ブラック企業という言葉が定着してもうしばらくが経ちました。
残業超過、給与未払いなどブラック企業にも色々ありますが、特に所属したくない職場としてワンマン社長のいる会社が挙げられるでしょう。
しかし、ワンマン社長とは具体的にはどのような人物像を指すのでしょうか。
今回は、ワンマン社長の特徴やデメリットについて解説します。
- ワンマン社長とは?
- ワンマン社長の特徴
- ワンマン社長の弊害
- 中小企業におけるワンマン社長のメリット
- ワンマン社長の末路
- まとめ
1. ワンマン社長とは?
ワンマンとは、そもそもふたり以上の人間が行うべきことを、一人だけで行うという状態を指す言葉です。
ワンマン運転などは、運転士が一人で電車を運転しているということですね。
しかし、ワンマンという言葉に社長がつくと、大変イメージの悪い言葉になってしまいます。
辞書上も、「ワンマン社長」といえば「独裁者、あるいは自分の思うとおりにふるまう経営者」となっています。
2. ワンマン社長の特徴
ワンマン社長は、ある共通の特徴があります。
その経済規模や地方の企業、都内の企業など、条件は違えどワンマン社長であればある一定の傾向を持っていると言えます。
2-1. 持ち物が高級志向
ワンマン社長は、企業の利益と自らの給与を直結させて考えている部分があります。
本来は犯罪ですが、実際のところ横行しているのが現実。
そのため、企業の経営規模が小規模だったとしても、身に着ける衣服やかばん、靴、時計などはいいものを持っている傾向があります。
そのほか、車や家も、本当の給与とは見合わないものを持ちたがります。
経理関係者、また役員などはその出所を知っているはずですが、それを追求することはありません。
逆に言えば、ワンマン社長だからこそそういった振る舞いができるとも言えます。
2-2. 見栄への金払いは良い
ワンマン社長はお金の使い方が派手です。
もちろん、そのお金は私的なものか、企業のものかはあいまいです。
しかし少なくとも接待であったり、他社への手土産であったり、他人に使うお金をけちることはまずありません。
これは、あからさまに見栄を張っている状態です。
その証拠に、自らが雇っている社員たちへ給与アップなどの還元をすることはありません。
他者や関係者へ100万バラまくのであれば、自社の社員のベース給与を1000円上げた方が良いような気がするのですが、そういった地味な使い道では納得できないのです。
2-3. 女性にモテる
パワハラやモラハラなども行うことの多いワンマン社長ですが、女性にはモテます。
これはまず金払いがいいことが第一に挙げられます。
女性の中でも、華やかで金遣いの荒いタイプの女性であれば、まず金払いのいいワンマン社長を嫌う人はいません。
それがどんなに表向きの顔であっても、かなり深い付き合いまで許してくれることでしょう。
更に、野心のあるワンマン社長の物言いをカッコいいと思う女性も多いものです。
野心の無いワンマン社長はいません。
現代日本では、草食系で穏やかな男性が多くなっているのも事実。
ギラギラとして他人を押しのけるバイタリティを持つワンマン社長は、ある意味非常に男性的です。
そんな男くさいワンマン社長に惹かれる女性も少なくありません。
2-4. 男性の友人はいない(友人と思っていない)
ワンマン社長には男性の友達がいません。
男性と飲みに行ったり、ゴルフに行く機会は大変多いのですが、そのすべての人間を敵か、味方かで分けているからです。
その上、味方と判断した場合、自分より上か下かを品定めしています。
上と認識するのは大企業の重役以上、下と認識するのはそれ以外です。
そのような目で男性を見ますから、友人関係を結ぶことはまず不可能ですし、ワンマン社長自体も望んでいません。
相手から、友情のようなものを受け取ったとしても、ワンマン社長は冷酷に切り捨てるでしょう。
あるいは、自分に気やすいとして即舎弟として認識し、顎で使おうとするかのどちらかです。
そもそもワンマン社長は自分のことを忙しい人間だと思っています。
そのため、空白を埋める友人など不要だと思っているのです。
2-5. 家族は大切にするが、兄弟仲は悪い
親や親せき、妻、こどもなど、ある程度の財力を持つワンマン社長は家族を持っていることが大変多いです。
それぞれの誕生日や結婚式などの祝い事に対して、惜しみなくプレゼントを用意し祝福します。
