「今日出た資料をもとに、原稿を用意するように」
「そのやり方じゃダメだ。こうしなさい」
「つべこべ言わず、さっさとやるんだ」
あなたの周囲には、なにかにつけて命令口調の人はいませんか?
怒っているのかな?
私のことがきらいなのかな?
もうちょっと優しく言ってくれたっていいのに…。
そう思ったことのある人は、ぜひこの記事を読んでみてください。
あなたの周りの「命令口調の人」の心理や特徴がわかってきます。
- 命令口調とは?
- タイプ別「命令口調の人」の特徴
- 職場での命令口調の心理と対処法
- 恋愛での命令口調の心理と対処法
- 家庭での命令口調の心理と対処法
- まとめ
1. 命令口調とは?
命令口調とは、人に対して上から目線で命令するようなものの言い方のことを言います。
「〜して」「〜やっておいて」「しなさい」という文字通りの命令形だけでなく、「そうすべきでしょ」「何をしたらいいかわかってるよね?」というバリエーションもありますが、いずれにしても上から目線でこちらの行動を指図する言い方です。
もちろん仕事の場面で、このような指示が必要な場合もありますが、普段のコミュニケーションが、いちいち命令口調の人もいます。
そんな人は、ショッピングに行けば、あなたが選んだものよりも「こっちの方が似合うよ」と別のものを押しつけてくるし、一緒に食事に行っても「これ、おいしいよ」ではなく、あなたが別のものを注文しているにもかかわらず「これ、おいしいのに。
何で食べないの?」と言ってくる。
そんな人は「命令口調の人」と言えるでしょう。
2. タイプ別「命令口調の人」の特徴
命令口調の人には、以下の3つのタイプがあります。
目上の人に対する対応や、日ごろの動作を観察し、その人がどのタイプに当てはまるか、分類してみてください。
2-1. 指揮官タイプ
仕事ができるし、知識も豊富、非常に優秀なのが特徴です。
つねにリーダーのポジションにあり、自然と周囲に対して命令する立場になる人です。
話は論理的、指示も的確なのだけれど、言葉が短く、必要のないことは言わないため、親しくなるのがむずかしいタイプです。
このタイプは、目上に対しても、ほとんど態度が変わりません。
さすがに命令口調ではありませんが、社交辞令や長ったらしい挨拶など「ムダ」と考えているのが伝わってきます。
この人の前で感情的になったり、いい加減なことを言ったりしたりすると、容赦なく批判されます。
できない人、とくにできないにもかかわらず努力しない人に対しては、非常に厳しいく叱責されます。
しかし意地悪ではないし、周りに対する態度も公平、信頼のおけるリーダーで、命令口調さえ改めてくれればな、と思うのは、このタイプの人です。
2-2. 職人タイプ
人を動かすより自分で動きたいタイプの人です。
誰よりもてきぱきと動いていますが、たまに口を開くと、「あれやって」「これやって」と、ほとんどが命令です。
指揮官型に質問すると、(人によっては「こんなこともわからない?」という顔をしながらも)的確に説明してくれますが、職人タイプに質問しても、あまり論理的な説明は返ってきません。
イライラして「黙って言うとおりにしろ」「オレのやり方を見ろ」と言うのが、このタイプの特徴です。
このタイプも目上の人の前で態度が変わりませんが、指揮官型が、自分と同じように能力の高い上司に対しては、敬意を払い、信頼を寄せるのに対し、このタイプは上下関係自体が苦手です。
口調は乱暴ですが、慣れてくると命令口調も気にならなくなり、親しみをもってつきあえるのは、このタイプです。
2-3. 中間管理職タイプ
マンガやドラマにもよく出てきますね。
目上にはぺこぺこするくせに、目下にはやたら威張り散らかす「係長」クラスの登場人物です。
このタイプは、上下関係が大好きです。
会社の外に出ても、自分より上か下かで判断し、下だと思えばやたらと命令口調になってきます。
自分に自信がなく、バカにされているのではないか、といつも気にしていて、だからこそマウントしてこようとして命令口調になる、という傾向があります。
あなたが命令口調で言われて腹が立つのは、多くはこのタイプを相手にしています。
3. 職場での命令口調の心理と対処法
3-1. 上司が「指揮官タイプ」だったら
戦場では、指揮官は命令の理由など説明しません。
撃て、と言われたら、その瞬間に引き金を引かなければなりません。
指揮官タイプの人にとって、職場は戦場なのです。
目的達成のために全力を挙げ、チーム一丸となってことに当たろうとしています。
スティーブ・ジョブズが職場にいると思ってください。
ビジョンを持ち、どうすれば良いか、そのための計画も頭の中に入っています。
ただ、そのことをわかりやすく説明するのが得意ではないのです。
