体調が悪いとかではなく、怖い思いをしたり、誰かの話を聞いて身体中の血の気が引くほどゾクゾクした経験はないでしょうか。
また経験はなくても想像しただけで背中が凍るような恐怖を感じた事があると思います。
今回はそんな「背筋が凍る」とはどのような事なのかを紹介したいと思います。
- 「背筋が凍る」の意味とは?
- 「背筋が凍る」の類語
- 「背筋が凍る」場面
- 「背筋が凍る」の誤用
- 「背筋が凍る」の使い方
- 「背筋が凍る」を使った例文
- 「背筋が凍る」の語源
- まとめ
1. 「背筋が凍る」の意味とは?
気味の悪い恐怖体験や日常の中でヒヤッとするような経験をした時に、悪寒が走ったり、ゾクゾク・ザワザワした事はないでしょうか。
そんな経験してゾクッと来た時に「背筋が凍る」という表現を遣うのですが、ではどうして胸や腹ではなく背中、背筋なのでしょう。
まず人は全ての刺激を基本的に脳で受け、感覚の指示を出します。
その刺激を伝えるのが神経の役割で、身体中にネットワークのように張り巡らされています。
脳からの様々な指令や情報を得て、このネットワークを通じ情報が行き来することで健康を保ったり異常を発見しています。
この神経には大きく分けて二種類あり、中枢神経と末梢神経に分けられ、末梢神経はまた体性神経と自律神経に分けられます。
そしてこの自律神経というものは人が意識をしてコントロールができない神経になります。
「さぁ、心臓を早く動かすぞ」と言っても不可能なように、多くの内臓機能に関わる自律神経は、自らの意思では動かせないものなので、この神経が狂ってしまうと体調を崩したりメンタル面で支障が出てくる事があります。
そしてこの自律神経は、背中にもあり、衝撃を受けると自律神経の一つである、交感神経が緊張する事で血管が収縮しアドレナリンが大量に分泌され、体が寒く感じ顔色が悪くなったり悪寒が走る事になるのです。
もちろんこの交感神経は背中以外の胸、お腹、手足など全ての皮膚に張り巡らされているのですが、背中というのは無防備なため意識が集中しやすいのかもしれません。
よく後ろに立たれる事を嫌うといった話を聞きますが、やはり背中は自分からは見えないので不安が募りやすく、何かあってもすぐに応戦できないデメリットがあるからではないでしょうか。
また背中によく指で文字を書いてなんと書いてあるか当てる遊びがありますが、その事からも分かるように、見えない上に背中は感覚が鈍いところがあるので、何かあっても気付きにくく、致命症を負う可能性が高くなってしまいます。
つまりそんな背中が寒くなるのを通り越して凍る程、恐ろしい事が起こるという意味でこの言葉ができたと言われています。
2. 「背筋が凍る」の類語
2-1. 血の気が引く
恐怖や身震いするような体験をして血管が収縮し体内に血が回らなくなり顔が青ざめたり、全身が震え上がったりすること。
「血の気」とは「血の気が多い」というように興奮したり激昂するような性格のことを言いますが、それが引いてしまうくらい恐ろしいという表現になります。
2-2. 鳥肌が立つ
寒さや恐怖などで、皮膚に鳥肌のように肌がザラザラする状態があらわれること。
また深い感銘を受けたり、感動した時にも表現の一つとして使います。
2-3. 悪寒を感じる
悪寒(おかん)とは、体調が悪くなりかけている時や、発熱初期に感じるようなゾクゾク暑寒い不快な寒けのことをいいます。
また嫌な予感や雰囲気を感じた時にも使います。
2-4. 身の毛もよだつ
恐怖や戦慄のあまり、全身の毛が逆立つような思いをすることをいいます。
ゾクゾクして寒気がし、鳥肌が立つ現象をいいます。
3. 「背筋が凍る」場面
3-1. 怖いものをみた
怖いものは人によって違うと思いますが、現実世界で偶然見てはいけないものを見てしまった場合は背筋が凍ってしまう事もあるでしょう。
例えば会社内で実は裏取引があり陰謀が企まれている事を知った、入った会社で横領や背任行為が黙認されている、パワハラ・セクハラがあっても平気、反論するとその後の人生まで潰されてしまう、上司と不倫をする事で気に入らない社員をクビにするなど、知った瞬間ゾッと寒気がして、後味も悪く非常に不愉快になりその後は恐ろしさと戦う羽目になるでしょう。
怒りと混じった恐ろしさは問題を解決するか、自分の中から取り除く以外は続いてしまいます。
たまたま知ってしまった、または知らなくても良かった事かもしれませんが、本当に知らなくても良かった事なのか、あのまま知らなかったらどんな目に遭っていたのだろうかという事を考えると背筋が凍るのではないでしょうか。
3-2. 浮気がれバレた
