外出をしたくても、不安感が強くてどうしてもできないという人がいます。
他人から見ればただの外出でも、本人にとっては恐怖のイベントに感じるのです。
この様な広場恐怖症について、正しい知識を持つ様にしましょう。
- 「広場恐怖症」とは?
- 「広場恐怖症」になる原因
- 「広場恐怖症」の人が怖く感じるもの(※人による)
- 「広場恐怖症」の人の症状
- 「広場恐怖症」の診断チェックポイント
- 以上の項目全てに当てはまる人は、「広場恐怖症」の可能性もあります
- 「広場恐怖症」を改善するコツ
- まとめ
1. 「広場恐怖症」とは?
「広場恐怖症」とは、普段は全く普通に生活できるのですが、特定の状況になると強い不安を抱く、或いは実際に体調不良を感じてしまう症状です。
特定の状況とは、その人の過去の体験や認知により違ってきます。
「広場恐怖症」というと、広い場所にいることが苦手な人、と思われますが、この場合の「広場」とは、外出した時の空間を意味します。
1-1. 逃げられない場所に対して不安を感じる
「広場恐怖症」を発症する特定の状況とは、大勢の人がいる場所や、建物内などで、何かあった時に自宅など自分にとって安全な場所にすぐに逃げられない場所を意味します。
多くの場合、大勢の人がいるところで体調不良で倒れてしまい、孤立してしまうことをイメージして不安感や恐怖に襲われます。
1-2. 外出不可能になる
「外出中に倒れたらどうしよう」そう思うことで、その様なリスクのある場所を回避する様になります。
最初は乗り物や建物などを避けていますが、段々と行動範囲が狭まってきて、スーパーやコンビニ、公園に出かけるのにも不安や恐怖を感じる様になります。
外出できないことから通常の社会生活が送れなくなる人も多いのです。
1-3. 「パニック障害」と「広場恐怖症」の違い
「広場恐怖症」は、「パニック障害」の症例の一つです。
「パニック障害」は、突然めまいや動悸を感じて死ぬのではないかと思う程恐怖を感じてしまう病気です。
一度この症状を経験すると、「またあんな発作が起きたらどうしよう」と常に不安を感じる様になります。
その不安感が恐怖となり、「広場恐怖症」を引き起こすのです。
「パニック障害」の3大症状として「パニック発作・予期不安・広場恐怖」です。
激しい「パニック発作」を起こすことで、常に「予期不安」が強い状態になり、その様な場所を回避しようとする「広場恐怖症」を発症するのです。
1-4. 「気のせい」では済まされない
健康な人から見れば、「気のせいだから」「誰でも不安を感じるものだから」と思うのですが、「広場恐怖症」になると「気のせい」では済まされません。
実際に冷や汗をかいて過呼吸になる人もいるし、恐怖により戦慄やめまいを起こす人もいるのです。
自律神経に異常をきたして起こる病気ですので、専門の治療が必要になります。
2. 「広場恐怖症」になる原因
「広場恐怖症」になるまでには、一つの原因だけではなく幾つかの原因が積み重なり、時間をかけて脳への神経伝達に異常をきたしていくものす。
その人のライフスタイルや物事の捉え方により違ってきますが、主な原因は以下の通りです。
2-1. 遺伝によるもの
一般的に、精神的な疾患は遺伝性が認められていて、二親等までの親族に精神疾患の患者がいると、発症する可能性が高くなると報告されています。
不安障害は、脳に変化が生じて外界を普通ではない形で認識していることが原因と言われています。
この様な脳の性質は、生まれた時から形成されていると考えられ、不安障害を持つ人の中には遺伝によるものもあるという研究が進んでいます。
2-2. 思い込みによる悪循環
人は普段の生活の中で興奮すると動悸が激しくなったり、緊張するとお腹が痛くなったりすることがあります。
健康な人ならば特に気にすることもなくすぐに記憶から消え去り忘れて元に戻ります。
しかし精神的にストレスが溜まった状態だと、自意識過剰になりちょっとした体調変化でも「深刻な病気なのでは」と不安を感じる様になります。
体調への不安を感じることで身体が異常に緊張してしまい、筋肉や血管が収縮して余計に症状を悪化させてしまいます。
そして更に不安になる、という悪循環を繰り返してしまうのです。
2-3. トラウマによるもの
過去に大きな事故にあったりして、命の危機を経験した人は、無事であっても神経が高ぶった状態になってしまうことがあります。
