手際がいい人は見ていて羨ましいものです。
複雑な作業を幾つも同時に抱えていても、いつの間にか全て終わらせてしまっています。
他の人がすると残業になってしまうのに、同じ仕事をしていても手際がいい人は定時で帰れてしまうのです。
手際がいい人の特徴や、手際が良くなる為のコツについて紹介します。
- 手際がいいとは?
- 手際がいいの類語
- 手際がいい人の特徴
- 手際が悪い人の特徴
- 手際がいい人のになるコツ
- まとめ
1. 手際がいいとは?
手際がいいとは、ものごとを要領よく進行させて、スムーズに処理をする様子を意味します。
「手際」には、腕前や技量、或いはやり方や出来栄などの意味があります。
最初から最後まで総合的に動きの良い人に対して使われる言葉です。
2. 手際がいいの類語
「手際がいい」の類語は以下の通りで、あまり数多くはありません。
2-1. てきぱき
「てきぱき」とは、素早く、しかも適切に行動する様子を表した言葉です。
人が動いている音を表現した様に聞こえますが、「てき」は完了を表す古語、「ぱき」は「覇気」からきていると言われます。
「やる気に満ちて終わらせた状態」から来ていると思われます。
ビジネスにおいて「てきぱきしている」は良い意味に使われます。
2-2. 要領がいい
要領とは、ものごとを進めて行くやり方のことです。
常に最も効率的なやり方を考えて行動することで、早く良い結果を出すことができる様子です。
「手際がいい」が実際に作業を行う様子を表しているのに対し、「要領がいい」は周囲への根回しなど、頭で策を考えることにも長けている人を表します。
良い意味にも使えますが、「ずる賢い人」にも使われる言葉です。
2-3. きびきび
こちらは語源は定かではありませんが、生き生きと行動する様子を表しています。
「手際がいい」が具体的に生産性がある様子を表しているのに対して、「きびきび」は内容よりもその人の状態を表しています。
2-4. 効率的
こちらはかなりビジネス寄りのかしこまった言い方になります。
全て計算づくで、何をどの様にしたら最も早く、良い状態に導けるかを考えながら行動できる様子を言います。
どちらかというとなるべくムダなことを省いて楽ができる時に使う言葉です。
3. 手際がいい人の特徴
手際がいい人には、普段から他の人とは違う共通した特徴があります。
以下の特徴が複数当てはまる人は、仕事においても手際が良いことが多いのです。
3-1. 時間の管理が上手い
手際が良い人は、時間の管理が上手で、何にどれ位時間がかかるかと、最短で進めるにはどうしたら良いかを同時に考えることができます。
普段からものごとを同時進行させて考える訓練ができていて、一つのことをしていても「これなら何時までに終わらせられる、その分あっちの作業がこれ位できる」と組み合わせて考えられるのです。
時間配分もしっかりできているので、動きにムラがありません。
3-2. 少し神経質
手際が良い人は、常に様々なことに注意を向けています。
「今だ」と思ったら他のことは中断してでもそのことを進めて一気呵成に終わらせてしまったりします。
チャンスを逃さない様にする為にも周囲の状況に非常に敏感で、その分神経質な人が多くなります。
現在手掛けていることに対しても「こうした方がもっと早くできるのでは」と考えていて、実行していきます。
細かいことに気が付き過ぎるので損な性格だと思われがちですが、不要な時にはちゃんとオフモードに入れる様になっています。
3-3. コミュニケーションを取るのが上手
仕事は自分一人でできるものではなく、手際よく終わらそうと思うと、周囲の協力も大切になります。
普段から周囲とコミュニケーションをしっかりと取っておき、いざという時に質問し易い、頼み易い関係を作っておくのです。
他人の仕事の状況が分かっていれば、そこに自分の仕事を上手く組み合わせてデータを貰ったり、作業をお願いしたりできます。
その為には根回しなども行っていて、事前にメールを送っておいたり、担当者の外出や会議の予定などを訊き出したりもしています。
3-4. 空気を読める
手際がいい人は、上記の様にコミュニケ―ション能力があることから、空気を読むのも上手です。
相手の雰囲気を見て今催促をしても良い状態かを咄嗟に判断して、すかさず質問をしたり、そうでなければ他の仕事を先行させます。
