「何であの人はいつもイマイチなんだろう」「本当に気持ちがわからないひとだ」などと他人に対して思う事はありませんか。
最近の若い人はあまり遣わないかもしれませんが、「野暮だよね」「野暮用ができた」なんて言葉を耳にした事はあると思います。
つまりこの「野暮」がいわゆる、"イマイチ"であったり"気持ちがわからない"という意味なのですが、「野暮」という言葉には、一体どんな意味があるのでしょうか。
特徴や改善するコツなどを解説していきたいとおもいます。
- 野暮ったいとは
- 野暮ったいの類語
- 野暮の意味
- 野暮ったい人の反対語
- 野暮ったい人の特徴
- 野暮ったいを改善するコツ
- まとめ
1. 野暮ったいとは
野暮ったい(やぼったい)とは、垢抜けず洗練されていない、いわゆるダサい状態の事や人の事をいいます。
それは容姿に限らず内面においても遣われる言葉であり、他人の気持ちが分からない人や、空気が読めない人に対しても遣ったりします。
また「野暮用」などの時に使う野暮には"色気"がないというニュアンスもあり、この"色気"は男女のフェロモンの事ではなく、退屈でつまらないといった意味を持ちます。
そして語源も調べてみると色々と諸説はあるようですが、「野暮」は「野」に「暮」らす人で、いわゆる農民のことを指していて、そこから転じて江戸時代に遊郭で盛えた華やかな吉原とは程遠い人達、流行りの事情を知らない人達、遊びを知らない人達という意味になったそうです。
ですから「あなたって野暮な人」なんて言われてしまうとちょっと恥ずかしい事だと思った方がいいでしょう。
2. 野暮ったいの類語
2-1. 気障(きざ)
洋服や態度、話し方などの全てが不自然でくどい様子の事をいいます。
また気取っていて嫌な印象や取っつきにくい人のこと表します。
2-2. 無粋(ぶすい)
人情や男女間の情感の微妙さなどを理解できないことをいいます。
くどくどしく、ゴテゴテして余計なものが多いと感じる事をいいます。
2-3. 無風流(むふうりゅう)
美意識が低く、風情もなにもない事をいいます。
品がなく全く趣がない様子や人をいいます。
3. 野暮の意味
3-1. 野暮の読み方
野暮は(やぼ)と読み、洗練されていなかったり、余計な説明を欲しがったり、人の機微に疎い時に使う言葉です。
また表面ばかりで中身が伴っていないものや、感覚や感性が時代遅れなものや事柄、冗談が通じない様子や、今でいうKYの事を表します。
また野暮(やぼ)は903年(延喜3年)に武蔵国、今の東京都国立市にある菅原道真の三男・道武が父を祀るために建立した谷保天満宮(やぼてんまんぐう)の谷保からきとおり、「やぼったい」「やぼだ」などの語句が出来たとされています。
またこの神社は東日本最古の天満宮と言われています。
4. 野暮ったい人の反対語
4-1. 粋(いき)な人
意気から転じた言葉で、気持ちや身なり、態度がさっぱりしていて垢抜けて洗練されている事を表します。
人情の表裏や人の機微、男女間の情念などに詳しく色っぽい人をいいます。
4-2. 通(つう)なひと
人の感情や人情などに敏感で、特に遊び方を知っている人の事を言います。
またその道の事柄をよく知っている人のために事を指します。
5. 野暮ったい人の特徴
5-1. 驚く程ケチである
一緒に食事に行き、会計の時に「なんて粋でスマートなんだ」と感動を覚えるような対応を受けた事はないでしょうか。
いつのまにか支払いを済ませ何事もなかったかのようにお店を出る。
きっといつもそのような振る舞いをしているのでしょう。
例え割り勘の場合であってもお店から出てから徴収するなどして、その場所であーだこーだお金のやり取りをしないというのは、食事が終わるのがお店を出るまでだと考えているからではないでしょうか。
こういったささやかな、人によっては気付かないようなところに配慮が払えるのが素敵で洗練された人だといえるでしょう。
ですが野暮な人は繊細でも気配りがあるわけでもありません。
割り勘であればまだ食べていても1円単位まできちっと細かく請求してきたり、毎回クーポンが使えるところしか行かない、またそのお店を探すために歩き回らせたりと目的が食事を一緒に摂る事ではなく出費をいかに抑えられるかを楽しむような人がいます。