また、幼少期に虐待を受けていた人なども、長期に渡り精神的に追いつめられた状態で、神経が正常に戻らなくなってしまうのです。
これらは「外傷後ストレス障害」と呼ばれ、あまりにも刺激の強い出来事があった時に、トラウマとなって残ってしまい、それが不安の原因となるのです。
2-4. 薬物による副作用
麻薬や覚せい剤などの非合法は薬物を使用している人は、脳に刺激を強く受けることから不安障害を引き起こす可能性があります。
薬の効果が切れた時などに、強い不安や恐怖を感じるのです。
また、医師から処方された抗不安剤や抗うつ剤も、定められた用法を守らなかったり、自分で勝手に判断して服用を止めてしまったりすると、脳の神経が混乱して不安症状を引き起こします。
2-5. 精神的なもの
うつ病は最近では社会問題にもなっています。
うつ病の人の半数近くが「パニック障害」を併発していて、日常生活で強い不安や恐怖を感じ易くなっています。
2-6. 更年期障害によるもの
更年期障害は、加齢により女性ホルモンのバランスが大きく崩れて体調不良を感じる疾患です。
その症状はパニック発作と良く似ていて、重い人はめまいや動悸、不安感が起きます。
常に体調不良であることから外出するのが憂うつになり、不安を感じる様になるのです。
2-7. ストレスによるもの
現代人は仕事や人間関係でストレスが溜まり易くなっています。
ストレスが溜まると自律神経の内の交感神経を刺激して、興奮した状態になってしまいます。
人はリラックスする時や寝る時には副交感神経が優位になるのですが、ストレスが強いとスイッチが入らずに常に興奮した状態になってしまうのです。
これにより脳の神経伝達物質である「セロトニン」が不足してしまい、イライラや不安を感じる様になります。
「セロトニン」は脳をリラックスさせる働きがあるので、極度に不足するとパニック障害を引き起こすのです。
2-8. 喫煙・カフェインによるもの
喫煙によるニコチンや、コーヒーの過剰摂取によるカフェインは、血管を収縮させたて脳への酸素不足を引き起こします。
脳が酸素不足になるとSOSを出すことで、身体が緊張してしまい不安感を引き起こすのです。
3. 「広場恐怖症」の人が怖く感じるもの(※人による)
「広場恐怖症」の対象は人により様々ですが、主に以下の物に対して不安や恐怖を感じます。
3-1. 電車・バスなどの公共交通機関
「広場恐怖症」の人が最も困るのが、公共交通機関が利用できないという点です。
電車やバスは、ドアが閉じてしまうと何があっても次の駅まで開きません。
発作が起きたらどうしよう、そう思うだけで電車やバスに乗れないという人も多いのです。
3-2. 飛行機
飛行機は最も恐怖を感じる乗り物です。
飛んでしまったら目的地に着くまで何もできません。
電車やバスならば緊急停車をして救急車を呼べますが、飛行機ではそれもできないのです。
おまけに揺れでや気圧の変化で余計にパニック発作が起き易い場所です。
3-3. 映画館
映画館は、真っ暗でしかも閉鎖された空間ですので、万が一発作が起きても助けを呼びにくくなります。
しかも横並びの中央に入ってしまうと、少しでも体調が悪くなった時にすぐに抜け出すことができません。
この為に、どうしても映画館に行かなければならない時には通路側しか座れない、という人も多いのです。
3-4. スーパーのレジ
スーパーの食料品売り場のレジは、行列になることが多いものです。
一度並んだら自分の番が来るまで抜けることはできません。
この中で倒れた時のことを考えると余計に不安感が募ります。
3-5. 駐車場
駐車場は広くて伸び伸びとしていますが、余りに広すぎて自分が置き去りにされた様に感じます。
パニック発作が起きても気づかれにくいのでは、という不安感があるのです。
3-6. 夜中に自宅で一人でいる時
「広場恐怖症」は自宅ならばリラックスできるから大丈夫だろうと思う人もいますが、実は自宅でも強い不安感や恐怖が起こります。
昼間は生活時間帯で人目も多く、何かあってもすぐに対処できます。
しかし真夜中に一人でいると、辺りの静けさが不安を引き起こし、「もし何かあったら誰も気づいて貰えないし、救急病院しかないから処置が遅れたらどうしよう」と思うのです。
4. 「広場恐怖症」の人の症状
上記では「広場恐怖症」が起きるシチュエーションを紹介しましたが、実際にはどの様な症状が起きるのでしょうか。
