本当に「熱い」人のことを「あの人激情家だね」ということがあります。
もし自分がそう言われているのならば、果たして良い意味なのか悪い意味なのか迷うことでしょう。
「激情家」の意味と使い方、特徴や心理について紹介します。
- 「激情家」の意味とは?
- 「激情家」の類語
- 「激情家」の特徴
- 「激情家」の英語
- 「激情家」の対義語
- 「激情家」の使い方
- まとめ
1. 「激情家」の意味とは?
「激情家」という言葉は、「激情+家」に別れます。
まず「激情」という言葉は、激しい感情の中でも少しずつ違う意味が含まれています。
1-1. 激しくたかぶる感情
人が明らかに興奮している人や興奮している状態を意味します。
「激情」を使うのは激しくたかぶる感情を表現する時に使うことが最も多くなります。
こちらの意味の場合、怒りや憤りといった感情も含まれます。
1-2. 抑えられない感情
理性でコントロールできず、思わず表情に出てしまう抑えられない感情を意味します。
人は本来、なるべく露わな感情を見せない様にしているものです。
しかしあまりにも大きな喜びや怒りを感じた場合、思わず表情や言動に表れてしまうこともあります。
どちらの意味にしても、感情の波が激しく、激しい感情や湧き上がってくる感情が、他人から見て明らかに分かる状態を表しています。
1-3. 「家」について
「〜家」とはそもそも、その職業を専門に行う人に使われます。
昔は職業はその家代々に伝承されるもので、「職業=家」を表していたからです。
しかし段々と「専門的な人」「詳しい人」などに使われる様になりました。
「激情家」とは、「激情し易い人」を意味しているのです。
2. 「激情家」の類語
「激情家」という言葉は、以下の類語を知ればより理解できる様になるでしょう。
「家」がつくかどうかは、その言葉で表現される人が存在するかしないかの違いです。
2-1. 情熱家
激しく燃え上がる様な熱い感情を意味します。
常にものごとを熱く語る人は「情熱家」と言われ、アスリートやスポーツ解説者に多く見られます。
2-2. 熱血漢
こちらは血が湧きたつ様な激しい情熱や気合いが入った人を意味します。
「漢」が付くので主に男性を表す言葉で、正義感が強い人やものごとにのめり込んでいる人に使われます。
2-3. 激昂(げきこう)
こちらも激しく興奮する状態ですが、強い怒りの感情が含まれます。
怒ると急にゴミ箱を蹴り飛ばしたり、机を叩いて怒鳴る様な人に使われます。
「激情家」の場合は、激しい感情を持っている人、或いは抱き易い人のことですが、「激高」は激しく怒り興奮する気持ちそのものを差します。
「激情家」に合わせると「激高し易い人」と言うのが正しいでしょう。
3. 「激情家」の特徴
「激情家」は、実際に激しい感情を表した時にはっきりと分かるものです。
これに対して、普段の生活の中で「激情家」を見分けるには、以下の様な特徴があることを知っておきましょう。
3-1. 普段から「怒り」の感情が出易い
何か納得できないことあると、「ムカつくな」「頭来るな」と言うことがあります。
しかしそれはただ愚痴や不満として言うだけで、激しく怒ることはありません。
喜怒哀楽の感情の中で、とりわけ「怒り」の感情をコントロールするのが苦手で、ついポロリと口から出てしまうのです。
まだ小出しにしているうちは良いのですが、あまりにも一気に不満を感じると、コントロールが効かなくなり激情することもしばしばあります。
3-2. 常に自分が正しいと信じている
会社で仕事をしている時には、ある程度自分に自信を持ち、多少悪いことがあっても折れない精神でいることは重要です。
自信のない人はいつまで経っても責任のある仕事を任せて貰えません。
しかし、いつでもどこでも常に自分が正しいと思っていると、それがデメリットになる場合もあります。
素直に自分の非を認めて改める姿勢も必要なのです。
「激情家」は、自分はいつでも正しいと信じ込んでいる為に、他人との摩擦を生じ易くなります。
自分の意見を否定されると怒ることで相手を委縮させて、自分を押し通そうとするからです。
3-3. 熱しやすく冷めやすい
「激情家」の多くは、感受性が豊かであらゆることに感動したり興味を持ちます。
ちょっとかじってみたことにハマり、没頭してしまうことも多くあります。
但し、感情の起伏が激しいことから、その時には夢中になっていてもすぐに興味を失ってしまいます。
熱し易く冷め易いという特徴があり、一度興味を失うと全くやる気がなくなり、途中で放棄することが多くなります。
