返報性の原理という言葉をご存知でしょうか。
返報性の原理は仕事や恋愛とあらゆる場面で起こる心理現象です。
それでは返報性の原理についての理解を深めていきましょう。
- 返報性の原理とは?
- 返報性の原理の心理
- 返報性の原理の仕事での使い方
- 返報性の原理の恋愛での使い方
- 返報性を使っている一般的な事
- 返報性の原理の使い方、気をつけること
- まとめ
1. 返報性の原理とは?
返報性の原理とは、簡単に言えば「何かをしてもらったら、何かお返ししなくていけない」という心理がはたらくことをいいます。
何かをする方は、返報性の原理を知っていて狙って行う場合もありますし、まったくそのようなことは考えずに行う場合もあります。
しかし、受けた側としては「何かお返しをしなくては」と思うのが一般的ですから、恋愛で返報性の原理を巧みに使って好みの異性を落とすテクニックなどもあります。
それでは返報性の原理の心理や、意識的にテクニックとして使っている方法など紹介していきましょう。
2. 返報性の原理の心理
返報性の原理の心理にはいくつか種類があります。
一つずつ見ていきましょう。
2-1. 好意の返報性
好意の返報性とは、自分が相手に好意を見せることで、相手も好意を見せてくれるということをいいます。
好意の返報性を利用して恋愛を上手くいかせることもできます。
それは自分の方から先に相手に好意を見せることです。
相手も好意を持たれたことで、何とも思っていない相手であったとしてもそこから意識しますし、自分を好いてくれている相手ですので、嬉しいと単純に思います。
またその気持ちに応えてあげてもいいかなという気持ちにもなりやすいのです。
好きな相手を落とすにはまずこの好意の返報性を使うことは基本です。
2-2. 敵意の返報性
敵意の返報性とは、自分が相手に「この人嫌いだ」「敵だ」という意識を持つことで、相手も同じく自分のことを嫌い、敵と思うことをいいます。
人間とは不思議なもので、なぜか自分に好意があるかないか何となくわかるものです。
好意の場合は親しくなるだけなので問題はないのですが、敵意の場合は厄介です。
自分が相手に敵意を見せれば相手も自分に敵意を持つようになります。
ですから、敵意や嫌だという気持ちはビジネスシーンでは見せないようにするのが大事でしょう。
2-3. 譲歩の返報性
譲歩の返報性は、自分が譲歩することで、相手も譲歩するということです。
譲歩の返報性は生活の上でよくあることではないでしょうか。
例えば取引や売買においては、はじめに高い金額や難しい条件を提示されることがあります。
それを受け入れることはできないと断りますが、断ることで相手に対してちょっとした申し訳なさのようなものも感じるのです。
その為少し金額を低くするとか、条件を変えるならばと譲歩して相手を受け入れようとする心理があるのです。
相手側も儲けが少なくなるのですが、お互いに譲歩しあうことで話がまとまったり、良好な関係性が維持できます。
これが譲歩の返報性です。
2-4. 自己開示の返報性
人と人のつき合いは、何事も同等、バランスをとることが大事ではないでしょうか。
例えば、相手のことを知りたいと思うならばまずは自分のことを相手に伝えるのが先です。
自分のことを相手に伝えることで、相手は信用しますし、じゃあ自分も・・・と情報を教えてくれるのです。
自分が相手に対して自己開示をすれば、相手も自己開示をしてくれる、これが自己開示の返報性です。
例えば、自分のことは秘密主義なのに、相手のことは何でも知りたがる、根掘り葉掘り聞こうとする人がいますが、信用できないと思いますし、あまり教えたくないとなります。
つまり相手のことを知りたいと思うならば自分が先に相手にさらけ出すことです。
3. 返報性の原理の仕事での使い方
返報性の原理を仕事でどう使うかをお伝えしましょう。
返報性の原理を上手く取り入れることで、仕事面で大きな成功をすることも可能となるのです。
3-1. 無料で提供する
無料サービス、無料診断、無料相談。
このような言葉をどう思われるでしょうか。
その先にある何かを売ろうとしている、それは誰にでも想像がつくものです。
人は無料とか得という言葉に弱いものです。
どうせ同じ「物を買う」「サービスを買う」ならば、お得な方を選びたいという心理はあるでしょう。
また無料で何かしてくれたということで「じゃあお礼に買いましょうか」という気持ちに自然となります。
ただし、無料で提供するといっても恩着せがましくなるのはNGです。
例えば「これ無料であげますから買ってください」などと言われたら買う気も失せるというものです。
もちろん、買って欲しいという気持ちはあってもそれを出さずに無料で提供すること、これが大事なのです。
3-2. 労力、気遣いを惜しまない
返報性の原理を仕事に使うには、自分の労力、気遣いを惜しまないことです。
こんなサービスをしたら、時間や労力の無駄になるだけだと思うかもしれません。
心配になる気持ちはわかります。
しかし返報性の原理というのは、まずはそのような目先の損得を捨てることです。
相手に与える、これだけを考えることです。
