対面の人に出会った時、どのように挨拶をするでしょうか。
丁寧な言い方の1つに「お見知り置きを」というものがあります。
ここでは、「お見知り置きを」という表現について解説します。
- 「お見知り置きを」とは?
- 「お見知り置きを」の言い換え
- 「お見知り置きを」は現在ではあまり使われない
- 「お見知り置きを」の使い方
- 「お見知り置きを」の返答例
- 「お見知り置きを」の英語
- まとめ
1. 「お見知り置きを」とは?

1-1. 「お見知り置きを」の意味

「お見知り置きを」という表現は、相手に対して自分の顔や名前を覚えておいてほしい、記憶しておいて欲しい、などという時に使う遜った表現です。
「お見知り置きを」だけではなく、例えば「お見知りおきください」「どうぞお見知りおきのほどを」といった使われ方をすることが多いです。
自分のことを心に留めておいてください、といった挨拶であり、相手も敬う気持ちが現れた表現です。
1-2. 「お見知りおき」を分解してみると?

ちなみに、「お見知りおき」の原型は動詞の「見知り置く」になります。
後々まで覚えておく、記憶に留める、ということであり、「お見知りおき」は自分が相手のことを見知りおくということに関し、相手を敬って表現する言い方なのです。
なお、見知りおくというのは相手に対する表現ですから、自分が相手のことをいつまでも覚えておきます、という意味で「今後もお見知りおき申し上げます」などという使い方はできません。
2. 「お見知り置きを」の言い換え

2-1. 「どうぞよろしくお願いいたします」

「どうぞよろしくお願いいたします」はビジネスにおいてもよく利用される表現です。
自分の名前を述べた後にこの表現を使ったことがあるという経験を持つ人も多いのではないでしょうか。
「どうぞ」は丁寧に頼む、心から願う、という意味になります。
「よろしく」は相手に好意を表し、何かを頼んだりする場合に添えることができる表現です。
「お願い」は丁寧にこうしてほしいと頼むことであり、「どうぞよろしくお願いします」というのは相手にお願いをするときに使われる表現、ということになるのです。
これから良い関係を築きましょう、などという意味でも使えます。
2-2. 「今後も何卒お引き回しのほどをよろしくお願いします」

「お引き回しのほど」という表現は取引や付き合いなどをお願いする時、相手を敬って挨拶するときに使える表現です。
そして「今後とも」というのはこれからも、という意味であり、これからもずっとという継続した意味合いを表すこともあれば、次も、その次も、といった反復のニュアンスを持つこともあります。
ビジネスでは常套文句として使われますから、上手に使えると良いですね。
例えば、「今後とも変わらぬご愛顧を」「今後ともご指導のほどよろしくお願いいたします」などと使うことができます。
2-3. 「今後ともお付き合いのほどを」

また、同じく「今後とも」という表現を使い、「今後ともお付き合いのほどを」ということも可能です。
これからも、この先もずっと同じように付き合っていってください、同じように良好な関係を築いてください、などという意味で使われます。
実はこの「今後とも」というのは特にビジネスにおけるメールにおいても非常に便利な表現であり、この表現を使うだけでも文章をより豊かにすることが可能です。
「今後ともお付き合いのほどをどうぞよろしくお願いいたします」としてメールを締めくくるととても印象が良くなります。
2-4. 「どうぞ」と「何卒」の違いとは

このように考えると、「どうぞよろしくお願いします」という言い方もあれば、「何卒よろしくお願いします」という言い方があるということもわかります。
どちらもいたような意味ではありますが、この単語には大きな違いがあります。
まず、「どうぞ」というのは相手に何かを勧める時や譲る時などに使われます。
例えば「どうぞ召し上がって下さい」と使えますよね。
また、丁寧に頼んだり、心から願ったりする時にも使えます。
この場合に「どうぞよろしくお願いいたします」になるのです。
これに対し、「何卒」というのは相手に強く願う気持ちを表す表現なのです。
実はこの漢字は「なにとぞ」と読むこともでき、これは「どうぞ」の改まった言い方でもあるのです。
つまり、「何卒」は「どうぞ」よりも気持ちが強く、丁寧に心からお願いを伝えたい、強く願いを伝えたい、という時などに使われるのです。
3. 「お見知り置きを」は現在ではあまり使われない

