仕事や勉強のゾーンとは？・ゾーンの入り方・特徴 | SPITOPI

「ゾーン」とは、心や体のどのような状態を指すのでしょうか。

さらにゾーンを引き出すコツや条件、ゾーンに入りやすい人の特徴を紹介します。

1. ゾーンとは?

「ゾーンと」は、特にスポーツをしている人が感じやすい特別な感覚です。

絶対に入るはずがない一打なのに、ホールインワンを決めてしまうゴルフ選手や、最高のコース取りをして、信じられないスピードでコーナーを回るモーターカーの選手などが体験する感覚です。

ヒーローインタビューの時に「あの時はゾーンに入っていた」と彼らは答えます。

日常的には決して感じる事ができないスペシャルな感覚は、何かを真剣にやっている時にしか訪れない瞬間です。

また誰にでも起こるわけでなく、誰でも簡単に起こせる状態ではない、とても不思議な時間です。

誰もがゾーンに入りたいと思い、なかなか入る事ができない、さらに忘れた頃に急にゾーン上体に入る…そのような摩訶不思議で最高の瞬間です。

もしあなたが、大切な場面でゾーンに入れたら、人生が変わるきっかけをつかむ事ができるかもしれません。

2. ゾーンに入っているときの状態

ソーンに入っている時、どのような感覚を味わっているか、一流のアスリートは数々のインタビューで語っています。

もしゾーンに入ったらどのような気持ちになるか、「ゾーンに入っているときの状態」を紹介します。

2-1. ものすごく集中している

ゾーンに入っていたと後から振り返って気が付く時、「ものすごい集中状態だった」と答える人が多いです。

「超集中状態」ともいえるような状態で、「やるべき事以外が気にならない状態」ともいえます。

例えば、締め切り前に仕事をする時は、「あと1時間で締め切りだ」と時間を気にしてしまいがちです。

さらに「締め切りに間に合わなかったらどうしよう」などと、余計な心配をしてしまいます。

しかし超集中状態にいる人は、「仕事そのもの」だけを考えて、全ての能力を仕事に注ぐ事ができます。

時間を気にする事、余計な心配をする事で、脳のメモリーを消費したり、心を動揺させたりせずに、仕事だけに集中できるので、いつもなら考えられないようなスピードで仕事をこなす事ができます。

