勉強・仕事においてもコミュニケーションにおいても、「記憶力」は非常に重要なものですが、「記憶力を高める方法」にはどのようなものがあるのでしょうか。
記憶力を高める方法について紹介していきます。
- 「感情的刺激」を記憶と結びつけるトレーニング
- 「空間的刺激」を記憶と結びつけるトレーニング
- 部屋を綺麗に整理整頓する習慣
- 「質の良い睡眠(レム睡眠)」を毎日規則正しく取る習慣
- 人とコミュニケーションを頻繁に取るようにする
- 精神的ストレスを溜め込まずに音楽などを聞いてリラックスする
- 色々な物事に知的好奇心を持つようにする
- 1ヶ月以内に同じ内容の学習・記憶を繰り返す
- 学習に使用するテキストは一種類に絞り込む
- 食生活改善で記憶力を高める食べ物
- サプリメントで記憶力を高める
- 作業興奮を活用する
- まとめ
1. 「感情的刺激」を記憶と結びつけるトレーニング
人間は喜怒哀楽の強い感情を感じた時の内容を、より良く記憶することができます。
過去に受けた虐待・喪失・暴力などのトラウマ記憶(心的外傷記憶)は、一般の記憶よりも長く残りますが、その理由も「強い感情と結びついた記憶」だからです。
トラウマのような苦痛な記憶だけではなく、「感動体験・成功体験」のような強い喜び・楽しさを伴う記憶も長く記憶されることになります。
記憶力を高めるためには、「学ぶ感動・面白さ・楽しさ」をできるだけ強く多く感じることが大切になってきます。
今までできなかった数学・理科の問題が解けた時には、少し大げさなくらいに「やった~」と声を出すくらい喜んでみても良いでしょう。
歴史を学ぶ時には、歴史上の登場人物や国家・民族に感情移入しながら、歴史を一つの物語のようにして感動を交えて学ぶと記憶力が高まります。
2. 「空間的刺激」を記憶と結びつけるトレーニング
人間は「文字・文章だけの知識情報」よりも「グラフ・図・イラストのような空間性(立体感)をイメージできる情報」のほうが記憶しやすい傾向があります。
脳の中で記憶を司っている場所は「海馬(かいば)」ですが、海馬は感情的刺激だけではなくて空間的刺激でも活性化(興奮)しやすく、活性化するほどに一度記憶した内容を忘れにくくなるのです。
自分で勉強したことの内容を、「グラフ・図・イラスト」にして改めて手書きしてみることが、記憶力を高める方法として効果的なのです。
絵本のイラストと一緒に英単語を覚える時のように、「記憶・文字」と「場所・モノ(身体の部位)」を結びつけて覚えていく方法でも、空間的刺激を記憶と結び付けていくことができます。
文字(言葉)だけではなく空間的なモノがイメージできると、覚えた内容を脳にしっかりと定着させやすくなります。
3. 部屋を綺麗に整理整頓する習慣
部屋がぐちゃぐちゃに散らかっていると、注意散漫になって記憶力が低下しやすくなります。
自分の部屋なのに、どこに何が置いてあるか全く分からないという状態そのものが、記憶力低下の現れなのです。
部屋を整理整頓するためには、まず「取っておく必要な物」と「捨てても良い不必要な物」を大まかに分類しなければなりません。
取っておく必要な物についても、さらに「仕事用の物・勉強用の物・趣味用のモ物・家族用の物」などに分類していくことになりますが、この「物の整理と分類の作業」が脳の注意力・記憶力を非常に高めてくれるのです。
部屋も脳も「整理整頓+分類」をすることによって、必要な時に「必要な物・情報(記憶内容)」を素早く取り出せるようになるということです。
4. 「質の良い睡眠(レム睡眠)」を毎日規則正しく取る習慣
人間の脳は多くのエネルギーを消費する器官で、基礎代謝(安静時のエネルギー消費)の約20%程度が脳で行われています。
勉強や頭脳労働、文書作成などをやりすぎると、脳はすぐに過労状態になってしまい、「記憶力・思考力・発想力」を含めた総合的な脳機能のパフォーマンスが低下してしまうのです。
睡眠には脳を休めて脳機能を回復させる「レム睡眠」と身体を休めて筋疲労を回復させる「ノンレム睡眠」があります。
レム睡眠とノンレム睡眠は45分周期で入れ替わっていますが、記憶力を高めるためには「質の良い睡眠(レム睡眠)」を毎日規則正しく取る必要があります。
記憶力を高めるには、最適な睡眠時間である「6.5~8時間」を目安に睡眠時間を確保してください。
1日に、レム睡眠とノンレム睡眠を「5サイクル」繰り返す眠りが理想とされます。
5. 人とコミュニケーションを頻繁に取るようにする
人間の脳機能がフルに発揮される活動の一つが、「対人コミュニケーション」であるとされます。