しかし、それは主に見栄と自らの財力の誇示のためであり、特に妻に関しては妻の持ち物が高級なことがワンマン社長のステータスの一部となる理由が主です。
そしてワンマン社長は、家族と仲良く過ごすことがあっても、兄弟との仲が悪いケースが著しく多いです。
これは企業が家族経営に頼っている場合顕著になります。
ワンマン社長にとって、兄弟とはいつ経営責任者の座を奪われるかしれない敵。
もちろん、兄弟にとってもワンマン社長は目の上のたんこぶで、できれば取り除きたい相手です。
そのため、表面上は和やかに話していたとしても、本来ある兄弟間の暖かな交流は存在しません。
2-6. こどもに過度の期待をする
ワンマン社長が最も大切にするのがこどもです。
誰しも自分のこどもはかわいいものですが、ワンマン社長にとってこどもは特別な存在です。
誰にも気を許していないワンマン社長、それは配偶者である妻にであってもです。
そんなワンマン社長が心から愛情を注ぎ、また返してもらえる存在がこどもです。
しかし、こどもが幼年期まではただかわいがるだけで済むのですが、青年期に入ったくらいからワンマン社長の期待値はどんどん上がってきます。
これは、こどもに自らの社会的ステータスの一部を担ってもらおうとしているからです。
こどもが高学歴であったり、名高い賞を受賞することをワンマン社長はとても喜びます。
そして、できる限りそのようなことにトライするよう叱咤します。
その際、こどもの特性や個性は考慮しません。
ただただ一般的に見て素晴らしいこどもになるよう期待するのです。
3. ワンマン社長の弊害
ワンマン社長が経営する会社では、様々な障害が起こります。
それは特に社員、人間への障害として現れることがほとんどです。
3-1. イエスマンの量産
ワンマン経営とは、給与の増減や役職の決定までもがワンマン社長の一存で決められます。
そのため、金銭的、社会的なメリットを求めるならば、ワンマン社長の言うことを聞く必要が出てきます。
ただワンマン社長の言うことを聞くだけならいいのですが、その言葉のすべてに反対意見を封印し、従うだけの社員も出てきます。
企業体であれば致命的なことなのですが、ことワンマン経営においてはそれこそが出世の道です。
良識ある社員と、イエスマンの社員であれば給与や待遇に差が出てきます。
その結果、ワンマン社長の会社には気づけばイエスマンしかいないことになっていくのです。
3-2. 社員の委縮
ワンマン社長は企業内の暴君であることが多くあります。
特に小規模な会社ですと、そこが社会のすべてとなり、閉鎖された空間となっていることもあります。
閉鎖された空間に密な人間関係を押し込めておくと、その期間が長引けば長引くほど、世間とは違ったルールがまかり通ることになります。
その小さな社会の王はワンマン社長です。
ワンマン社長が言ったことがすべて正しく、例えばモラハラやパワハラといった通常の社会では通用しない事柄も、小さな社会の中でルールとして適用されてしまう場合があります。
そのような会社の中では、社員たちは委縮せざるを得ません。
そのため、ヒューマンパワーとして期待される社員の成長なども見込めなくなってしまうのです。
3-3. 女性社員の枯渇
ワンマン社長といっても、男性、女性それぞれに存在します。
しかし、どちらのワンマン社長であっても、女性社員は基本的に長続きません。
それは、ワンマン社長が出産や育児に対して理解を示さないからです。
ワンマン社長は、ほとんどが自分の実力や仕事への向き合い方に自信を持っています。
それについてこない社員については、容赦なく攻撃し切り捨てます。
妊娠時の体調不良や出産時のアクシデントによる産休の延長、また育児中のこどもの体調不良など、女性社員が仕事をセーブしなければいけないタイミングはいくつもあります。
ワンマン社長はそんな状況を許しません。
むしろこの問題について言えば、女性のワンマン社長の方が厳しいと言ってもいいくらいです。
よほどのイエスマン、あるいはワンマン社長の愛人以外は、女性社員が長く仕事を続けることは難しいでしょう。
4. 中小企業におけるワンマン社長のメリット
ワンマン社長の君臨する企業はデメリットが多くあります。
しかしながら、デメリットは見方を変えればメリットになります。
特に中小企業と呼ばれる小規模な経営体において、ワンマン社長は少なからず有益な面も持っています。
