対応力が高いとは？対応力が高い人の特徴・高める方法・メリット・デメリット | SPITOPI

対応力が高い人とは、いったいどのような人のことを言うのでしょうか。

今回は、対応力が高い人の言い換えや特徴について解説します。

1. 「対応力が高い」の意味とは?

対応力とは、その物事に対して、特にトラブルや想定外のことに対しての処理能力に長けている力のことです。

当然、良いことであり、現代日本においては最大級の誉め言葉と思って間違いありません。

主にビジネスの場で言われることが多いですが、プライベートや人間関係でも言われることがあります。

2. 「対応力が高い」に似た言葉

対応力が高いという言葉は、ややあいまいな言葉です。

そのため、似たような言葉はたくさんあり、どれも強くポジティブな意味合いを持っています。

しかし、それぞれで微妙に違うニュアンスを含む言い換え言葉。

今回はその微妙な違いも解説します。

2-1. 「適応能力がある」

適応とは、なじむ、とけこむといったイメージです。

環境適応能力と言った場合、環境の変化にすぐになじみ、ストレスなどを緩和する力ということができます。

しかし、対応力がどちらかと言えばアウトプットであるのに対し、適応能力はイン、受動的な事柄に対しての処理方法です。

そのため、対応力が高いという言葉よりは、やや言葉の意味は弱い使われ方になります。

2-2. 「たくましさがある」

どんなことにも対応できる対応力は、そのままたくましさとしてとらえられることもあります。

たくましいという言葉は、繊細で傷つきやすい人が増えた現代社会においてかなりの誉め言葉です。

しかし、たくましさというと、失敗に対してもおおらかな印象があります。

そのため、対応力が高いという場合はそのものを完全に処理するイメージですが、たくましさがあるといった場合はその物事が処理できなくても大丈夫というおおらかな精神性を表す場合があります。

2-3. 「バイタリティにあふれる」

バイタリティとは、生命力や活力、エネルギーなどを指し、これがあふれるということですから生き生きとして活気があるさまを指します。

また、エネルギーと意味する部分が転じてたくましさという印象で使われることもあり、たくましさがあるという言葉の言い換えとも言えます。

しかし、バイタリティとは野性味、意欲などを含みます。

そのため純粋に物事に対応する対応力とは違い、失敗してもへこまないといったポジティブな人を指すときによく使われます。

2-4. 「柔軟性がある」

対応力という言葉に大変近いのは柔軟性です。

硬直した思考では、イレギュラーな事態に対応することはできません。

しかし、柔軟な考え方の人は思いもよらないことも受け止め、吸収し、対応することができます。

ただし、柔軟性がある人の特徴として、柔軟性があるあまりに物事の本質まで解釈を変更してしまうことがあります。

そのため、問題に対して「そもそもこれはやらなければよかったのでは」「問題解決のためには間接的な行動をする方が良いのでは」といったアヴァンギャルドな施策を打ち出し、その物事自体の結果はうやむやになってしまうことがあります。