3-4. ナルシストが多い
自分に自信がある上に、自分のことが大好きで一番の存在と思っています。
感情的になると周囲が見えなくなるのは、自分が一番だと思っているのでどうでも良いと思うからです。
人前で激情して「凄い人」「怖い人」とネガティブ評価をされても気になりません。
むしろ「ガツンと言える自分ってカッコいい」とうぬぼれているのです。
3-5. プライドが高い
嫌なことがある、譲れないことがある、その様なセンサーが非常に多く張り巡らされているので、すぐにそこに引っかかるものごとが表れます。
その度に自分の正当性を主張するので、周囲からは「プライドが高い人」と思われています。
激情するのもプライドが高いから、なるべくあの人のプライドに関わることは避けよう、周囲もそう心得ています。
3-6. 不器用である
世の中の流れにスムーズに乗れて、あらゆることに順応出来る人ならば、劇場する理由がありません。
ものごとに臨機応変に対応できずに、要領が悪いことから人と合わせられずにストレスを感じるのです。
自分の思い通りにことが進まなかった、話の腰を折られたなど、すぐにその場で対応して流れに乗って行けば激情せずに済むことばかりです。
不器用で臨機応変に行動できず、自分の感情だけが浮いてしまうタイプの人です。
3-7. 細かいことばかり気にする
小さなことばかり気になってしまい、自分が進む方向や最終的な目標が見えなくなってしまいます。
目指しているモノがあれば多少気になることがあっても「態勢に影響はないから今は置いておこう」と思えるのですが、細かいことが気になってしまい、対極を見失ってしまっているのです。
その結果、最終的に失敗しそうになり焦りからイラつき、誰のせいでもないのに激情する人もいます。
3-8. 人間が小さい
自分の器が小さく、いつでも誰かに追い越されるのではないか、失脚するのではないかとオドオドしています。
その為に、何かあった時に激情することで自分を優位に見せているのです。
「小さい犬ほど良く吠える」の典型的な例で、自分の自信の無さを激情的な言動によりカバーしていると言えます。
部下が反論を述べた時に急に怒りだすのはこのタイプが多くなります。
3-9. 論理的な考えができない
「激情家」は、他の人から反論されると余計に怒りに火が付いてしまうものです。
しかも相手が常識的で論理的な意見を述べると、それに対しての反論の余地がないので苛立ちが怒りに変わるのです。
「激情家」に対して一般常識は通用せず、「そういうことを言ってるんじゃない」一蹴されてしまうこともあります。
ではどういうことを言っているのか、それは単に「そっちが折れてくれ」というだけです。
3-10. 自己顕示欲が強い
「激情家」が激しい感情を抑えられなくなってしまうのは、自己顕示欲が非常に強いからです。
常に自分を認めて欲しいと思っているのに、中々うだつが上がらず自己アピールが出来ないと、ストレスが溜まってしまいます。
適度に人と衝突をしてガス抜きができれば良いのですが、ストレスが積もると火山の様にどこかで発散しないと気が済まなくなります。
大した理由でもないのの急に感情的になり大声を出す時には、かなりエネルギーが蓄積されていた状態だと思って良いでしょう。
3-11. 実は面倒見が良い
普段は非常に面倒見が良く、後輩に対して気さくに仕事を教えてあげています。
しかしそれは、自分が優位に立ちたいからで、いざという時に自分の見方をしない後輩に対しては激情し易くなります。
自分でも知らないうちに「あんなに面倒を見てやったのに」という感情に支配されてしまい「かわいさ余って憎さ100倍」の状態になっているのです。
最初から面倒見の良い先輩がいたら、あまりベッタリ依存せずに慎重に付き合う様にした方がいいでしょう。
3-12. 自分が中心である
そもそも人までいきなり荒ぶる感情をむき出しにする行為は、日本人の感覚としては「大人げない」「恥ずかしい」ことに当たります。
それを平気でできるのですから、自分が客観的にどう見られているのかを気にしている筈もありません。
「人から見られる」ことを何度も思わず、常に自分が中心で考えています。
翌日友人から「昨日のお前、すご過ぎだぞ」と言われても「そうだった?」とケロりとしているのが特徴です。
3-13. 何でも白黒つけたがる
正義感が強く、どんなことでも「白黒」「良い悪い」「○×」で判断します。
自分が納得できなければ、例え相手が自分の上司であっても徹底的に反論します。
