沖縄県民なら知らない人はいないと言われている有名な妖怪「キジムナー」。
沖縄を旅行していると街中でちょこちょこ「キジムナー」をキャラクターにした看板や標識を見かけます。
「キジムナー」を知らないと沖縄県で有名な何かのキャラクターなのかと思ってしまうくらい目にしますが、一体「キジムナー」とはどのような妖怪なのでしょうか。
- 「キジムナー」とは?
- 「キジムナー」の外観
- 「キジムナー」の性格
- 「キジムナー」の生息地
- 「キジムナー」の目撃情報・捕まえた人はいる?
- 「キジムナー」の好きな食べ物
- 「キジムナー」の嫌いな物
- 「キジムナー」に会うには
- 「キジムナー」の置物は沖縄のお土産で人気
- まとめ
1. 「キジムナー」とは?
「キジムナー」とは沖縄に昔から伝わっている妖怪です。
沖縄に生息しているガジュマルの樹に住んでいてイタズラ好きで美しいものが大好きな妖怪だと言われています。
キジムナーは別名を「キムジン」とも呼び、キジムナーの発祥の地である沖縄県大宜味村(おおぎみそん)では沖縄でも長寿の里で有名であり、キジムナーを大変大切にしていてその存在を信じています。
またその姿は多くの場合髪や体全体が赤く、男の子の姿をしているイメージがキャラクターとして使われていますが、女の子であったり、赤ん坊の姿であったりと人によって目撃情報は様々なようです。
キジムナーは人間のように家族を作ってガジュマルの樹で暮らし、好きな相手にはまるで人間の恋愛のようにキジムナーの大好きな魚を沢山、昼夜問わずご馳走すると言われています。
中には結婚をして子供をもうけ家族をつくったり、キジムナーが人間と結婚をして家庭を築いくなどの事もあるようです。
またキジムナーが住むその木は「幸運を運んでくる樹」や「幸運の木」と呼ばれていて、願い事を叶えてくれたり、幸せをもたらしてくれると言われています。
そんなキジムナーと仲良くなったり、気に入られるとその家は繁栄すると言われていて、家族ぐるみの付き合いになる事も珍しくないと伝えられています。
例えば生活の中の作業を手伝ったり、魚を獲って来る代わりに、家にお邪魔させて休ませてもらったり、年末年始を一緒に過ごしたりと本当に人間のようにご近所付き合いをする事も少なくないようです。
ですが逆にキジムナーに嫌がらせをしたり、住処であるガジュマルの木に傷を付けたり、切り倒したりして嫌われてしまうとその報復によって不幸がもたらされるとも言われているのでキジムナーとの約束は大切にしなければいけません。
そしてキジムナーには二種類いると言われていて一つはガジュマルの木に住むキジムナー、もう一つは山から住処を海にうつし、火を操るキジムナーです。
後者はあまり知られてはいませんが、沖縄県民の民話で語り継がれているようです。
2. 「キジムナー」の外観
キジムナーは、火の精霊なので赤い髪や全体が赤っぽい少年という目撃情報が数多くあります。
沖縄本島でよく見かけるキジムナーをイメージにしたキャラクターは、赤い髪の毛の少年ではないでしょうか。
お土産などもこの赤い髪の少年のものが多いのですが、実際には年齢や性別、身長や体重の体格などに「こう」っといったものはなく、男女共にいると言われ、大人も子供も居ると言われています。
姿を自由自在に変えることができるため、ある時は老人、ある時は女性になっている可能性もあります。
歩き方もぴょんぴょん跳ねるような歩き方をし非常に特徴があるようです。
また一見可愛らしいイメージを持たれていますが、腕は木の枝のようだという証言もあり、爪は長く歯は鋭く、怒らせると更に妖怪らしさを増すと言われています。
人によってどんなキジムナーに遭遇するかも、楽しみの一つかもしれません。
3. 「キジムナー」の性格
人間に対し、基本的には友好的で人懐っこい妖怪と言われているキジムナーですが、とてもイタズラ好きで、人間を洞窟のような狭いところに閉じ込めたり、夜道で明かりを奪ったり、寝込みを押さえつけるなど結構ハードなイタズラをする事も特徴です。
本人はいたって邪心はなく無邪気にたのしんでいるだけで虐めようとしている訳ではありません。
ですがキジムナーが友達だと思っていた場合に人間がその気持ちを裏切るような行為をした場合には、必ずおそろしい復讐を企てやり返してきます。