そのため指示は命令になりがちになってしまいます。
また、他人の感情に疎く、相手が気分を害していても気が付きません。
自分が必死になって努力するので、他人もその努力が当然と思っています。
こういうリーダーは、非常に優秀なので、一緒に仕事をすることであなた自身が成長できるでしょう。
努力しなければ厳しく叱責されたり、ひどいときは無視されたりしますが、あなたのアイデアが優れたものであれば、かならず評価してくれます。
できないときは、できない理由を論理的に説明することです。
気難しく、厄介で、指示もわかりにくいかもしれませんが、自分を鍛えるチャンスだと思って頑張ってください。
3-2. 上司が「職人タイプ」だったら
職人タイプの上司は、理論やマニフェストなどが大嫌い。
自分の指示に対して、部下から「なぜそうしなければならないのですか」と聞かれたら、指揮官タイプの上司が(そんなこともわからないのか)という目でその部下を見るのに対し、職人タイプの上司はうまく説明ができません。
「今、ここでそれをしなければならない」ということがわかっていれば十分なのです。
しかし、このタイプの上司の現実感覚、状況把握力は非常に優れているので、言うとおりにしていれば、大抵の場合うまくいきます。
上司が職人タイプだと、あなたがすべきことは「職人のサポート」です。
上司があまり得意でない仕事の計画を立てたり、優先事項を決めるのを手伝ったり、プロジェクトの流れをつかんで文書化したり。
いずれも職人タイプの上司が苦手なことなので、あなたのサポートをありがたく思い、感謝してくれます。
自分のチームメンバーを大切にする人なので、普段の言葉は乱暴でも、一仕事終えたときには優しいねぎらいの言葉をかけてくれるでしょう。
3-3. 上司が「中間管理職タイプ」だったら
このタイプにとって何よりも大切なのは、ものごとが秩序立っていることです。
上の人は敬い、下の人間は上の言うことに従うべきだという強固な信念を持っています。
ものごとが明確になっており、解決され、完成されている状態を好み、いろいろなことが決まるまで落ち着きません。
ルーティーンワークと組織内のこまごまとしたことを管理することが好きで、勤勉に着実に働きます。
反面、心配し過ぎでプレッシャーに弱く、状況が厳しくなると、周囲に当たったり、人のことを平気で中傷したりもします。
さらに部下が手順や方針を守っていないようなときは、個人的に注意するのではなく、見せしめにして人前で非難するようなこともあります。
中間管理職タイプが命令口調なのは、上の立場の自分が命令するのが当然だと思っているからです。
部下が何かを達成するのは当たり前のことなので、あえてコメントする必要もない、しかし間違いや失敗は正さなくてはならないので、厳しく批判すべきと考えています。
こういうタイプの上司の職場では、空気も良くないのですが、上司の側はほとんど無自覚なので、部下の側で対処しなければなりません。
あなたがまとめ役になって、全員に目を配り、厳しく叱責された若手のフォローに回る必要があるかもしれません。
こうした上司の下では、新しいことに挑戦するよりも、こまごまとしたことを手順通りに、決められた通りにやることが無難です。
あなたの側に新しいアイデアがあったり、社内でプロジェクトを起ち上げたりしたいときは、よその部署の上司で応援してくれる人を探しましょう。
4. 恋愛での命令口調の心理と対処法
4-1. 恋人が「指揮官タイプ」だったら
指揮官タイプは遊びも真剣に取り組みます。
計画を立て、技術や理論の構造を見極め、うまくやろうと努力します。
あなたが一緒に何かしようと思ったら、相手の指示に従い、あなた自身も一生懸命取り組まなければなりません。
「遊びだから」というのは、このタイプには通用しません。
人前で感情を表すのが苦手で、わかりきったことを言うのは無駄だと考えているので、愛情を口で伝えてくれることもありません。
愛情表現をしてほしいときは、なぜ自分にとってそれが必要なのか(面倒でも)論理的に説明してあげてください。
命令口調をやめてほしいと思ったときも同様です。
あなたが感情的になると、このタイプは引いてしまいます。
複雑でむずかしい内面を持った人ですが、深い愛情をゆっくりと育てていくタイプなので、浮気の心配はほとんどありません。
4-2. 恋人が「職人タイプ」だったら
行動するのが大好きな職人タイプは、かけひきや回りくどいラブストーリーは大の苦手。
時間がかかることもキライです。
命令口調になるのも、あなたと一緒にそれがしたいから。
自分の感情に従って、いつでも自由にしたいことをすることが、このタイプには重要です。