浮気がバレてしまった時は自業自得とはいえ背筋が凍ってしまうでしょう。
携帯からバレた、車のナビからバレた、領収書が出てきた、話のつじつまが合わないなど、嘘をつく人というものはバレないようにする事に気を配るため他の事が杜撰になりがちです。
またどれだけ証拠隠滅をしていても、それは本人が「出来てる」と思っているだけであって周囲は口に出さないだけで違和感に気付いているものです。
ですから何か証拠を突きつけられた時に本人は青天の霹靂となり背筋が凍りつくのかもしれません。
ですがこれも騙されている方は青天でも何でもなく、ずっと雨空曇り空だったわけで、常に雨具を用意し雨を凌いでいたのです。
バレた方は血の気が引き、生きている心地がせず、凍り付いてカチカチかもしれませんが、騙され嘘をつかれ、一人馬鹿みたいに信じていた方はもっと信じていた事にも騙されていた事にも血の気が引き背筋が凍っていたのではないでしょうか。
3-3. 地震で物が倒れてきた
日本は地震大国なので常にいつ地震が来るかわからないという恐怖にさらされています。
また何百年に一度、必ず大災害になってしまう地震が起きている事もしっかりデータとして残っています。
近年に起こった地震の映像を観るだけで非常に恐ろしく、本当に日本なのか、現実なのかと疑ってしまうほど悲惨な状況を見た事があるかと思います。
明日は我が身と思いながら過ごさなければいけませんし、津波や高速道路断絶などの映像を観ると背筋が凍るのではないでしょうか。
また実際に被災された方は物が倒れてきたり、家が倒壊してしまったりと恐怖心を通り越して『無』になってしまうかもしれません。
感情が働くという事はまだ体のバランスが取れているという事なので、背筋が凍る程の体験も通り越してしまうとメンタルがバラバラになってしまい病気になってしまうでしょう。
3-4. 車にひかれかけた
車での事故というのは、自分が運転手の場合の時だけ、もしくは歩行者側の時だけ起こるわけではありません。
ですが、身一つの時に車に突っ込まれてきたり、接触はなくてもその車が目の前で横転した場合は、あまりのショックで背筋が凍ると同時にトラウマになってしまうでしょう。
車に轢かれかける経験はそんなに人生でする事ではないので、一度でも経験してしまうと車を見たり、何かのタイミングで思い出してしまうかもしれません。
3-5. 事件を目撃した
ドラマのような話だと思うかもしれませんが、ニュースなどで殺人事件や強盗、放火などの凶悪事件には第一発見者がいるものです。
誰かが何かを目撃したり発見するので警察に通報がいくのだと思いますが、その第一発見者は当然リスクがあるのであまり表立たにはされません。
ですが考えてみると相当ショックを受けたりトラウマになってしまっていてもおかしくない筈です。
毎日必ずどこかで事件や事故などが起きていますが、『朝のランニング中にふと河原をみたら人の腕らしいものがあった。
まさか人と思わないので人形だと思って近付くと死体だった』という発見者の話を聞いた事もあるのではないでしょうか。
もし自分だったら背筋が凍るを通り越してパニックになり、その場から動けなくなるかもしれません。
恐ろし過ぎて、自分が何をみてしまったか、どうすればいいかすぐには判断できないかもしれないので、こんな背筋がゾッとする経験はしたくないものです。
3-6. 他人の恐怖体験をきいた
ゾッとしたり背筋が凍る出来事は自分の実体験だけではありません。
他人から聞いた話によって恐ろしく震え上がることもあると思います。
人間が恐怖心を抱くのは理由が分からない事や、得体の知れない事、原因の分からないものなのですが、他人の恐怖体験は間接的なので、全てが想像や妄想の世界になります。
自分だったらどうしただろう、どうなっていただろいといった風に他人事なので余裕かあり、想像して仮定をしたりできますが、やはり考えただけで背筋が凍り絶対体験したくないと思うのではないでしょうか。
3-7. よく考えたり、後々考えると恐ろしい話
その時は分からなかったけど、落ち着いて考えてみるととんでもない状況だったという時にも背筋が凍る思いをするのではないでしょうか。
または、何日か、何ヶ月か、もしくは何年も経ってから実は事実は違ったというような事を知る事になった場合も、血の気が引き背筋が凍りつき、その後の人生を揺るがしてしまう程のショックを受けてしまうかもしれません。
ずっと今まで自分が信じてきたものは何だったんだろうと思うでしょうし、真意を知って「よく今、命があるわ」と感じるかもしれません。