しかし組織というのは時に正論が通らないこともあります。
「これは上の決定だから、例え合理的でなくても命令に従う様に」と言われると、激情する人もいるのです。
3-14. 学歴コンプレックスがある
学歴が低い人は、会社に入ると学歴差別を受けない様に一生懸命努力をします。
しかしいざという時に高学歴の人に反論されたり、手柄を横取りされそうになると、自分の存在を否定された様な気持になり、激情することもあるのです。
会社の殆どが有名大学卒業で、中途採用、キャリア採用などで入社してきた学歴の低い人がこのタイプです。
3-15. 理想が高すぎる
会社の上司が「激情家」の場合、理想が高すぎてしまうケースがあります。
元々自分が能力があり、高い評価を受けて管理職になりました。
いざ部下を育てようと思ったら、理想が高すぎて中々思い通りに育ってくれない時に、イライラして激情することがあります。
簡単なミスをした時ほど激しく怒るのは、「そんな簡単なミスをしている様ではもっと大きな仕事を任せられない」という苛立ちがあるからです。
自分が部下を過大評価しているのですが、その矛先を向けられた部下は気の毒です。
3-16. 心身が疲労している
たまに仕事や人間関係のストレスで精神的に疲労している場合、怒りっぽくなることがあります。
その様な人は、普段ぼうっとしている時があり、声をかけて我に返ることもあります。
心身が疲労していると、ちょっとした相手の態度やミスが気になったり許せないと思う様になります。
自分のことをバカにしているのではないかと感じてしまい、半ば自分を守る為に激情することもあるのです。
3-17. 親に影響を受けている
小さい頃から親が厳しく、いつもきつく叱られていた様な人は「激情家」になってしまう可能性があります。
理論的に諭すのではなく、ヒステリックに怒鳴りながら叱られるとそれが意識下にこびりついてしまい、自分も同じ様にヒステリックになる傾向があるのです。
他人に対して否定的になり、親から叱られた様に自分もまた他人を否定する様になってしまうのです。
3-18. 目上の人に対してヘラヘラする
「激情家」の多くは正義感が強く、目上の人に対しても自分の意見を変えないのですが、信頼できる上司に出会って可愛がられると、今度は上司に忠誠を誓って周囲の人や後輩に対して冷たい態度を取ることもあります。
意見が対立した時に激情して相手を攻撃することもあるでしょう。
例え相手の方が正しいと分かっていても、自分は上司の命令を守ることを第一に考えてしまうのです。
3-19. 過去に大きな苦労をしている
過去に会社を辞めさせられる程の大失敗をしたり、人に大迷惑をかけたことがある人は「激情家」になる可能性が高くなります。
自分の経験を元にして他に人には失敗して欲しくない、二度と辛い思いをしたくないという意識が強過ぎて感情が入ってしまうからです。
「このままではいけないとどうして分らないのか」「最も辛い経験をした自分が言ってるのに何故聞き入れないのか」という思いが暴走してしまうのです。
4. 「激情家」の英語
「激情家」は英語で表すと以下の様な表現になります。
4-1. 「passion」
「激情」を「激しく湧きあがる感情」と言いたい場合には、「passion」を使います。
「passion= 情熱・激情・情感・熱愛・熱中・情欲」等の意味があります。
「He is a person of passion(彼は激情家だ).」
「We must control oura passions(私達は激情を抑えなければならない).」
4-2. 「emotions」
意味としては「感情」を表し、「激情」よりは控えめになります。
ただし、強調する形容詞を付けることで「激情」に近い意味になります。
「Strong emotions surged up within her(彼女の心に激情が湧きあがった).」
5. 「激情家」の対義語
「激情家」にはこれと言った対義語はありません。
反対の意味に近い言葉としては、以下のものがあります。
5-1. 「温厚な人・温和な人」
普段から性格や態度が穏やかで、荒ぶる様子が全く見られない人のことを言います。
5-2. 「穏健な人」
こちらは性格だけではなく、ものの考え方や言動が穏やかで、平和主義な人のことです。
5-3. 「柔和な人」
性格や態度が穏やかで、しかも人当たりが良く優しい人を意味します。
6. 「激情家」の使い方
