外国人恐怖症という言葉をご存知でしょうか。
外国人と接する時に少し気後れするといったものではなく、嫌悪したり、排斥しようとする気質のことです。
外国人恐怖症についてまとめてみましたので一緒に見ていきましょう。
- 外国人恐怖症とは?
- 外国人恐怖症の症状
- 外国人恐怖症の原因
- 外国人恐怖症になる心理
- 外国人恐怖症の人の特徴
- 外国人恐怖症を克服するコツやポイント
- まとめ
1. 外国人恐怖症とは?
外国人恐怖症(外国人嫌悪という場合もあります)はゼノフォビア(xenophobia)の訳語です。
外国人嫌いと訳す場合もあります。
xenoが外国人、外来の物で、phobiaが恐怖症です。
意味は外国人嫌い、未知の人や物に対する嫌悪感、恐怖となります。
外国人恐怖症は日本だけではなくあらゆる国、民族に存在します。
かつて外国人恐怖症が行きすぎた為に大量虐殺が行われた事例も数多くあります。
日本人の場合は島国の為、外国人と接することが多くありませんでした。
江戸時代において鎖国が約260年続いていたことが外国人嫌悪の原因になっていて「国籍」よりも「民族」「人種」の方にこだわる傾向があるという主張もあります。
2. 外国人恐怖症の症状
外国人恐怖症の症状を見ていきましょう。
2-1. 外国人を避ける
日本で生活していても、沢山の外国人が日本には存在しています。
留学、仕事、観光などで日本にいますので街中を歩いていれば見ない日はないのではないでしょうか。
外国人恐怖症の人は、外国人を避けます。
姿を見かければさっと隠れ目が合わないように、話しかけられないようにします。
2-2. 外国人を怖がる
外国人恐怖症の人は、外国人に対して恐怖感を持っています。
それは白人、黒人、黄色人種と関係はなく、自分が苦手、怖いとする外国人が対象となります。
別に何か関わったわけでもなく嫌な思いをしたわけでもないのですが、これまでの歴史や、ニュースなどで得た知識で怖いという印象がしっかりとインプットされているのです。
その為その国へ行こうという気持ちはもちろんありませんし、日本に来ている外国人に対しても怖がって近づこうとしません。
2-3. 偏見にとらわれた見方をする
外国人恐怖症の人は、自分が嫌だと思う外国人に対して事実ではないこと、偏見にとらわれた見方をしていることがあります。
皆が同じ考え、行動ではないのですが「この国の人は皆こうに違いない」と考えます。
頭から決めつけていますので、仲良くなろう、理解しようという気持ちはありません。
またそういった偏見が強くなることで外国人差別といったことにも繋がっていきます。
2-4. 外国人を嫌う
自分が外国に行くこともありませんが、日本に来ている外国人そのものを嫌う傾向にあります。
日本に来ないで欲しい、どこに行っても外国人がいて怖い、日本が日本でなくなるといったように外国人を嫌っています。
まるで江戸時代の鎖国のように、外国人が日本に入ってこなければいいのにと思っています。
外国人による犯罪やトラブルも確かに増えてはいます。
そういったネガティブなニュースがより、このような気持ちを強くさせてしまうのです。
日本に来て犯罪やトラブルを起こしている外国人ばかりではありません。
日本が好きと日本文化を学んだり、仕事の為に来ている人も大勢いるのです。
しかし外国人恐怖症の人は視野が狭くなっていますので、そのような大らかな考え方はできない状態なのです。
2-5. 外国人を見下す
外国人と日本人では文化や生活レベルが違う場合があります。
特に食生活などはその国特有のものがあるでしょう。
そういったことをとらえて「ありえない」「気持ち悪い」などと見下すような発言をすることがあります。
理解できないことがあったとしても、それをわざわざ口に出して見下すようなことでもありません。
しかし外国人恐怖症の人は、怖がると同時に見下したり、排斥したりするところもあるのです。
そういった気持ちが強く、度が行き過ぎることで、戦争、迫害、虐殺といった恐ろしく痛ましいことに繋がるのです。
3. 外国人恐怖症の原因
外国人恐怖症の人は、外国人のことを最初から嫌っていたわけでも、恐れていたわけでもありません。
きっかけとなることがあったと考える方が自然です。
それでは外国人恐怖症の原因を見ていきましょう。
3-1. 外国人と関わって嫌な思いをした
これまでの人生で、外国人と関わって嫌な思いをしたりトラブルにあったことがあると外国人恐怖症になることがあります。
日本人のように沢山存在しているわけではなく、日本にいれば外国人と接する機会は限られてくるでしょう。
つまり関わった外国人が、外国人全てのような気がしてしまうのです。
偏見、思い込みといったものは一旦思ってしまいますとなかなかぬぐえないものです。
金銭的なトラブル、恋愛トラブルなど、実際に嫌な思いを味わいますと「二度と外国人とは関わりたくない」と思ってしまうのです。
仲がいい時は文化や言葉の違いが新鮮に感じられても、仲がこじれますと、それがわかり合えない理由となってしまい、修復は難しくなります。
3-2. 文化の違いから受け入れられない部分がある
