日本ではよく使われる『心ばかりの品』の意味や用法は?
『心ばかりの品』なんて言葉、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
ですが自分がこの言葉を使うとなると「あれ、これで合ってたかな」と思ったり「心ばかりの品だとへりくだりすぎかな」「どんな相手に使うのが適切なの」とさまざまな疑問を感じたりするかもしれません。
今回はそんな『心ばかり』という言葉の意味や用例、どんな品物が適切なのかを説明します。
- 「心ばかりの品」の意味とは
- 「心ばかり」の類語や言い換え
- 「心ばかりの品」の正しい使い方
- 「心ばかりの品」を渡す時の手順と例文
- 「心ばかりの品」中身は一般的にお菓子?
- 「心ばかりの品」の英語
- 「心ばかりの品」をもらう時
- まとめ
1. 「心ばかりの品」の意味とは
『心ばかりの品』という言葉は「お渡しする品自体は高価なものや貴重なものではありませんが、私の気持ちを込めた品です」という謙虚な気持ちを込めた言葉になります。
この言葉は主に目上の方や謝罪をする相手などに用いられます。
またこちらの言葉はへりくだった表現なので聞いた相手は謙虚、誠実といった印象を受けます。
2. 「心ばかり」の類語や言い換え
『心ばかりの品』という言葉について簡単にご説明しましたが人によっては『心ばかりの品』以外の言葉で自分が渡す物を表現したいと考えている方もいらっしゃるかもしれませんね。
またよく使われる『粗品』『つまらないもの』という表現を「つまらないものを人に渡すのか」と嫌う方もいらっしゃいますので今回はこの2つ以外の表現で『心ばかりの品』を表す言葉をご紹介しますね。
2-1. 「ちょっとした」
『ちょっとした物ですが』
こちらは『心ばかり』よりも少し砕けた印象を受けます。
謝罪したい相手に渡したいときにはあまりふさわしくないかもしれません。
ですが親しい相手で目上の方、義母や義父、勤務先の先輩などに品物を渡すときにはちょうどいい表現と言えるでしょう。
2-2. 「ささやかな」
『ささやかな物ですが』
こちらは心ばかりの品と同等もしくはやや砕けた表現になります。
謙虚さやかしこまった表現ではありますが、心ばかりやちょっとしたといった表現よりは柔らかい印象を受けます。
また使う相手は『ちょっとした物ですが』と同じく親しい目上の方が適切でしょう。
2-3. 「ご笑納ください」
『〇〇なものですがご笑納ください』
こちらは上記の物と比べて更にへりくだり、かしこまった表現になります。
ご年配の方や初めて顔を合わせる目上の方に使うのが適切といえるでしょう。
親しい目上の方などにこの表現を使われますと逆にへりくだりすぎている、顔色を伺いすぎていると感じられてしまいますので注意が必要です。
3. 「心ばかりの品」の正しい使い方
『心ばかりの品』という言葉は主に目上の方に使う表現だとご紹介してきましたがこの表現は具体的にはどのような人に対して、どのような場合に使うのが正しいのか一度確認しておきましょう。
3-1. 心ばかりの品という表現を使うべき人
- 交際相手の両親もしくは結婚相手の両親
- 仕事での取引相手
- 勤務先の上司
- 謝罪相手 など
3-2. 心ばかりの品という表現を使うべき時
- 交際相手の親戚との初顔合わせ時
- 取引先の人との挨拶時
- 誰かに対し謝罪をする時 など
こんな時に心ばかりの品という言葉を使いましょう。
特にはじめて顔を合わせる相手に何かものを渡す時などには心ばかりという言葉を使うと誠実な印象を与えますよ。
4. 「心ばかりの品」を渡す時の手順と例文
ここまで『心ばかりの品』という言葉についてご説明してきましたがいざ使う時が来たらどのタイミングで使えばいいのでしょうか。
手順と心ばかりの品の正しい使い方を簡単に確認してみましょう。