相手が忙しそうにしている時にはメールを送っておき、そうでない時には直接口頭で伝えに行ったりします。
自分の都合ではなく相手に合わせて行動するので不快感を与えることもありません。
相手が来るまで待っているのではなく、上手に空気を読んで自分からアプローチしていく為に、必要な情報が早く手に入るのです。
3-5. 動きにムダがない
例えばコピーを取る用事があった時に、ついでに社内便を引取りに行き、帰りに資料の催促をしてきます。
大体10分間隔で時間の枠を取り、その時間内にできることは1つの動線で終わらせてしまいます。
メールに関しても、新着が来る度に返信するのではなく、取りあえず用件を見てから30分ごと、1時間ごとなどと時間を決めて返信をしてます。
動きにムダがない分仕事に集中し易くなり、効率も良くなります。
また、集中して仕事ができるのでミスも少なくなり、後からの作業が楽になります。
3-6. 他人に優しすぎない
職場で他人に優しく、誰かが困っている時に率先して声をかけてくれたり、手伝ってくれる人がいます。
この様な人は周囲から好かれるのですが、基本的に仕事の手際が良くない人が多いのです。
手際が良い人は、他人が何をしているのかは分っていても、必要以上に声をかけてきません。
もちろん頼まれればさっと必要なことを教えてくれますが、普段から人の為に時間を使うことは少なくなります。
冷たいのではなく、それだけ自分の仕事に集中していて、他人に依存をしていない証拠です。
3-7. 行動する前に考える
複雑な仕事やボリュームの多い仕事を引き受けると、「とりあえずやらないと終わらない」と思ってすぐに手を付ける人もいます。
しかし手際のいい人は、まずは全体像を見て締切日と照らし合わせ、最も効率的な方法や手順を考えてから実行するのです。
考える前に行動してしまうと、思った通りに進まずにやり直しするハメになります。
手順がはっきりしていれば、先に準備する資料を入手しておいたり、人に頼めるものはお願いできます。
また、ファイルを探したりコピーを取るなど、立ち仕事をまとめてやってしまえば、後はじっくりとデスクワークに集中できるので、動きにムダもなくなります。
頭の中で「これならできる」とイメージをしてから行動すれば、それだけ時短に繋がるのです。
3-8. 集中力がある
手際がいい人は、自分の中で流れを止めない為にも非常に集中力が高くなります。
普段から集中力が高い訳ではなく、集中するべき時に一気に集中できるのです。
手を抜く時には単純作業やファリングなどをして、適度に休みながらも作業は進めていけます。
常に100%集中していると、ストレスが溜まったりミスが増えたりするので、最初から「どこで集中して何処で休むか」を計算しながら動いているのです。
これができるからこそ手際がいいのですが、普通の人には中々できないものです。
4. 手際が悪い人の特徴
手際がいい人の特徴を紹介したところで、手際が悪い人にはどんな特徴があるのでしょうか。
4-1. 優先順位が分からない
手際が悪い人は、与えられた仕事を順番に1つずつ行っていきます。
資料が揃わない、返事待ちなどで作業がストップすると、その時間で関係のない作業を始めたり休憩してしまいます。
その先の仕事でできることがあればやっておくべきだし、その他の仕事をしておけば後で楽になります。
しかし作業の優先順位が分からないので、「今できない」と思うと頭の中でストップがかかってしまうのです。
その結果、時間のロスが大きくなり仕事も遅れてしまうのです。
4-2. 仕事に興味を持てない
「仕事がつまらない」「退屈」「自分に合っていない」と思ってしまうと、仕事に対して苦手意識を持ってしまいます。
自分から興味を持って仕事に取り組めないと、新しく「こうしたらどうか」というアイデアも浮かばず、従来通りの成果を出して終わりになってしまいます。
つまらないと思うからこそ「極めて早く次の仕事やりたい」と思う気持が大切です。
4-3. 物事を難しく考え過ぎる
仕事を与えられた時に「ああなったらどうしよう」「こうなったらどうしよう」と、余計な事を考え過ぎてしまいます。
「念の為」「万が一の時に」と丁寧に仕事をするのは良いのですが、ムダな手順が多すぎてしまうのです。
