狐憑きという言葉は狐が人間に憑依することです。
科学が発展した今の時代、狐憑きは迷信であると考えられていますが、地方によってはいまだに憑きものに関することが信じられているところもあるのが現状です。
狐憑きとはどのような現象のことをいうのでしょうか。
狐憑きの背景も見ながら勉強していきましょう。
- 狐憑きとは
- 狐の言い伝え
- 稲荷神とは
- 憑きもの筋とは
- 狐憑きと精神病
- 人に憑く狐とは
- 狐憑きされたと言われる顔の特徴
- 狐に憑かれた時の症状や特徴
- 狐憑きのお祓い
- 狐に憑かれないように気をつけること
- まとめ
1. 狐憑きとは
狐憑きとは、その字の通り狐が人間に憑依すること、もしくは狐の霊に憑依された人のことを意味しています。
狐の他にも犬に憑かれたものは狗神憑き、蛇は長縄憑き等色々な憑きものの種類が存在します。
狐憑きという言葉が使われる場合はたいてい悪い状態や意味を含んでいる場合が多く、狐憑きはその時や場合によっては忌み嫌われ、恐れられる対象にもなっています。
2. 狐の言い伝え
狐憑きという言葉は古来より存在し、特に日本や中国において盛んに使われる言葉でした。
なぜかというと、狐は昔神の化身、神の使いという民間信仰がありましたし、科学では証明できない不可思議な現象は狐が術を使って化かしているという考えが当然のようにはびこっていました。
身の回りで何か変わったことがあったり、人の理解を超えるような出来事や症状が起こるとそれは狐の仕業であり、狐が人間に憑依して事を起こしているのだと考えていたのです。
そして、狐は霊力をもつ霊獣という考え方が当然にあることも手伝って、豊作をつかさどり、狐を使役する神である稲荷神を信仰する時代がやってきます。
3. 稲荷神とは
稲荷神とは、五穀豊穣を司り、狐を使役する神です。
狐は神の使役する霊獣であり、神=狐という訳ではありません。
しかし、民間においては狐と稲荷神が同一視されることが多くあります。
狐憑きが忌み嫌われているのに比べ、稲荷神は豊かさをあらわす有難い神様として多くの人々に祀られて信仰されています。
4. 憑きもの筋とは
憑きもの筋とは、民間信仰の一つです。
地域や村によって憑きものは家系が関係しているものだと信じられていることです。
また、憑いているものを使役して富を得たり、憑きものを他人に憑けたりするので忌み嫌われているケースがあります。
反対に、憑きもの筋であると恐れられていながらも憑きものによって神秘的な力を得て人々に尊敬される対象であったり、憑きものにつかれてくれているから他の村の人は安泰でいられるのだと人身御供のように皆の犠牲となっている存在としてあがめられる場合もあります。
憑いている物はその信仰されているところによって違います。
神であったり、獣であったり、狐やそれ以外の動物であったりするのですが、憑いている物は大きな霊力を持っており、憑いている人、その家系に影響を及ぼすものとされています。
また、憑きもの筋の発生を分類すると、下記のようにいくつかに分かれます。
もともと憑きものがいる地や場所に行くことによってとり憑かれるケース、自分たちで憑きものを作り上げ、使役するケース、憑きものがついていた物を知らずに手に入れることで憑かれるケース、憑かれていたものを丁寧に祀った結果、富を得ることになったケース等があります。
5. 狐憑きと精神病
現代は狐憑きは主に迷信とされていますが、かつての江戸時代の日本では今でいう精神病の人を狐憑きと呼んでいることがありました。
これは、医学がまだ発展しておらず、精神病の発症のメカニズムが解明されていないため、奇行や奇声を発し、幻覚や妄想を訴える人々の異常の原因が狐等の獣がとり憑いているせいだと考えられていたからです。
しかし、一方でかつての江戸時代にも精神病というものは存在していました。
そして、狐憑きという言葉も同時に存在していました。
つまり、それぞれはまったく別の概念で人々に捉えられていたということになります。
精神病と狐憑きという言葉が共存する中、精神病の症状を一旦狐憑きと誰かが評すれば、瞬く間にそれは狐の仕業ということになり、なかなか精神病という分野が独立するには時間がかかっていたのでしょう。
そのことが関連し、現在でも精神病の臨床症状を古い言い方で狐憑きと表現する場合もあるのです。
6. 人に憑く狐とは
では、人にとり憑く狐とはどのような狐のことをいうのでしょう。
狐憑きの狐は、北海道にいるような毛がふさふさした可愛らしい動物の狐ではありません。
狐は狐でも、魔物や妖怪、霊獣の一種である狐をさしています。
地方によってはとり憑く狐の呼び方はかわってきます。