相手の方の家に訪問したと仮定してみた場合です。
まずは玄関先で軽く挨拶を済ませましょう。
この時に相手の方があなたの手に手土産があることに気付いているかもしれませんが、まだここで渡すのは尚早です。
渡すのは相手の方の家に通され改めて挨拶を終えた時です。
挨拶を終えるとわずかに間が空くでしょうからそのタイミングでお渡ししましょう。
「本日はお招きいただいてありがとうございます。
心ばかりのものですがよろしければお納めください」
このような言葉でお渡しするのがベストでしょう。
レストランやカフェなど出かけた先で品物を渡す場合もすぐに渡すのではなく、席に案内されある程度の会話を済ませたあとで渡すのがスマートです。
4-1. 「心ばかりの品ですがよかったらお受け取りください」
こちらは何度か顔を合わせた相手に改めて感謝を伝えるために品物を渡すときなどにちょうどいい表現です。
かしこまりすぎず、砕け過ぎない表現なので相手の方も気兼ねなく品物を受け取ってくれるでしょう。
また相手に品物を渡す際に相手にこんなことをしてもらっては逆に申し訳がないなどと思われないように「よかったら」や「どうぞ」などといった枕詞をつけることをおすすめします。
4-2. 「心ばかりの品ではありますがお近づきの印にどうぞ」
こちらは初対面の方に品物を渡すときの表現になります。
初対面の方に贈り物をすることは「私はあなたと良好な関係を築きたい」「あなたと長く付き合っていきたい」という意思表示になります。
また丁寧かつ謙虚な言葉で渡すことで相手の方は間違いなくあなたに好印象を抱くでしょう。
4-3. 「心ばかりのものでしかありませんがどうぞお納めください」
こちらはとてもへりくだった印象を相手に与えます。
謝罪相手に品物を渡す時はこの表現が良いでしょう。
また謝罪相手に品物を渡す時にはこんな品物ではあなた様の気持ちは治らないかもしれませんがという気持ちも込めて心ばかりの品を粗品と言い換えてもいいかもしれません。
5. 「心ばかりの品」中身は一般的にお菓子?
『心ばかりの品』は一般的にどういうものが選ばれているのでしょうか。
いくつかリストアップしてみました。
- 菓子類
- 茶葉
- お酒
- タオルなどの日用雑貨
以上のものが選ばれることが多いようです。
ですがやはり群を抜いて多いのが菓子類でした。
クッキーなどの焼き菓子や夏であればゼリーなど涼を感じる菓子類が多く選ばれる傾向です。
茶葉はもうお子さんも自立し、家には自分しかいないもしくは夫婦だけで暮らしているご年配の方に喜ばれるようです。
5-1. 地域の特産品の場合もある
お菓子は持ち運ぶのにも便利で日持ちも良く、相手の方も喜ばれる手堅い贈り物ですがお菓子以外にも喜ばれる品物はあります。
特に地域の特産品などは相手の方が物珍しく感じることからもおすすめの贈り物です。
今はオンラインショップから購入できる品物もありますがネットでの販売を行なっていない品物も多くありますから贈り物に困った時には地域の特産品を選ぶのも1つの手でしょう。
6. 「心ばかりの品」の英語
さてここまでは日本の『心ばかり』という表現について学んできましたが外国でも『心ばかり』もしくはそれと似た表現を使いたくなる場面があるかと思います。
『心ばかり』を表現するいくつかの英単語とともに簡単な例文をご紹介します。
6-1. 心ばかりを表現する英単語
- small present
- small gift
- just something small
どれも直訳すると小さなプレゼントといった意味あいになるようです。
6-2. 上記の英単語を用いた英例文
This is a small gift for you.
(あなたへの心ばかりのプレゼントです)
Please accept this small gift for your sun.