よくインターネットのサイトなどで【意味がわかると怖い話】といった短いポエムのようなものから物語、川柳のようなものがありますが、これらは全てが決して非現実的なものではなく、普段の私達の生活の中で自然に生まれている感情であったり考え方であったりするのです。
読んだ瞬間は何となくとしか理解ができなくても、何回か読んだり誰かと一緒に目を通す事で「実は」という事に気付き背筋が凍る思いをする事も少なくありません。
3-8. 天災
ここ近年の日本は、本当に天災が多く地震に限らず台風や洪水、土砂崩れなどで地盤が緩み大二次災害が起きてしまうまでに弱っています。
今も被災地で生活を強いられている方達が沢山いる事は忘れてはいけない事ですが、例えば台風などで大きなトラックがおもちゃのように風で飛ばされ横転し河に落ちそうになったり、屋根や瓦が吹き飛んだり工事現場のパネルが崩れ落ちるなどの映像を目の当たりにすると愕然として背筋が凍りつくものです。
実際にそこにいなくても大変恐ろしいのに、経験してしまうと記憶に恐怖が刻まれてしまうでしょう。
たまたま外にいて天災に巻き込まれ恐ろしい思いをしてしまったり、怪我をしてしまった場合、大切な人が傷付いてしまった場合は恐怖心と共に生きる教訓になったり、今後の考え方が変わったり、その後の人生に大きな影響を与える事となるでしょう。
3-9. 事件に巻き込まれた
生きていると様々な経験をするものですが、思わぬところで自分自身が事件に巻き込まれてしまって被害者になってしまう事もない訳ではありません。
知らないところで恨みを買っていたり、罠に嵌められ利用されている事もあるかもしれません。
またストーカーに付きまとわれている人などは毎日生きている心地がしないほど怯えて過ごしているのではないでしょうか。
事件は事実なので犯人が捕まっても傷は残りますし、何かある度に背筋が凍る思いをするでしょう。
人間はいつ何が起こるかわかりません。
自分の意思ではどうしようもない事に巻き込まれてしまう事も多々あります。
誰かを庇ったり、助けた拍子に逆恨みをされて怖い思いをするかもしれません。
防ぎようのない事はどうしようもないのですが、できる範囲で危機管理をしておかなければいけません。
3-10. 霊体験をした
背筋が凍るといってパッと思い浮かべる事に、幽霊やお化け、心霊現象などがあると思います。
非科学的であり誰もが見えるわけでも経験するわけでもないのですが、話を聞くだけでゾッとして寒気を催す事も多いのではないでしょうか。
また実際に経験した人はやはり恐怖体験として記憶に残りますし、そんな話が好きな人はゾクゾクしたいが為に話を聞きたがるものです。
信じる・信じないは人によりますし、否定する必要性もありません。
また不思議な経験や体験というのは理由を説明できないものも多く、先程も述べましたが人の恐怖心を煽ります。
霊現象や心霊体験はいつの時代も背筋が凍る話の常連だといえるでしょう。
3-11. 苦手な人と暫く過ごさなければいけない
学校や会社などのように自分の力ではどうしようもない人間関係を強いられてしまう時に、苦手な人や生理的に無理な人と同じクラスになったり業務を組まされてしまった場合は背筋が凍り、この世の終わりを感じてしまうかもしれません。
これからのことを考えると不安しかなく、どうしていけばいいんだろうと思うと恐怖でしかないのではないでしょうか。
なるべく関わらないようにと避けてきたのであれば、余計に重荷になってしまいますし、ストレスが増える事が分かっている分、戦いの日々を覚悟しなくてはいけません。
3-12. 寝坊や遅刻
大切な試験や会議、商談などの時に寝坊や遅刻をしてしまった場合、想像しただけで背筋が凍りつくのではないでしょうか。
実際に起こっていなくても、考えただけで一巻の終わりを感じると思います。
また夢の中で寝坊や遅刻をしていた場合にも汗びっしょりで起きるかもしれません。
そして実際にしてしまった場合は、一瞬血の気が引き頭が真っ白になり、凍りつくかもしれませんが、案外肝が座り覚悟を決めて通勤や通学をするかもしれません。
4. 「背筋が凍る」の誤用
4-1. 「背中が凍った」
背中が凍るとは単純に肉体的な症状を表しているだけで比喩的な意味はありません。
氷点下の気温の中で過ごしたり、なんらかの理由で背中が凍ってしまったという物理的な意味に過ぎません。
5. 「背筋が凍る」の使い方
恐怖や気味の悪さで背中がぞっとする事を言いますが、使い方としては、恐ろしい体験をした事を伝えたり、表現する時に使用します。
またお化け屋敷などの紹介をするときに『背筋が凍るほどの怖さ』などとキャッチコピーとして使う事があります。