家を焼いたり、その人物を焼いたり、目をくりぬいたりと容赦ありません。
漁船を沈め一家皆殺ししたり、家畜もろとも火の海にするなど徹底した報復をしてくると伝えられています。
4. 「キジムナー」の生息地
キジムナーは沖縄の妖怪なので本土全域が生息地とされています。
生まれは先程もお話ししましたが、沖縄県の北部にある大宜味村(おおぎみそん)の喜如嘉(きじょか)と言われるところで、喜如嘉では「キジムナー」ではなく、「ブナガヤー」と呼ばれているそうです。
キジムナーが宿っているガジュマルの樹は、百年経つとキジムナーが木になると言われているので、風水的にも有難い木とされ、沖縄県民にとってもガジュマルの木というのは大切なものの一つになっています。
ですから沖縄県民の人は自宅でガジュマルの木を植えて育てる事も多く、キジムナーが宿り樹として一家を見守っているのかもしれません。
5. 「キジムナー」の目撃情報・捕まえた人はいる?
キジムナーは、沖縄本島の各地で目撃されていて、その情報は数多くあるようです。
また子供の目撃情報が大半を占めており、大人でも島民であれば、子供の頃に見たことがあるなどの経験を持つ人も少なくありません。
残念ながら捕まえた人という情報はないようですが、よく目撃されている場所があるようなので、いくつかご紹介します。
5-1. 大石林山(だいせきりんざん)
沖縄本島最北端の辺戸岬(へどみさき)近くにある『やんばる国立公園』にはキムジナーが宿っているガジュマルの樹が数多く生息しています。
大自然の公園内には散歩コースがいくつかあり、ガジュマルの木が楽しめる「ガジュマルロード」が有名です。
巨大なものがいくつもあり、キジムナーの目撃情報が多々聞かれています。
5-2. 大宜味村(おおぎみそん)
沖縄本島北部、国頭半島西部にある村でキジムナーの発祥の地と言われているだけあって、やはり多数の目撃情報があり、村全体でキジムナーを守る取り組みが行われています。
また海や森などの自然も多いので、キジムナーにとっても住みやすい環境なようです。
大宜味村は観光地としても有名なため、色々な場所から人が集まってきますが、そうなるとやはり目撃情報も増えるため大宜味村には沢山いるのかもしれません。
5-3. ヒンプンガジュマル
沖縄県名護市にある巨大なガジュマルの木であり、1997年に国の天然記念物に指定されました。
道路の真ん中に立ち高さ約19m、推定樹齢280年〜300年程だと言われていて、町のシンボルにもなっているようです。
名護市は比較的沖縄の中では都会なので、このヒンプンガジュマルは森の中にある訳ではありませんが、見ると心が落ち着く、穏やかになると言われています。
因みにヒンプンガジュマルには隣に立つ「三府龍脈碑(さんぷりゅうみゃくひ)」という石碑がヒンプン(屋敷の門と母屋の間に立てるついたて)に似ていることからそう呼ばれるようになりました。
ヒンプンには、外側から敷地内が見えないようにする柵の役目があると同時に、悪霊や災難から守るという意味もあり、名護の町全体を悪霊や災難から守る・入り込まないようするという地元住民の信仰の一つになっています。
6. 「キジムナー」の好きな食べ物
6-1. 魚の左目
キジムナーはとにかく魚介類が大好きで、特に魚のタカサゴの目玉には目がないようです。
そのため有名な伝説がいくつか残されており、漁師が漁獲した魚をみて目玉だけがなくなっていたら、キジムナーが食べたのだとも言われるようです。
また漁をしているとキジムナーがやってきて、自分が沢山魚を獲るから仲良くしたいと言ってきたという話もあります。
ただ仲良くなると毎日約束の時間に必ず現れなければキジムナーを怒らせてしまうので、幸せを運んできてくれる反面、融通が利かないのかもしれません。
またキジムナーは、お腹が減ると海に飛び込み、魚を捕って食べると言われていますが、魚を捕って食している時間が何よりも大切な時なので邪魔をすると報復される場合があります。
7. 「キジムナー」の嫌いな物
7-1. 人間のおなら
キジムナーは汚いものが嫌いなようで、人間の排泄物やオナラなどを見たり嗅ぐと逃げてしまうようです。
キジムナーは基本的には人に悪さをしない人懐っこい妖怪だとは述べましたが、オナラをわざとキジムナーにかけたり、オナラを使って嫌がらせをすると、必ずやり返してくるようです。