例えば北日本では管狐やオサキ、イズナ、山陰地方では人狐、九州地方では野狐(やこ)、新潟はトウビョウ狐、中国では外道と呼ばれています。
いずれも呼び方や外見、詳細は異なれど、狐を操ることができる者の存在や狐にとり憑かれたことによって繁栄する家系、霊力を得たとされるもの、狐がとり憑くことによって死んだり頭がおかしくなるといった表現が言い伝えではなされています。
7. 狐憑きされたと言われる顔の特徴
では、狐がとり憑くとどのように変貌するのでしょう。
その多くは顔に出ると言われています。
以下に狐がとり憑いた人間の顔の特徴を記載しておきますので参考にしてくだささい。
- 目つきが狐のようにつりあがり血走ったりする。
- 夜目がきくようになる。
- 口が裂けてみえる程に大きくなる。
- 口を開いて舌を垂らすことがある
- 顔がひきつる
上記のこれらは、狐にとり憑かれてまるで狐と人間が合体したかのような表現をされていることが分かります。
しかし、狐にとり憑かれた状態はなにも狐のようになってしまうばかりではありません。
霊障のような症状をはじめとした様々な症状を発することもあるのです。
次の項目8で詳しくみてみましょう。
8. 狐に憑かれた時の症状や特徴
ここでは狐に憑かれた時の症状や特徴をなるべく具体的にあげてみました。
症状や特徴の中には、確かに獣のような動作や霊障のようなものもありますが、一方で一見良い影響を与えるようなものまであります。
- 高熱が出る
- 体のあちこちが痛む
- うわごとを言う。
- 狐自身の身の上話等をしはじめる
- 狐のようなしぐさをする
- ヒステリックになったり感情の制御ができなくなる
- 風呂を嫌い、汚れても平気になる
- 性欲の異常な増加
- 食欲の異常な増加
- 悪寒
- 痩せる
- 顔つきが変貌する
- 狐の毛が生活環境のいたるところからあらわれる
- 人間関係の中で孤立する
- 一人で食事をしたがる
- 水を嫌う
- 超人的な体力を得る
- 霊力を得て死者の声を聞いたり病気を治せるようになる
- 金銭的に裕福になる
- 戌年の人間や犬を嫌うようになる
- 女のようなしぐさになる
- 人を殺す
- 狐の言葉を話したり、動物のような声を発する
- 憑いた人の体内を食い荒らす
- 憑いた人が死んだあとは穴があいていたり噛み痕があったりする
- 獣の匂いがする
- 金遣いが荒くなる
9. 狐憑きのお祓い
狐だけではなく、他の低級霊にとり憑かれても自分で簡単に祓える方法を知っておいて損はないと思いませんか。
いくつか紹介しておきますので参考にしてください。
9-1. 塩で使って憑きものを祓う
玄関等に盛り塩をしたり、帰宅時玄関先で塩を自分にかけて憑きものを祓う方法です。
色々な害をもたらす霊的なものに効果があります。
9-2. お酒で口をすすぐ
日本酒で口をすすぐことにより、清める方法です。
狐等の獣の憑きものは口を使って色々なことをします。
口をすすぐことによって、憑きもののできることを抑えこみ、体から追い出してしまいます。
9-3. お経や真言を唱える
お経や真言を唱えることによって、仏や守り本尊の守護を受け、憑きものを祓い落とします。
9-4. お香やお線香を焚く
お香やお線香には浄化作用があることから、憑きものを払う効果が期待できます。
9-5. 近くの神聖な場所を参拝する
霊的パワーの多い神社や寺院は神域となっており、邪悪なものは入ってはこられません。
その力の恩恵を受けて憑いている狐や悪いものを祓ってもらいましょう。
狐憑きの場合は稲荷神社を参拝するのも良いかもしれません。
9-6. お墓参りをする
ご先祖様や守護霊の力を借りて、憑いている物を祓ってもらいましょう。
9-7. パワーストーンやお守り、お札を身につける
霊的な力を持つお守り類を持つことによって、憑きものが居づらい環境をつくり祓いましょう。
9-8. 犬を飼う
狐は犬を嫌うと言われているので、狐憑きに有効な場合があります。
10. 狐に憑かれないように気をつけること
狐憑きは迷信だと現代ではいわれていても、迷信だという根拠ははっきりとはまだないですし、なにより狐憑きの症状はほとんど恐ろしいものであるのですからなるべくそんな不気味なものからは回避したいです。
ここでは狐にとり憑かれないように気をつけて欲しいことをピックアップして紹介します。
10-1. 狐の住処となるようなところに近づかないようにする
どのようなものであっても、自分の住処を荒らされるのは良い気分ではありません。
人気のない山の中や不気味な感じのする場所は狐狸妖怪の類がひしめきあっている可能性があります。
