手のひらで顔を隠してしまう「顔を覆う」という行為には、様々な心理的要因があります。
それはどれも負のイメージです。
- 「顔を覆う」の意味
- 「顔を覆う」の言い換え
- 「顔を覆うように隠す」人の心理
- 「顔を覆うように隠す」のが癖の人の特徴
- 「顔を覆うように隠す」世間のイメージや印象
- 「顔を覆うように隠す」癖を改善するコツ
- まとめ
1. 「顔を覆う」の意味
覆うとは隠すようにかぶせること、あるいはほこりや雨、人目を遮ろうと物(イメージとしては大きな布の場合が多い)をかぶせるなどすることを言います。
どちらも、隠す、さえぎることが目的ですから外界からほぼ遮断された状態にすることを言います。
そのため、顔を覆うといっても指の間が空いていたりして顔が見えている場合、イメージにふさわしくはありません。
また、その遮断のイメージから、絶望や悲嘆に暮れている様子(それを隠している様子)そのものを表すこともあります。
1-1. 「顔を覆う」の読み方
顔を覆うは、「かおをおおう」と読みます。
おおうと読む言葉はほかに、「被う」「蓋う」などがあり、どれもが遮ったりかぶさったりしてほかのものから遮断するイメージです。
2. 「顔を覆う」の言い換え
顔を覆うという言葉は、読んでそのままの意味もありますが、絶望、悲しみを動作で表している言葉としての意味もあります。
今回は、その両方の意味での言い換え方をご紹介します。
2-1. 顔を隠す
顔を覆うというと、手を広げて顔を隠しているイメージです。
そのイメージそのまま、顔を何らかで隠している場合に使うのが「顔を隠す」です。
不思議なもので、顔を覆うという言葉はなにか注釈がない限り、反射的に手で顔を隠している印象を受けます。
しかし、実際に顔を隠すときに、手に持っているものや近くにあった建物などで隠す場合もあります。
覆うという言葉は布のような、伸縮性のあるものをかぶせるイメージをもっています。
そのため、伸縮性のある器官として手を意識するのかもしれません。
2-2. 悲嘆に暮れる
常用語の「顔を覆う」に対する言い換えです。
顔を覆うという言葉は、強い悲しみを感じた時に手で顔を覆い、悲しみの表情を周囲から隠すことを象徴的に指す言葉です。
そのため、非常に強い悲しみの表現である「悲嘆に暮れる」はそのパターンの「顔を覆う」の類語として使用することができます。
人が悲しみを感じ嘆く時、涙を流すこともあるため、それを受けるための覆う手と言うこともできます。
2-3. 天を仰ぐ
「悲嘆に暮れる」が、悲しみのあまりうつむくことを指しているならば、絶望のあまりに上を向くこともまた類する言葉として使用することができます。
このイメージは、どちらかというと欧米の慣習と思われます。
なぜなら、欧米で信じられている宗教では神は天上にいるものであり、絶望への救いを求めるならば天に訴えるのが心情として正しいからです。
この場合も、あまりに強い絶望の場合は顔を覆うことがセットになるでしょう。
3. 「顔を覆うように隠す」人の心理
顔を覆うように隠す人は、基本的に守りの心理、自らが傷つきたくないという気持ちがあります。
では、どうしてそれほど自分が傷つくということを恐れるのでしょうか。
また、自分が傷つきたくないという気持ち以上に、相手に興味がないという感情がある場合もあります。
今回はその2パターン両方の心理をいくつかピックアップします。
3-1. 自信がない
自分に自信がない時、人は顔を隠します。
特に、プレッシャーを感じた瞬間に多く見られるでしょう。
なにかプレゼンをしたり、クライアントと会うなど、予想のついている状況で顔を隠すことはあまりありません。
どちらかといえば、プレゼン中の失敗やクライアントとのやりとり中のミスなど、予想していなかったアクシデントに対し、とっさに顔を隠してしまうことがあるでしょう。
3-2. 見た目にコンプレックスがある
自らの容姿にコンプレックスがある時、人は顔を隠しがちになります。
自分の顔がすべて気に入っていないようであれば顔の全面を覆うでしょうし、パーツ、すなわち鼻に自信がないとか、口周りが嫌だと思っているようであればその部分を無意識に隠してしまいます。
この場合も、常に隠しているわけではなく、ある条件の時に無意識に隠します。
それは気になる異性と対面している時などです。
自分の自信のない部分を隠して、相手から嫌われないようにするという意識外の行動です。