それぞれの国にはそれぞれの文化が根付いています。
外国人から見ても日本の風習、食生活は理解できない、受け入れられないと感じる部分もあるかもしれません。
外国人恐怖症の人は、文化の違いで受け入れらない部分が他の人より大きくて、強く感じているのでしょう。
特に受け入れられないと感じることの一つに食生活があります。
食べることは生きることですから、人間にとって本当に大事なことです。
その大事な部分が合わない、受け入れられないと思いますと、恐怖、嫌悪、排斥といった感情が湧いてくるのです。
テレビ番組などで外国の食生活などを紹介しているものを観て楽しいと感じることができる人もいれば「絶対無理」と気持ち悪くなる人がいます。
感じ方は人それぞれですから、外国人恐怖症になる人は感受性が強い、繊細なタイプともいえるでしょう。
3-3. 外国に行って怖い思い、嫌な思いをした
かつて、留学、旅行などで外国に行った人が、海外で怖い思い、嫌な思いをしますと「その国には絶対行かない」「大嫌い」となることでしょう。
日本は治安が良く安全な国といわれています。
ですから日本と同じ感覚でいれば外国では危険な目に合うことはあります。
命の危険を感じるようなことがあったり、お金を騙されたりとなれば嫌気がさしてしまうのも仕方ありません。
また国よってはチップが当たり前というところもありますが、日本人にはそのような習慣がありませんので理解できない部分もあるかと思います。
結局のところ「日本が一番いい」となり、外国や外国人に対して嫌悪感がつのってしまうのです。
3-4. 日本に来ている外国人に嫌な思いをさせられた
勉強の為、仕事の為、観光と日本には大勢の外国人が来ています。
観光地に行けば沢山外国人がいます。
日本語が話せる外国人も多いですが、なかには話せず英語でごり押しというタイプもいます。
特にお店などで接客する仕事をしていますと、そのような観光客相手は英語が苦手ですと緊張するものです。
飲食店など英語ができるスタッフがいれば安心ですが、いない場合はなかなか大変です。
外国人にからかわれたり、嫌な思いをさせられたと感じますと、外国人恐怖症になってしまいます。
4. 外国人恐怖症になる心理
外国人と関わっても、外国人恐怖症にならない人もいます。
むしろ外国人好きという人もいるぐらいです。
では外国人恐怖症になる人の心理はどういった状態なのでしょうか。
それは以下のような心理状態だと考えられます。
では見ていきましょう。
4-1. 自分と違う個性を受け入れられない
日本は島国ということもありますし、かつて江戸時代は鎖国をしていましたように、外国人(移民)がいるという状態にあまり慣れていません。
外国のように髪の毛の色、肌の色、目の色が異なる人たちが一つの国にいるということもなく、日本人は皆、髪の毛も目の色も黒〜濃い茶色です。
それが関係あるのかどうかは別として、自分と違う個性を受け入れられないという性格の人は一定数います。
仲間意識とでも言いましょうか。
少し違った人は仲間外れにするという人がどこにでもいます。
そのような性格の人は外国人に対しても大らかな気持ちが持てず、自分とは違うから何を考えているかわからない、騙されるかもしれない、好きじゃないと嫌う心理になります。
4-2. コンプレックスを刺激される
外国人恐怖症になる心理に、自分のコンプレックスを刺激されてしまうから、見たくない、関わりたくないというものがあります。
例えば英語の発音の問題があります。
日本人は英語の発音が苦手という人は多いのではないでしょうか。
ネイティブスピーカーからすれば日本人の話す英語は発音がおかしい部分もあるかもしれません。
そういった英語の発音を外国人に指摘され、笑われたという経験をしますと英語学習そのものが辛くなったり、自信が持てずに話せなくなってしまうという状態になる場合があります。
それがさらに強まって外国人嫌悪にもなるのです。
4-3. 見た目で判断、気後れしてしまう
外国人の見た目の華やかさ、派手さ、体格の良さといったものに気後れを感じたり、見た目で「怖い」と決めつけてしまうことがあります。
夜の街など体格が良い外国人が立っていれば確かに迫力があって「怖い」と感じてしまう気持ちもわかります。
女性であればなおさらです。
しかし、それだけで嫌うというのは外国人恐怖症の可能性があります。
5. 外国人恐怖症の人の特徴
外国人恐怖症の人は、普段どのような特徴があるのでしょうか。
一緒に接していて、以下のような特徴があれば外国人恐怖症なのかもしれません。
5-1. 新しいもの、未知なものを受け入れたくない
日頃から、決まった通りのことが好きで、新しいもの、未知なものを受け入れたくないという人は外国人恐怖症の可能性があります。
自分の知っている人だけで、決まった通りのことをこなす。
こういったことに執着がある人は、外国人に限らず新しく出会った人のことも受け入れようとしないものです。
排他主義者の傾向があります。
5-2. 外国人と話す機会を避ける
学校、職場など外国から来た人がいる場合、積極的に話すことはまずありません。
