シュールという言葉は、それなりに聞くことがありますが、全てが正しい意味で使われているとは限りません。
- 「シュール」の意味とは?
- 「シュール」の語源
- 「シュール」は英語としても通じるの?
- 「シュール」の使い方
- 「シュール」を使った例文と解釈
- 「シュール」の対義語
- 「シュール」の類義語
- まとめ
1. 「シュール」の意味とは?
シュールという言葉は、「現実性がない」、「奇抜で理解できない」、「全くを以って不可解」といった光景や現象に対して使われます。
間違えて使われる例として多いのは、「何のことだか分からない」ことをこのシュールと使ってしまうケースです。
ただ「理解ができない」というだけではシュールとは表現しません。
その意味でシュールを使うのであれば、常識や科学では考えられないほど理解が難しいという場合に限られます。
2. 「シュール」の語源
シュールの語源は、フランス語の「シュルレアリスム」という言葉です。
この言葉は、1920年代に同国で盛んだった「非現実主義な前衛芸術運動」を指しており、それに沿った数々の常人には理解が難しい作品が生まれました。
有名なところでは、パブロ・ピカソの作品類がそれに当たります。
どの絵画も一見では子供の落書きのようにも見えてしまいますが、そのような画風こそ「シュルレアリスム」と表現されます。
ここから転じて、シュールが「現実的ではないこと」を指す言葉となったのです。
3. 「シュール」は英語としても通じるの?
シュールは前述のように、フランス語の「シュルレアリスム」からきている日本語です。
英語のようにも見えますが、完全な和製英語だと考えていいでしょう。
英語では“surrealism”(シュルレアリスム)と表記し、発音は語源のフランス語と同様です。
意味は日本語でシュールと使う場合と一緒ですが、その「シュール」では通じないので注意してください。
4. 「シュール」の使い方
シュールという言葉が使われるのは、そのような光景や現象を目撃した時、または、そのような体験があった時です。
体験した場合、実際に起こったことなので、非現実的だとは言えませんが、「それに近かった」という意味で使うことができます。
5. 「シュール」を使った例文と解釈
シュールは、「そんなことはない(起きない)だろう」という使い方もできる言葉です。
また、若者言葉に多く見られる「超」を頭に付けて使うことで、「とんでもなく非現実的」だという意味で使うこともできます。
(しかし、実際には単にノリで「超」と付けただけの場合も多く、そこまでではないということも少なくありません)
5-1. 例文1
「マチュ・ピチュに行ってきたが、そこから見た光景はとてもシュールで現実とは思えなかった」
死ぬまでに一度は行ってみるべきだとも言われている天空都市のマチュ・ピチュでは、このシュールという言葉が相応しい光景が広がっていたという例文です。
シュールという言葉の使い方としては、一番スタンダードな形だと言えるでしょう。
5-2. 例文2
「ネットの巡回で、シュールな画像を集めるのが趣味だ」
UFOが飛んでいる光景だったり、自動車が空を走っているなどの現実とは思えない画像が好きで集めていると解釈できます。
ネットをくまなく探すと、そのような画像が見付からないこともありませんが、まず合成だったり、CG技術によって作られたものです。
しかし、集めている分には何の問題もなく、いわゆる「オカルト」が好きな人には多い趣味かも知れません。
5-3. 例文3
「先日、とてもシュールな体験をした」
どんな体験をしたのか分かりませんが、現実だとは思えない出来事があったという意味になります。
このような使い方も多く見られますが、先にも書いたように、体験をした時点でそれは現実なので、正確な意味で使っているとは言えません。
正しく使うのであれば、「シュールとしか表現できない(するしかない)体験をした」とするべきです。
しかし、そこまで厳密に考える必要もなく、この例文のまま使ったとしても、特におかしい訳でもありません。
6. 「シュール」の対義語
シュールの対義語は、「現実的」、「常識的」という意味の言葉になります。
よって、同じようなカタカナ言葉なら、「リアル」が一番適当だと言えるでしょう。
「とてもシュールで、リアルだとは思えなかった」などと文章中に合わせて使うこともできます。
7. 「シュール」の類義語
シュールの意味の「非現実的」や「(理解できないほど)奇抜」という言葉は、そう多くありません。
それらを表現する場合には、この「シュール」で済んでしまうからです。
それだけこの「シュール」という言葉の使い勝手が優れていると言えますが、存在している数少ない類義語を挙げてみます。
7-1. 「エキセントリック」
この言葉は英語そのもので、「eccentric」と表記します。
「とても奇抜で変わっている」、「理解が難しい」という意味で使います。
「シュール」をそのような意味で使う場合の類義語だと考えていいでしょう。
「現実的ではない」という意味では使うことはできません。
「〜な格好ばかりしている」などと使われる言葉で、ほとんどの場合でいい意味では使われません。
(自分には)理解できない性格をしている人を、この言葉で表現することも多いです。
7-2. 「雲を掴む」(くもをつかむ)
「〜ような話だ」という表現を聞いたことがあると思います。
その意味は、「現実性がない話だ」となり、使い方によってはシュールの置き換え表現になります。
語源は、雲は空高く浮かんでいて、そこまでとても手が届かないことと、物理的に掴める対象ではないからで、「実現できる訳がない」と解釈される場合も多い言葉です。
7-3. 「独創的」(どくそうてき)
この言葉は、「普通では考えつかない」、「今までには無かった」という意味で使います。
「シュール」を考え方や物理的な作品に対して使う場合に、その言い換え表現として使えます。
ただし、「シュール」に「理解ができない」という意味がある為、逆に、この「独創的」を「シュール」と言い換えると、意味がおかしくなってしまうので注意しましょう。
まとめ
シュールは、似たような意味ながら、いくつもの解釈がある為、使い勝手が広い言葉だと言っていいでしょう。
悪いニュアンスも含んでいますが、それよりは、「現実だとは思えない」という意味が強いので、使い際にそこまで気を使う必要はないでしょう。
シュールという言葉は、それなりに聞くことがありますが、全てが正しい意味で使われているとは限りません。
1. 「シュール」の意味とは?
シュールという言葉は、「現実性がない」、「奇抜で理解できない」、「全くを以って不可解」といった光景や現象に対して使われます。
間違えて使われる例として多いのは、「何のことだか分からない」ことをこのシュールと使ってしまうケースです。
ただ「理解ができない」というだけではシュールとは表現しません。
その意味でシュールを使うのであれば、常識や科学では考えられないほど理解が難しいという場合に限られます。
2. 「シュール」の語源
シュールの語源は、フランス語の「シュルレアリスム」という言葉です。
この言葉は、1920年代に同国で盛んだった「非現実主義な前衛芸術運動」を指しており、それに沿った数々の常人には理解が難しい作品が生まれました。
有名なところでは、パブロ・ピカソの作品類がそれに当たります。
どの絵画も一見では子供の落書きのようにも見えてしまいますが、そのような画風こそ「シュルレアリスム」と表現されます。
ここから転じて、シュールが「現実的ではないこと」を指す言葉となったのです。
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