なるべく直感的に違和感や危機感を感じるところには行かないようにしましょう。
10-2. パワースポットは下調べしてから行く
人の信仰心はプラスの波動を生みだすので、有名な神社や寺院その他のパワースポットにはプラスの波動にあふれています。
プラスの波動は結界となり、悪いものは入れません。
よって、低俗な動物霊等はそのような場所を嫌って信仰心の薄い神社やさびれた場所等マイナスの波動のある場所を好み、集まるのです。
雑誌やテレビで紹介された最近発見の噂のパワースポットだと思って飛びついていってみると、場所自体のプラスの波動がまだ弱いために結界となっておらず、自分のマイナスの波動を察知して悪い物がとり憑いてしまう人もいるからです。
10-3. 土地の購入、引っ越しはその土地の歴史を調べましょう
土地には地縛霊や妖怪、動物霊が住み着いていることがあります。
以前にそこに祠があったり、墓地だったりした場合は霊的なマイナスの波動がうずまいている土地となっている可能性があります。
悪いものが住み着いていそうな土地は避ける方が良いでしょう。
10-4. 自分の家をキレイにして狐等の悪いものが居心地悪い環境にしよう
キレイな環境は、良い気が入ってくるので悪いものにとっては居心地が悪く、出て行ってくれます。
10-5. 前向きな思考をもとう
なによりも大切な事は、心理的に前向きな姿勢であることです。
ポジティブであることは生命エネルギーにあふれ、プラスの波動を生みだします。
まとめ
狐憑きは、古来から様々な歴史を伴って現代に語り継がれてきた民間信仰の一つです。
時には精神病が関連し、時には神が関連し様々な進化と退化を遂げました。
実際に狐憑きが迷信であるという証拠はまだなく、もしかしたら狐憑きは本当に悪い物がとり憑いて起こる霊的現象なのかもしれません。
あまり影響力のない憑きものであれば自己にて行っても問題はありませんが、心配な場合は専門家に見てもらってください。
5. 狐憑きと精神病
現代は狐憑きは主に迷信とされていますが、かつての江戸時代の日本では今でいう精神病の人を狐憑きと呼んでいることがありました。
これは、医学がまだ発展しておらず、精神病の発症のメカニズムが解明されていないため、奇行や奇声を発し、幻覚や妄想を訴える人々の異常の原因が狐等の獣がとり憑いているせいだと考えられていたからです。
しかし、一方でかつての江戸時代にも精神病というものは存在していました。
そして、狐憑きという言葉も同時に存在していました。
つまり、それぞれはまったく別の概念で人々に捉えられていたということになります。
精神病と狐憑きという言葉が共存する中、精神病の症状を一旦狐憑きと誰かが評すれば、瞬く間にそれは狐の仕業ということになり、なかなか精神病という分野が独立するには時間がかかっていたのでしょう。
そのことが関連し、現在でも精神病の臨床症状を古い言い方で狐憑きと表現する場合もあるのです。
6. 人に憑く狐とは
では、人にとり憑く狐とはどのような狐のことをいうのでしょう。
狐憑きの狐は、北海道にいるような毛がふさふさした可愛らしい動物の狐ではありません。
狐は狐でも、魔物や妖怪、霊獣の一種である狐をさしています。
地方によってはとり憑く狐の呼び方はかわってきます。
例えば北日本では管狐やオサキ、イズナ、山陰地方では人狐、九州地方では野狐(やこ)、新潟はトウビョウ狐、中国では外道と呼ばれています。
いずれも呼び方や外見、詳細は異なれど、狐を操ることができる者の存在や狐にとり憑かれたことによって繁栄する家系、霊力を得たとされるもの、狐がとり憑くことによって死んだり頭がおかしくなるといった表現が言い伝えではなされています。
7. 狐憑きされたと言われる顔の特徴
では、狐がとり憑くとどのように変貌するのでしょう。
その多くは顔に出ると言われています。
以下に狐がとり憑いた人間の顔の特徴を記載しておきますので参考にしてくだささい。
- 目つきが狐のようにつりあがり血走ったりする。
- 夜目がきくようになる。
- 口が裂けてみえる程に大きくなる。
- 口を開いて舌を垂らすことがある
- 顔がひきつる
上記のこれらは、狐にとり憑かれてまるで狐と人間が合体したかのような表現をされていることが分かります。
しかし、狐にとり憑かれた状態はなにも狐のようになってしまうばかりではありません。
霊障のような症状をはじめとした様々な症状を発することもあるのです。
次の項目8で詳しくみてみましょう。
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