4-4. 周囲の人を味方に付けられない
手際が悪い人は、自分にできることとできないことが良く把握できていません。
何でも一人で抱え込んでしまい、最後にSOSを出すのです。
早く言ってくれれば周囲も協力できたのに、正しい判断ができずに夜まで引き延ばした挙句、重要なことを知っている人が帰宅してしまって作業が進められなくなってしまいます。
自分の能力を過信してしまい「やれば何とかできるだろう」と思っているのですが、土壇場になって人を頼ろうと思って失敗するのです。
4-5. 時間の配分が下手
仕事の種類も内容も違うのに、全てを同じ時間配分でやろうとします。
「いつできる」という質問に対して「あと30分位です」と言うのですが、内容によっては1時間以上かかることもあります。
自分が苦手な作業、例えばパソコンスキルを必要とする仕事の場合、分らないことをいちいち他人に訊きながらやらなければならない為に、時間がかかる筈です。
自分が得意な仕事とそうでない仕事とを全く同じ時間配分で考えるという甘さがあります。
4-6. 自分の仕事を理解していない
大きな会社になる程横割りの仕事が多くなります。
自分の受け持ちはここまでで、後は他の人に資料を渡して終わり、という仕事の場合、その仕事自体の全体像が見えません。
何がゴールで最終目標なのか、会社にとってどの様な利益をもたらす仕事なのかを把握できないので、一生懸命集中してやろうと思わないのです。
営業職ならば契約を取って終わりですが、総務や経理、業務などは自分の仕事の結果が見えないので手際を良くする術を身に付けようという意欲が起きないのです。
4-7. 同じミスを繰り返す
手際の悪い人は、自分がミスをしてもそこから学ぼうとしません。
その為に同じミスを繰り返し、時間がかかってしまうのです。
このタイプの人は、「ミスをしたら直せばいいや」と思っていたり、「自分よりも他人の方がミスを見つけ易いから作業のチェックは適当でいい」と思っているのです。
自分がミスをしたらどれだけ自分にとっても他人にとっても時間のロスが増えるか考えていないのです。
5. 手際がいい人のになるコツ
職場で「手際がいい人」と呼ばれる様になりたい、そんな時にはどの様な努力をすれば良いのでしょうか。
5-1. 自分の棚卸をする
手際のいい人になりたかったら、まずは自分が出来ることと出来ないことを理解する必要があります。
得意なことと不得意なことが分かれば、一つの作業にかかる時間がどれくらいか予測が付くでしょう。
仕事の計画を立てる時にも時間の配分がし易くなります。
それができる様になれば、自分にできない仕事を頼まれた時には断れます。
但し、職場では「できません」は通用しないこともあります。
その様な時には「私はこの部分はまだ良く分かりませんので、誰か教えて貰える人はいるでしょうか」と、先に上司に相談しましょう。
上司がサポートとして先輩や知識のある同僚を付けてくれれば、分らない時に安心だし、新しい仕事を覚えられる様になります。
仕事というのは最初に覚える時は大変ですが、2度目、3度目と繰り返していくうちに要領がわかり、手際が良くなっていきます。
最初の一歩でつまづかない為にも、自分の棚おろしをしてきましょう。
5-2. 目的を持つ
毎日ダラダラと仕事をしていても、効率は上がりません。
自分が何を目的にその仕事をしているのかを明確にしておきましょう。
例えば、パソコンでデータを入力する仕事ならば、それによりデータベースを作り、資料作成に役立てるのが目的です。
そうなるとミスを減らすのも手際良く終わらせる手段ですので、データをチェックする時間を決めて確保しようと思います。
その作業だけではなく、結果にこだわり目標を持つことで、手際よく作業を進めて行こうという意識を持てるのです。
5-3. 「報・連・相」をしっかりとする
自分の判断だけで仕事をしてしまうと、間違ったままで終わりまで進めてしまい、結局最初からやり直さなければならなくなります。
こまめに上司や先輩に「報告・連絡・相談」をしていれば、間違っている箇所をすぐに指摘して貰えます。
もしもスケジュール的にきついのならば、他にサポートメンバーを付けて貰える可能性もあります。
仕事が終って帰宅する時に、「ここまで進んでおります、あとは明日やりますので、お先に失礼します」と言えば、やる気をアピールすることもできます。
