意識を保ったまま寝ることができれば、人は「幽体離脱」を体験したり「明晰夢」を見たりすることができると言われています。
人は意識を保ったままで眠ることができるのでしょうか?
「意識を保ったまま寝る方法・コツ」や「明晰夢を見るための方法」「明晰夢の特徴・意味・解釈」などについて、徹底的に解説していきます。
- 意識を保ったまま寝ることができる?
- 意識を保ったまま寝る現象
- 意識を保ったまま寝やすい状況
- 意識を保ったまま寝るための方法・コツ
- 明晰夢を見るための方法・コツ
- 明晰夢とは何か?:明晰夢の特徴・意味・解釈
- まとめ
1. 意識を保ったまま寝ることができる?
「意識を保ったまま寝ることができるのか?」という問いに対する科学的な答えは、シンプルに「意識を保ったまま寝ることはできる+脳・意識が覚醒したまま眠っている現象・状態はある」ということになります。
近代科学が進歩する以前には、「意識を保ったまま寝るという現状・状態」は「悪魔・幽霊・死霊のしわざ」として恐れられていました。
しかし、現代においては脳科学・睡眠医学などの研究理論・調査を参照した観点から、「意識を保ったまま寝る現象の科学的原因・理由」について説明することが可能になっています。
人の睡眠相・睡眠周期は大きく、「レム睡眠(脳が覚醒していて身体が眠っている浅い睡眠相)」と「ノンレム睡眠(脳が眠っていて身体が起きている深い睡眠相)」に分けることができます。
そして、レム睡眠が先行したり過度に優位になったりした時に、「意識を保ったまま寝ている現象・状態=金縛り・幽体離脱・明晰夢など」が発生するのです。
2. 意識を保ったまま寝る現象
レム睡眠(REM睡眠)が優位になると、意識を保ったまま寝る現象が起こりやすくなります。
この項目では、「意識を保ったまま寝る現象」について、どのような現象があるのかを紹介していきます。
2-1. 金縛り
意識を保ったまま寝る現象として、「金縛り(かなしばり)」があります。
目が覚めているのに体を動かすことができない「金縛り」は、かつて「悪魔・悪霊・幽霊などの超能力・呪力」によって引き起こされる非常に恐ろしい心霊現象の一種として考えられていましたが、現代医学・脳科学では「睡眠麻痺」という概念で合理的に理解することができるようになっています。
「金縛り」は医学的に説明すると、「睡眠麻痺」と呼ばれる睡眠障害の一種になります。
「金縛り」の科学的な正体である「睡眠麻痺」というのは、「脳を休ませるノンレム睡眠」と「体を休ませるレム睡眠」の睡眠リズムが崩れることによって起こる睡眠障害で、「レム睡眠(REM睡眠)」が先行して優位になることで「金縛り」が発生します。
「金縛り」が発生する睡眠麻痺のメカニズム
通常の健康な睡眠は「ノンレム睡眠」から入って「ノンレム睡眠→レム睡眠→ノンレム睡眠……」という約60〜90分周期のリズムを繰り返しますが、「金縛り(睡眠麻痺)」が起こった時には、初めに深い眠りである「ノンレム睡眠」に入ってしまうのです。
金縛り(睡眠麻痺)が起こる要因として、精神的ストレスや身体的な疲労、生活習慣の乱れなどが挙げられます。
睡眠リズムが狂って「レム睡眠(REM睡眠)」が優位になってしまった時に、脳が覚醒していて意識があるのに体をまったく動かすことができないという「金縛り(睡眠麻痺)」が起こりやすくなります。
「金縛り(睡眠麻痺)」という現象を分かりやすく言い換えれば、「意識を保ったまま寝る現象」であると言えるでしょう。
2-2. 幽体離脱
意識を保ったまま寝る現象として、「幽体離脱(ゆうたいりだつ)」があります。
「幽体離脱」とは、眠っている時の自分の体から、「幽体」と呼ばれる自分の意識だけが抜け出してしまう現象のことです。
「幽体離脱」とは、睡眠中に生きている人間の肉体から「幽体(霊体と肉体の中間的存在)」となって抜け出す現象のことですが、この幽体離脱も「レム睡眠時」や「金縛りに遭っている時」に起こりやすいとされています。