(あなたの息子さんへの心ばかりのプレゼントです)
などがあります。
もともと英語圏の国では相手にものを渡す時にへりくだったり、渡すものを少し下げた表現をすることが少ないので英語での『心ばかり』の表現はあまり多くないようです。
7. 「心ばかりの品」をもらう時
今までは自分が相手の方に贈り物をする際の話をしてきましたが今度はあなたが『心ばかりの品』を受け取る際のことを考えていきましょう。
相手の方があなたへ『心ばかりの品』を渡す時には今までいろいろあなたが考えてきたように相手の方もいろいろなことを考えてから渡してきている訳ですから出来る限り丁寧に受け取りたいですよね。
もしも日常生活の中で贈り物をされた場合は『ありがとうございます。
頂戴します』や『素敵なプレゼントを頂き、ありがとうございます。』
この程度で相手の方はほっと安心することができます。
ですが時と場合によっては別の言い回しが必要になることもあります。
7-1. 謝罪された時
あなたがもし謝罪を受ける側の立場で何か『心ばかりの品』を受け取るのであれば『こんなことしていただかなくても結構ですのに、お気持ちありがたく頂戴します』と早めに受け取りましょう。
普段であればもう少し「そんな、とんでもないです。
頂けないです」と強く断るところでしょうが謝罪の場面では強く断ることで相手の方に謝罪の気持ちが通じていなかったんだ、と思わせてしまいます。
あなたが相手の方の謝罪を受け入れるつもりであるのならば遠慮する姿勢は普段よりも控えめにしましょう。
逆にあなたが相手の方の受け入れ難いと考えている場合は『結構なものをありがとうございます。
ですが受け取ることはできません』と断ることで相手へあなたの謝罪を受け入れることはできないという意思表示にもなります。
7-2. 香典など
葬儀や法事で香典の品物を直接受け取る時は「お気遣いありがとうございます」「お心遣いありがとうございます。
ご霊前(仏前)に備えさせていただきます」という言葉を添えて受け取りましょう。
葬儀の際に受け取る場合は「お忙しい中足を運んで頂きありがとうございます」や「足元の悪い中、
お越しいただきありがとうございます」などの簡単な挨拶ができるように心構えをしておきましょう。
香典などを直接でなく郵送などでいただいた場合は電話、もしくは手紙でお礼の言葉を相手の方に伝えるのを忘れないようにしましょう。
まとめ
以上が『心ばかりの品』についての記事になりますがいかがだったでしょうか。
心ばかりの品はさまざまな場面で用いられます。
だからこそ正しい言葉遣いで渡したいですし受け取りたいですよね。
『心ばかりの品』についての失敗がないようにこの記事がみなさんの助けになれば幸いです。
日本ではよく使われる『心ばかりの品』の意味や用法は?
『心ばかりの品』なんて言葉、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
ですが自分がこの言葉を使うとなると「あれ、これで合ってたかな」と思ったり「心ばかりの品だとへりくだりすぎかな」「どんな相手に使うのが適切なの」とさまざまな疑問を感じたりするかもしれません。
今回はそんな『心ばかり』という言葉の意味や用例、どんな品物が適切なのかを説明します。
1. 「心ばかりの品」の意味とは
『心ばかりの品』という言葉は「お渡しする品自体は高価なものや貴重なものではありませんが、私の気持ちを込めた品です」という謙虚な気持ちを込めた言葉になります。
この言葉は主に目上の方や謝罪をする相手などに用いられます。
またこちらの言葉はへりくだった表現なので聞いた相手は謙虚、誠実といった印象を受けます。
2. 「心ばかり」の類語や言い換え
『心ばかりの品』という言葉について簡単にご説明しましたが人によっては『心ばかりの品』以外の言葉で自分が渡す物を表現したいと考えている方もいらっしゃるかもしれませんね。
またよく使われる『粗品』『つまらないもの』という表現を「つまらないものを人に渡すのか」と嫌う方もいらっしゃいますので今回はこの2つ以外の表現で『心ばかりの品』を表す言葉をご紹介しますね。
2-1. 「ちょっとした」
『ちょっとした物ですが』
こちらは『心ばかり』よりも少し砕けた印象を受けます。
謝罪したい相手に渡したいときにはあまりふさわしくないかもしれません。
ですが親しい相手で目上の方、義母や義父、勤務先の先輩などに品物を渡すときにはちょうどいい表現と言えるでしょう。
2-2. 「ささやかな」
『ささやかな物ですが』
こちらは心ばかりの品と同等もしくはやや砕けた表現になります。
謙虚さやかしこまった表現ではありますが、心ばかりやちょっとしたといった表現よりは柔らかい印象を受けます。
また使う相手は『ちょっとした物ですが』と同じく親しい目上の方が適切でしょう。
2-3. 「ご笑納ください」
『〇〇なものですがご笑納ください』
こちらは上記の物と比べて更にへりくだり、かしこまった表現になります。
ご年配の方や初めて顔を合わせる目上の方に使うのが適切といえるでしょう。
親しい目上の方などにこの表現を使われますと逆にへりくだりすぎている、顔色を伺いすぎていると感じられてしまいますので注意が必要です。
スポンサーリンク