4-1. 不安感
不安感は、なったことのある人でないと中々理解できないものです。
この場合は、心配事のある時の不安感ではなく、身体がの芯が冷える様な、高い所からドーンと突き落とされる様な続々とした悪寒が付きまといます。
4-2. 動悸
急に胸がドキドキして、息苦しくなります。
心臓が爆発するのではないかと思う程脈拍が速くなったり、脈が抜けて不規則になる不整脈を起こす人もいます。
胸の痛みを感じる人も多く、心筋梗塞や狭心症などの病気ではないかと恐れて救急車を呼びます。
しかし救急車が到着する頃には落ち着いてしまっていたり、検査をしても心臓の器質的には問題はないのです。
4-3. 冷や汗が出る
「自分は何か特別な病気なのではないか」「医師の誤診で死ぬのではないか」等と思うと、恐怖で血管が収縮して手足が冷たくなり、冷や汗が出てきます。
こちらも過呼吸を伴うことが多く、呼吸が整えば落ち着きます。
4-4. 顔色が真っ青になる
あくまで神経系統の伝達ミスによるものですが、それでも「気のせい」ではなく本当に症状は起こっています。
顔色が真っ青になり、貧血の様なめまいを起こす人もいます。
4-5. 口・喉が渇く
不安症状がある人は、非常に口や喉が渇き、常に水を飲まないと落ち着きません。
これも自律神経が興奮してしまうのが原因です。
4-6. 胃腸不良
自律神経の異常による症状は、胃腸の働きにも影響します。
吐き気があったり、胃痛や腹痛が酷い人もいます。
胃腸が全く機能していなので健康なのに食欲がなく、極限まで痩せてしまう人もいあす。
5. 「広場恐怖症」の診断チェックポイント
「最近めまいや不安感があるけれども、もしかして広場恐怖症?」と心配な人は、以下の診断チェックポイントを参考にして下さい。
5-1. 以下のものに不安や恐怖を感じる
「公共交通機関」
「駐車場・グラウンド」
「映画館・スーパー」
「行列・群衆」
「自宅で一人の状態」
以上の中で2つ以上当てはまるものがあれば疑いがあります。
5-2. 「万が一体調不良があったらどうしようと思う場所を回避する」
「もし倒れたら恥ずかしい」「変な顔をしたり吐いたらみっともない」等と考えると、その場所を回避しようと思います。
5-3. 「いつも同じ様な不安感が湧く」
外出する時にいつも同じ様な恐怖や不安を生じる人は、早目に改善させることが大切です。
5-4. 「状況的にあり得ないけれども不安で仕方ない」
現実的にそこで倒れたことはないし、医師からも「命に関わる病気ではない」と言われているのにも関わらず、不安で仕方なく感じる人もいます。
5-5. 「不安や恐怖、回避行動が半年以上続いている」
突発的なものではなく、半年以上同じ状態が続いている時には、脳が何かしら影響を受けている可能性があります。
5-6. 「日常生活に大きな支障をきたしている」
不安や恐怖が起きることで移動ができなくなり仕事や日常生活に支障をきたしている場合、早目に治療が必要です。
以上の項目全てに当てはまる人は、「広場恐怖症」の可能性もあります
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6. 「広場恐怖症」を改善するコツ
「広場恐怖症」は、心の病気により実際に身体症状が引き起こされているものです。
そのまま放置しても長引いたり、良くなる可能性は低いので、早目に対処するべきです。
6-1. カウンセリングを受ける
専門のカウンセリングを受けることで、不安の正体は何なのか、やみくもに恐がる必要はないことなどを説明して貰えます。
自分の恐怖や不安を理解してくれる人がいるだけでも、気持が楽になり改善することもあります。
カウンセリングで勧められるのは「認知行動療法」で、苦手な場所に少しずつ脚を運び、安全な場所であることを実感して克服していくという方法です。
6-2. 専門医の治療を受ける
今の状態がどうしても辛い時には、まずは専門医の治療を受けて薬を処方して貰うことも大切です。
不快な症状を薬で抑えながら、上記の「認知行動療法」を試して最終的に薬を断つという方法を取っている人が最も多くなります。
病院を選ぶ時には「精神科」或いは「心療内科」となります。
専門の病院で処方される薬には以下の種類があります。
6-2-1. 「抗不安剤」
「精神安定剤」とも言われます。
脳に作用して筋肉の緊張を緩め、リラックスさせる効果があります。