「幽体離脱」の最中には「行動できる範囲が制限されていること」が多いのですが、幽体離脱の時には「脳・意識は覚醒している状態」にあるので、幽体離脱は「意識を保ったまま寝ている現象」としても解釈することができるでしょう。
「幽体離脱・体外離脱」は金縛りの時に起こりやすく、様々なことができる
「幽体離脱」は幽体(意識)だけが肉体の外に抜け出てしまうことから、「体外離脱」と呼ばれることもあります。
この「幽体離脱・体外離脱」の科学的原因も、「脳だけが覚醒して身体が眠っているという睡眠麻痺・レム睡眠」にあると考えられています。
意識が覚醒しているのに身体は眠っているというレム睡眠の時に、「幽体離脱」は起こりやすいのですが、特に「金縛りの身体束縛がゆるんだ瞬間」に意識して体を起こすとするりと幽体離脱(体外離脱)しやすいと言われています。
幽体離脱をしている時には様々な超能力を体験できるとされていますが、その代表的なこととして「壁・物質のすり抜けができる」や「瞬間移動のテレポテーションができる」「空を飛べる・魔法を使える」「現実世界の誰かを自由に呼び出してコントロールできる」「タイムスリップできる」「死後の世界や宇宙にも行ける」などがあります。
2-3. 明晰夢
意識を保ったまま寝る現象として、「明晰夢(めいせきむ)」があります。
「明晰夢」というのは、自分で「夢」であることを自覚しながら見ている夢のことです。
「明晰夢」は、夢だと分かっていながらも意識的に夢の中の世界や関係を楽しむことができ、人によっては明晰夢の内容・物語を思い通りにコントロールすることもできるとされています。
一般的に脳が活動していて身体が休んでいる「レム睡眠(REM睡眠)」の時に「夢」を見やすいとされますが、「明晰夢」も「レム睡眠(REM睡眠)」の睡眠相において出現することが多いのです。
「夢であることを自覚しても、夢の雰囲気から抜け出ようとしないこと」や「不安になったり焦ったり欲張ったりしてパッと目覚めてしまわないこと」が、「明晰夢を長く見続けるコツ」とされています。
明晰夢は、「エンターテイメント(夢の娯楽)」や「心理療法のイメージ療法」などに応用するための研究も行われています。
3. 意識を保ったまま寝やすい状況
意識を保ったまま寝やすい状況というのは、どのような状況なのでしょうか?「意識を保ったまま寝やすい状況」について、分かりやすく説明していきます。
3-1. 非常に疲れていたり、強い精神的ストレスが溜まっていたりする状況
意識を保ったまま寝やすい状況として、「非常に疲れていたり、強い精神的ストレスが溜まっていたりする状況」があります。
意識を保ったまま眠る現象というのは、「睡眠バランスの崩れ(ノンレム睡眠とレム睡眠の順番の逆転)」によって引き起こされます。
「睡眠バランス」を崩して、脳・意識が覚醒したままの「レム睡眠」を先行させる要因として、「身体的疲労+精神的ストレスの蓄積」を上げることができるのです。
仕事・運動・学校などによる「身体的な疲労」が強ければ強いほど、あるいは心配なことがある「精神的ストレス」が大きければ大きいほど、脳・意識を休ませることのできない「レム睡眠」が優位になってしまいます。
「レム睡眠」が優位になって「ノンレム睡眠」よりも先行すると、意識を保ったまま眠る状態になるのです。
3-2. 意図的に意識を保ったまま寝ようとしている状況
「意図的に意識を保ったまま寝ようとしている状況」というのが、意識を保ったまま寝やすい状況の一つになります。
意識を保ったまま寝やすいストレートな状況として、「できるだけ意識が落ないようにと我慢している状況」を上げることができます。
意図的に努力して「本当は眠りたいのに眠らないように頑張っている状況」では、「脳・意識」よりも先に「身体」が睡眠状態に入る「レム睡眠(REM睡眠)」が起こりやすくなります。
本来の健康な睡眠リズムでは、初めに脳・意識が休養する「ノンレム睡眠(non-REM睡眠)」に入ってから、その約90分後に「レム睡眠(REM睡眠)」へと移行していくことが望ましいのですが、「意識を保ったまま寝ようとする努力・抵抗」によって「ノンレム睡眠」よりも先に「レム睡眠(脳・意識が覚醒していて身体だけが眠っている睡眠)」に入ってしまう現象が起こりやすくなるのです。
