百合には数多くの種類がありますが、ヤマユリは白い花弁に赤い斑点があるのが特徴で、香りがとても良い百合です。
球根ですから、花が咲いた後にお礼肥えをしておけば、毎年咲いてくれる花。丈夫さもあるので、球根が良ければ家の庭でも割りと簡単に咲かせることが出来ます。
それでは、そんなヤマユリについて、花言葉や栽培方法等を見て行きたいと思います。
- ヤマユリとはどんな花?
- ヤマユリの花言葉
- ヤマユリの育て方や注意点
- ヤマユリの名前の由来
- 種類(原種・園芸種)
- まとめ
1. ヤマユリとはどんな花?
1-1. ヤマユリとはどんな花1
先程、白い花弁に赤い斑点が特徴と書きましたが、中には斑点の無い「白星(しろぼし)」と呼ばれる品種や、赤い筋が通っている「紅筋(べにすじ)」と呼ばれる品種もあります。
このような品種も数は少ないのですが販売されています。
ヤマユリはその名の通り、本州の平地から山地に分布して自生しており、日当たりの良い場所よりは半日陰を好むので、大樹の下などで咲いていることが多いです。
しかし、近畿地方以西にはあまり見られません。
1-2. ヤマユリとはどんな花2
家庭では庭の東側や西側、または木の陰になるような場所に植えましょう。
ただ、良い球根を買わないと茎は伸びても花が咲かないこともあるので、そう言う場合は翌年の為に肥料をやり、念の為別の店で4~5月頃に茎が30cm位育った苗を買っておくと良いでしょう。
育てやすさとしては、中級者向けと言ったところで、1輪2輪の花は咲かせることが出来ますが、なかなか沢山の花を付けるまで育てるのは難しいです。
開花時期は7~8月です。
茎は120cm~200cmと高く育ち、花は花径20cm以上もあるのでとても華やかです。
沢山の花を咲かせるまでは5~6年掛かるので、大きく育つまでは4月から花の終わる9月まで肥料をやると良いです。
2. ヤマユリの花言葉
2-1. 「人生の楽しみ」
この花言葉は、ヤマユリの甘く強い香りから付いた花言葉と言われています。
ヤマユリは百合の王様と言われる程立派な姿をしていると共に、「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」と、美しい女性を表す言葉の中にも使われています。
その上良い香りがするので、人生の楽しみを謳歌するという意味となるでしょう。
2-2. 「威厳・荘厳」
これは、高さ1m以上、花径も20cm強もあるヤマユリの姿を見れば自然とわかる花言葉でしょう。
そして離れた所からもわかる高貴な香りから、百合の王様として相応しい花言葉と言えるでしょう。
2-3. 「純潔・無垢」
こちらは「・・・歩く姿は百合の花」から来たと考えて良い花言葉でしょう。
百合の花は風にゆらゆらと揺れる様子から「ゆり」と名付けられたと言います。
そのたおやかな姿から付けられた花言葉でしょう。
可憐な女性に贈るのに適した花と言えますね。
3. ヤマユリの育て方や注意点
3-1. ヤマユリは、鉢植えの場合は午前中がひなたで午後は日陰になる場所か、1日中半日陰の場所で育てます
日当りの良い場所なら、7~9月までは30~50%遮光をしてやります。
庭植えの場合は落葉樹の下等が適しています。
3-2. ヤマユリは連作障害を起こしやす
以前に百合を植えていた場所に植える場合は、土を入れ替え下さい。
3-3. 水やりは土の表面が乾いたら充分に与えます
肥料は植える時に球根の下5cm程の所にリン酸カリウムを主とした緩効性化成肥料を2つまみ位土に混ぜます。
芽が地表に出たら6月頃までに2~3回、三要素等量配合の緩効性化成肥料をやります。
そして、花が散った後はリン酸カリウム主体の液体肥料を2,000倍に薄めて週に1回やります。
しかし、これは専門的で大変でしょうから、植えつける時に「肥料入りの培養土」を使えば元肥は要りません。
その後は芽が出た時と、花が終わった時の2回のタイミングで液体肥料を2週間に一度上げて下さい。
3-4. 病気・害虫
ウイルス病:
アブラムシに依って感染します。
ユリ全体に広がる病気で治ることはないので、周囲の土と共に処分して下さい。
球根腐敗病:これは、球根を保管している時に発生します。
球根に茶色の斑点が出来て、球根自体が柔らかくなり腐ってしまう病気です。
購入時には良く球根を見て、斑点がある物は避けましょう。
アブラムシ
1年中発生しますので、取り除くか、アブラムシ用の殺虫剤を掛けて下さい。
植え替え:植え替えは2~3月に行います
庭植えの場合、3~4年に1回植え替えをして、新しい土で育てます。
球根の高さの3倍の深さに土を掘ってそこに球根を植え、上から土をかぶせます。
支柱立て
5月位になったら根元から10cm程離れた所に支柱を立ててやります。
4. ヤマユリの名前の由来
ヤマユリの名前の由来は、正に本州の山の中で縄文時代から自生していた百合だったことから付いた名前です。
「ヤマ」は「野生の」と言った意味合いを持っているようです。
ただ、ヤマユリという名前が見られるのは明治時代以降とされているので、それまでは野生で見られる百合の1つとして見られていたのかもしれません。