高齢者でも、一人暮らしで他者と全くコミュニケーションを取らない人は、記憶力が低下しやすく認知症の発症リスクも何倍も高くなってしまうことが分かっています。
対人コミュニケーションをする場合には、「相手の表情・目線・ジェスチャー(身振り)」を観察して非言語的コミュニケーションも交えながら、「お互いの話す内容・話題・返事」に集中していなければなりません。
その結果、「言語野・視覚野・大脳辺縁系(情動中枢)」を中心にして脳の広範な領域が活性化されることになり、感情や経験と結びついた記憶力も強化されやすいのです。
勉強や作業だけを延々とやるのではなく、時にちょっと息休めをして、友達・家族と気軽におしゃべりをすることで記憶力も高まります。
6. 精神的ストレスを溜め込まずに音楽などを聞いてリラックスする
記憶力を低下させる要因の一つとして「精神的ストレス」があります。
人は嫌な出来事があって強い精神的ストレスを受けると、副腎皮質から抗ストレスホルモンである「コルチゾール」が分泌されますが、このコルチゾールは脳内の情報伝達活動を阻害して記憶力を低下させる副作用があります。
またあまりに強い精神的ストレスを受け続けると、記憶中枢である「海馬」が萎縮して記憶力が衰えてしまうことが動物実験の結果から分かっています。
日常生活ではできるだけ精神的ストレスを溜め込まないようにして、嫌なことがあっても次の日まで引きずらずに、「楽観的な物事の解釈」をするようにしましょう。
精神的ストレスを減らして楽観的に物事を考え、リラックスすることによって、記憶力は高まっていきます。
7. 色々な物事に知的好奇心を持つようにする
人間の脳の持つ記憶力は、自分が「自発的な興味関心」を持っているものほど覚えやすいという傾向があります。
自分がやりたいと思っていないのに、嫌々ながら仕事・勉強をしても全く成果を上げることができず、新しい物事を学んでもその内容をスムーズに記憶することができないのです。
記憶力を高める方法として、色々な物事に知的好奇心を持つようにするということがあります。
毎日のニュースを見て少し気になった出来事や情報(言葉・人物)があったら、その場でちょっとスマホで検索して調べてみるというのも立派な知的好奇心です。
人間は何かを知りたいという知的好奇心を持っている時に、心がワクワクして脳で意欲と関係するドーパミンが分泌されます。
これにより、一気に脳の記憶力が活性化されるのです。
8. 1ヶ月以内に同じ内容の学習・記憶を繰り返す
心理学では、時間経過による「中期記憶(長期記憶)の忘却」を表す曲線として、ヘルマン・エビングハウスの「忘却曲線」が知られています。
エビングハウスの忘却曲線によると、せっかく勉強しても4時間経過で「約50%の内容」を忘れて、24時間経過で「約70~80%の内容」を忘れてしまうことが分かっています。
時間経過による忘却を防ぐためには、「反復学習」が大切になってきます。
毎日毎日、反復学習をする必要まではありませんが、1ヶ月に1回は前に勉強した同じ内容を復習する形で反復学習をしましょう。
この反復学習によって記憶力が高まるのです。
9. 学習に使用するテキストは一種類に絞り込む
人間の脳は「学習・記憶の一貫性や安定性」を求める傾向があるので、一度の勉強で「同じ分野・内容に関連する複数のテキスト」を使うことはやめたほうがいいでしょう。
複数のテキストを使うと、同じ内容を説明していても、テキストごとに「微妙な説明の仕方の違い」や「本筋とは無関係な情報」が記載されていることが多く、脳が情報のインプットの際に混乱して記憶力が低下しやすいのです。
複数の類似した情報や矛盾した情報によって、脳が混乱する現象を「情報(インプット)の干渉」といいます。
一度の学習に使用するテキストを一種類に絞り込むことによって、「情報(インプット)の干渉」を抑制して記憶力を高めることができるのです。
10. 食生活改善で記憶力を高める食べ物
脳の記憶力を高めるために、「食生活の改善・工夫」も有効です。
人間は適度な空腹の状態のほうが、脳機能(記憶力)が高まりやすくなっています。
血糖値が上がって満腹になるまで食事を摂ると副交感神経(リラックス神経)優位になって、眠たくなったり記憶力が低下したりしてしまうのです。
記憶力を高めるには、血糖値の上昇速度が緩やかな「低GI食品(玄米・雑穀・葉物野菜・そば・大根など)」を中心に摂取することがおすすめです。
「青魚」に含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)・EPA(エイコサペンタエン酸)も、脳の記憶力を高めてくれます。
