「好事家」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
日常的にあまりよく使う言葉ではありませんが、仮に自分が「好事家」と評価された場合、それは喜ぶべきことなのでしょうか、それとも悲しむべきことなのでしょうか。
また、他の人に対して使う時、それは失礼にあたるのでしょうか、それとも賞賛していることになるのでしょうか。
ここでは、「好事家」の意味について解説します。
- 「好事家」の意味とは?
- 「好事家」の類語や言い換え
- 「好事家」の正しい使い方
- 「好事魔多し」とは
- 「好事家」を使った例文
- 「好事家」の英語
- まとめ
1. 「好事家」の意味とは?
1-1. 「好事家」の読み方?
「好事家」は「こうずか」と読むことができます。
これは難読語の1つでもあり、決して「こうじか」ではありません。
しかし、「好事家」ではなく「好事」だけとなった場合、そこには「こうず」という読み方と「こうじ」という読み方があります。
その場合、読み方によって意味が異なります。
1-2. 「好事家」の意味とは
一般的に、「好事家」は「変わったことに興味を持つ人や風流を好む人」「物好きな人」という意味で使われます。
また、「物事に特別の趣向を凝らす人」「好奇心が強い人」という意味で使われることもあります。
これだけ見ると、良い意味なのか悪い意味なのかなかなか判断できないですよね。
「好奇心が強い人」などもみると良い意味合いにも捉えられますが、「好事家」には「普通と違った興味を持つ人」などという意味もありますから、人によっては馬鹿にされていると思う人がいてもおかしくはありません。
ですから、間柄によっては、他人に対してあまり使わない方が良い言葉と言えるでしょう。
また、「好事家」はある種の分野に並々ならぬ知識を持っていることもありますが、それはビジネスには使えないことが多いです。
1-3. 「好事」の意味
先ほど、「好事」の場合は読み方によって意味が変わるという説明をしました。
これを「こうず」と読む場合、好物、好奇心、愛好、という意味が含まれます。
つまり自分が好きなものに対して心が惹きつけられるということを指すのです。
それに対し、「こうじ」と読む場合は好評、好都合、絶交など、優れていること、ふさわしいこと、などという意味を指すのです。
つまり、「こうじ」は良い意味になります。
それに対して「こうず」は珍しいものや変わったものが好きなこと、という意味合いが強く、だからこそ「好事家」も同様に、物好き、という意味を含むようになるのです。
簡単に言えば「オタク」という意味です。
2. 「好事家」の類語や言い換え
2-1. 「オタク」
先ほども述べた通り、オタクという表現は好事家の類義語とも言えます。
1970年代に生まれた表現であり、もともとは大衆文化を愛している人のことを指していました。
指向性の強い趣味などを持つ人たちがお互いを2人称で「お宅」と呼び合っていたためにできた言葉だと言われています。
バブルの時期に一般的に使われるようになり、21世紀に入ってからは海外でも「オタク」という言葉が使われるようになりつつあります。
2-2. 「物好き」
「好事家」と同様に、「物好き」という表現もその言葉通り、変わったことを好むこと、普通と違ったことを好むこと、という意味があります。
「好事家」と同様に物事に趣向を凝らすこと、という意味もあり、これももしも他人から言われた場合、良い意味なのか悪い意味なのか定義としてはわかりにくい表現だと言えるでしょう。
しかし、一般的に「物好き」は嘲笑的な意味合いで使われることが多いです。
2-3. 「愛好家」
特定の人物に対する支持者やファンのことを「愛好家」と呼びます。
熱狂的なファンの中には確かに「オタク」「物好き」などと言い換えることができる人たちもいますが、「愛好家」の中には「動物愛好家」など、「物好きな」とは言えない人たちも存在しますので、「愛好家」には相手を嘲笑する意味合いがありません。
むしろ何かを大切にする人、何かを守ろうとする人を表す場合もあり、良い意味で使われることも多い言葉です。
音楽愛好家、写真愛好家、ヴィンテージ愛好家、などと使われることもあります。
また、何かを集めている人のことを「愛好家」と呼ぶこともあります。
3. 「好事家」の正しい使い方
先ほども述べた通り、「好事家」には多くの場合、とある分野にかなり詳しいことが多いですが、それを職業にするのはなかなか難しいと考えられています。
というのは、あくまでも「物好き」と思われてしまうことが多い分野ですから、それを職業にするのはなかなか大変なのです。
また、だからこそ何か特殊な分野に関心を持っている人を指す場合、安易に「好事家」という言葉は使わない方が良いでしょう。
というのは、確かに「好奇心が強い人」などという良い意味もありますが、「物好き」「変わったことが好きな人」などという意味合いもありますし、何よりも嘲笑的な意味合いも含みますので、あまり公の場で他人に対して使う表現では無いのです。
同様に、もしも周りから「好事家」という評価を受けた場合、褒められているわけではない可能性があります。
4. 「好事魔多し」とは
4-1. 「好事魔多し」の意味
「好事家」と聞くと、「好事魔多し」という表現を思い浮かべる人もいるかもしれません。