「激情家」は、人前で激し感情をむき出しにするので、周囲の人が理解しにくい、或いは対応しにくい状態になります。
その為に、どちらかというとネガティブな意味で使われることが多いのです。
理性が効かず感情的になってしまう人に対して使われることも多いので、根は悪い人ではないけれども性格的に問題がある人というイメージです。
他人に対して個性を褒めるつもりでも「激情家だね」とは言わない方が良いでしょう。
熱意のある人に対して良い意味で使うならば「情熱家だね」と言いましょう。
7-1. 「激情家」を使った例文
「激情家」を実際に使う時の参考として、例文には以下のものがあります。
7-2. 「彼はたまに激情家になることがある」
この場合、「彼」は決して普段から感情の起伏が激しい性格ではありません。
むしろ普段は穏やかな性格なのですが、何かの拍子に激情家になることもある、という時にこの様に表現します。
7-3. 「激情家なので怒らせると怖い」
「激情家」は、機嫌が良い時とそうでない時の差が大きく、怒った時に大声を出したり音を立てたりするので「怖い」と感じる人もいます。
突然怒り出した時のことを知っている人はこの様に言うでしょう。
7-4. 「彼は短気で激情家だ」
こちらの場合、かなりネガティブな意味になります。
「激情家」は「怒りっぽい」という意味に使われ、しかも「短気」であることからすぐに怒る人、ということになるのです。
本人に対して距離を置きたいという気持が含まれています。
まとめ
「激情家」という言葉は、本来は良い意味にも悪い意味にも使われるものです。
できれば「あの人は友達思いの激情家」と言われる様になりたいものです。
「激情家」と呼ばれている人は、自分は今何に対して強い感情を抱いているのか、その矛先は誰にどう向けるべきなのかを考えて、人に迷惑をかけない様にしましょう。
本当に「熱い」人のことを「あの人激情家だね」ということがあります。
もし自分がそう言われているのならば、果たして良い意味なのか悪い意味なのか迷うことでしょう。
「激情家」の意味と使い方、特徴や心理について紹介します。
1. 「激情家」の意味とは?
「激情家」という言葉は、「激情+家」に別れます。
まず「激情」という言葉は、激しい感情の中でも少しずつ違う意味が含まれています。
1-1. 激しくたかぶる感情
人が明らかに興奮している人や興奮している状態を意味します。
「激情」を使うのは激しくたかぶる感情を表現する時に使うことが最も多くなります。
こちらの意味の場合、怒りや憤りといった感情も含まれます。
1-2. 抑えられない感情
理性でコントロールできず、思わず表情に出てしまう抑えられない感情を意味します。
人は本来、なるべく露わな感情を見せない様にしているものです。
しかしあまりにも大きな喜びや怒りを感じた場合、思わず表情や言動に表れてしまうこともあります。
どちらの意味にしても、感情の波が激しく、激しい感情や湧き上がってくる感情が、他人から見て明らかに分かる状態を表しています。
1-3. 「家」について
「〜家」とはそもそも、その職業を専門に行う人に使われます。
昔は職業はその家代々に伝承されるもので、「職業=家」を表していたからです。
しかし段々と「専門的な人」「詳しい人」などに使われる様になりました。
「激情家」とは、「激情し易い人」を意味しているのです。
2. 「激情家」の類語
「激情家」という言葉は、以下の類語を知ればより理解できる様になるでしょう。
「家」がつくかどうかは、その言葉で表現される人が存在するかしないかの違いです。
2-1. 情熱家
激しく燃え上がる様な熱い感情を意味します。
常にものごとを熱く語る人は「情熱家」と言われ、アスリートやスポーツ解説者に多く見られます。
2-2. 熱血漢
こちらは血が湧きたつ様な激しい情熱や気合いが入った人を意味します。
「漢」が付くので主に男性を表す言葉で、正義感が強い人やものごとにのめり込んでいる人に使われます。
2-3. 激昂(げきこう)
こちらも激しく興奮する状態ですが、強い怒りの感情が含まれます。
怒ると急にゴミ箱を蹴り飛ばしたり、机を叩いて怒鳴る様な人に使われます。
「激情家」の場合は、激しい感情を持っている人、或いは抱き易い人のことですが、「激高」は激しく怒り興奮する気持ちそのものを差します。
「激情家」に合わせると「激高し易い人」と言うのが正しいでしょう。
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