相手を喜ばせて、自分の利益に繋げようなどと考えてはいけません。
そのような考えは相手に伝わるものです。
返報性の原理は何かしてもらうことによって、自分もお返ししなくてはという気持ちになることです。
感動、感謝の気持ちが必要なのです。
最初から相手の思惑が見えていれば、その好意は下心であり、感動もなく白けてしまいます。
一見無駄になっている、損をしていることが感動を起こすのです。
そして「こんなにしてもらった、悪いから、せめてこれぐらいはこちらもお返ししますよ」という気持ちが生まれるのです。
つまり、労力や気遣いを惜しまないことが大事です。
3-3. 相手に嫌な思いをさせないことが基本
返報性の原理は、良いことも悪いことも与えたものは自分に返ってくるということでもあります。
仕事においても、相手に嫌な思いをさせれば、回りまわって自分に戻ってくるということを覚えておくようにしましょう。
相手のことを見下した態度をとれば、いつしか力をつけた相手に自分が見下される日が来るかもしれません。
また相手を陥れて自分がのし上がるようなことをすれば、いつか自分が困った状態になることもあります。
自分がいい思いをしたい、そう思っているならば、相手にもいい思いをさせることです。
売り上げを上げたいと思うから、お客に無料サービスをするわけです。
もちろんすぐに効果が出るわけではありません。
短期的に見れば損をしていると思えることでしょう。
しかし長期的に見れば、良いサービスをすれば良いお客がリピーターとしてつく、ということを期待できます。
最初から相手に損を与えれば、いくら良いものであっても「損をした」という思いの方が強く印象に残ります。
返報性の原理を上手く使うのであれば、まずは最初は自分側が与える、損をするというこになります。
4. 返報性の原理の恋愛での使い方
返報性の原理を少しかじっている人ならば、まずは恋愛が思い浮かぶのではないでしょうか。
それぐらい、返報性の原理は恋愛と関係があります。
好きな人がいる人はぜひこの返報性の原理を覚えて使うことです。
4-1. 見返りを求めない(相手に投げかけるだけ)
好意の返報性は、自分が相手のことを好きという気持ちをまずは伝えることから始まります。
その際自分が「これぐらいあなたを好きだから、自分とつき合う方がいいですよ」という伝え方はNGとなります。
それは一歩間違えますと脅迫のようなものです。
自分が好きだから、相手にも好きになれと強要するような形になるのは逆効果なのです。
相手に対しては見返りを求めないことが基本です。
「好きです」という気持ちだけを伝える、相手に伝わればOKなのです。
そこから先は相手の問題です。
嬉しいと感じたり、その気持ちに応えたいと思ったり、嬉しいけれど応えることはできないと感じたりすることでしょう。
しかし人は自分に好意を示した相手を邪険にはできないという心理があります。
ですから人間関係においてマイナスになることはありません。
4-2. 短期間で何とかしようと思わない(時間はかかる)
好意の返報性を上手に使って、恋愛を上手くいかせたいならば、焦りは禁物です。
返報性の原理というのは、短期間ではなく長期間かけることが大事なのです。
それはビジネスにも言えますが、まずは相手に与えることから始めます。
じわじわと好意が相手に伝わり、感謝の気持ちを持ったり、何かお返ししたいと思うのは時間が必要です。
また時間をかけるからこそ、気持ちは大きくて揺るぎないものになるのです。
好きという気持ちを時間をかけて相手に伝えていくことをしてください。
相手の気持ちを確かめたいと思うかもしれませんが、ここはじっと我慢です。
相手から何らかのリアクションを起こしてくるまで待つようにしましょう。
4-3. 愛情、言葉など相手に与える
好意の返報性は、自分が相手に与えることが大事だと何度も言いました。
返報性の原理としては自分が与えたものが返ってくるということになりますので、自分が深く愛されたい、いい恋愛をしたいと願うならば、相手に愛情を与えることに力を注ぎましょう。
愛情や、言葉など相手に与える(伝える)のです。
好意は出し惜しみするものではありません。
相手が調子に乗るだけなのでは?と思ってあえてクールに接するという人もいますが、それはつき合い始めて問題が起こってから考えればいいことです。
好きな人や恋人にいつも笑顔や愛情を与えれば、相手からも笑顔やいいリアクションを返してもらえる確率の方が高いです。
5. 返報性を使っている一般的な事
返報性のことがだんだん理解できたことでしょう。
それでは日頃返報性を使っている一般的な事を紹介します。
以下のようなことは返報性の原理を使って行っていることです。
5-1. スーパーの試食
スーパーで試食をもらったことは誰でも経験があることと思います。
試食をさせてもらったことによって、買わなきゃ悪いかな、買ってあげようかなという気持ちになることでしょう。
もちろん、ただ食べるだけで買わない人もいますが、反面沢山買ってくれる人もいます。
また買いやすい値段であるということもポイントです。
「これぐらいの値段なら一つぐらい買ってもいいかな」という気持ちになるからです。