例えばキジムナーの足にオナラをかけた場合は復讐としてオナラをした人の足に火を付け燃やし焦がしてしまうという話も残っているようです。
7-2. タコ・鶏肉
タコや鶏肉(ニワトリ)が苦手なようですが、なぜ苦手かは詳しくは残っていないようです。
魚貝類が大好きなのにタコが嫌いだなんて面白いですが、何かトラウマがあるのかもしれません。
またキジムナーに近寄って欲しくない人は、家でニワトリを飼ったり、タコを置いておくと寄り付かないと言われています。
ですが仲良くしていていきなりニワトリやタコを家の中に置いた場合は、これまたキジムナーの怒りを買う事になるので気を付けましょう。
8. 「キジムナー」に会うには
キジムナーは妖怪なので会う事は簡単な事ではありません。
人によっては妖精だとも言われているので神聖なものだと思い信じている人もいるようです。
沖縄には目撃情報が多く、会える確率が高いガジュマルの木やデイゴの木が沢山あり、魚が豊富に採れる海に囲まれているとしても、たまたま出会えたという以外はそう簡単にはお会いできるものではありません。
また基本的にキジムナーに愛されなければ無理なので、純粋であったり一生懸命であったり、嘘をつかないであったりと"美しい"ものが大好きなキジムナーがお友達になりたいと思わなければソッポを向かれてしまうでしょう。
また会えたとしても幸せを運んできてくれる反面、絶対的な絆が必要になります。
勿論人間同士でもそうですが、何回も述べているようにキジムナーは裏切り行為を絶対に許さない妖怪なので覚悟が必要になります。
ですがそれでも"本気で"会いたいと思うのであれば、方法がない事もありません。
ガジュマルの木の下で真夜中に口笛や指笛を綺麗に吹いてみる、また沖縄の子供たちの間で言われている事は、静かで薄暗い場所に円を描き、砂糖や小麦粉などの白い粉を撒き、円の中心に線香を立てて火をつけ、キジムナーに向けた呪文を唱え隠れます。
そして20数え、もとの場所に戻ると、粉の上にキジムナーの足跡がついているというお呪いがあるようです。
またこれは感覚的なものになりますが、森を散策して自然と一体化し自然に感謝をする、美しいもの、例えば人の温かさ、自然の偉大さ、海への敬意などをしっかり感じ考えるなどをしていれば、ひょこっと顔を出し「お友達になろう」と言ってくるかもしれません。
また沖縄県南城市にある「ガンガラーの谷」や「斎場御嶽(せーふぁーうたき)」は緑が生い茂る森であり、神聖な場所として崇拝されています。
「斎場御嶽(せーふぁーうたき)」に至っては世界文化遺産に登録されていますが、近年はマナーが悪い観光客が多いため男子禁制になる話も出てきています。
キジムナーが最も嫌う"美しくない"事を慎み、自然に感謝・堪能すればキジムナーにも愛されるかもしれません。
9. 「キジムナー」の置物は沖縄のお土産で人気
沖縄には沢山のお土産がありますが、キジムナーの置物は人に買うにも自分用に買うにも人気のお土産の一つです。
キジムナーは幸せをもたらしてくれる妖怪ですが、シーサーのように魔除けになってくれると思っている人もいるようで、男の子と女の子と思って、二体購入し自宅に飾る人もいるようです。
置物の素材は素焼きのものや琉球ガラス、陶器で作られたものなど色々あり、デザインも大きさも沢山の種類があるようです。
幸運を招いてくれると言われているため、常に持ち歩きたい人にはキーホルダーなども人気があるようです。
まとめ
キジムナーに会うには子供のように汚れない心や純真な考え方が必要ですが、もし沖縄に行った際にチャンスがあれば、ガジュマルの木の下に行ってみてはいかがでしょうか。
沖縄には沢山のガジュマルの木があり、全てが神聖なものです。
キジムナーには会えなくても、木を摩るだけで柔らかい気持ちになりパワーがもらえるかもしれません。
沖縄県民なら知らない人はいないと言われている有名な妖怪「キジムナー」。
沖縄を旅行していると街中でちょこちょこ「キジムナー」をキャラクターにした看板や標識を見かけます。
「キジムナー」を知らないと沖縄県で有名な何かのキャラクターなのかと思ってしまうくらい目にしますが、一体「キジムナー」とはどのような妖怪なのでしょうか。
1. 「キジムナー」とは?