3-3. 子供の手・足や猫などが体に乗っている状況
意識を保ったまま寝やすい状況の一つとして、「子供の手・足や猫などが体に乗っている状況」を上げることができます。
「レム睡眠(身体の休養)」と「ノンレム睡眠(脳・精神の休養)」のバランスが崩れた時に、意識を保ったまま寝やすい状況になります。
その睡眠バランスの崩れを誘発しやすい要因として、「子供の手足が自分の体に乗っかっている状態」や「飼っている犬・猫の体重が自分の体にかかっている状態」があるのです。
子供の手・足あるいは犬・猫などが体に乗っていると、単純に熟睡することが難しくなることもあり、脳(意識)だけが覚醒していて身体が眠っている「レム睡眠(REM睡眠)」へと誘導されやすくなるのです。
4. 意識を保ったまま寝るための方法・コツ
意識を保ったまま寝るためには、どのような方法があるのでしょうか?「意識を保ったまま寝るための方法・コツ」について、分かりやすく紹介していきます。
4-1. 仰向けで姿勢を固定して身体を若干緊張させた状態で寝る
意識を保ったまま寝るための簡単な方法・コツとして、「仰向けで姿勢を固定して身体を若干緊張させた状態で寝る」というやり方があります。
「仰向けの姿勢」で寝ることそのものは一般的な寝相(ねぞう)・寝る体勢なのですが、「仰向け姿勢でがっちり固定した状態」にすると、身体的な緊張がいつも以上に高まって簡単に寝付けなくなります。
安眠するのにもっとも適している寝相・寝姿は、「仰向けの姿勢+横向きの姿勢を適度に入れ替える寝姿」と言われていて、「完全に仰向けで固定した姿勢」というのは身体の緊張を高めて、逆に「レム睡眠(REM睡眠)」への誘導率を上昇させるのです。
「高速眼球運動睡眠」ともいわれる「レム睡眠(REM睡眠)」とは、「脳が覚醒している状態+身体が熟睡している状態」なので、意識を保ったまま眠っている状態となります。
4-2. 有酸素運動を習慣化して身体をへとへとに疲れさせる
「有酸素運動を習慣化して身体をへとへとに疲れさせる」ということが、意識を保ったまま寝るための実際的な方法・コツの一つになります。
マラソンやランニング、ジョギング、ウォーキングなどの「有酸素運動」を毎日習慣的に行っていると、意識を保ったまま寝ることができる確率が高まってきます。
ランニングやウォーキングのような「有酸素運動」は、瞬発力ではなく持久力を使う運動で酸素を大量に必要としますが、その結果として「身体全体の疲労度」がかなり高くなってきます。
瞬発的に筋肉を働かせる「無酸素運動」よりも「有酸素運動」のほうが、身体の疲労のピークによって、「身体だけが先に眠りに入ったレム睡眠状態」になりやすいのです。
脳が覚醒しているのに身体が眠っているレム睡眠は、「意識を保ったまま眠っている状態」になります。
4-3. スマホ・電話(おしゃべり)などで脳を興奮させてから寝る
意識を保ったまま寝るための有効な方法・コツとして、「スマホ・電話(おしゃべり)などで脳を興奮させてから寝る」というのがあります。
質の良い睡眠を取って身体と精神を十分に休養させるためには、就眠前に「光・音・食欲の刺激」や「精神的・感情的な興奮」をできるだけ避ける必要があります。
逆に、意識を保ったまま寝るというあまり質の良くないレム睡眠に誘導したいのであれば、「眠る前のスマホのブルーライト照射時間(スマホ利用時間)」を長くしたり、「眠る前に友達とハイテンションで盛り上がる電話・おしゃべり」をしたりすることが有効になってきます。
脳が興奮した状態のまま、ベッドや布団に入っても「脳を休養させるノンレム睡眠」に速やかに移行することができず、しばらくの間、脳が興奮して覚醒している「レム睡眠(意識を保ったまま寝ている睡眠)」になりやすいのです。
4-4. 睡魔とギリギリまで戦ってから気絶するように寝る
「睡魔とギリギリまで戦ってから気絶するように寝る」というのが、意識を保ったまま寝るための方法・コツの一つになります。