5. 種類(原種・園芸種)
日本には10種類以上の百合が自生していますが、実はその中でヤマユリは園芸的に見て大変重要な百合の原種です。
5-1. 原種1ヤマユリ
5-2. 原種2サクユリ(タメトモユリ)
これは、伊豆諸島にだけ見られる特別な種類で、ヤマユリの変種とされています。
草原や林の中で見られます。
開花時期は7~8月で、花径はヤマユリよりも大きい30cm強もあります。
また、ヤマユリよりも丈夫なので育てやすいかもしれません。
5-3. 原種3カノコユリ
ヤマユリが近畿地方以北で多く見られるのに対し、カノコユリは四国・九州・台湾・中国南部で見られます。
開花時期は8月です。
ヤマユリよりも丈夫で、日当たりもヤマユリよりも好みます。
5-4. 原種4タモトユリ
鹿児島県のトカラ列島の中の口之島固有の百合で、袂が浦という断崖にのみ自生していました。
昭和28年に県指定天然記念物に指定されましたが、タモトユリは乱獲の為に野生の物は絶滅し、現在は地元の人々が保護及び増殖活動を行っています。
5-5. キカノコユリ
中国中部の標高700~1,000mの山の斜面に自生しています。
開花時期は7月です。
5-6. 園芸品種1カノコユリ”内田”
カノコユリの園芸品種。
園芸店で売られているカノコユリは、このカノコユリ”内田”です。
5-7. 園芸品種2ブラック・ビューティー
カノコユリとキカノコユリの交配種です。
名前の通り、濃い赤、または濃いエンジやショッキングピンクの色の濃い百合で、花弁が後ろに向かって丸々まって咲く物もあります。
時に「濃色カノコユリ」という名前で販売されています。
5-8. 園芸品種3カサブランカ
お馴染みの白くて大きな百合ですね。
これもヤマユリを母種として作られた物です。
花言葉の中の「純潔・無垢」を象徴するような百合で、花嫁がブーケとして持つことも多いですね。
まとめ
ヤマユリはその見た目の豪華さと良い香りで人気のある品種です。
縄文時代から、球根は食用にされていたようで(百合根)、遥か古代から日本固有の百合です。
明治時代の1873年、ウィーン万博に出品された際には、花の大きさと芳香がヨーロッパで注目され、大正時代までにヤマユリの球根は万の単位で毎年ヨーロッパへ輸出されていた歴史もあります。
また、「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」はこれらの植物が婦人病に効果があるという意味も含んでいます。
芍薬は冷え性や月経不順、産後の疲労回復に、牡丹は月経困難や便秘に、そして百合は乳腺炎等炎症に効能があるとされています。
大昔から私達と一緒にいたヤマユリを、もっと身近に感じてみませんか。
3. ヤマユリの育て方や注意点
3-1. ヤマユリは、鉢植えの場合は午前中がひなたで午後は日陰になる場所か、1日中半日陰の場所で育てます
日当りの良い場所なら、7~9月までは30~50%遮光をしてやります。
庭植えの場合は落葉樹の下等が適しています。
3-2. ヤマユリは連作障害を起こしやす
以前に百合を植えていた場所に植える場合は、土を入れ替え下さい。
3-3. 水やりは土の表面が乾いたら充分に与えます
肥料は植える時に球根の下5cm程の所にリン酸カリウムを主とした緩効性化成肥料を2つまみ位土に混ぜます。
芽が地表に出たら6月頃までに2~3回、三要素等量配合の緩効性化成肥料をやります。
そして、花が散った後はリン酸カリウム主体の液体肥料を2,000倍に薄めて週に1回やります。
しかし、これは専門的で大変でしょうから、植えつける時に「肥料入りの培養土」を使えば元肥は要りません。
その後は芽が出た時と、花が終わった時の2回のタイミングで液体肥料を2週間に一度上げて下さい。
3-4. 病気・害虫
ウイルス病:
アブラムシに依って感染します。
ユリ全体に広がる病気で治ることはないので、周囲の土と共に処分して下さい。
球根腐敗病:これは、球根を保管している時に発生します。
球根に茶色の斑点が出来て、球根自体が柔らかくなり腐ってしまう病気です。
購入時には良く球根を見て、斑点がある物は避けましょう。
アブラムシ
1年中発生しますので、取り除くか、アブラムシ用の殺虫剤を掛けて下さい。
植え替え:植え替えは2~3月に行います
庭植えの場合、3~4年に1回植え替えをして、新しい土で育てます。
球根の高さの3倍の深さに土を掘ってそこに球根を植え、上から土をかぶせます。
支柱立て
5月位になったら根元から10cm程離れた所に支柱を立ててやります。
4. ヤマユリの名前の由来
ヤマユリの名前の由来は、正に本州の山の中で縄文時代から自生していた百合だったことから付いた名前です。
「ヤマ」は「野生の」と言った意味合いを持っているようです。
ただ、ヤマユリという名前が見られるのは明治時代以降とされているので、それまでは野生で見られる百合の1つとして見られていたのかもしれません。
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