「納豆」も大豆レシチンが脳内の細胞間脂質を形成し、酵素ナットウキナーゼは血栓防止・血流改善の効果があるので、記憶力強化に役立つとされます。
目(網膜)の健康を守るルテインを多く含む「ほうれん草」も、記憶力と深い関係のある目の健康状態(視覚情報の処理能力)を良くしてくれます。
11. サプリメントで記憶力を高める
食品から「脳の記憶力」を高める上記の栄養を摂取してもいいのですが、より効率的に無理なく摂取したいのであれば「サプリメントの活用」もおすすめです。
脳の記憶力を高めてくれる代表的なサプリメントはやはり「DHA(ドコサヘキサエン酸)」ですが、DHAは脳内の神経伝達ネットワークを維持形成してくれる働きがあり、記憶力を含む脳機能全般のパフォーマンスと深い関わりがあるとされます。
青魚のにおいが苦手な人もDHA・EPAのサプリであれば手軽に飲むことができます。
DHAに「ビタミン類・アスタキサンチン(抗酸化物質)」が添加されていることも多いのです。
記憶力を高めるサプリとして、記憶力・集中力の入口である目の健康を守ってくれる「ルテイン・アントシアニン」もおすすめです。
目の疲れは、「脳疲労による記憶力低下」にもつながるので、適度にルテインやアントシアニンのサプリを摂取すると良いでしょう。
12. 作業興奮を活用する
勉強で記憶力を高めるために、もっとも重要なのは「モチベーション(動機づけ)・やる気の意欲」ですが、モチベーションを高めるためのもっとも簡単な方法が「とにかく実際に勉強を始めてみること」です。
実際に勉強・学習をスタートさせると、脳内の「側坐核」が活発化して「作業興奮」の状態になってきます。
作業興奮を感じている時には、「一つの物事に集中する脳のモード」に切り替わりやすく、必然的に記憶力が高まるのです。
作業興奮を活用する時には、途中で集中力が切れないように、「初めの内容を簡単なものにする・5~10分で区切りのつく内容にする」ということも大切です。
まとめ
上記で説明してきたように、記憶力を高める方法としては「感情的刺激を利用する・空間的刺激を利用する・整理整頓する・良質な睡眠を取る・対人コミュニケーションを取る・1ヶ月以内に反復学習する・食生活改善・サプリメント活用」などがあります。
どれも日常生活の中で気軽に実践できる方法ですので、記憶力を高めたい人はぜひ実践してみてください。
「記憶力を高める方法」について調べたい時には、この記事を参考にしてください。
11. サプリメントで記憶力を高める
食品から「脳の記憶力」を高める上記の栄養を摂取してもいいのですが、より効率的に無理なく摂取したいのであれば「サプリメントの活用」もおすすめです。
脳の記憶力を高めてくれる代表的なサプリメントはやはり「DHA(ドコサヘキサエン酸)」ですが、DHAは脳内の神経伝達ネットワークを維持形成してくれる働きがあり、記憶力を含む脳機能全般のパフォーマンスと深い関わりがあるとされます。
青魚のにおいが苦手な人もDHA・EPAのサプリであれば手軽に飲むことができます。
DHAに「ビタミン類・アスタキサンチン(抗酸化物質)」が添加されていることも多いのです。
記憶力を高めるサプリとして、記憶力・集中力の入口である目の健康を守ってくれる「ルテイン・アントシアニン」もおすすめです。
目の疲れは、「脳疲労による記憶力低下」にもつながるので、適度にルテインやアントシアニンのサプリを摂取すると良いでしょう。
12. 作業興奮を活用する
勉強で記憶力を高めるために、もっとも重要なのは「モチベーション(動機づけ)・やる気の意欲」ですが、モチベーションを高めるためのもっとも簡単な方法が「とにかく実際に勉強を始めてみること」です。
実際に勉強・学習をスタートさせると、脳内の「側坐核」が活発化して「作業興奮」の状態になってきます。
作業興奮を感じている時には、「一つの物事に集中する脳のモード」に切り替わりやすく、必然的に記憶力が高まるのです。
作業興奮を活用する時には、途中で集中力が切れないように、「初めの内容を簡単なものにする・5~10分で区切りのつく内容にする」ということも大切です。
まとめ
上記で説明してきたように、記憶力を高める方法としては「感情的刺激を利用する・空間的刺激を利用する・整理整頓する・良質な睡眠を取る・対人コミュニケーションを取る・1ヶ月以内に反復学習する・食生活改善・サプリメント活用」などがあります。
どれも日常生活の中で気軽に実践できる方法ですので、記憶力を高めたい人はぜひ実践してみてください。
「記憶力を高める方法」について調べたい時には、この記事を参考にしてください。
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