このタイプに向かって、あなたが深い愛情を言葉にしたりすると、相手は重荷に感じ、身動きが取れなくなったように思って、逃げていくかもしれません。
本人は命令口調であることをほとんど自覚していないので、あなたの側も、そのことはあまり深刻にとらえないことが重要です。
相手が夢中になっていることを一緒に楽しんでください。
4-3. 恋人が「中間管理職タイプ」だったら
中間管理職タイプの相手とは、あなたが相手の価値観を受け入れ、それに従う気持ちがなければ、付き合っていくのが少し難しいかもしれません。
中間管理職タイプがあなたに対して命令口調になるのは、「女は男に従うべき」といった古い価値観にとらわれている可能性が高いからです。
同じような命令口調でも、司令官タイプと一緒にいると、あなたも向上できるし、職人タイプであれば、楽しめます。
けれども、あなたが堅実な人と安定した結婚生活を望んでいるのでないかぎり、また相手の命令口調を、手のひらで転がせるような度量がないかぎり、このタイプと付き合っていると、だんだん苦しくなってくるでしょう。
5. 家庭での命令口調の心理と対処法
5-1. 夫が「指揮官タイプ」だったら
指揮官タイプは家の中でも指揮官です。
家族にも指揮を執り、誰かが失敗すれば、客観的に対処していきます。
時には冷たいようにも見えますが、彼らからすれば、感情的になるのは問題解決の邪魔になるだけなのです。
ただ、子供の前で妻に対して命令口調になる場合は、子供が母親を軽んじることにつながるから、とやめるように説得します。
夫が家庭の指揮官であるのなら、パートナーである自分も対等の指揮官であると納得させるのです。
指揮官タイプが一番嫌がるのは、感情的な口論です。
怒りや涙ではなく、論理を使って相手を納得させてください。
5-2. 夫が「職人タイプ」だったら
職人タイプは家庭内で起こる問題にも、次から次へと対処していきます。
人からの頼み事も気軽に引き受け、しかも気前がいいので、そんなところはあなたの悩みの種になるかもしれません。
子供にも命令口調で指示を出し、従順に従うことを望むでしょう。
言葉づかいを改めるようにあなたが言っても、一時的に言うことは聞いてくれても、じきに忘れてしまいます。
むしろあなたは子供が同じような口調で人に接しないように、別の見本となった方が良いでしょう。
5-3. 夫が「中間管理職タイプ」だったら
中間管理職タイプは何が良く、何が悪いかという明確な判断基準を持っており、それを人にも押しつけます。
時間には正確で、家族全員のスケジュールを立てるのも夫です。
そのため家庭内でも平気で命令口調になるのです。
彼らは家族を捨てたり、お金を馬鹿げたことに使ったりはしません。
安定した家庭生活を望んでいます。
家庭内が心地よく、プレッシャーと無縁なら、実務に有能な中間管理職タイプの夫の良い面が引き出され、命令口調もそれほど気にならないでしょう。
それでもあなたがそうした命令口調がイヤだったら、相手にプレッシャーを与えないようにしながら、自分はパートナーであって、命令口調を使われてもいい立場の人間ではないことを、粘り強く話してみてください。
人に何かしてもらうときは「〜しておけ」ではなく、お願いするものだということを、時間をかけて納得してもらうのです。
そして対等なパートナーであることを、仕事や家事、地域活動やボランティアの活動などの中身を見せることで、証明することです。
このタイプは人を褒めることはめったにありませんが、コミュニケーションには相手を認め、褒めることが重要であることを、実生活を通じてわからせる必要があります。
そうすることで夫自身も成長し、仕事面でも良い影響が表れてくることでしょう。
まとめ
ここでは「命令口調」で話す人のタイプを3つに分類し、それぞれの特徴・心理と状況別対処法を見ていきました。
同じ「命令口調」でも、その人がどんな人かによって、命令口調になる心理は異なっています。
相手がどんな人かを見極めて、適切に対応することが必要です。
その人が命令口調になったのは、さまざまなバックグラウンドと経験を経たけっかです。
あなたがどれほどイヤでも、それを変えることはむずかしいこと。
イヤな思いを相手にぶつけるだけでは、関係が悪化し、よけいに「命令口調」もひどくなります。
そしてあなたはますます辛くなってきます。
そうした悪循環に陥る前に、相手を理解し、相手が真に求めているものに寄り添った対応をすることで、関係はずっと良いものになっていきます。
どうか命令口調の人ともうまくつきあっていってくださいね。
「今日出た資料をもとに、原稿を用意するように」
「そのやり方じゃダメだ。こうしなさい」
「つべこべ言わず、さっさとやるんだ」
あなたの周囲には、なにかにつけて命令口調の人はいませんか?