3-3. 相手に心を許していない
話している相手に心の動きを知られたくない、つまり相手に心を許していないとき、人は顔を隠します。
顔は感情が出る最大のポイントです。
その中でも、目は口ほどにものを言うと言い、心の動きが読まれる恐れのある器官です。
いくら心を許していない相手とはいえ、話し始めからいきなり顔を隠している人はいません。
しかし、話が込み入ってきたり、核心に近づいてきたとき、気心が知れていない人が対象だと知らずに顔を隠すことがあります。
3-4. 相手に興味がない
心を許していないということは、自分をガードするという意味で顔を覆いますが、逆に相手に興味がないという意味で顔を隠すことがあります。
自分のことを知ってほしいという気持ちもなく、相手のことを知りたいという気持ちもない場合、感情の出口・入り口である顔、特に目を使う必要はありません。
そんな時、顔を隠している人は言葉も上っ面で、はやく帰りたそうにしているはずです。
3-5. 気持ちを隠す
相手に興味があっても、自分の気持ちを隠したい場合、顔を覆うことがあります。
これは、相手に自分の気持ちを知られるのが恐ろしいからです。
心を許していないのではなく、自分の感情が受け入れられるか不安なのです。
この場合、覆う予想されるのが対面している相手への好意、特に男女間の好意を持っている場合が想定されます。
しかし残念ながら、顔を覆う行為は拒否や断絶のイメージもつきまといます。
そのため、相手に好意をもっているからこその反応なのに相手からは拒否されたと受け取られかねない危険があります。
3-6. 落胆などへの過剰反応
人間、誰しもがっかりしたり、落胆することはあるものです。
しかし、日本人の感情表現はソフトでマイルドです。
そのため、落胆したとしても少々顔の角度を下げるか、ため息をつくか、それどころか表情に出さないという人も多いでしょう。
しかし感受性が強くオーバーアクションが常の人は、落胆という感情一つとっても大きく動きがちです。
そのため、普通の感性であればささやかなことでも、落胆し、さらにその気持ちを表すために顔を覆うという行為が付いてきます。
こういったケースの場合、本当に落胆していることは少なく、むしろ明るい感情でのポーズであることも珍しくありません。
3-7. 自らが消えたいという自己否定の気持ち
顔を覆うということは、外界から自分をシャットアウトすることです。
ともすれば外界から自分を守りたいというイメージにとらえられがちですが、それ以前に自分の存在を消したいというイメージを持っていることがあります。
世界の何かが消し去りたくても、それに力及ばないとき、自分が消えてしまえばそれから逃れることができます。
自分を消すことはいわば究極の断絶方法なのです。
深刻な時にこの心理を持っている人はやや自罰傾向があり、ともすれば精神に深刻なダメージを受けてしまいます。
しかし、そこまでいかなかったとしても、例えばとてつもなく恥ずかしいことをしてしまった時など、「穴があったら入りたい」「消えてしまいたい」と瞬間的に思うことはよくあるはずです。
4. 「顔を覆うように隠す」のが癖の人の特徴
顔を覆うように隠す人は、気持ちが不安定で安心していないことが多いです。
そのため、なにかしら負のイメージを感じる特徴を備えています。
また、ぱっと見ではわからないこともありますが、しばらく付き合っている時にふと違和感を感じる瞬間もご紹介します。
4-1. カバンが大きい
顔を覆うように隠すタイプの人は、基本的に自信がありません。
そのため、いつでも少なからず不安を抱えています。
不安な人は、たくさん物を持ち歩くことがよくあります。
それは、万が一の時に備えていろいろなものを手に取れる範囲に置いておかないと心配だからです。
カバンが大きな人は、「いざという時のために」とさまざまなものを詰め込んでいます。
万が一小腹が減った時のお菓子、万が一雨が降った時の傘、緊急用の何かや替えのものなど。
そういった慎重さはもちろん、本当にいざという時に役立ちます。
しかし、その8割は実は不要なもの。
そういったものを抱えて精神の安定を保っている場合、話している最中に不安から顔を覆うことがあります。
4-2. 「どうせ」「だって」など、マイナスイメージの口癖がある
マイナスの印象を与える口癖のある人は、自分の発言に責任を持ちたくない人です。
そういったマイナスの言葉を言っておけば、何か問題があった時に「だから言ったでしょう?」という言い訳が立ちます。