3. 「対応力」の高い人の特徴

対応力が高い人は、自らの努力でそうしているというよりは、状況がそうさせている部分があります。

3-1. 観察力がある

日ごろからものごとを俯瞰で観察し、客観的に見られていることは対応力が高い人の大きな特徴です。

これは意識して行うというより、そのように大きな視点で見ることが癖になっていると言えます。

そのように大局を見られる人は、そもそもイレギュラーが起こりそうなところ・問題になりそうな瞬間を察知することができます。

予想のついていることであれば、対応を考えることも可能です。

そのため、なにか問題が起こった時に考えていた対応を行うことにより、結果的に対応力があると言われるようになるのです。

3-2. 感情と思考を別として考えられる

人間、誰しも想定していないことが起こると少なからずびっくりするものです。

しかし、そこにただ驚いていては対応力を発揮することはできません。

驚きは別に感じ、思考はその対応のために論理的に動かします。

感情を制御することはできませんが、思考は自ら動かすことが可能です。

動揺は感じながらも物事への対応方法をすぐに考えることができ、ほかの人より一歩早く対策が打てる。

これが対応力のある人のポイントです。

3-3. 日ごろから人間関係の構築をしっかりしている

対応力のある人は、自らの人間性以上に、周囲の人間関係をしっかりと作っていることがほとんどです。

仕事でも、プライベートでも、物事を完全に一人でこなすシチュエーションは実際のところ存在しません。

どんなことであれ、どんな分量であれ、誰かの力を借りることが出てきます。

それがイレギュラーなことであればなおさら、迷惑も含めた人への依存が発生します。

そういった時に、普段からちゃんとした人間関係を築いているかはとても重要なファクターになります。

3-4. そのものごとに対して自信がある

対応するものごとそのものに対して自信があるパターンです。

仕事のこと、家庭のこと、育児のこと…人生には様々な業務があり、それぞれにイレギュラーが発生します。

自分の畑違いのことにまで対応力があるのは素晴らしいことですが、残念ながらそのような人はほとんどいないのが現状です。

やはりいつも対応している業務において、その内容を知り尽くしているからこそ対応力を発揮することができます。

もちろん、自分の範囲外のことをなんとかさばくことも「対応力がある」と言われますが、これはたまたま良い結果になっただけであり悪い結果になることも多々あるでしょう。

3-5. ストレスケアの方法を知っている

対応力がある人は、自らのストレスを解消することがうまいです。

なぜなら、対応力とは瞬発力。

問題が起こった時に、目まぐるしく頭を回転させて通常より集中して取り組む必要があります。

そういった瞬発力は持続はしません。

むしろ、心身ともにダメージを受けますから、その疲労を回復させる必要があるのです。

特に問題のない普段はのんびりと精神をリラックスさせておき、いざという時に集中して取り組むことができる。

常に緊張して常に臨戦状態という人がいれば、もちろんその方が対応力はいつでも発揮されるでしょう。

しかし、人間は休むことが絶対に必要です。

そのことを理解し、きちんと体を休めることができる人こそ、真に対応力がある人といえます。

3-6. 責任感がある

イレギュラーな事態の時、誰しもがふと「想定外のことなのだから、失敗してしまっても仕方がない」と頭によぎるはずです。

しかし、対応力のある人は自分に対してそんな言い訳はしません。

ただ粛々と物事に取り組みます。

結果論ですが、このように責任感を持って業務に当たれば、どんなイレギュラーも投げ出すことはありません。

よって、振り返ってみれば「あの人は対応力がある」と言われるようになるのです。

3-7. 野心がある

イレギュラーを、むしろチャンスとして虎視眈々と狙っているタイプです。

このような人の場合、問題は自分の力を見せつける絶好の場です。

どんな困難な状況だとしても、嬉々として問題の解決に努めます。

自分がまだ入り込めない分野や、自分の席がないプロジェクトなどの自分を売り込むには最適の方法です。

その問題への対応力があるとなれば、脚光を浴びるでしょう。

しかし、このタイプは前もって失敗することを見越している、それどころか失敗することを黙って見ている場合があります。

間違いなく対応力のあるタイプですが、良くも悪くも合理性だけで考えている場合が多いです。

3-8. 他人に嫌われることを恐れない

イレギュラーの解決に手を挙げるということは、失敗する可能性が大変高いやっかいな案件に手を出すということです。

それは成功して当たり前、失敗したらダメ出しされるという不利な条件です。

しかし、イレギュラー対応を行うメリットを感じ、行うときに他人の目を恐れないことが必要です。

そのメリットとは、純粋にプロジェクトの成功かもしれませんし、それによって迷惑をこうむる人への救済かもしれません。

あるいは自分の功績づくりなど打算的な考えからかもしれません。

どんな理由にしろ失敗のリスクは高く、人からそしられることも十分考慮しなければいけません。

しかし、そういったデメリットを乗り越えなければ対応力を発揮することはできません。

4. 「対応力」を高める方法

対応力は、瞬発力とも言え日ごろからトレーニングが必要です。

毎日思考のトレーニングをしていると、ふと気が付けば対応力を身に着けることができていますよ。

4-1. イメージトレーニングを習慣化する

プロジェクト全体に対し、弱い部分、ミスが出やすそうな部分に対してのイメージトレーニングをしておくと、ミスが出た時にすぐに対応できます。

ひとつの大きな進行を頭の中でなぞることにより、ぶつ切りで考えるより各弱点が見えやすくなり、またそこでミスが出た場合にリカバリーの方法を考えやすくなります。

これはそのことだけに関わらず、繰り返し行うことにより思考が習慣化し、どんなこともイメージトレーニングを行う癖が身につきます。

日常的に対応力を高めるトレーニングとしておすすめです。

4-2. パターンA、パターンBを用意するのを習慣化する

毎日の行動の中でも、特にリスクが高いと思われることについて代替え案を用意しておくこと。

これを習慣化することで、対応力を高めることができます。

全体のことは大きすぎたり長すぎたりして把握しきれなかったとしても、明らかにミスが発生しそう、イレギュラーが出そうな部分に対し、パターンを二つ用意しておけば焦ることはありません。