2-2. 絶対に負ける気がしない

ゾーンに入ると、絶対に勝てないような相手と勝負をしても勝てる事があります。

格闘技で番狂わせを起こしたり、まったく無名だった選手が有力選手をなぎ倒して優勝したりする時は、ゾーンに入っている事がほとんどです。

普段なら面と向かっているだけで、緊張して力を出せないような人と戦っていても、ゾーンに入っている時は「絶対に負ける気がしない」といいます。

思考は現実化するという理論がありますし、引き寄せの法則という考え方もあります。

「絶対に負けない」と思う事ができれば、たくさんの勝つための要素を引き寄せる事ができます。

絶対に勝つと思えば、勝つというイメージを現実のものにする事ができます。

2-3. 体調がいい

ゾーンに入っている時に、「体調がいい」と感じる人は多いです。

ヒーローインタビューで現在の調子を聞かれたアスリートが「絶好調」と答える事が多いのはそのためです。

自分が普段感じているよりも、より体が俊敏に、なめらかに動くと感じる事、さらにどれだけ動き続けても疲労感を味わう事がないため、体調がいいと感じます。

ただし本当に体調がいいケースもありますが、実は集中状態が生んだ錯覚の時もあります。

ゾーン状態が終わった瞬間に、強い疲労を感じたり、身体のあちこちに痛みを感じる事があるからです。

それでもゾーンに入っている時は、どんなに体調がよい時よりも素早く動けるし、持続力もあります。

ゾーンに入れば、心身を最高の状態にアップする事ができるのです。

2-4. 気が付いたら時間が過ぎている

仕事に集中していると、いつの間にか2時間、3時間が過ぎていた…という不思議な体験をする人もいるでしょう。

その割に疲労感がない、さらに出来上がった仕事の質が良い、このような条件がそろった場合はゾーンに入っていた可能性が高いです。

集中すると、時間が過ぎるのが早いと感じやすくなります。

嫌々仕事をしている時の1時間と、好きな人と一緒にいる時の1時間の時間の流れが違うのは、誰でも経験している事でしょう。

ゾーン状態はその時間感覚が極端になります。

「気が付いたら試合が終わっていました」ゾーン状態になり、番狂わせを起こしたアスリートが話すのは、実際に感じている不思議な時間感覚なのです。

2-4. 視点が変わる

ゾーンに入ると、「視点が変化する」事があります。

有名な野球選手のエピソードに「ボールが止まって見えた」というゾーンエピソードがあります。

150km前後で手元に飛んでくる投手のボールが、まるで止まって見えるくらいゆっくり見えたという話です。

止まっているボールですから、容易にホームランを打つ事ができます。

同じように「ボールが大きく見えた」と話す野球選手は数多くいますし、ほとんどのバッターはゾーン状態の時に「ボールがゆっくり見えた」と話します。

さらにサッカー選手がゾーンになると、ピッチ全体を、「空中を飛ぶ鳥目線」で見る事ができるようになるといいます。

そのため、空いているパスコースが一目瞭然で、信じられないようなスルーパスを出す事ができます。

ゾーン状態になると、このような超常現象のような体験をする事ができるかもしれません。

3. ゾーンを引き出すコツ

ゾーン状態になると、仕事で大きな成果を出す事ができるかもしれません。

ただしゾーンは入りたいから入れる、お手軽な身体の状態ではありません。

準備を整えて、条件がそろって初めてゾーンに入る事ができます。

そこで「ゾーンを引き出すコツ」を紹介します。

コツを実践する事で、比較的ゾーンに入りやすくなるかもしれません。

3-1. 目の前の事に集中する

ゾーンに入るためには「目の前の事に集中する」必要があります。

一つの事に集中する超集中状態が、完全無欠ともいえるゾーン状態を作り出します。

そのためには「マルチタスク」を避ける事が大切です。

二つの仕事を同時進行で進めると、実は効率が悪いといわれています。

どちらへの意識が中途半端になり、実力を発揮しにくくなるからです。

マルチタスクをするよりも、時間を区切って一つ一つの仕事に集中した方が効率が良いですし、ゾーンに入りやすくなります。

もちろん仕事をしながら、スマホをいじったり、仕事をしながら好きな人の事を考えるのもNGです。

仕事を始めたら、仕事以外の事を考えないようにすると、いつの間にゾーン状態に入っているかもしれません。

3-2. タイムリミットを決める

ゾーンに入っている時は「超集中状態」だと話しました。

そのためゾーンに入る前段階でも、いつもよりも物事に集中している事が大切です。

集中力を高めるためのひとつの手段として、「タイムリミットを決める」という方法があります。

だらだらと長時間仕事をするのは、難しいものです。

それよりも90分、60分と時間を区切り、仕事を終えるタイムリミットを決めたほうが集中しやすいです。

集中するのが苦手という人は「3分」だけ頑張ってみましょう。

例えば3分なら、誰でも一生懸命努力できるはずですし、集中状態も作りやすいでしょう。

集中状態に少しずつ慣れると、集中できる時間が長くなります。

そのうち30分、60分と集中できる時間が長くなります。

集中できる時間が長くなれば、ゾーンに入る可能性も高くなるでしょう。