「キジムナー」とは沖縄に昔から伝わっている妖怪です。
沖縄に生息しているガジュマルの樹に住んでいてイタズラ好きで美しいものが大好きな妖怪だと言われています。
キジムナーは別名を「キムジン」とも呼び、キジムナーの発祥の地である沖縄県大宜味村(おおぎみそん)では沖縄でも長寿の里で有名であり、キジムナーを大変大切にしていてその存在を信じています。
またその姿は多くの場合髪や体全体が赤く、男の子の姿をしているイメージがキャラクターとして使われていますが、女の子であったり、赤ん坊の姿であったりと人によって目撃情報は様々なようです。
キジムナーは人間のように家族を作ってガジュマルの樹で暮らし、好きな相手にはまるで人間の恋愛のようにキジムナーの大好きな魚を沢山、昼夜問わずご馳走すると言われています。
中には結婚をして子供をもうけ家族をつくったり、キジムナーが人間と結婚をして家庭を築いくなどの事もあるようです。
またキジムナーが住むその木は「幸運を運んでくる樹」や「幸運の木」と呼ばれていて、願い事を叶えてくれたり、幸せをもたらしてくれると言われています。
そんなキジムナーと仲良くなったり、気に入られるとその家は繁栄すると言われていて、家族ぐるみの付き合いになる事も珍しくないと伝えられています。
例えば生活の中の作業を手伝ったり、魚を獲って来る代わりに、家にお邪魔させて休ませてもらったり、年末年始を一緒に過ごしたりと本当に人間のようにご近所付き合いをする事も少なくないようです。
ですが逆にキジムナーに嫌がらせをしたり、住処であるガジュマルの木に傷を付けたり、切り倒したりして嫌われてしまうとその報復によって不幸がもたらされるとも言われているのでキジムナーとの約束は大切にしなければいけません。
そしてキジムナーには二種類いると言われていて一つはガジュマルの木に住むキジムナー、もう一つは山から住処を海にうつし、火を操るキジムナーです。
後者はあまり知られてはいませんが、沖縄県民の民話で語り継がれているようです。
2. 「キジムナー」の外観
キジムナーは、火の精霊なので赤い髪や全体が赤っぽい少年という目撃情報が数多くあります。
沖縄本島でよく見かけるキジムナーをイメージにしたキャラクターは、赤い髪の毛の少年ではないでしょうか。
お土産などもこの赤い髪の少年のものが多いのですが、実際には年齢や性別、身長や体重の体格などに「こう」っといったものはなく、男女共にいると言われ、大人も子供も居ると言われています。
姿を自由自在に変えることができるため、ある時は老人、ある時は女性になっている可能性もあります。
歩き方もぴょんぴょん跳ねるような歩き方をし非常に特徴があるようです。
また一見可愛らしいイメージを持たれていますが、腕は木の枝のようだという証言もあり、爪は長く歯は鋭く、怒らせると更に妖怪らしさを増すと言われています。
人によってどんなキジムナーに遭遇するかも、楽しみの一つかもしれません。
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