実は、丁寧な表現である「お見知り置きを」は現代ではあまり使われない表現です。
というのは、「お見知り置きを」は「どうぞ私のことを覚えておいてください」「どうぞ私のことを記憶しておいてください」という意味になりますから、営業の人がよく使う表現になるのです。
そのため、そのようなイメージから一般の人が使うと、「何か裏があるのではないか」などと思われてしまうことがあります。
そのため、「お見知り置きを」という表現が敬遠されつつあるのです。
しかし実際はそのような事はなく、誰でも使うことができる丁寧な言い回しなのです。
ただ、やはりこの表現を使ったが故に相手から違和感を覚えられてしまったらもったいないですから、場合に応じて他の表現を使った方が良いかもしれません。
4. 「お見知り置きを」の使い方

「お見知り置きを」を使うのであれば、「以後、お見知りおきのほどをよろしくお願いいたします」などと自己紹介をした後で使うことが可能です。
「お見知り置きを」だけで使ってしまうと上から目線のように思われてしまうこともありますから、少なくとも「どうぞお見知りおきのほどをよろしくお願いいたします」まで言えると良いですね。
5. 「お見知り置きを」の返答例

5-1. 「こちらこそどうぞよろしくお願いいたします」

もしも「お見知り置きを」と言われたら、「こちらこそどうぞよろしくお願いいたします」と返答すればスマートです。
中には「お見知り置きを」と言われた、もしかして何かを売りつけられるのではないか、などと違和感を覚えてしまい、何も言えなくなってしまう人もいます。
しかし、あくまでも「お見知り置きを」というのは挨拶の1つであり、決まり文句ですから、深く考える必要はありません。
もしも「お見知り置きを」と言われたら、自分も「どうぞよろしくお願いいたします」と言えば良いのです。
5-2. 「こちらこそ」でも良い

「お見知り置きを」と言われ、どうやって返事をして良いのかパッと分からないと思ったら、「こちらこそ」でも構いません。
ただし、もしも年上の人から「お見知り置きを」と言われた場合、「こちらこそ」だけではどうしても丁寧さに欠けてしまいます。
相手が顧客であったり、年上の人であったり、自分より目上にあたる立場の人から「お見知り置きを」と言われた場合は先ほども述べたような「こちらこそどうぞよろしくお願いいたします」という表現が使えると良いですね。
6. 「お見知り置きを」の英語

6-1. I wish to make your acquaintance.

実は、英語には「よろしくお願いいたします」などという表現がありません。
自己紹介をしたら「はじめまして」「あなたにお会いできてうれしいです」という表現が一般的であり、そこに「どうぞよろしくお願いいたします」、つまり「お見知り置きを」と述べる習慣はありません。
しかし、どうしても英語で似たような表現を使いたいと思うのであれば、I wish to make your acquaintanceという表現を使うことができます。
これは「あなたの知り合いでいられるとうれしいです」という意味合いになり、「これからも知り合いでいて下さい」という意味になるのです。
wishという表現ではなくても、例えばI'm glad to make your acquaintanceということもできます。
6-2. I wish you'd know me.

これもあまり英語で使われる事はありませんが、「お見知り置きを」という表現を英語に直した場合、最も簡単な表現がI wish you'd know meになるでしょう。
あなたが私のことを知っていてくれると嬉しいです、という意味になり、難しい表現は使われていません。
6-3. あまり使わない表現

これら以外にも辞書を見てみると、例えばI beg to introduce myselfなど、begという表現を使ったものがあります。
しかし、begは相手の許しをこうという意味であり、英語においてはそこまでへりくだる必要はありません。
そもそも、日本語には敬語というものがありますが、英語には日本語ほどの敬語はありません。
そのため、あまりにもへりくだった言い方をしてしまうと「この人には自尊心がないのか」などと思われてしまう可能性もないとは言えないのです。
むしろ英語は自分というものを持ち、自分をきちんと高めて表現するということが求められます。
相手を尊敬するという表現は大切ですが、自分を下げてしまうと相手は話を聞いてくれない可能性があります。
ですから、英語においてはへりくだりすぎないということも大切です。
6-4. 英語における「へりくだり」とは

海外では、ビジネスは対等に行うものだという考え方が一般的です。
日本の場合、顧客や取引先のために頭を下げ、取引を「結んでもらう」などという意識を持つ人思いますが、海外ではビジネスはあくまでも対等であり、お互いに利益があるという関係が期待されます。
そのため、あまりにも自分を卑下したような表現をしてしまうと「そんな人と取引が結べない」「そこまで自分に自信がないような人とは話はできない」と思われてしまう可能性が出てきてしまうのです。
そのため、ビジネスにおいてはあまりにも自分を下げた言い方はする必要がありません。
あくまでも丁寧に、相手の敬意を込めて表現は大切ですが、自分を下げすぎないように気をつけましょう。
まとめ

