ビジネス(値引き・昇給)でも人間関係でも、自分と相手の条件を突き合わせたりすり合わせたりする「交渉」が重要な場面が多くあります。
交渉をするからには「成功」と呼べる結果を得たいものですが、自分にとって少しでも有利な条件を相手に受け入れてもらうには、どのような交渉方法を心がければ良いのでしょうか。
それでは、「交渉を成功へと導くコツ」について解説していきます。
- 最初に「自分が希望する条件」をまず提示しましょう
- バカバカしくない程度に「強気な条件」をまず提示しましょう
- 交渉に必要な情報・知識のリサーチをしておく
- 自分の交渉ペースを崩さないようにする
- 交渉における具体的な目標となる「成功の基準(数字)」を設定しておく
- 「二者択一型の交渉」ではなく「複数選択型の交渉」を意識する
- 本番の交渉の「相手側からの要求・条件」を想定したシミュレーションをしておく
- 相手の要求している条件の本質を見抜く
- 相手がどこまで要求水準(提示金額)を下げられるかを見抜く
- 他の選択肢と比較して相手に条件を突きつけてみる
- 自分が妥協できる「最低ライン」よりはかなり上の条件を提示してみる
- 相手がメリットを感じそうな「追加条件(付加価値)」を提示してみる
- 「冷静な判断・口調」を心がけて動揺(焦り)を相手に悟られないようにする
- 客観的に自分と相手の交渉のパワーバランスを分析する
- 最終的な結果を焦って求めずに「スモールステップ」で条件を詰めていく
- 相手が「絶対に欲しい条件」が分かっているなら先に受け入れてみる
- 自分と継続的な関係を持つことのメリットを強調する
- 「マイナスの条件」を先に出して、「プラスの条件」を後に出すようにする
- 長期的利益を見据えて「短期のメリット」を相手に多く与える
- 時間的制約をせずに「Win-Win」の双方が得をする交渉を目指す
1. 最初に「自分が希望する条件」をまず提示しましょう
交渉の場面で、やたらと遠慮して「自分の希望する条件」をなかなか言わない人がいますが、それは交渉を失敗する原因になってしまいます。
最初に「自分が希望する条件」をまず提示することで、「アンカリング(碇・いかり)」と呼ばれる基準値として相手に認識してもらえます。
最終的にアンカリングされた前後の数字で、交渉が合意されることが多いのです。
2. バカバカしくない程度に「強気な条件」をまず提示しましょう
自分の方から条件を相手に提示する時に、弱気になって実際の希望よりも少なめの金額を提示する人も多いですが、それは間違った交渉方法です。
アンカリングの基準値を定める場合、バカバカしくない程度に「強気な条件」を提示した方が、相手はその「強気な条件に近い条件・数字」で合意してくれる可能性が上がるのです。
3. 交渉に必要な情報・知識のリサーチをしておく
交渉場面に臨む時には、何も知らない徒手空拳の状態で臨むのはおすすめできません。
「情報格差」を悪用されて、自分に不利な条件を飲まされる恐れがあるからです。
交渉を成功に導くのであれば、中古車なら中古車の相場、転職後の給与なら給与相場で「交渉しようとする問題に関する情報・知識」をしっかりリサーチ(下調べ)しておく必要があります。
4. 自分の交渉ペースを崩さないようにする
交渉の対象に関する情報・知識を集めて、「その交渉における成功の基準」を明確化しておくことで、冷静に自分のペースで交渉に臨めるようになります。
ここで重要なのは「相手からの極端な条件の吹っかけ・誘惑的な別の条件提示」に振り回されず、自分のペースを守って「初期の成功の基準」を達成しようとすることです。
5. 交渉における具体的な目標となる「成功の基準(数字)」を設定しておく
交渉を成功に導くためには、その交渉の目的・目標が何なのかを明確にしておかなければなりません。
転職の給与交渉であれば、現職の年収が400万で次は500万を目標にしているなら、「交渉の成功基準」は「年収500万以上」と明確化できます。
その数字よりやや多めの条件を提示して、具体的交渉をスタートさせましょう。
6. 「二者択一型の交渉」ではなく「複数選択型の交渉」を意識する
人は一つの提案に対して「賛成か反対か・採用か不採用か」の二者択一を迫られる交渉をされると、緊張して心を閉ざしやすくなります。
交渉を成功させるためには、基本的に二つ以上の企画・提案を出して、相手にどれかを選ばせるような「複数選択型の交渉」の方が良い結果を引き出しやすいのです。