4-1. 決定が速い
ワンマン社長は小回りが利きます。
なぜなら、重要な決定をする際に行われる会議、意識のすり合わせ、稟議などをすべて飛ばし、ワンマン社長の一存で決めることができるからです。
これは平等で自由な企業こそできないことなのです。
ワンマン経営の最大のメリットということができるでしょう。
4-2. 失敗に対し柔軟(な場合がある)
社員の決定に対し、柔軟で温厚な対応をしてくれる時もあるのがワンマン社長です。
ただし、これはイエスマンの社員、あるいはその社員の息がかかったプロジェクト関係者に限ります。
逆に言えば、イエスマンでありさえすればそこそこの失敗は許されるということです。
ただ、いろいろとチャレンジングな業務に携わっている場合、こういったイレギュラーな温情は必要になる時もあります。
4-3. 冠婚葬祭の付き合いが良い
現代の世の中、仕事以外の付き合いを断ることはそこまでタブーとされません。
ひと昔前であれば自社の社長が結婚式や葬祭に出ないことは、かなりのイレギュラーだったと思います。
しかし現在ではそんなことも普通になってきました。
その部分に関しては、古き良き時代を踏襲しているのがワンマン社長です。
むしろ、社員のこどもや社員の親せきなど、本来は不要なシーンにも出しゃばろうとします。
ドライな人間関係を好む人には嫌われますが、人間味のある付き合い方とは言えます。
4-4. 地縁の融通を効かせてくれる
地縁というと、コネというイメージであまりいい印象ではありません。
しかし、例えば地方の小売店であったり、小規模の農家であったり、社会的に弱い立場の地場商売にも筋を通します。
どんな商売をしているにしろ、時代はグローバル化しています。
その波に乗れない経営ではやっていけません。
しかし、実際としてはどんな人にもそれを望むのは酷というもの。
合理的な考えではないかもしれませんが、地縁でつながり経営を続けていくためにはワンマン社長も必要な面があります。
4-5. 流行りのビジネスに流されない(こともある)
特に地方のワンマン社長は、流行のビジネスに疎い傾向があります。
これは家族経営の場合に特に強く、ほぼ回顧営業で経営が回っているため最新のビジネスを試す必要がないのです。
しかし、その結果流行りに惑わされず、今まで通りの経営を続けていくことはできます。
5. ワンマン社長の末路
企業とは本来人の入れ替わりがあるものです。
それは社長と言っても例外ではありません。
しかしワンマン社長の場合、自らが退陣するケースはほとんどなく、健康問題など以外ではずっとその座に君臨し続けます。
その結果は2パターン想定されます。
5-1. 最悪の場合倒産
イエスマンで固めた経営陣、株主も家族がほとんどという会社の場合、経営が悪化したとしても忠告してくれる人は誰もいません。
最大の忠告である顧客からのクレームですら、ワンマン社長は握りつぶしてしまいます。
そういったことが長く続けば、倒産という事実も決して遠い世界ではありません。
5-2. ワンマンでもうまくいく場合も多い
逆に、ワンマンでもうまくいくケースもあります。
この場合、社長自身の経営センスがあり、人格としては問題があっても、経営者としては辣腕である必要があります。
しかし、その場合はワンマン経営であることが大変な効力を発揮します。
むしろ大企業ができないようなアグレッシブな施策を試すことができるため、野心のある社員たちも続々と集ってくるでしょう。
しかし、その企業はぎすぎすとして冷たい関係になるはずです。
まとめ
独裁はうまくは行きません。
ワンマン経営は、言うなれば独裁であると述べました。
世界の歴史を紐解いてみても、独裁政治は基本的にすべてが失敗しています。
現在進行形でうまくいっていると見える場所でも、現実問題としては様々な矛盾を抱え、国内で問題が噴出しています。
規模は違えどワンマン経営も同じです。
ワンマン社長がのさばる会社では、明るい未来は期待できないのです。
ブラック企業という言葉が定着してもうしばらくが経ちました。
残業超過、給与未払いなどブラック企業にも色々ありますが、特に所属したくない職場としてワンマン社長のいる会社が挙げられるでしょう。
しかし、ワンマン社長とは具体的にはどのような人物像を指すのでしょうか。
今回は、ワンマン社長の特徴やデメリットについて解説します。
1. ワンマン社長とは?