いかがでしょうか。
ビジネスでは第一印象とても大切ですよね。
だからこそ、自己紹介をするときには相手にとって良いイメージを持ってもらえるような表現を使い、ビジネスの話題を進めていきたいものです。
また、いくつかバリエーションを持っておくことで場合に応じて使い分けすることが可能です。
様々な言い回しを覚えておきましょう。
対面の人に出会った時、どのように挨拶をするでしょうか。
丁寧な言い方の1つに「お見知り置きを」というものがあります。
ここでは、「お見知り置きを」という表現について解説します。
1. 「お見知り置きを」とは?

1-1. 「お見知り置きを」の意味

「お見知り置きを」という表現は、相手に対して自分の顔や名前を覚えておいてほしい、記憶しておいて欲しい、などという時に使う遜った表現です。
「お見知り置きを」だけではなく、例えば「お見知りおきください」「どうぞお見知りおきのほどを」といった使われ方をすることが多いです。
自分のことを心に留めておいてください、といった挨拶であり、相手も敬う気持ちが現れた表現です。
1-2. 「お見知りおき」を分解してみると?

ちなみに、「お見知りおき」の原型は動詞の「見知り置く」になります。
後々まで覚えておく、記憶に留める、ということであり、「お見知りおき」は自分が相手のことを見知りおくということに関し、相手を敬って表現する言い方なのです。
なお、見知りおくというのは相手に対する表現ですから、自分が相手のことをいつまでも覚えておきます、という意味で「今後もお見知りおき申し上げます」などという使い方はできません。
2. 「お見知り置きを」の言い換え

2-1. 「どうぞよろしくお願いいたします」

「どうぞよろしくお願いいたします」はビジネスにおいてもよく利用される表現です。
自分の名前を述べた後にこの表現を使ったことがあるという経験を持つ人も多いのではないでしょうか。
「どうぞ」は丁寧に頼む、心から願う、という意味になります。
「よろしく」は相手に好意を表し、何かを頼んだりする場合に添えることができる表現です。
「お願い」は丁寧にこうしてほしいと頼むことであり、「どうぞよろしくお願いします」というのは相手にお願いをするときに使われる表現、ということになるのです。
これから良い関係を築きましょう、などという意味でも使えます。
2-2. 「今後も何卒お引き回しのほどをよろしくお願いします」

「お引き回しのほど」という表現は取引や付き合いなどをお願いする時、相手を敬って挨拶するときに使える表現です。
そして「今後とも」というのはこれからも、という意味であり、これからもずっとという継続した意味合いを表すこともあれば、次も、その次も、といった反復のニュアンスを持つこともあります。
ビジネスでは常套文句として使われますから、上手に使えると良いですね。
例えば、「今後とも変わらぬご愛顧を」「今後ともご指導のほどよろしくお願いいたします」などと使うことができます。
2-3. 「今後ともお付き合いのほどを」

また、同じく「今後とも」という表現を使い、「今後ともお付き合いのほどを」ということも可能です。
これからも、この先もずっと同じように付き合っていってください、同じように良好な関係を築いてください、などという意味で使われます。
実はこの「今後とも」というのは特にビジネスにおけるメールにおいても非常に便利な表現であり、この表現を使うだけでも文章をより豊かにすることが可能です。
「今後ともお付き合いのほどをどうぞよろしくお願いいたします」としてメールを締めくくるととても印象が良くなります。
2-4. 「どうぞ」と「何卒」の違いとは

このように考えると、「どうぞよろしくお願いします」という言い方もあれば、「何卒よろしくお願いします」という言い方があるということもわかります。
どちらもいたような意味ではありますが、この単語には大きな違いがあります。
まず、「どうぞ」というのは相手に何かを勧める時や譲る時などに使われます。
例えば「どうぞ召し上がって下さい」と使えますよね。
また、丁寧に頼んだり、心から願ったりする時にも使えます。
この場合に「どうぞよろしくお願いいたします」になるのです。
これに対し、「何卒」というのは相手に強く願う気持ちを表す表現なのです。
実はこの漢字は「なにとぞ」と読むこともでき、これは「どうぞ」の改まった言い方でもあるのです。
つまり、「何卒」は「どうぞ」よりも気持ちが強く、丁寧に心からお願いを伝えたい、強く願いを伝えたい、という時などに使われるのです。
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