6. 「背筋が凍る」を使った例文
- 実は私に恨みを持っていたからあんな事をしたのだと知ってからは背筋が凍ったが、彼女にも色々と思うところがあったのかもしれない
- 交通事故に遭い、背筋が凍る思いをしたけれど軽症で済んでよかった
- もしあの場所にあなたがいたかと思うと背筋が凍る
7. 「背筋が凍る」の語源
無防備な背中には一番神経を使わなければいけないのですが、背中は皮膚の感覚が鈍い部分です。
そんな鈍いところを知らぬ間に攻撃されたり、傷付けられるとゾッとすると思います。
つまりそんな鈍いところですら感覚を覚える程の体験や感情を持つということから背筋が凍るという言葉ができたと言われています。
まとめ
背筋が凍るような経験をすると、何かの拍子に思い出してしまうかもしれません。
恐ろしい経験や後々聞いてショックを受けるような体験はトラウマになってしまったり、思い出すたびにゾクっとする場合が多いでしょう。
生きていると背筋が凍るような経験をするかもしれませんが、なるべくなら穏やかに過ごしたいものです。
体調が悪いとかではなく、怖い思いをしたり、誰かの話を聞いて身体中の血の気が引くほどゾクゾクした経験はないでしょうか。
また経験はなくても想像しただけで背中が凍るような恐怖を感じた事があると思います。
今回はそんな「背筋が凍る」とはどのような事なのかを紹介したいと思います。
1. 「背筋が凍る」の意味とは?
気味の悪い恐怖体験や日常の中でヒヤッとするような経験をした時に、悪寒が走ったり、ゾクゾク・ザワザワした事はないでしょうか。
そんな経験してゾクッと来た時に「背筋が凍る」という表現を遣うのですが、ではどうして胸や腹ではなく背中、背筋なのでしょう。
まず人は全ての刺激を基本的に脳で受け、感覚の指示を出します。
その刺激を伝えるのが神経の役割で、身体中にネットワークのように張り巡らされています。
脳からの様々な指令や情報を得て、このネットワークを通じ情報が行き来することで健康を保ったり異常を発見しています。
この神経には大きく分けて二種類あり、中枢神経と末梢神経に分けられ、末梢神経はまた体性神経と自律神経に分けられます。
そしてこの自律神経というものは人が意識をしてコントロールができない神経になります。
「さぁ、心臓を早く動かすぞ」と言っても不可能なように、多くの内臓機能に関わる自律神経は、自らの意思では動かせないものなので、この神経が狂ってしまうと体調を崩したりメンタル面で支障が出てくる事があります。
そしてこの自律神経は、背中にもあり、衝撃を受けると自律神経の一つである、交感神経が緊張する事で血管が収縮しアドレナリンが大量に分泌され、体が寒く感じ顔色が悪くなったり悪寒が走る事になるのです。
もちろんこの交感神経は背中以外の胸、お腹、手足など全ての皮膚に張り巡らされているのですが、背中というのは無防備なため意識が集中しやすいのかもしれません。
よく後ろに立たれる事を嫌うといった話を聞きますが、やはり背中は自分からは見えないので不安が募りやすく、何かあってもすぐに応戦できないデメリットがあるからではないでしょうか。
また背中によく指で文字を書いてなんと書いてあるか当てる遊びがありますが、その事からも分かるように、見えない上に背中は感覚が鈍いところがあるので、何かあっても気付きにくく、致命症を負う可能性が高くなってしまいます。
つまりそんな背中が寒くなるのを通り越して凍る程、恐ろしい事が起こるという意味でこの言葉ができたと言われています。
2. 「背筋が凍る」の類語
2-1. 血の気が引く
恐怖や身震いするような体験をして血管が収縮し体内に血が回らなくなり顔が青ざめたり、全身が震え上がったりすること。
「血の気」とは「血の気が多い」というように興奮したり激昂するような性格のことを言いますが、それが引いてしまうくらい恐ろしいという表現になります。
2-2. 鳥肌が立つ
寒さや恐怖などで、皮膚に鳥肌のように肌がザラザラする状態があらわれること。
また深い感銘を受けたり、感動した時にも表現の一つとして使います。
2-3. 悪寒を感じる
悪寒(おかん)とは、体調が悪くなりかけている時や、発熱初期に感じるようなゾクゾク暑寒い不快な寒けのことをいいます。
また嫌な予感や雰囲気を感じた時にも使います。
2-4. 身の毛もよだつ
恐怖や戦慄のあまり、全身の毛が逆立つような思いをすることをいいます。
ゾクゾクして寒気がし、鳥肌が立つ現象をいいます。
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