もちろん1円単位で割る事やクーポンを使う事が悪い訳ではありません。
ただ状況や空気、タイミングなどを間違えてしまうと全てが台無しになってしまいますし、「野暮でダサくてつまらない」と男女共に思われて距離を置かれてしまうでしょう。
5-2. 全く気が利かない
野暮ったい人は、驚く程全く気が利きません。
周りの人を気遣うこともなければ、状況や空気を読み、考えて行動することもないためガサツで自己中心的なので、気が利かない人物だと思われてしまうのです。
まず自分の感情を優先するので周りが何を思うかなど考えてもいませんし、優先する事の何がダメなのかとすら思っているでしょう。
野暮で結構と思っている節もあるので、このタイプと付き合っていく事はなかなか難しいかもしれません。
また我慢や辛抱、慣れなどが必要になるので、一緒に行動するには神経がすり減ってしまうかもしれません。
また自分への自信のなさから、周囲に対して気を配る余裕がなく、自分の事しか見えていないために雑な対応をしたり、勝手な振る舞いをしたり、時には周囲が引いてしまうような言動を平気でするなどの行為をする人もいます。
少しの気付きで気が利くようになっていけるものなのですが、やはり本人が今のままではよくない事に気付かなければいけません。
5-3. 八方美人である
人間関係をスムーズにするための一つの手段でもありますが、八方美人過ぎても人から嫌われてしまうでしょう。
八方美人とは誰にでもいい顔をする事を意味するのでイヤがる人が多いですが、本当に1人の時以外に、会う人全員に対し平等にニコニコと当たり障りなく愛想よくできているのであれば、相当のメンタルだと思いますし素晴らしい事かもしれません。
ですが相当難しい事なので、完璧にやってのけることは厳しいでしょう。
ですからそれができないのであれば、ただの八方美人であり、媚び売りや、太鼓持ち、自分がない人だと思われてダサくて野暮ったい人だと思われてしまうでしょう。
また自分を持っていない、人によって態度を変える人と思われるので、更に嫌がられてしまうかもしれません。
5-4. 食事の仕方が汚い
食事の摂り方というのは育ちなどが非常に大きく関係してくるので、その人を知るには大変重要な行為になります。
きちんと躾を受けて育った人とそうではない人ではやはり全く違いますし、それなりに自分で学ぶ事ができるような年齢になっているにも関わらず、食事の仕方が汚いと更に残念で「うわー」っと思ってしまい、また一緒に食事をしたいとは思えなくなってしまうでしょう。
食べるという行為は人の基本的な事なので、そこがしっかりできていないと知性や理性を感じず、無教養で野蛮だと思ってしまいます。
食べる時にくちゃくちゃと音を立てたり、変な箸の持ち方をしたり、食器や箸をベロベロと舐め回したり、食べながら大口を開けて話をするような行為は気持ちが悪くなりますし、野暮ったいどころか不愉快になってしまいます。
ですが当の本人は全く気付いていない場合が多く周囲が離れたり距離を置いても気付いていない事が多いといえるでしょう。
5-5. センスがない
ファッションでもヘアスタイルでも最初は誰かの真似をしたり参考にすると思います。
そのために雑誌やカタログがあるので、そこから自分に似合うものや好みのものを選び、オリジナリティを出しながら人は個性を磨くのですが、野暮ったい人はどうしてもこのセンスがイマイチなので、不思議な格好をしたり、全く似合っていないのに何かで見たコーディネートを丸々真似したり、流行っていると聞けばそればかり着るなどと自分のパーソナリティを無視した事ばかりします。
ですからいつまで経っでもセンスが磨かれませんし、ファッションだけが浮いている状態になります。
本人の中にセンスという概念がないため、とにかく目に入った物を身に付けておけば間違いないと思っていて、個性もなければ褒めるところもないといった状況に陥る事が多いといえるでしょう。
5-6. 優柔不断で無駄が多い
野暮ったい事の一つに、周囲をヤキモキさせたり、時間を弄ばせてしまったり、無駄な感情や気持ちを持たせてしまったりと何かともたついたりロスが多いのも特徴です。