5-2. 観光地の写真撮影
観光地で写真を撮りたい時、人に頼む時があります。
この時、自分から「撮って欲しいのですが」とお願いするより、先に誰か写真を撮りたそうにしている人たちに「写真撮りましょうか?」と声をかけるのです。
そうすれば相手は喜んでくれるでしょう。
その後に「お返しにそちらも撮りましょうか」と自然な流れで自分たちの写真も撮ってもらえるのです。
これも返報性の原理です。
5-3. バレンタインデー
これが一番わかりやすい返報性の原理ではないでしょうか。
女性側から男性にチョコレートを贈るのですが、義理だとわかっていてもやはり嫌いな人に渡すことはないとわかっているだけに嬉しいものです。
自分もホワイトデーに何かお返しをしようと思うことでしょう。
5-4. 無料お試し
無料でお試しをさせてもらい、その後購入するかどうか決めることができるというものです。
商品やサービスなど最初に無料で提供してもらえますのでその分だけお得ということになります。
また気に入らなければそれまでで終わることもできますので、自分はまったく損をしないということになります。
他に似たような商品やサービスがあると、「無料お試しできたから」という理由で選んでもらえる決め手になることもあります。
5-5. 口コミ効果(他人から返ってくる)
試供品を配ったり、無料でサービスを提供したりと、与えることで損をしているように見えることがあります。
しかし、その時与えた人たちからは何も返ってこなかったとしても、口コミでその様子が広がり、別の人から返ってくることがあります。
いわゆる口コミで広がるという効果です。
この効果は今の時代馬鹿にできずむしろ大きな力を持っています。
SNSの発達により、口コミが広がっていくパワーが大きくなっているからです。
6. 返報性の原理の使い方、気をつけること
返報性の原理について、理解していただけたでしょうか。
人の気持ちを掴むのが上手な人は返報性の原理を上手に活用していることが多いのです。
人間関係を良いものとする為に取り入れていくのはいいことです。
しかし、返報性の原理の使い方も間違えますと自分が困った状態になってしまう可能性もあります。
それでは返報性の原理の使い方、気をつけることを最後にお伝えしておきましょう。
6-1. 必要以上に好意を寄せてくる人には注意
あなたに必要以上に好意を寄せる人には注意が必要となります。
「良かれと思って」「あなたの為を思って」という言葉は気をつけなければなりません。
善意の押しつけになっている、自己満足になっている可能性があるからです。
好意を寄せてくる相手を邪険にはできないという心理がはたらき、何かしてもらう度に自分もそれなりのお返しをしなければと思うことでしょう。
最初はありがたいと思っていても、それが重なれば重荷となり、やがて有難迷惑と感じることもあります。
好意を寄せられ過ぎるのも断りにくくなり、困った状況になります。
断る自分がひどい人、心が狭い人、人の好意を無にする人のように思えて罪悪感を感じることでしょう。
しかし、相手の自己満足につき合い続けることはできません。
必要以上に好意を寄せてくる人にはすべてを返そうと思わないことです。
6-2. 断る勇気、線引きをしっかり決めておくこと
返報性の原理として、与えられたものと同等のものを自分も返さなくてはと思う気持ちはわかります。
しかし、すべてを返すことは難しい時もあります。
そのような時は、与えられたものを断る勇気も必要です。
「そのようなことをしてもらっても、こちらは何もできないから」「このような高価なものはいただけません」といったように最初に失礼がないように丁寧に断りを入れればいいのです。
遠回しにこのようなことはかえって重荷になります、迷惑になりますと伝えることも、時には必要な場合があることでしょう。
つき合い方のペースを相手に合わせるのではなく、線引きを決めておくことも大事です。
いい関係性を築いて今後長くつき合っていきたいと思うのであれば、正直に伝えた方がいいでしょう。
もしもそれで相手が気分を害してしまうならば、それまでの関係性です。
自分が無理をして合わせ続けることは苦しくなるだけです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
返報性の原理についてお伝えしました。
仕事、恋愛、日常生活と返報性の原理で行われていることは多いとおわかりいただけたのではないでしょうか。
よく理解して、仕事や恋愛に役立てていくようにしましょう。
これまでよりももっと人間関係がスムーズに、また新しい良い関係性を築いていく参考にしてみてください。
そして、良い感情だけでなく、敵意といったマイナス感情も相手に与えますと自分に返ってくることを覚えておきましょう。
自分が幸せになりたければ、他人に対しての言動も良いものにすることを意識しましょう。
返報性の原理という言葉をご存知でしょうか。
返報性の原理は仕事や恋愛とあらゆる場面で起こる心理現象です。
それでは返報性の原理についての理解を深めていきましょう。
1. 返報性の原理とは?