5-4. 完璧を目指さない
つい完璧に仕事をしようと思い、こだわり過ぎて失敗する人もいます。
その仕事は完璧にできても、他の仕事が遅れてしまい、結果的に周囲に迷惑をかけることになります。
印刷が少しずれてる、紙が汚れているなどで何度も印刷し直す人がいますが、時間もコストもかかります。
プレゼンの資料でもない限りは妥協できるポイントがある筈ですので、自分が求められているのは何であるかを見極めましょう。
他人が必要とする数値を分析したり、データをまとめるのならば、100点満点の仕事でなくても必要な数字さえ揃っていればまず文句は言われません。
完璧を目指さず、「標準目標をクリア」することを考えましょう。
5-5. 整理整頓をする
手際が悪い人を見ると、大体が机の上が資料だらけで「忙しい」と言いながら探し物をしています。
今その作業に必要なもの以外はどこかにまとめておき、資料でも文房具でもサッと取り出せる様にしておきましょう。
いざホチキスで留めようとしたらハリが入っていない、というのも時間のロスになります。
手が空いた時には机の中を整理して、必要な文房具を補っておきましょう。
5-6. 5分早く仕事を始める
朝、ギリギリに出社して既に疲れ果てながらダラダラとメールをチェックしていたりしませんか。
手際がいい人になるには、朝早目に出勤して、5分前から仕事ができる態勢に入っておきましょう。
メールの返信や社内便のチェックなど、朝の5分はかなり有効的に使えます。
営業マンも朝はオフィスに立ち寄ることが多いので、待ち構えていて分らないことを質問できます。
この5分のスタートの差が、1日経つうちに30分の差になってくるのが分かる筈です。
まとめ
手際が良い人になりたかったら、まずは自分の仕事を好きになりましょう。
この仕事を一生懸命やりたい、この仕事に関しての第一人者になりたいと思えば、次々とやるべきことが見えてくる筈です。
涼しげな顔で「終わりました」と言える様になりましょう。
手際がいい人は見ていて羨ましいものです。
複雑な作業を幾つも同時に抱えていても、いつの間にか全て終わらせてしまっています。
他の人がすると残業になってしまうのに、同じ仕事をしていても手際がいい人は定時で帰れてしまうのです。
手際がいい人の特徴や、手際が良くなる為のコツについて紹介します。
1. 手際がいいとは?
手際がいいとは、ものごとを要領よく進行させて、スムーズに処理をする様子を意味します。
「手際」には、腕前や技量、或いはやり方や出来栄などの意味があります。
最初から最後まで総合的に動きの良い人に対して使われる言葉です。
2. 手際がいいの類語
「手際がいい」の類語は以下の通りで、あまり数多くはありません。
2-1. てきぱき
「てきぱき」とは、素早く、しかも適切に行動する様子を表した言葉です。
人が動いている音を表現した様に聞こえますが、「てき」は完了を表す古語、「ぱき」は「覇気」からきていると言われます。
「やる気に満ちて終わらせた状態」から来ていると思われます。
ビジネスにおいて「てきぱきしている」は良い意味に使われます。
2-2. 要領がいい
要領とは、ものごとを進めて行くやり方のことです。
常に最も効率的なやり方を考えて行動することで、早く良い結果を出すことができる様子です。
「手際がいい」が実際に作業を行う様子を表しているのに対し、「要領がいい」は周囲への根回しなど、頭で策を考えることにも長けている人を表します。
良い意味にも使えますが、「ずる賢い人」にも使われる言葉です。
2-3. きびきび
こちらは語源は定かではありませんが、生き生きと行動する様子を表しています。
「手際がいい」が具体的に生産性がある様子を表しているのに対して、「きびきび」は内容よりもその人の状態を表しています。
2-4. 効率的
こちらはかなりビジネス寄りのかしこまった言い方になります。
全て計算づくで、何をどの様にしたら最も早く、良い状態に導けるかを考えながら行動できる様子を言います。
どちらかというとなるべくムダなことを省いて楽ができる時に使う言葉です。
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