またなかなかものを選べなかったり、すぐに迷ったり、決めてからも更に悩み続けたりと優柔不断レベルも高く野暮ったさも莫大なものだといえるでしょう。
誰でも迷ったり悩む事はありますし、時間を無駄にしてしまう事もあるかもしれません。
ですが野暮ったい人はこのようなことが日常茶飯事で周りを巻き込んでしまいます。
道に迷えば迷う前に調べておけばいい事ですし、時間を弄ぶのであれば、計画を立てておけば無駄に過ごすことがなくなります。
誰かと行動を共にする際には特に考えて行動する必要があるにもかかわらず、風まかせのような適当さや鈍臭さが酷いため目に余ることも多いでしょう。
5-7. 言い訳が多い
何かやる前から必ず「どうせ」や「だって」を多用し、言い訳をしては責任転嫁するような人は野暮ったくダサいと思われてしまいます。
いちいち言い訳をするくらいなら、努力をすればいいのです。
ですが、そこの感覚が野暮なのでこのようなネガティブな言動をしてしまうのです。
言い訳をする事で自分の行動への免罪符になると思っている人がいます。
先に理由をつけておく事で何かあったときに責任が軽くなります。
ですが周りは毎回聞いてもいない言い訳をして責任逃れをするような人物に対し、いい感情を持つはずがありません。
人によっては気持ち悪いと感じてしまい離れてしまうでしょう。
言い訳をするという事は、「自分はいざとなったら責任なんて取りません」と言っているようなものなのです。
5-8. ただのだらしない人
世の中には非常に魅力的で大変モテる人がいます。
人によってモテる理由は様々だと思いますが、容姿や性格、センスなどを総合してモテるのだと思います。
モテると当然人が寄ってくるので、恋人ができやすくなりますし、出会いにも困らないと思います。
たとえ出会いと別れを繰り返しても、決して相手が嫌がるような事をする事はありません。
モテるとは取っ替え引っ替え相手を変える事をいうわけではありません。
『粋』な人はモテ方も粋です。
別れた後に問題になるような事など当然ありませんし、手当たり次第に手を出すことはありません。
自分を悪者にして断ったり、グッやホロっとくるようなやり方で恋愛を楽しみます。
ですが野暮ったい人はとにかく数を気にするため何人と一気に付き合えるか、歴代は何人恋人がいたかなど、内容よりも人数を気にするのでモテると勘違いするのかもしれません。
野暮な人は恋の話をする時に必ず無粋なことを挟んできます。
ですから一瞬で話が読めてしまい安っぽく感じてしまうのです。
6. 野暮ったいを改善するコツ
6-1. 自分を知る
何事も改善をするにはまず、現状の自分を知るということが第一歩になります。
自分の現状もわからないのに改善なんて無理ですし、どうしていけばいいか手段や方法も分からないからです。
まずどうなりたいのか、どう思われたいのかなど具体的なビジョンを描いてみましょう。
そして周囲から見た自分のイメージや、足りないところ、もっとこうした方がいいと言う意見などを聞き出し参考にしてみましょう。
それは容姿だけではなく、例えば気遣いであったり語彙力であったり知識や教養などの人間力を養うことも大切だと思います。
そうやって自分の事を多岐に渡って分析していくといいと思います。
何か一つだけ素晴らしくしても野暮ったさというものはなかなか消えないものなので、多角的に自分のことを分析することが垢抜ける鍵になるのではないでしょうか。
6-2. 「粋」な人を研究する
垢抜けていて素敵な人は単純に容姿が魅力的であったり、ファッションセンスがいいと言うことではありません。
感覚や感性、考え方などがやはり洗練されていて、繊細であったり豊かであったり敏感であるからこそ表面に溢れ出てくるものが『粋』になるのです。
それは昨日や今日培われたものではなく、生まれ持ったものもあるかもしれませんが、本人が切磋琢磨し、学び身に付けてきたものだといえます。
例えば指先一つとってもその動きだけで色香が香り立つ場合もあります。
言葉遣いや立ち振る舞い、そういったものから『色気』や『粋』さが漂うものであり、単純に露出を増やす、異性に受ける格好をする、流行りの言葉遣いをするなどといった事は結局はその場限りであり耐久性がありません。