意識を保ったまま寝たいのであれば、身体的疲労や精神的ストレスをピークにまで近づけることが効果的とされますが、そのための一番手軽な方法として、「睡魔・眠気をギリギリまで我慢すること」があります。
どうやっても眠気が我慢できないギリギリまで我慢してから眠りに落ちると、「脳が半分起きていて半分眠っているような状態」になりやすいのです。
「いったん眠りに落ちてから自力で覚醒した状態」に持っていくことができれば、更に「夢遊病・幽体離脱・明晰夢」などに近い状態へと自分の意識を誘導することができるでしょう。
身体と脳(精神)の睡眠バランスを崩すことができれば、意識を保ったままで眠っている状態になりやすいのです。
5. 明晰夢を見るための方法・コツ
明晰夢を見るための方法・コツには、どのようなことがあるのでしょうか?「明晰夢を見るための方法・コツ」について分かりやすく解説していきます。
5-1. 見た夢の内容を詳しく記録する「夢日記」をつける
明晰夢を見るための方法・コツとして、「見た夢の詳しい内容を記録する夢日記をつける」ということがあります。
明晰夢を見るための確実な方法は現時点ではありませんが、「その時に見た夢の詳しい内容をできるだけ早い段階で日記(メモ)につけておくこと」によって、明晰夢を見ることのできる確率が上がると言われています。
詳しい内容の「夢日記」を書くことによって、脳の前頭葉の状態が「夢を見ていることを自覚するのに適した半覚醒の活動状態」になりやすく、「夢に対するメタ認知の能力」が発揮されやすいのかもしれません。
5-2. 夢の世界で「リアリティーチェック」をする
「夢日記をつけること」に加えて「夢の世界におけるリアリティーチェック(現実か夢かの意識的なチェック)」を頻繁に行うことによって、更に明晰夢を見ることができる可能性が高まってきます。
リアリティーチェックには、「改めて今の世界が現実かどうかをじっくり考える方法」や「自分のほほをつねったり自分の体を叩いたりして感覚があるか確かめる方法」などがあります。
リアリティーチェックを定期的に行うことによって、「夢か現実かを常にメタな視点から確認している自意識の位置づけ」が強まりやすくなるので、結果として明晰夢を見られる確率が高まってくるのです。
5-3. 夢であることを自覚してもできるだけ起きないようにする
「夢であることを自覚してもできるだけ起きないようにする」というのが、明晰夢を見るための実践的な方法・コツの一つになります。
夢であることを自覚した瞬間には、「レム睡眠時の金縛り」が起きやすいとも言われていて、人は夢であると気づいた瞬間に不安になったり興奮したりして目を覚ましてしまいやすいとされています。
明晰夢を見たいのであれば、「夢であることが分かった瞬間」から夢の世界や夢の中の人間関係にどっぷり浸かりながら楽しむ意思・姿勢を持つことが大切になります。
明晰夢を見るためには、夢だと気づいても敢えて目を覚まさずに、夢の世界に調和するように意識することがポイントになってきます。
6. 明晰夢とは何か?:明晰夢の特徴・意味・解釈
「明晰夢の特徴・意味・解釈」には、どのようなものがあるのでしょうか?「明晰夢の持つ特徴・意味・解釈」について、分かりやすく説明していきます。
6-1. 明晰夢は脳(前頭葉)の半覚醒状態が生み出す
「明晰夢は脳(前頭葉)の半覚醒状態が生み出す」というのが、明晰夢の大きな特徴になっています。
明晰夢は「思考・判断・記憶・創造・理性」などを司っている大脳皮質の前頭葉の機能が、適度に低下している時に見やすいとされています。
前頭葉の機能が完全に失われて熟睡している状態では、明晰夢を見ることはありませんが、「レム睡眠(REM睡眠)」で脳・前頭葉が半分くらい覚醒しているような状態になると「明晰夢」の現象が起こりやすくなるのです。
6-2. 明晰夢には無意識の心理状態(過去の記憶)が反映されやすい
明晰夢の解釈として、「明晰夢には無意識の心理状態(過去の記憶)が反映されやすい」ということがあります。
自分が夢を見ていることを自覚している「明晰夢」には、「無意識の心理状態」や「忘れていた過去の記憶」が反映されやすいと言われています。