それは自分の発言に自信が極端になく、失敗に終わるという悲観的な考え方でいるからです。
そういった発言をする人もまた、顔を覆う癖があることが多いです。
相手に感情を知られていると、後日言い訳するときに不都合に働くことがあります。
他者からできるだけ感情を隠しておき、言い訳に徹する。
そんな負の感情を持ってる人は、オープンな表情を見せることはあまりないのです。
4-3. ふと目にした顔が疲れている
人の気持ちに振り回されるのは疲れるものです。
しかし、顔を覆う人はできる限り感情を知られないようにふるまいます。
そのため、顔を覆っているシーン以外では、割と笑ったり、明るいポジティブな表情をすることもあります。
この場合、ぱっと見で明るい人だと感じても、実は演技の場合もあります。
感情を知られないようにするには演技するのが一番です。
特に人と話す時には、明るく朗らかなイメージが推奨されるためその通り演じます。
しかし、人が見ていないところでは気を張っていた分どっと疲れてしまい、生気のない顔をしていることもよくあります。
5. 「顔を覆うように隠す」世間のイメージや印象
顔を覆うように隠すことには、世間的にいいイメージがありません。
コミュニケーションの断絶、ひいては相手へのリスペクトがないと受け取られてしまうことがあるでしょう。
ただ、たまに精神的な余裕がある人は、これを放置してくれるパターンもあります。
5-1. 「嫌われているのだろうか」
話している相手が顔を覆っている場合、一番先に思うのは「自分を嫌っているのではないだろうか」ということです。
はっきりとしたことは分からなくても、顔、特に目を覆うことは、相手との断絶を意味します。
コミュニケーションは目を見て話すことが尊ばれますが、それを放棄していることによって相手が自分と話すつもりがない、コミュニケーションをとる気がないのではないかと考えるものです。
もし自分にその気がない場合、大変な誤解ではありますが、そう受け取られても仕方のない行動でもあります。
5-2. 「コミュニケーションをとるつもりがないのだろうか」
嫌われているのかな?とまで考えを進めず、自分とのコミュニケーションを放棄しているだけと受け取るパターンです。
嫌われているのかもしれないと思うことは、相手もこちらの反応を見て動揺したり、不安に思ったりしていますが、このパターンは純粋に怒りや悲しみといった直接的な負の感情を感じてしまいます。
相手と話すときに目を見ないのはあきらかに失礼ですし、怒ったり悲しんだりするの無理はありません。
自分が尊重されていないと感じた時、人は怒ります。
話をするとき目を見ないのはその最たるものです。
5-3. 「怖がり、恥ずかしがりなのかな」
上記2つより客観的で、他人ごとに感じるケースです
このように考える人は余裕があり、かつ良くも悪くも人に影響されにくいタイプの人です。
顔を覆うということに対し、自分、あるいは相手の人格的な部分へ理由を求めず、別な理由を探しています。
このパターンで考えてもらえれば、純粋に恥ずかしがりだったりする人は大変助かる相手です。
しかし、特に初対面でこのように感じる人はあまりいないでしょう。
やはり不快感を与えてしまうケースが圧倒的です。
6. 「顔を覆うように隠す」癖を改善するコツ
顔を覆うように隠すことは、社会的にあまり良いことではありません。
もし、自分が無意識にやってしまうようであれば、すぐにとは言わなくとも改善することにより人間関係も円滑になるケースがあります。
改善するコツを3つお伝えします。
6-1. 行動で感情を表現するのをやめる
自分の行動をオーバーに表現してしまう癖があると、どうしてもっ顔を覆うという行為をしてしまいます。
これは、相手に自分の感情を言わずとも分かってほしいという感情に由来します。
言うなれば「察してちゃん」、言葉で感情を説明するのが面倒だし摩擦が嫌なので、ポーズで示してしまうのです。
しかし、言葉以外でのアクションは相手によって受け取り方もさまざまです。
誤解を招きかねないことを頭に入れ、行動で感情を表現するのではなく、きちんと言葉に出すことを意識しましょう。
6-2. 相手がそこまで自分に興味がないと理解する
相手から顔を隠してしまうのは、相手に顔を覗き込まれているイメージ、つまり自分の感情の底の底まで見透かされてしまうという一種の被害者妄想が働いています。