『粋』な人はずっと粋なままです。
人によって態度を変えたり、空気を濁したり、品がない事をすることはありません。
『粋』な人にも様々なタイプの人がいるので、なぜ魅力的なのか、魅了するのか、自分と何が違うのか研究してみましょう。
6-3. 色々な経験を積む
感覚や感性を磨くのも知性や教養を身に付けるのも本人がその気にならない限りどうにもなりません。
例えばファッションセンスであっても雑誌を見たりウィンドショッピングでもいいので色々な系統の洋服をみてみましょう。
すると自分の好みや流行のもの、世代によっての服装などがわかると思います。
好きな色と似合う色は違う事なども実際に自分の目で見て見ないとわからないことです。
またできる限り様々な方面の沢山の人と話す機会を作ったり、映画や芸術作品を見に行ってみたりスポーツ観戦をしたり今までの自分ではしないような事に挑戦してみましょう。
そして今までの自分と違う自分を経験してみましょう。
アイドルに会いに行くときに物凄くスタイリッシュにしてみたり、歌舞伎や能などの古典芸能を観に行くときには和装にしてみることで、作法や所作も身につきますし、自然とスマートにいたいとおもうように努力するものです。
程よい緊張感は自分を高め価値を上げていきます。
毎日少しずつ刺激を感じる事によって沢山の情報を取り入れる事ができるようになりますし、可能性も広がっていく事になります。
野暮ったい自分とさよならをするには、やはり新しい風を取り込まなくてはいけません。
まとめ
野暮ったい人は自分で野暮ったいと気付いていても、具体的にどこが野暮ったいのかわからない場合が多いのかもしれません。
直したくてもどうしたらいいかわからない、具体的にどこが野暮ったいのかわからないなどで結局そのままなのかもしれません。
もしくはそもそも自分が野暮ったいと気がついていない人もいるかもしれません。
「別に他人に迷惑をかけているわけではない」と思うのであれば自由ですが、向上心があったり魅力に磨きをかけたいと思うのであれば、少し『粋』について考えてみて、なりたい自分になってみても良いのではないでしょうか。
「何であの人はいつもイマイチなんだろう」「本当に気持ちがわからないひとだ」などと他人に対して思う事はありませんか。
最近の若い人はあまり遣わないかもしれませんが、「野暮だよね」「野暮用ができた」なんて言葉を耳にした事はあると思います。
つまりこの「野暮」がいわゆる、"イマイチ"であったり"気持ちがわからない"という意味なのですが、「野暮」という言葉には、一体どんな意味があるのでしょうか。
特徴や改善するコツなどを解説していきたいとおもいます。
1. 野暮ったいとは
野暮ったい(やぼったい)とは、垢抜けず洗練されていない、いわゆるダサい状態の事や人の事をいいます。
それは容姿に限らず内面においても遣われる言葉であり、他人の気持ちが分からない人や、空気が読めない人に対しても遣ったりします。
また「野暮用」などの時に使う野暮には"色気"がないというニュアンスもあり、この"色気"は男女のフェロモンの事ではなく、退屈でつまらないといった意味を持ちます。
そして語源も調べてみると色々と諸説はあるようですが、「野暮」は「野」に「暮」らす人で、いわゆる農民のことを指していて、そこから転じて江戸時代に遊郭で盛えた華やかな吉原とは程遠い人達、流行りの事情を知らない人達、遊びを知らない人達という意味になったそうです。
ですから「あなたって野暮な人」なんて言われてしまうとちょっと恥ずかしい事だと思った方がいいでしょう。
2. 野暮ったいの類語
2-1. 気障(きざ)
洋服や態度、話し方などの全てが不自然でくどい様子の事をいいます。
また気取っていて嫌な印象や取っつきにくい人のこと表します。
2-2. 無粋(ぶすい)
人情や男女間の情感の微妙さなどを理解できないことをいいます。
くどくどしく、ゴテゴテして余計なものが多いと感じる事をいいます。
2-3. 無風流(むふうりゅう)
美意識が低く、風情もなにもない事をいいます。
品がなく全く趣がない様子や人をいいます。
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