無意識の心理状態には「自分が抑圧している強い欲求・願望」が含まれていることが多く、「本当の自分の気持ち・欲望」について理解する参考になります。
明晰夢の内容が「過去のトラウマ(心的外傷)」と関連している時には、心理療法への応用の可能性も出てきます。
6-3. 明晰夢は現実の問題解決や創造力向上のヒントをもたらす
明晰夢の意味として、「明晰夢は現実の問題解決や創造力向上のヒントをもたらす」ということがあります。
明晰夢の内容を「自分の現実の問題・人間関係」に当てはめてみると、「自分が本当に望んでいる結果・解決方法」が見えてくることがあります。
明晰夢には「無意識の能力・潜在的なイメージ」も反映されやすいので、明晰夢の内容をポジティブな方向で分析・実践することで、「自分の創造力・思考力のアップ」につながるヒントを見つけ出せることもあります。
6-4. 明晰夢はコントロールできるから心が満たされる
明晰夢の特徴として、「明晰夢はコントロールできるから心が満たされる」ということが上げられます。
自分で夢だということが自覚できている「明晰夢」は、「明晰夢の内容を思い通りに変更すること」や「明晰夢に出てくる人物との人間関係を自由にコントロールすること」ができるという楽しくて面白い特徴を持っています。
いつでも自由に明晰夢を見て内容や物語、相手をコントロールすることができれば、「VR(バーチャル・リアリティー)の技術」とも相関した新たなエンターテイメントを創造できる可能性が開けてくるかもしれません。
まとめ
「意識を保ったまま寝ること」について徹底的に解説してきましたが、「意識を保ったまま寝る現象」の多くは、脳だけが覚醒している「レム睡眠(REM睡眠)」と深い関わりがあります。
レム睡眠の睡眠相で起こりやすい意識を保ったまま寝る現象として、「金縛り(睡眠麻痺)」「幽体離脱(体外離脱)」「明晰夢」などを上げることができます。
「明晰夢」には、「前頭葉の半覚醒状態が生み出す」「無意識の内容・心理が反映される」「明晰夢の内容をコントロールできる」などの特徴・意味があります。
「明晰夢」をはじめとする「意識を保ったまま寝る現象」について詳しく調べたい時には、ぜひこの記事を参考にしてみて下さい。
意識を保ったまま寝ることができれば、人は「幽体離脱」を体験したり「明晰夢」を見たりすることができると言われています。
人は意識を保ったままで眠ることができるのでしょうか?
「意識を保ったまま寝る方法・コツ」や「明晰夢を見るための方法」「明晰夢の特徴・意味・解釈」などについて、徹底的に解説していきます。
1. 意識を保ったまま寝ることができる?
「意識を保ったまま寝ることができるのか?」という問いに対する科学的な答えは、シンプルに「意識を保ったまま寝ることはできる+脳・意識が覚醒したまま眠っている現象・状態はある」ということになります。
近代科学が進歩する以前には、「意識を保ったまま寝るという現状・状態」は「悪魔・幽霊・死霊のしわざ」として恐れられていました。
しかし、現代においては脳科学・睡眠医学などの研究理論・調査を参照した観点から、「意識を保ったまま寝る現象の科学的原因・理由」について説明することが可能になっています。
人の睡眠相・睡眠周期は大きく、「レム睡眠(脳が覚醒していて身体が眠っている浅い睡眠相)」と「ノンレム睡眠(脳が眠っていて身体が起きている深い睡眠相)」に分けることができます。
そして、レム睡眠が先行したり過度に優位になったりした時に、「意識を保ったまま寝ている現象・状態=金縛り・幽体離脱・明晰夢など」が発生するのです。
2. 意識を保ったまま寝る現象
レム睡眠(REM睡眠)が優位になると、意識を保ったまま寝る現象が起こりやすくなります。
この項目では、「意識を保ったまま寝る現象」について、どのような現象があるのかを紹介していきます。
2-1. 金縛り
意識を保ったまま寝る現象として、「金縛り(かなしばり)」があります。