むしろ外国人と話す機会を避けているような特徴が見られます。
5-3. 外国人と接すると冷や汗が出る、緊張する
外国人と接すると、冷や汗が出てきたり、極度に緊張している様子が見られます。
いい意味での緊張ではなく、本当に困っている、嫌だという意味の緊張です。
5-4. 外国人の悪口を必要以上に言う
日頃から、外国人の悪口を言う人は外国人恐怖症の可能性が高いのです。
そんなに外国人の悪口を言う機会というのは関わっていない限りはないものです。
関わっていないのに悪口を必要以上に言う場合は、排斥したいと思っている、見下している、差別しているといったことが考えられるでしょう。
5-5. 偏見が激しい
自分がこうと思ったら、他の意見を聞き入れない人がいます。
外国人に対してもそのような偏見を持っていて、すべての外国人が当てはまるかのような言い方をする場合は外国人恐怖症の可能性があります。
5-6. 外国人と親しくしている人を嫌う
身近な人が外国人と親しくしていたり、交際していると知ると、その人のことを嫌う場合があります。
外国人と親しくしているという事実が受け入れられない、嫌悪するといった場合は外国人恐怖症の可能性はとても高いのです。
もしくは、その外国人のことが好きだった、恋敵だったという妬みからくる場合もありますので、どちらに当てはまるかで判断するといいでしょう。
6. 外国人恐怖症を克服するコツやポイント
自分が外国人恐怖症を何とかしたい、もしくは外国人恐怖症の人を何とかしてあげたいと思っている人へ、外国人恐怖症を克服するコツ、ポイントをお伝えしましょう。
6-1. 見た目で判断しない
人のことを見た目で判断する癖があるならば、まずはそれを改めることです。
見た目が日本人とは違うからという理由で嫌ったり、恐れるのは、自分がそう思われたらどうでしょうか。
外国人から「日本人だから」と見た目で嫌われたら悲しいことと思います。
逆の立場から考えてみることも必要です。
6-2. 健康的な生活を送る
恐怖症を克服するには、まずは心身共に元気になることです。
強い心、元気な体を作る為に健康的な生活を送るようにしましょう。
健康な体と心でいればポジティブ思考にもなれます。
6-3. 悪いニュースばかりでなくいいことに目を向ける
外国人恐怖症になる理由の一つに、外国人によるネガティブなニュースにばかり気をとられているということがあります。
悪いニュースばかり見ていますと気が滅入ってきますし、ネガティブになります。
外国人のいい面に目を向けるようにしましょう。
楽しいニュースを探していく方が気持ちも明るくなれます。
6-4. 外国人、日本人と区別せずいい人、悪い人で考える
どの国の人でも、いい人もいれば悪い人もいます。
例えば日本人同士であっても色々な性格、気質の人がいるのです。
いい人もいれば悪い人もいます。
外国人も同様なのです。
同じ人間なので、人種、民族で区別するのではなく、その人がどうであるかで考えていくようにしましょう。
6-5. 自分の語学力を上げる努力をする
外国人恐怖症になる原因に、自分の語学力の自信のなさがあるのだとしたら、まず自分の語学力を上げていくことが大事なことです。
自分の語学力が上がり発音に自信が持てるようになれば、話す時に緊張もせず自分の意見を言えるようになります。
また発音が苦手であっても聞き取ることができれば相手が何を言っているか理解はできますので意思疎通は筆談を使ってでもできるのです。
6-6. 嫌えば嫌われると理解する
外国人恐怖症は、本人にとっては切実な問題です。
しかし外国人側からすればどうでしょうか。
一方的に嫌われているという状態で、悲しい、嫌だと感じることでしょう。
人間は嫌いだと思えば相手も同じように嫌っているものです。
自分が外国人を嫌えば相手も同じく嫌う、心を開かないという状態になりやすいといえるでしょう。
学校、職場といった場において人間関係を良くしたいと思うならば一方的に嫌うのは止めましょう。
いきなり好きになることは難しくても、理解するように努力を始めるようにしましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
外国人恐怖症について詳しく説明しました。
いきなり話しかけられますと緊張して上手く話せない、わからないから困ると思うことはあります。
しかし身振り手振りでも何とかなるものですし「笑顔」は世界共通です。
気楽に考えること、また発音が苦手なのはネイティブスピーカーではないので当たり前のことだと開き直るぐらいでいいのです。
日本人とは違う文化ですので、受け入れられないと思うことはあるかもしれませんが、それを見下したり、嫌悪するのではなく、理解する、尊重するという気持ちを持つことも必要です。
少しずつ時間をかけて、外国人恐怖症を克服していけるように頑張りましょう。
外国人恐怖症という言葉をご存知でしょうか。
外国人と接する時に少し気後れするといったものではなく、嫌悪したり、排斥しようとする気質のことです。
外国人恐怖症についてまとめてみましたので一緒に見ていきましょう。
1. 外国人恐怖症とは?