例えば毎日毎日電車が遅延するかもと考えるのは取り越し苦労ですが、台風の日に通勤プランを二つ用意するのは大切なことです。

これも習慣化することにより、その他どんな問題にも対応できます。

4-3. 慌てることはメリットがないと肝に銘じる

対応力を発揮するのに邪魔なのが焦りです。

その場での対応、また数日などの短期的な対応を迫られた場合だったしても、とにかく判断は素早くし全体の方向性を決めなければいけません。

しかし、いくら素早くといっても慌てることで誤った判断を下しては元も子もありません。

まず落ち着くこと、これは単純ながら、対応力を高めるのに大切なメソッドです。

瞬時の対応力が必要なのは、例えばボールが目の前に飛んできたので避ける…といった超瞬間的対応だけでしょう。

イレギュラー対応には数分単位、数時間単位、数日単位というある程度のスパンがあるはずです。

この期間を無駄にしないために、まず落ち着きましょう。

早い判断だけでは対応力があるとは言えません。

5. 「対応力」が低いデメリット

対応力が低いことにはデメリットがたくさんあります。

具体的なデメリットを3つご紹介します。

5-1. 予想外のことに時間を取られる

予想外のことが起こると、その処理に大きな時間を取られます。

その対応方法を考える、対応をするという具体的な時間のとられ方もそうですし、これからやろうと思っていたことが先延ばしになるという未来的な時間のとられ方もしてしまいます。

こんな時、対応力があれば時間をあまり使わずにイレギュラーを処理し、また時間が無くなった分を埋め合わせる対応をすることができます。

時間とは有限であり、定められたものです。

しかし、イレギュラーはいつでも起こるリスクがあります。

対応力が高ければ、そういったリスクを最小限に食い止めることができます。

5-2. イレギュラー対応ができないと思われる

物事そのものに対してではなく、周囲の評判としてのデメリットです。

対応力がなく、イレギュラーに手間取る、最悪の場合は処理しきれないということになると、イレギュラー対応ができない人間の烙印を押されてしまいます。

一度や二度であればまだいいですが、複数回そんなことが続くと、特に仕事の場では次の仕事につながりません。

イレギュラー対応ができない人には、会社としてリスクヘッジを要しなければいけません。

それは施策であったり、単純に多く人を配置するであったりと様々ですが、とにかくコストのかかります。

コストがかかる人とかからない人であれば、当然かからない人に仕事は多く集まります。

5-3. 心の安定につながらない

自分に対応力が無いと思っていると、イレギュラーに対して始終びくびくしていなければいけません。

そのため、判断も安全策に寄っていってしまい、アグレッシブなチャンレンジをすることができません。

また、心の安定がないということは心に余裕もないということ。

余裕がない時の判断は狭量で、視野の狭いものになりがちです。

6. 「対応力」の高い人のメリット

対応力が高いことのメリットは計り知れません。

それは具体的にそのプロジェクトを成功に導くことにもなりますし、その後に続くチャレンジを誘発することにもなります。

6-1. チャレンジングな行動ができる

失敗しても大丈夫、イレギュラーがあってもリカバリーできると考えていれば、少し大胆な行動をとることもできます。

一つ一つは大きなことではなくとも、その行動の積み重ねにより大きな成果を作ることにつながります。

また、対応力の高い人にとっては失敗すらも成長のチャンス。

問題をクリアすることにより、さらに対応力が磨かれるでしょう。

6-2. 失敗した時のデメリットより、成功のメリットの方が大きくなる

失敗した時のデメリットは、対応力さえあればある程度吸収することができます。

しかし、成功のメリットは行動したものにしか与えられないご褒美です。

対応力の高い人はデメリットとメリットを天秤にかけた時、ほぼ同じだったとしても、メリットの方を重点的に考えることができます。

6-3. プライベートへの浸食を最低限に食い止める

イレギュラーなことが起こった場合、プライベートを犠牲にしなければならないことがあります。

具体的に、休日返上で業務を取り返すといったことも出てくるでしょうし、心的ストレスにより帰宅後もずっと気落ちしたまま…ということも含まれます。

しかし、対応力が高い人はそういったことはありません。

例えば休日出勤を余儀なくされたとしても、土曜日一日だけで済ませるとか、残業によってなんとかするといったことでプライベートを守れます。

また、そういった対応が可能なのですから精神的ダメージも比較的軽くて済むはずです。

プライベートはきちんと切り離し、ライフワークバランスをしっかり取ることができるのも対応力の高い人のメリットのひとつです。

まとめ

対応力とはざっくりした言葉ではありますが、つまりは「落ち着いて物事を適切に対処する」ということです。

そう思うと、仕事の場を超えていつでも汎用的に使える重要なスキルであると言うことができます。

生きていれば、どんなイレギュラーに遭遇するか分かりません。

対応力を磨き、様々トラブルをさばいていきましょう。