しかし、先ほど「好事」には2つの読み方があるという話をしましたが、「好事魔多し」の場合の読み方は「好事(こうじ)魔多し」であり、これには「良いことには邪魔が入りやすい」という意味になります。
消して物好きが多い、などという意味ではありません。
良いことやおめでたいことには邪魔が入りやすいという意味であり、この場合の「好事」は良いこと、幸せな状況、などという意味があります。
ですから、「好事家」とは全然意味が違うのです。
「こうじ」は良い意味、「こうず」は意味とは限らない、と覚えておくと良いかもしれません。
5. 「好事家」を使った例文
5-1. 「この壺は好事家の間でとても価値が高いそうです」
「好事家」はオタクといった意味合いもありますが、特定の分野に強い人を指します。
そしてその特定の分野というのは一般的に認識されたり一般的に感謝されるような分野ではなく、他の人には価値がわからないような分野、ということも多いものです。
例えば、確かに伊万里焼きや瀬戸焼など、名前は知っていたとしても、そのような壺を見分けるのは普通の人にはなかなか難しいですよね。
しかしこのような場合に壺をしっかりと見分け、見極め、価値を判定できるような人を「好事家」と呼ぶ場合があります。
この場合はオタクという意味合いではなく、分野に詳しい人、などという意味を持ちます。
5-2. 「この呼び方は好事家の間でとても普及している」
物好きな人、その分野に興味があの人の中では違う呼び方で普及しているものもありますよね。
その呼び方が普及している特定の人々、誰もが興味を持つようなものではない分野に興味を持っている特定の人々、などという場合、そのような人々を「好事家」と呼ぶ場合があります。
この時は嘲笑的な意味合いを含む場合があります。
先ほど、壺の例を出しました。
壺を見極めることができるのはやはりそれなりの専門知識を持つ人ですから、ここでは情緒的な意味合いは含みません。
しかし、例えばアイドルの写真の価値を見極めることができる人、メイド喫茶が大好きでどのメイド喫茶が良いか、どこに可愛いメイドがいるか、などという情報を把握している人、などというと決して尊敬しているとは言えない場合があります。
「好事家」には尊敬の念を表す意味合いもありますが、同時に嘲笑的な意味合いもあるのです。
だからこそ、他の人に使うときには誤解が生じないように気をつける必要があります。
5-3. 「好事家は道楽だ」
道楽という言葉には仕事とは別に趣味に熱中すること、特にお酒や博打などの遊びにふけること、という意味があります。
だからこそ、「好事家」は道楽という表現もあります。
「好事家」が関心を持つ分野は生計を立てられるだけの職業にはならない可能性が強く、どちらかというとお金がかかることが多いものです。
例えば特定のアイドルが好きで追っかけをしていれば、そのコンサートやツアーのチケットを買ったり、コンサートグッズなどを買ったりしますよね。
そこで交通費や宿泊費なども加算されますし、とにかくお金がかかります。
だからこそ「好事家」は道楽という表現が使われることもあります。
6. 「好事家」の英語
6-1. dilettante
日本語でも、文学や芸術を愛し、趣味の生活には憧れる人やいわゆる「好事家」のことをディレッタントと呼ぶことがあります。
そしてこのディレッタントというのは英語であり、英語においても「好事家」を指しているのです。
ただし、英語の場合は自分のために学問などを楽しむ人を指すことが多く、嘲笑的な意味合いは含まないことが一般的です。
6-2. otaku
日本でオタクという表現が普及するようになり、ちょうど秋葉原のメイド喫茶やアニメなどが好きな人をオタクと呼ぶことも増え、そして秋葉原やアニメなどが世界的にも有名になったことから、オタクという表現は英語としても普及しています。
英語におけるオタクという言葉も日本語と同じく、誰もが好きというわけではない分野、人によっては敬遠する可能性がある分野、などに興味を持つ人という意味を指し、ここには嘲笑的な意味合いがあります。
まとめ
いかがでしょうか。
「事」を「じ」ではなく「ず」と読む漢字は他には滅多にないですが、常用漢字でもありますので、しっかりと読み方を押さえておきたいものです。
これは大学入試の問題でも使われることがありますから、受験生はしっかりと覚えておきましょう。
また、「好事家」という言葉は相手を尊敬する意味合いを持つこともありますが、嘲笑的な意味合いを持つこともあります。
ですから、何かしらの分野に関心や知識を持っている人に対し、何も考えずにこの言葉を使う事は避けた方が無難です。
相手によっては誤解する可能性もありますから、特に尊敬の意味合いで使いたい場合は注意するようにしましょう。
「好事家」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
日常的にあまりよく使う言葉ではありませんが、仮に自分が「好事家」と評価された場合、それは喜ぶべきことなのでしょうか、それとも悲しむべきことなのでしょうか。
また、他の人に対して使う時、それは失礼にあたるのでしょうか、それとも賞賛していることになるのでしょうか。
ここでは、「好事家」の意味について解説します。
1. 「好事家」の意味とは?