7. 本番の交渉の「相手側からの要求・条件」を想定したシミュレーションをしておく
交渉を成功へと導くコツとして、本番の交渉を想定した綿密なシミュレーションやリハーサル(予行演習)を行っておくという事があります。
「相手側からAやBの要求・条件」を出された時に、自分はどのような反応や対応をするかを事前に十分に詰めておけば、本番の交渉で慌ててパニックになるようなリスクがないのです。
8. 相手の要求している条件の本質を見抜く
戦略論の古典である「孫子」では、「敵を知り己を知れば百戦して危うからず」といいます。
交渉を成功に導くためには、「敵(相手)の要求している条件の本質」について十分に知っておかなければなりません。
相手の求めている本質的な要求をある程度満たすことで、相手からの譲歩・妥協を引き出せるからです。
9. 相手がどこまで要求水準(提示金額)を下げられるかを見抜く
車や家電の購入時の価格交渉などで重要になってくるのは、やはり相手がどこまで要求水準(提示金額)を下げられるかを的確に見抜くことです。
300万円の車の、ディーラー側の最大値下げ価格が260万円なら、200万円などの極端な値引き交渉をしても意味がありません。
260万円の下限を見抜いた上で交渉すれば、その前後で良い結果を得られるのです。
10. 他の選択肢と比較して相手に条件を突きつけてみる
ビジネスの交渉や値引きの交渉で、相手が最も恐れるのは「競合他社に案件を奪われること」でしょう。
家電の値引き交渉は特に有名ですが、自社で20万円のPCが本当に他社で18万円で売られている情報を出されれば、それ以下まで下げてくれる可能性があります。
他の選択肢との「具体的な比較条件」を出してみましょう。
11. 自分が妥協できる「最低ライン」よりはかなり上の条件を提示してみる
交渉を成功に導くためには、自分にとって「最低ライン以上の結果」を出す必要があります。
自分が妥協できる「最低ライン(価格・条件等)」を、まずは正確に認識することが必要です。
その上で、最低ラインよりはかなり上の条件を提示して、相手の出方を見ながら、少しでも良い条件でクロージング(交渉締結)していきましょう。
12. 相手がメリットを感じそうな「追加条件(付加価値)」を提示してみる
交渉が思い通りに進まない時には、自分の利益ばかりを考えて相手にほとんど利益がないことが多いのです。
交渉を少しでも成功に近づけるためには、相手がメリットを感じそうな「追加条件(付加価値)」を提示してみましょう。
価格面で若干の妥協をしたり、交渉締結時に追加的な特典を与えたりしても良いでしょう。
13. 「冷静な判断・口調」を心がけて動揺(焦り)を相手に悟られないようにする
交渉は興奮して焦った方が損をする可能性が高いのです。
重要な交渉に臨む時ほど、「冷静な判断・口調」を心がけるようにして、自分の本心が見透かされないようにしましょう。
「動揺(焦り)」を相手に悟られれば、相手のペースに飲まれますから、つらい状況ほど努めて冷静に振る舞い、「自分側の条件」を淡々と出していきましょう。
14. 客観的に自分と相手の交渉のパワーバランスを分析する
ハッタリだけで全ての交渉を成功させられるほど、世の中やビジネスは甘くありません。
圧倒的に相手の実力やスキルが上の場合には、交渉の目標とする条件・数字を現実的なものに修正すべきです。
交渉で大失敗を避けるには、客観的に自分と相手の交渉のパワーバランスを分析することが必要なのです。
15. 最終的な結果を焦って求めずに「スモールステップ」で条件を詰めていく
今すぐに最高の交渉結果を得ようとして焦ってしまうと、相手に足元を見透かされて逆に不利な条件を飲まされやすくなります。
最終的な目標を見据えながら、少しずつ段階的に良い条件を突きつけていく「スモールステップ」の戦術で、交渉条件をじわじわと詰めていきましょう。
16. 相手が「絶対に欲しい条件」が分かっているなら先に受け入れてみる
交渉では、初めに出した「インパクトのある情報」に影響を受けやすいという「初頭効果」が働きます。
相手が「絶対に欲しい条件」が分かっているなら、もったいぶらずに先に「その条件なら飲めますよ」と返事をしましょう。
初頭効果によって、その後の交渉を自分のペースでリードしやすくなるでしょう。
17. 自分と継続的な関係を持つことのメリットを強調する