怒っているのかな?
私のことがきらいなのかな?
もうちょっと優しく言ってくれたっていいのに…。
そう思ったことのある人は、ぜひこの記事を読んでみてください。
あなたの周りの「命令口調の人」の心理や特徴がわかってきます。
1. 命令口調とは?
命令口調とは、人に対して上から目線で命令するようなものの言い方のことを言います。
「〜して」「〜やっておいて」「しなさい」という文字通りの命令形だけでなく、「そうすべきでしょ」「何をしたらいいかわかってるよね?」というバリエーションもありますが、いずれにしても上から目線でこちらの行動を指図する言い方です。
もちろん仕事の場面で、このような指示が必要な場合もありますが、普段のコミュニケーションが、いちいち命令口調の人もいます。
そんな人は、ショッピングに行けば、あなたが選んだものよりも「こっちの方が似合うよ」と別のものを押しつけてくるし、一緒に食事に行っても「これ、おいしいよ」ではなく、あなたが別のものを注文しているにもかかわらず「これ、おいしいのに。
何で食べないの?」と言ってくる。
そんな人は「命令口調の人」と言えるでしょう。
2. タイプ別「命令口調の人」の特徴
命令口調の人には、以下の3つのタイプがあります。
目上の人に対する対応や、日ごろの動作を観察し、その人がどのタイプに当てはまるか、分類してみてください。
2-1. 指揮官タイプ
仕事ができるし、知識も豊富、非常に優秀なのが特徴です。
つねにリーダーのポジションにあり、自然と周囲に対して命令する立場になる人です。
話は論理的、指示も的確なのだけれど、言葉が短く、必要のないことは言わないため、親しくなるのがむずかしいタイプです。
このタイプは、目上に対しても、ほとんど態度が変わりません。
さすがに命令口調ではありませんが、社交辞令や長ったらしい挨拶など「ムダ」と考えているのが伝わってきます。
この人の前で感情的になったり、いい加減なことを言ったりしたりすると、容赦なく批判されます。
できない人、とくにできないにもかかわらず努力しない人に対しては、非常に厳しいく叱責されます。
しかし意地悪ではないし、周りに対する態度も公平、信頼のおけるリーダーで、命令口調さえ改めてくれればな、と思うのは、このタイプの人です。
2-2. 職人タイプ
人を動かすより自分で動きたいタイプの人です。
誰よりもてきぱきと動いていますが、たまに口を開くと、「あれやって」「これやって」と、ほとんどが命令です。
指揮官型に質問すると、(人によっては「こんなこともわからない?」という顔をしながらも)的確に説明してくれますが、職人タイプに質問しても、あまり論理的な説明は返ってきません。
イライラして「黙って言うとおりにしろ」「オレのやり方を見ろ」と言うのが、このタイプの特徴です。
このタイプも目上の人の前で態度が変わりませんが、指揮官型が、自分と同じように能力の高い上司に対しては、敬意を払い、信頼を寄せるのに対し、このタイプは上下関係自体が苦手です。
口調は乱暴ですが、慣れてくると命令口調も気にならなくなり、親しみをもってつきあえるのは、このタイプです。
2-3. 中間管理職タイプ
マンガやドラマにもよく出てきますね。
目上にはぺこぺこするくせに、目下にはやたら威張り散らかす「係長」クラスの登場人物です。
このタイプは、上下関係が大好きです。
会社の外に出ても、自分より上か下かで判断し、下だと思えばやたらと命令口調になってきます。
自分に自信がなく、バカにされているのではないか、といつも気にしていて、だからこそマウントしてこようとして命令口調になる、という傾向があります。
あなたが命令口調で言われて腹が立つのは、多くはこのタイプを相手にしています。
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