目が覚めているのに体を動かすことができない「金縛り」は、かつて「悪魔・悪霊・幽霊などの超能力・呪力」によって引き起こされる非常に恐ろしい心霊現象の一種として考えられていましたが、現代医学・脳科学では「睡眠麻痺」という概念で合理的に理解することができるようになっています。
「金縛り」は医学的に説明すると、「睡眠麻痺」と呼ばれる睡眠障害の一種になります。
「金縛り」の科学的な正体である「睡眠麻痺」というのは、「脳を休ませるノンレム睡眠」と「体を休ませるレム睡眠」の睡眠リズムが崩れることによって起こる睡眠障害で、「レム睡眠(REM睡眠)」が先行して優位になることで「金縛り」が発生します。
「金縛り」が発生する睡眠麻痺のメカニズム
通常の健康な睡眠は「ノンレム睡眠」から入って「ノンレム睡眠→レム睡眠→ノンレム睡眠……」という約60〜90分周期のリズムを繰り返しますが、「金縛り(睡眠麻痺)」が起こった時には、初めに深い眠りである「ノンレム睡眠」に入ってしまうのです。
金縛り(睡眠麻痺)が起こる要因として、精神的ストレスや身体的な疲労、生活習慣の乱れなどが挙げられます。
睡眠リズムが狂って「レム睡眠(REM睡眠)」が優位になってしまった時に、脳が覚醒していて意識があるのに体をまったく動かすことができないという「金縛り(睡眠麻痺)」が起こりやすくなります。
「金縛り(睡眠麻痺)」という現象を分かりやすく言い換えれば、「意識を保ったまま寝る現象」であると言えるでしょう。
2-2. 幽体離脱
意識を保ったまま寝る現象として、「幽体離脱(ゆうたいりだつ)」があります。
「幽体離脱」とは、眠っている時の自分の体から、「幽体」と呼ばれる自分の意識だけが抜け出してしまう現象のことです。
「幽体離脱」とは、睡眠中に生きている人間の肉体から「幽体(霊体と肉体の中間的存在)」となって抜け出す現象のことですが、この幽体離脱も「レム睡眠時」や「金縛りに遭っている時」に起こりやすいとされています。
「幽体離脱」の最中には「行動できる範囲が制限されていること」が多いのですが、幽体離脱の時には「脳・意識は覚醒している状態」にあるので、幽体離脱は「意識を保ったまま寝ている現象」としても解釈することができるでしょう。
「幽体離脱・体外離脱」は金縛りの時に起こりやすく、様々なことができる
「幽体離脱」は幽体(意識)だけが肉体の外に抜け出てしまうことから、「体外離脱」と呼ばれることもあります。
この「幽体離脱・体外離脱」の科学的原因も、「脳だけが覚醒して身体が眠っているという睡眠麻痺・レム睡眠」にあると考えられています。
意識が覚醒しているのに身体は眠っているというレム睡眠の時に、「幽体離脱」は起こりやすいのですが、特に「金縛りの身体束縛がゆるんだ瞬間」に意識して体を起こすとするりと幽体離脱(体外離脱)しやすいと言われています。
幽体離脱をしている時には様々な超能力を体験できるとされていますが、その代表的なこととして「壁・物質のすり抜けができる」や「瞬間移動のテレポテーションができる」「空を飛べる・魔法を使える」「現実世界の誰かを自由に呼び出してコントロールできる」「タイムスリップできる」「死後の世界や宇宙にも行ける」などがあります。
2-3. 明晰夢
意識を保ったまま寝る現象として、「明晰夢(めいせきむ)」があります。
「明晰夢」というのは、自分で「夢」であることを自覚しながら見ている夢のことです。
「明晰夢」は、夢だと分かっていながらも意識的に夢の中の世界や関係を楽しむことができ、人によっては明晰夢の内容・物語を思い通りにコントロールすることもできるとされています。
一般的に脳が活動していて身体が休んでいる「レム睡眠(REM睡眠)」の時に「夢」を見やすいとされますが、「明晰夢」も「レム睡眠(REM睡眠)」の睡眠相において出現することが多いのです。
「夢であることを自覚しても、夢の雰囲気から抜け出ようとしないこと」や「不安になったり焦ったり欲張ったりしてパッと目覚めてしまわないこと」が、「明晰夢を長く見続けるコツ」とされています。
明晰夢は、「エンターテイメント(夢の娯楽)」や「心理療法のイメージ療法」などに応用するための研究も行われています。
スポンサーリンク