「一回限りの交渉」であれば、相手は最大限の利益をあなたから引き出そうとしますが、「継続的な関係のメリットがある交渉」であれば、そこまで強欲に利益を取りに来ようとはしません。
自分との継続的関係のメリットを強調して、相手の妥協を引き出しましょう。
18. 「マイナスの条件」を先に出して、「プラスの条件」を後に出すようにする
交渉において、相手にメリットがある「プラスの条件」とデメリットがある「マイナスの条件」がある場合には、伝える順番が重要になります。
「マイナスの条件」を先に出して「プラスの条件」を後に出すと、「親近化効果」によって後に聞いたプラスの条件が意識に残るので交渉がスムーズに行きやすいのです。
19. 長期的利益を見据えて「短期のメリット」を相手に多く与える
交渉で重要なのは「小さな短期的利益」よりも「大きな長期的利益」です。
より視野を広く持って、「短期のメリット」を相手に多く与えて満足させながら、自分は「大きな長期的利益の獲得」を目標にしましょう。
「10を与えて100を取る戦略」が、交渉を成功に導くのです。
20. 時間的制約をせずに「Win-Win」の双方が得をする交渉を目指す
究極の交渉の成功原則は、自分も相手も利益を得て双方が満足するという「Win-Winの交渉・関係」になります。
自分さえ良ければいいという強引な交渉は、結局、相手との関係性を破綻させてすぐに利益が得られなくなります。
時間制限を設けずに、相手と利益を分け合うようなWin-Winの交渉を展開させていきましょう。
- 最初に「自分が希望する条件」をまず提示しましょう
- バカバカしくない程度に「強気な条件」をまず提示しましょう
- 交渉に必要な情報・知識のリサーチをしておく
- 自分の交渉ペースを崩さないようにする
- 交渉における具体的な目標となる「成功の基準(数字)」を設定しておく
- 「二者択一型の交渉」ではなく「複数選択型の交渉」を意識する
- 本番の交渉の「相手側からの要求・条件」を想定したシミュレーションをしておく
- 相手の要求している条件の本質を見抜く
- 相手がどこまで要求水準(提示金額)を下げられるかを見抜く
- 他の選択肢と比較して相手に条件を突きつけてみる
- 自分が妥協できる「最低ライン」よりはかなり上の条件を提示してみる
- 相手がメリットを感じそうな「追加条件(付加価値)」を提示してみる
- 「冷静な判断・口調」を心がけて動揺(焦り)を相手に悟られないようにする
- 客観的に自分と相手の交渉のパワーバランスを分析する
- 最終的な結果を焦って求めずに「スモールステップ」で条件を詰めていく
- 相手が「絶対に欲しい条件」が分かっているなら先に受け入れてみる
- 自分と継続的な関係を持つことのメリットを強調する
- 「マイナスの条件」を先に出して、「プラスの条件」を後に出すようにする
- 長期的利益を見据えて「短期のメリット」を相手に多く与える
- 時間的制約をせずに「Win-Win」の双方が得をする交渉を目指す
8. 相手の要求している条件の本質を見抜く
戦略論の古典である「孫子」では、「敵を知り己を知れば百戦して危うからず」といいます。
交渉を成功に導くためには、「敵(相手)の要求している条件の本質」について十分に知っておかなければなりません。
相手の求めている本質的な要求をある程度満たすことで、相手からの譲歩・妥協を引き出せるからです。
9. 相手がどこまで要求水準(提示金額)を下げられるかを見抜く
車や家電の購入時の価格交渉などで重要になってくるのは、やはり相手がどこまで要求水準(提示金額)を下げられるかを的確に見抜くことです。
300万円の車の、ディーラー側の最大値下げ価格が260万円なら、200万円などの極端な値引き交渉をしても意味がありません。
260万円の下限を見抜いた上で交渉すれば、その前後で良い結果を得られるのです。
10. 他の選択肢と比較して相手に条件を突きつけてみる
ビジネスの交渉や値引きの交渉で、相手が最も恐れるのは「競合他社に案件を奪われること」でしょう。
家電の値引き交渉は特に有名ですが、自社で20万円のPCが本当に他社で18万円で売られている情報を出されれば、それ以下まで下げてくれる可能性があります。
他の選択肢との「具体的な比較条件」を出してみましょう。
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