睡眠導入剤としても使用されていて、多くの人が使用していまうす。
しかし「抗不安剤」には依存性があり、長期間服用していると急に止めた時により辛い症状が表れることがあります。
効果はあくまで一時的なものであり、気持ちが楽になれるからと依存して乱用しない様にすることが大切です。
6-2-2. 抗うつ剤
「抗うつ剤」はうつ病の治療薬ですが、パニック障害や更年期障害など、様々な心の病に使用されます。
効果が出るまでに時間がかかるものが殆どで、その間「抗不安剤」を使用することもあります。
脳内の神経伝達物質をコントロールしてくれるので、利き始めると楽になる人も多くいます。
但しこちらも「抗不安剤」同様、急に止めると離脱症状という強い副作用が表れます。
飲む時にも止める時にも、必ず医師の指示に従うことが大切です。
6-2-3. 漢方薬
最近では漢方薬を処方してくれる病院もあります。漢方薬の良いところは副作用がなく、いつでも飲めるし止められるという点です。
但し即効性がなく、効果を感じるまでに1ヵ月〜3ヵ月程飲み続ける必要があります。
「広場恐怖症」向けの漢方薬は、「パニック障害」向けの漢方薬とほぼ同じです。
その人の状態にもよりますが、以下の漢方薬が使われています。
「柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)」
「甘麦大棗湯(かんばくたいそうとう)」
「桂枝加竜骨牡蠣湯(けいしかりゅうこつぼれいとう」)
「加味逍遙散(かみしょうようさん)」
「半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)」
「加味帰脾湯(かみきひとう)」
上記は不安に効果のある漢方薬で、血流を良くして身体をリラックスさせる効果もあります。
6-3. 有酸素運動をする
有酸素運動をすると、自律神経の切り替わりがスムーズになります。
不安や恐怖を感じるところに行っても、すぐに副交感神経に切り替わるのでリラックスモードになれるのです。
有酸素運動はジョギングやウォーキングがおすすめですが、中々外出できないという人は縄跳びでも十分です。
まとめ
「広場恐怖症」は決して大げさでも気のせいでもありません。
脳が誤作動を起こす様になっている証拠ですので、早目に適切な治療を受けることが大切です。
根気よく治療をすれば必ず完治するので、悩んでいる人は今からでもすぐに治療を始めましょう。
外出をしたくても、不安感が強くてどうしてもできないという人がいます。
他人から見ればただの外出でも、本人にとっては恐怖のイベントに感じるのです。
この様な広場恐怖症について、正しい知識を持つ様にしましょう。
1. 「広場恐怖症」とは?
「広場恐怖症」とは、普段は全く普通に生活できるのですが、特定の状況になると強い不安を抱く、或いは実際に体調不良を感じてしまう症状です。
特定の状況とは、その人の過去の体験や認知により違ってきます。
「広場恐怖症」というと、広い場所にいることが苦手な人、と思われますが、この場合の「広場」とは、外出した時の空間を意味します。
1-1. 逃げられない場所に対して不安を感じる
「広場恐怖症」を発症する特定の状況とは、大勢の人がいる場所や、建物内などで、何かあった時に自宅など自分にとって安全な場所にすぐに逃げられない場所を意味します。
多くの場合、大勢の人がいるところで体調不良で倒れてしまい、孤立してしまうことをイメージして不安感や恐怖に襲われます。
1-2. 外出不可能になる
「外出中に倒れたらどうしよう」そう思うことで、その様なリスクのある場所を回避する様になります。
最初は乗り物や建物などを避けていますが、段々と行動範囲が狭まってきて、スーパーやコンビニ、公園に出かけるのにも不安や恐怖を感じる様になります。
外出できないことから通常の社会生活が送れなくなる人も多いのです。
1-3. 「パニック障害」と「広場恐怖症」の違い
「広場恐怖症」は、「パニック障害」の症例の一つです。
「パニック障害」は、突然めまいや動悸を感じて死ぬのではないかと思う程恐怖を感じてしまう病気です。
一度この症状を経験すると、「またあんな発作が起きたらどうしよう」と常に不安を感じる様になります。
その不安感が恐怖となり、「広場恐怖症」を引き起こすのです。
「パニック障害」の3大症状として「パニック発作・予期不安・広場恐怖」です。