しかし、実際には人の顔を見て感情の深部まで解き明かせるような人はめったにいませんし、それ以前にそこまでのぞき込んでいません。
自分が思うほど、他人はあなたを観察していないし、興味もないのです。
全く興味が無いかと言えばうそになりますが、少なくともあなたが大切に守りたい深層意識まで踏み込んでくる人は少数と考えていいでしょう。
ちなみに、もし初対面でもずけずけとあらぬところまで踏み込んでくる人がいた場合は、遠慮なく顔を隠すこともよいでしょう。
6-3. 自分の意見を言っても嫌われないという自信を持つ
自分の発信したことで相手を傷つけないか、そして傷つけてしまったら嫌われてしまうのではないか…という不安感が顔を覆う行為につながることもあります。
しかし、たいていの人が初対面で、誰かを傷つけることはあまりありません。
わざわざ意図して傷つけたいと思わなければ、ちょっとした失言程度で人は傷つかないものです。
そのようにびくびくして、相手との距離を開けすぎる態度こそ他人を傷つけるということを頭に入れましょう。
まとめ
顔を覆うことは、自分を避難場所へ誘導することです。
顔を覆っていれば表情を読まれることもなく安心できますが、それ以上のコミュニケーションを取ることはできません。
そこで、あえて顔を覆うことをやめてしまい、人にありのままの感情を出してみましょう。
実際には、顔を覆わなかったからと言って自分の感情がそのまま伝わることはあり得ません。
それを体感的に知った時、自分とほかの人の関わり合いを見直し、よりよく人間関係を築くことができるようになるでしょう。
手のひらで顔を隠してしまう「顔を覆う」という行為には、様々な心理的要因があります。
それはどれも負のイメージです。
1. 「顔を覆う」の意味
覆うとは隠すようにかぶせること、あるいはほこりや雨、人目を遮ろうと物(イメージとしては大きな布の場合が多い)をかぶせるなどすることを言います。
どちらも、隠す、さえぎることが目的ですから外界からほぼ遮断された状態にすることを言います。
そのため、顔を覆うといっても指の間が空いていたりして顔が見えている場合、イメージにふさわしくはありません。
また、その遮断のイメージから、絶望や悲嘆に暮れている様子(それを隠している様子)そのものを表すこともあります。
1-1. 「顔を覆う」の読み方
顔を覆うは、「かおをおおう」と読みます。
おおうと読む言葉はほかに、「被う」「蓋う」などがあり、どれもが遮ったりかぶさったりしてほかのものから遮断するイメージです。
2. 「顔を覆う」の言い換え
顔を覆うという言葉は、読んでそのままの意味もありますが、絶望、悲しみを動作で表している言葉としての意味もあります。
今回は、その両方の意味での言い換え方をご紹介します。
2-1. 顔を隠す
顔を覆うというと、手を広げて顔を隠しているイメージです。
そのイメージそのまま、顔を何らかで隠している場合に使うのが「顔を隠す」です。
不思議なもので、顔を覆うという言葉はなにか注釈がない限り、反射的に手で顔を隠している印象を受けます。
しかし、実際に顔を隠すときに、手に持っているものや近くにあった建物などで隠す場合もあります。
覆うという言葉は布のような、伸縮性のあるものをかぶせるイメージをもっています。
そのため、伸縮性のある器官として手を意識するのかもしれません。
2-2. 悲嘆に暮れる
常用語の「顔を覆う」に対する言い換えです。
顔を覆うという言葉は、強い悲しみを感じた時に手で顔を覆い、悲しみの表情を周囲から隠すことを象徴的に指す言葉です。
そのため、非常に強い悲しみの表現である「悲嘆に暮れる」はそのパターンの「顔を覆う」の類語として使用することができます。
人が悲しみを感じ嘆く時、涙を流すこともあるため、それを受けるための覆う手と言うこともできます。
2-3. 天を仰ぐ
「悲嘆に暮れる」が、悲しみのあまりうつむくことを指しているならば、絶望のあまりに上を向くこともまた類する言葉として使用することができます。
このイメージは、どちらかというと欧米の慣習と思われます。
なぜなら、欧米で信じられている宗教では神は天上にいるものであり、絶望への救いを求めるならば天に訴えるのが心情として正しいからです。
この場合も、あまりに強い絶望の場合は顔を覆うことがセットになるでしょう。
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