外国人恐怖症(外国人嫌悪という場合もあります)はゼノフォビア(xenophobia)の訳語です。
外国人嫌いと訳す場合もあります。
xenoが外国人、外来の物で、phobiaが恐怖症です。
意味は外国人嫌い、未知の人や物に対する嫌悪感、恐怖となります。
外国人恐怖症は日本だけではなくあらゆる国、民族に存在します。
かつて外国人恐怖症が行きすぎた為に大量虐殺が行われた事例も数多くあります。
日本人の場合は島国の為、外国人と接することが多くありませんでした。
江戸時代において鎖国が約260年続いていたことが外国人嫌悪の原因になっていて「国籍」よりも「民族」「人種」の方にこだわる傾向があるという主張もあります。
2. 外国人恐怖症の症状
外国人恐怖症の症状を見ていきましょう。
2-1. 外国人を避ける
日本で生活していても、沢山の外国人が日本には存在しています。
留学、仕事、観光などで日本にいますので街中を歩いていれば見ない日はないのではないでしょうか。
外国人恐怖症の人は、外国人を避けます。
姿を見かければさっと隠れ目が合わないように、話しかけられないようにします。
2-2. 外国人を怖がる
外国人恐怖症の人は、外国人に対して恐怖感を持っています。
それは白人、黒人、黄色人種と関係はなく、自分が苦手、怖いとする外国人が対象となります。
別に何か関わったわけでもなく嫌な思いをしたわけでもないのですが、これまでの歴史や、ニュースなどで得た知識で怖いという印象がしっかりとインプットされているのです。
その為その国へ行こうという気持ちはもちろんありませんし、日本に来ている外国人に対しても怖がって近づこうとしません。
2-3. 偏見にとらわれた見方をする
外国人恐怖症の人は、自分が嫌だと思う外国人に対して事実ではないこと、偏見にとらわれた見方をしていることがあります。
皆が同じ考え、行動ではないのですが「この国の人は皆こうに違いない」と考えます。
頭から決めつけていますので、仲良くなろう、理解しようという気持ちはありません。
またそういった偏見が強くなることで外国人差別といったことにも繋がっていきます。
2-4. 外国人を嫌う
自分が外国に行くこともありませんが、日本に来ている外国人そのものを嫌う傾向にあります。
日本に来ないで欲しい、どこに行っても外国人がいて怖い、日本が日本でなくなるといったように外国人を嫌っています。
まるで江戸時代の鎖国のように、外国人が日本に入ってこなければいいのにと思っています。
外国人による犯罪やトラブルも確かに増えてはいます。
そういったネガティブなニュースがより、このような気持ちを強くさせてしまうのです。
日本に来て犯罪やトラブルを起こしている外国人ばかりではありません。
日本が好きと日本文化を学んだり、仕事の為に来ている人も大勢いるのです。
しかし外国人恐怖症の人は視野が狭くなっていますので、そのような大らかな考え方はできない状態なのです。
2-5. 外国人を見下す
外国人と日本人では文化や生活レベルが違う場合があります。
特に食生活などはその国特有のものがあるでしょう。
そういったことをとらえて「ありえない」「気持ち悪い」などと見下すような発言をすることがあります。
理解できないことがあったとしても、それをわざわざ口に出して見下すようなことでもありません。
しかし外国人恐怖症の人は、怖がると同時に見下したり、排斥したりするところもあるのです。
そういった気持ちが強く、度が行き過ぎることで、戦争、迫害、虐殺といった恐ろしく痛ましいことに繋がるのです。
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