1-1. 「好事家」の読み方?
「好事家」は「こうずか」と読むことができます。
これは難読語の1つでもあり、決して「こうじか」ではありません。
しかし、「好事家」ではなく「好事」だけとなった場合、そこには「こうず」という読み方と「こうじ」という読み方があります。
その場合、読み方によって意味が異なります。
1-2. 「好事家」の意味とは
一般的に、「好事家」は「変わったことに興味を持つ人や風流を好む人」「物好きな人」という意味で使われます。
また、「物事に特別の趣向を凝らす人」「好奇心が強い人」という意味で使われることもあります。
これだけ見ると、良い意味なのか悪い意味なのかなかなか判断できないですよね。
「好奇心が強い人」などもみると良い意味合いにも捉えられますが、「好事家」には「普通と違った興味を持つ人」などという意味もありますから、人によっては馬鹿にされていると思う人がいてもおかしくはありません。
ですから、間柄によっては、他人に対してあまり使わない方が良い言葉と言えるでしょう。
また、「好事家」はある種の分野に並々ならぬ知識を持っていることもありますが、それはビジネスには使えないことが多いです。
1-3. 「好事」の意味
先ほど、「好事」の場合は読み方によって意味が変わるという説明をしました。
これを「こうず」と読む場合、好物、好奇心、愛好、という意味が含まれます。
つまり自分が好きなものに対して心が惹きつけられるということを指すのです。
それに対し、「こうじ」と読む場合は好評、好都合、絶交など、優れていること、ふさわしいこと、などという意味を指すのです。
つまり、「こうじ」は良い意味になります。
それに対して「こうず」は珍しいものや変わったものが好きなこと、という意味合いが強く、だからこそ「好事家」も同様に、物好き、という意味を含むようになるのです。
簡単に言えば「オタク」という意味です。
2. 「好事家」の類語や言い換え
2-1. 「オタク」
先ほども述べた通り、オタクという表現は好事家の類義語とも言えます。
1970年代に生まれた表現であり、もともとは大衆文化を愛している人のことを指していました。
指向性の強い趣味などを持つ人たちがお互いを2人称で「お宅」と呼び合っていたためにできた言葉だと言われています。
バブルの時期に一般的に使われるようになり、21世紀に入ってからは海外でも「オタク」という言葉が使われるようになりつつあります。
2-2. 「物好き」
「好事家」と同様に、「物好き」という表現もその言葉通り、変わったことを好むこと、普通と違ったことを好むこと、という意味があります。
「好事家」と同様に物事に趣向を凝らすこと、という意味もあり、これももしも他人から言われた場合、良い意味なのか悪い意味なのか定義としてはわかりにくい表現だと言えるでしょう。
しかし、一般的に「物好き」は嘲笑的な意味合いで使われることが多いです。
2-3. 「愛好家」
特定の人物に対する支持者やファンのことを「愛好家」と呼びます。
熱狂的なファンの中には確かに「オタク」「物好き」などと言い換えることができる人たちもいますが、「愛好家」の中には「動物愛好家」など、「物好きな」とは言えない人たちも存在しますので、「愛好家」には相手を嘲笑する意味合いがありません。
むしろ何かを大切にする人、何かを守ろうとする人を表す場合もあり、良い意味で使われることも多い言葉です。
音楽愛好家、写真愛好家、ヴィンテージ愛好家、などと使われることもあります。
また、何かを集めている人のことを「愛好家」と呼ぶこともあります。
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