ワンマンとは、そもそもふたり以上の人間が行うべきことを、一人だけで行うという状態を指す言葉です。
ワンマン運転などは、運転士が一人で電車を運転しているということですね。
しかし、ワンマンという言葉に社長がつくと、大変イメージの悪い言葉になってしまいます。
辞書上も、「ワンマン社長」といえば「独裁者、あるいは自分の思うとおりにふるまう経営者」となっています。
2. ワンマン社長の特徴
ワンマン社長は、ある共通の特徴があります。
その経済規模や地方の企業、都内の企業など、条件は違えどワンマン社長であればある一定の傾向を持っていると言えます。
2-1. 持ち物が高級志向
ワンマン社長は、企業の利益と自らの給与を直結させて考えている部分があります。
本来は犯罪ですが、実際のところ横行しているのが現実。
そのため、企業の経営規模が小規模だったとしても、身に着ける衣服やかばん、靴、時計などはいいものを持っている傾向があります。
そのほか、車や家も、本当の給与とは見合わないものを持ちたがります。
経理関係者、また役員などはその出所を知っているはずですが、それを追求することはありません。
逆に言えば、ワンマン社長だからこそそういった振る舞いができるとも言えます。
2-2. 見栄への金払いは良い
ワンマン社長はお金の使い方が派手です。
もちろん、そのお金は私的なものか、企業のものかはあいまいです。
しかし少なくとも接待であったり、他社への手土産であったり、他人に使うお金をけちることはまずありません。
これは、あからさまに見栄を張っている状態です。
その証拠に、自らが雇っている社員たちへ給与アップなどの還元をすることはありません。
他者や関係者へ100万バラまくのであれば、自社の社員のベース給与を1000円上げた方が良いような気がするのですが、そういった地味な使い道では納得できないのです。
2-3. 女性にモテる
パワハラやモラハラなども行うことの多いワンマン社長ですが、女性にはモテます。
これはまず金払いがいいことが第一に挙げられます。
女性の中でも、華やかで金遣いの荒いタイプの女性であれば、まず金払いのいいワンマン社長を嫌う人はいません。
それがどんなに表向きの顔であっても、かなり深い付き合いまで許してくれることでしょう。
更に、野心のあるワンマン社長の物言いをカッコいいと思う女性も多いものです。
野心の無いワンマン社長はいません。
現代日本では、草食系で穏やかな男性が多くなっているのも事実。
ギラギラとして他人を押しのけるバイタリティを持つワンマン社長は、ある意味非常に男性的です。
そんな男くさいワンマン社長に惹かれる女性も少なくありません。
2-4. 男性の友人はいない(友人と思っていない)
ワンマン社長には男性の友達がいません。
男性と飲みに行ったり、ゴルフに行く機会は大変多いのですが、そのすべての人間を敵か、味方かで分けているからです。
その上、味方と判断した場合、自分より上か下かを品定めしています。
上と認識するのは大企業の重役以上、下と認識するのはそれ以外です。
そのような目で男性を見ますから、友人関係を結ぶことはまず不可能ですし、ワンマン社長自体も望んでいません。
相手から、友情のようなものを受け取ったとしても、ワンマン社長は冷酷に切り捨てるでしょう。
あるいは、自分に気やすいとして即舎弟として認識し、顎で使おうとするかのどちらかです。
そもそもワンマン社長は自分のことを忙しい人間だと思っています。
そのため、空白を埋める友人など不要だと思っているのです。
2-5. 家族は大切にするが、兄弟仲は悪い
親や親せき、妻、こどもなど、ある程度の財力を持つワンマン社長は家族を持っていることが大変多いです。
それぞれの誕生日や結婚式などの祝い事に対して、惜しみなくプレゼントを用意し祝福します。
しかし、それは主に見栄と自らの財力の誇示のためであり、特に妻に関しては妻の持ち物が高級なことがワンマン社長のステータスの一部となる理由が主です。
そしてワンマン社長は、家族と仲良く過ごすことがあっても、兄弟との仲が悪いケースが著しく多いです。
これは企業が家族経営に頼っている場合顕著になります。
ワンマン社長にとって、兄弟とはいつ経営責任者の座を奪われるかしれない敵。
もちろん、兄弟にとってもワンマン社長は目の上のたんこぶで、できれば取り除きたい相手です。
そのため、表面上は和やかに話していたとしても、本来ある兄弟間の暖かな交流は存在しません。
2-6. こどもに過度の期待をする
ワンマン社長が最も大切にするのがこどもです。
誰しも自分のこどもはかわいいものですが、ワンマン社長にとってこどもは特別な存在です。
誰にも気を許していないワンマン社長、それは配偶者である妻にであってもです。
そんなワンマン社長が心から愛情を注ぎ、また返してもらえる存在がこどもです。
しかし、こどもが幼年期まではただかわいがるだけで済むのですが、青年期に入ったくらいからワンマン社長の期待値はどんどん上がってきます。
これは、こどもに自らの社会的ステータスの一部を担ってもらおうとしているからです。
こどもが高学歴であったり、名高い賞を受賞することをワンマン社長はとても喜びます。
そして、できる限りそのようなことにトライするよう叱咤します。
その際、こどもの特性や個性は考慮しません。
ただただ一般的に見て素晴らしいこどもになるよう期待するのです。
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