激しい「パニック発作」を起こすことで、常に「予期不安」が強い状態になり、その様な場所を回避しようとする「広場恐怖症」を発症するのです。
1-4. 「気のせい」では済まされない
健康な人から見れば、「気のせいだから」「誰でも不安を感じるものだから」と思うのですが、「広場恐怖症」になると「気のせい」では済まされません。
実際に冷や汗をかいて過呼吸になる人もいるし、恐怖により戦慄やめまいを起こす人もいるのです。
自律神経に異常をきたして起こる病気ですので、専門の治療が必要になります。
2. 「広場恐怖症」になる原因
「広場恐怖症」になるまでには、一つの原因だけではなく幾つかの原因が積み重なり、時間をかけて脳への神経伝達に異常をきたしていくものす。
その人のライフスタイルや物事の捉え方により違ってきますが、主な原因は以下の通りです。
2-1. 遺伝によるもの
一般的に、精神的な疾患は遺伝性が認められていて、二親等までの親族に精神疾患の患者がいると、発症する可能性が高くなると報告されています。
不安障害は、脳に変化が生じて外界を普通ではない形で認識していることが原因と言われています。
この様な脳の性質は、生まれた時から形成されていると考えられ、不安障害を持つ人の中には遺伝によるものもあるという研究が進んでいます。
2-2. 思い込みによる悪循環
人は普段の生活の中で興奮すると動悸が激しくなったり、緊張するとお腹が痛くなったりすることがあります。
健康な人ならば特に気にすることもなくすぐに記憶から消え去り忘れて元に戻ります。
しかし精神的にストレスが溜まった状態だと、自意識過剰になりちょっとした体調変化でも「深刻な病気なのでは」と不安を感じる様になります。
体調への不安を感じることで身体が異常に緊張してしまい、筋肉や血管が収縮して余計に症状を悪化させてしまいます。
そして更に不安になる、という悪循環を繰り返してしまうのです。
2-3. トラウマによるもの
過去に大きな事故にあったりして、命の危機を経験した人は、無事であっても神経が高ぶった状態になってしまうことがあります。
また、幼少期に虐待を受けていた人なども、長期に渡り精神的に追いつめられた状態で、神経が正常に戻らなくなってしまうのです。
これらは「外傷後ストレス障害」と呼ばれ、あまりにも刺激の強い出来事があった時に、トラウマとなって残ってしまい、それが不安の原因となるのです。
2-4. 薬物による副作用
麻薬や覚せい剤などの非合法は薬物を使用している人は、脳に刺激を強く受けることから不安障害を引き起こす可能性があります。
薬の効果が切れた時などに、強い不安や恐怖を感じるのです。
また、医師から処方された抗不安剤や抗うつ剤も、定められた用法を守らなかったり、自分で勝手に判断して服用を止めてしまったりすると、脳の神経が混乱して不安症状を引き起こします。
2-5. 精神的なもの
うつ病は最近では社会問題にもなっています。
うつ病の人の半数近くが「パニック障害」を併発していて、日常生活で強い不安や恐怖を感じ易くなっています。
2-6. 更年期障害によるもの
更年期障害は、加齢により女性ホルモンのバランスが大きく崩れて体調不良を感じる疾患です。
その症状はパニック発作と良く似ていて、重い人はめまいや動悸、不安感が起きます。
常に体調不良であることから外出するのが憂うつになり、不安を感じる様になるのです。
2-7. ストレスによるもの
現代人は仕事や人間関係でストレスが溜まり易くなっています。
ストレスが溜まると自律神経の内の交感神経を刺激して、興奮した状態になってしまいます。
人はリラックスする時や寝る時には副交感神経が優位になるのですが、ストレスが強いとスイッチが入らずに常に興奮した状態になってしまうのです。
これにより脳の神経伝達物質である「セロトニン」が不足してしまい、イライラや不安を感じる様になります。
「セロトニン」は脳をリラックスさせる働きがあるので、極度に不足するとパニック障害を引き起こすのです。
2-8. 喫煙・カフェインによるもの
喫煙によるニコチンや、コーヒーの過剰摂取によるカフェインは、血管を収縮させたて脳への酸素不足を引き起こします。
脳が酸素不足になるとSOSを出すことで、身体が緊張してしまい不安感を引き起こすのです。
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