3-3. 体調を整える

ゾーンに入っている人は自分の体調を「絶好調」だと感じます。

逆にいえば、できるだけ体調を良くした方が、ゾーン状態の体調に近くなるという事です。

そこで日頃から体調管理に気を付けて、体調を整えておきましょう。

ゾーンになってもおかしくないくらい体調を良くしておけば、ふとした瞬間にゾーンに入れるかもしれません。

また歯が痛い腰が痛いなど、身体に痛みがある人は、なかなか目の前の作業に集中するのが難しいと思います。

そして集中できる時間がなければ、ゾーンに入るのは難しいです。

規則正しい生活を送り、身体に痛みが出ないようにしておけば、誰でもゾーンに入るチャンスがあります。

健康な体は集中状態を作りやすくするでしょう。

4. ゾーンに入る条件

ゾーンに入っている人は、環境、気持ち、身体がゾーンに入るために必要な条件を満たしています。

「ゾーンに入る条件」を知れば、同じ条件に自分を置き、ゾーンに入る準備を整える事ができるはずです。

そこで「ゾーンに入る条件」を紹介します。

4-1. 「今」に集中する

ゾーンに入っている人は、「今」に集中しています。

目の前の仕事に集中していて、それ以外の事を考えていません。

「何で私がこの仕事をしなくてはいけない」とか「明日も残業か、嫌だな」など、余計な事を考えず、今にだけ集中しています。

あなたも「今」に集中する習慣をつければ、ゾーンに入るチャンスが巡ってくるかもしれません。

4-2. 長期的に継続している

ゾーンに入った経験がある人は、一流のアスリートやビジネスマンが多いです。

これらの人々に共通しているのは、一つの事を長期的に継続しているという事です。

子供の頃から同じスポーツを続けていたり、一つの仕事を継続的に行うと、ゾーンに入りやすくなります。

4-3. チャレンジしている

ゾーンに入る人は、「チャレンジしている」という共通点もあります。

例えばスポーツ選手なら、何かを守るよりも挑戦している時の方がゾーンに入りやすい傾向があります。

仕事でも大きなプロジェクトに携わっていたり、実現不可能に思えるような仕事に携わっている時にゾーンに入りやすい傾向があります。

これはチャレンジしている時に発生する、「ワクワク感」がゾーンと関係しているのかもしれません。

目の前の何かにワクワクしていて楽しい時、人は集中できます。

超集中状態になり、ゾーンに入る事ができます。

5. ゾーンに入りやすい人の特徴

ゾーンに入る時には、ある条件を満たしている必要がある事が分かりました。

それでは必要な条件を満たせば、誰でもゾーンに入れるのかといえば、そうでもないようです。

ゾーンに入りやすい人、そうではない人がいます。

そこで「ゾーンに入りやすい人の特徴」を紹介します。

もし共通する特徴がたくさんあるなら、ゾーンに入るチャンスが目の前にあるかもしれません。

5-1. 好きな事をしている人

何か好きな事をしている時は、自然と集中しています。

例えばジグソーパズルを作るのが好きな人は、何時間パズルを続けていても疲れません。

気が付いたら日が暮れているなど、時間が過ぎるのも早いです。

実は夢中になってパズルをしている瞬間は、ゾーンと同じような状態です。

人によってはパズルをしながらゾーンに入っているかもしれません。

ジグソーパズルのように夢中になれる好きな事がある人は、明日にでもゾーンに入る事ができるかもしれません。

5-2. 他人の目を気にしない人

何かに集中する時に、邪魔になるのが「他人の視線」です。

人の目を気にしていたら、ゾーンに入るほど集中する事は絶対にできません。

他人の目を気にしない人は、ゾーンに入りやすいゾーン優等生といえるでしょう。

5-3. スキルが高い人

ゾーンに入るアスリートは、言わずもがなですが、スポーツのスキルが高い人です。

例えばバスケットをする時に、ドリブルができなかったり、ジャンプを上手にできなければ、超集中どころではありません。

人並み外れて物事に集中するためには、一定以上のスキルが必要になります。

5-4. 自分なりの「儀式」を持っている人

「グラウンドに入る時に、右足から入る」このような自分なりの「儀式」を持っているアスリートは多いです。

ルーティンワークをしてから物事に入る事で、集中しやすくなるからです。

仕事を始める前に「コーヒーを淹れる」という人もいるでしょう。

インスタントコーヒーではなく、あえて豆を挽くところから始めるのは、仕事に集中するための自分なりの儀式かもしれません。

このような人は、無意識でゾーン状態に近づこうとしています。

机の前に座ったら、目をつむって10数える、好きな音楽を聴く、顔をピシャピシャ叩くなど、集中するための儀式を作って、ゾーンに入りましょう。

まとめ

「ゾーン」に入る事ができれば、無敵状態になれます。

スーパーヒーローが必殺技を出す瞬間のような、絶対的な時間を体験する事ができます。

ゾーンの力を利用すれば、絶対に達成不可能だと思えるような目標を達成したり、勝てるはずのない人に勝てるかもしれません。

ゾーンに入るコツを知り、ゾーンに入りやすい人になって、「ポテンシャル全開の最高の自分」に出会いましょう。