めてタンポポを見直そう
あまりにも目にするため、気にも留めたことのない花という位置づけのタンポポ。
しかし仮にタンポポの無い街があったとするなら、とても殺風景で、寒々しい印象になるはずです。
雑草として無下に扱うのではなく、たまには足を止めて、その生命力に想いを馳せてみるのも良いかもしれません。
3. タンポポの育て方や注意点
タンポポは観賞用としても歴史があります。
ただし、種類が二種類あり、日本の在来種を二ホンタンポポ、ヨーロッパ原産のものを西洋タンポポと言います。
2種は花の下の総苞片で区別することができ、総苞片が閉じていれば二ホンタンポポ、反り返ったものがセイヨウタンポポです。
観賞用として育てられてきたのは、主にセイヨウタンポポです。
3-1. 観賞用の西洋タンポポについて
持ち込まれたのは明治ごろと言われています。
育て方は大変簡単で、2月から3月くらいに二当たりのいい場所に植え付けを行った後は、ほぼ放置して大丈夫です。
非常に強く、害虫などに関しても特に気を付けることはないでしょう。
ただし、花つきが悪いと感じたら追肥をするなどして様子を見ると、元気な花が咲き乱れることでしょう。
また、どんなに丈夫と言っても真夏の直射日光に長期間当てるのは危険です。
鉢の場合は半日陰などに場所を移し、地面に植えた場合は日陰を作ってやりましょう。
4. タンポポの名前の由来
日本でのタンポポの歴史は古く、江戸時代には「ツヅミグサ」と呼ばれ親しまれていたようです。
ツヅミとは鼓、タイコのこと。
その後、幼児が太鼓のことを表す「タンポポ」という言葉が、そのまま花の名前になったと言われています。
なお、英語名はダンデライオンです。
フランスの「ライオンの歯」という言葉が由来となり、タンポポの花ではなくギザギザした葉のことを形容した名前です。
また、フランス語では「ピサンリ」と言うそうです。
タンポポには利尿作用のあるのですが、そこから「おねしょ」というユニークな名前が付けられました。
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