返報性の原理とは、簡単に言えば「何かをしてもらったら、何かお返ししなくていけない」という心理がはたらくことをいいます。
何かをする方は、返報性の原理を知っていて狙って行う場合もありますし、まったくそのようなことは考えずに行う場合もあります。
しかし、受けた側としては「何かお返しをしなくては」と思うのが一般的ですから、恋愛で返報性の原理を巧みに使って好みの異性を落とすテクニックなどもあります。
それでは返報性の原理の心理や、意識的にテクニックとして使っている方法など紹介していきましょう。
2. 返報性の原理の心理
返報性の原理の心理にはいくつか種類があります。
一つずつ見ていきましょう。
2-1. 好意の返報性
好意の返報性とは、自分が相手に好意を見せることで、相手も好意を見せてくれるということをいいます。
好意の返報性を利用して恋愛を上手くいかせることもできます。
それは自分の方から先に相手に好意を見せることです。
相手も好意を持たれたことで、何とも思っていない相手であったとしてもそこから意識しますし、自分を好いてくれている相手ですので、嬉しいと単純に思います。
またその気持ちに応えてあげてもいいかなという気持ちにもなりやすいのです。
好きな相手を落とすにはまずこの好意の返報性を使うことは基本です。
2-2. 敵意の返報性
敵意の返報性とは、自分が相手に「この人嫌いだ」「敵だ」という意識を持つことで、相手も同じく自分のことを嫌い、敵と思うことをいいます。
人間とは不思議なもので、なぜか自分に好意があるかないか何となくわかるものです。
好意の場合は親しくなるだけなので問題はないのですが、敵意の場合は厄介です。
自分が相手に敵意を見せれば相手も自分に敵意を持つようになります。
ですから、敵意や嫌だという気持ちはビジネスシーンでは見せないようにするのが大事でしょう。
2-3. 譲歩の返報性
譲歩の返報性は、自分が譲歩することで、相手も譲歩するということです。
譲歩の返報性は生活の上でよくあることではないでしょうか。
例えば取引や売買においては、はじめに高い金額や難しい条件を提示されることがあります。
それを受け入れることはできないと断りますが、断ることで相手に対してちょっとした申し訳なさのようなものも感じるのです。
その為少し金額を低くするとか、条件を変えるならばと譲歩して相手を受け入れようとする心理があるのです。
相手側も儲けが少なくなるのですが、お互いに譲歩しあうことで話がまとまったり、良好な関係性が維持できます。
これが譲歩の返報性です。
2-4. 自己開示の返報性
人と人のつき合いは、何事も同等、バランスをとることが大事ではないでしょうか。
例えば、相手のことを知りたいと思うならばまずは自分のことを相手に伝えるのが先です。
自分のことを相手に伝えることで、相手は信用しますし、じゃあ自分も・・・と情報を教えてくれるのです。
自分が相手に対して自己開示をすれば、相手も自己開示をしてくれる、これが自己開示の返報性です。
例えば、自分のことは秘密主義なのに、相手のことは何でも知りたがる、根掘り葉掘り聞こうとする人がいますが、信用できないと思いますし、あまり教えたくないとなります。
つまり相手のことを知りたいと思うならば自分が先に相手にさらけ出すことです。
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