謝罪をするときには、決まった言い回しがあります。
そんな中、よく政治家の謝罪の記者会見などで「不徳の致すところ」という表現を聞いたことがあるという人もいるのではないでしょうか。
ここでは、「不徳の致すところ」の意味について解説します。
- 「不徳の致すところ」とは?
- 「不徳の致すところ」の言い換えや似た言葉
- 不徳の致すところの謝罪文での使い方や例文
- 「不徳の致すところ」を分解して解説
- 「不徳の致すところ」を仕事で使う相手
- 「不徳の致すところ」の英語
- まとめ
1. 「不徳の致すところ」とは?
「不徳の致すところ」というのは失敗や不都合など、好ましくない状態が生じてしまった場合に謝罪の意味を込めて使う表現です。
「不徳の致すところ」は「自分の不徳が原因となって引き起こしたこと」ということを指しており、自分が悪かった、自分の声でこのようなことが起こった、という意味を含んでいるのです。
つまり、「不徳の致すところ」と言った場合は自分の非を認めているということです。
しかし「私が悪かったためにこのような状態になってしまいました」というとどうしても文章がなかったらしいですよね。
そのため、「不徳の致すところ」と短く述べることによって簡潔にすることができるのです。
2. 「不徳の致すところ」の言い換えや似た言葉
2-1. 「このたびは大変ご迷惑をお掛けし、申し訳ありません」
「不徳のいたすところ」というのは自分の言動によって迷惑をかけてしまった、自分の言動によって問題を起こしてしまった、という事ですから、「このたびは大変ご迷惑をお掛けし、申し訳ありません」という表現を使うことができます。
自分のせいで相手に迷惑をかけたということを認め、素直に謝るという気持ちが読み取れます。
「申し訳ありません」との代わりに「お詫び申し上げます」ということもできます。
2-2. 「このたびの失態を大変遺憾に感じております」
今回、自分の失敗や自分の失態を反省している、申し訳なく思っている、という気持ちを示すことによって謝罪の言葉にすることも可能です。
自分自身が申し訳なく感じている、と述べることにより、はっきりと「申し訳ありませんでした」と述べているわけではなくても謝罪を述べているということが伝わります。
ただし、この言い方ではその失態や失敗が自分の声で起こったという事ははっきりと伝わりません。
例えば、部下の失敗を上司が謝罪する時もこのように述べることができてしまいます。
そのため、相手に対してそれが誰の失敗なのかということを隠しているように思われてしまう可能性があります。
2-3. 「不注意であった反省しております」
直接「申し訳ありませんでした」と謝るわけではなくても、「反省している」という気持ちを述べることによって謝罪にすることも可能です。
自分の責任によって問題が起こってしまった場合、その問題は自分の不注意によって起こってしまったと言えるでしょう。
そのため、それをはっきりと述べた上で「反省しています」あるいは「猛省しています」と述べ、二度とこのような事は繰り返さない、という気持ちを表すことができるのです。
反省しているという事は謝罪をしているという事ですから、直接謝る言葉を加えなかったとしても10分気持ちは伝わるでしょう。
3. 不徳の致すところの謝罪文での使い方や例文
3-1. 「私の不徳の致すところであり、反省しております」
「不徳の致すところ」に誰の不徳なのか、という表現を加えることによってより明確に謝罪の言葉を伝えることができます。
正直いうと、「不徳のいたすところ」だけではそれが一体誰の不徳なのかということがわかりません。
そのため、「私の」という表現を加えることによって自分が悪かった、それは自分の間違いであった、ということをはっきりと相手に伝えることが可能になります。
「反省しております」と述べることによって二度と繰り返さないと考えているという気持ちを伝えることも可能になります。
場合によっては、その後で「二度と同じことは繰り返さないようにします」とはっきりと伝えても良いでしょう。
3-2. 「全て私の不徳のいたすところです。必ず善処いたします」
この問題は自分の責任によって起こったということを明確にした上で、今後はこのようなことがないようにする、今後は自分を改善させる、という気持ちを伝えることが可能になります。
「善処する」という表現は謝罪の場でよく使われる表現だと言えるでしょう。
これから改善していく、二度と同じことが起きないようにする、という気持ちを熟語で伝えることができるのです。
全て自分の責任であるということを認め、これから改善していく、同じことが起こらない、と表現できるのです。
3-3. 「私の至らぬところ、不徳の致すところが原因です」
「不徳の致すところ」という表現はよく謝罪の場で使われる表現でもありますが、言い換えれば決まり文句のように感じている人もいるのではないでしょうか。
謝れば良い、謝罪の場では「不徳のいたすところ」と言えば良い、と感じてしまう会見もありますよね。
だからこそ、そこに不徳のいたすところ、という表現の類義語である「私の至らぬところ」という表現を加えることにより、語気を強めることができるのです。
そしてそれが原因である、と言い換えることにより、決まり文句で逃げていない、といった印象を与えることが可能になります。
4. 「不徳の致すところ」を分解して解説
4-1. 不徳とは?
まず、不徳というのは人の道に外れていること、徳が備わっていないこと、を指します。
得というのは人間としてやるべき良い行いを指しますから、太くというのは人の道に外れること、不道徳な行い、という意味になるのです。
つまり、自分の人の道に外れた行いによって問題が起こってしまった、ということを簡潔にまとめ、「不徳」ということができるのです。
とは言え、人間には誰にも間違いがあるものですが、それを「人の道に外れた行い」だなんてずいぶん強調した言い方だ、と思う人もいるかもしれませんね。
だからこそ、謝罪の記者会見などではよく使われる表現ということになるのです。
4-2. 致すとは?
致すというのは「する」という動詞の謙譲語に当たります。
つまり、「する」を丁寧にいうと「致す」になるのです。
また、これは漢字で書く場合とひらがなで書く場合があります。
まず、漢字で書く場合はそれ自体が動詞となり、及ぼす、引き起こす、至らせる、などという意味があります。
例えば、「私の不徳のいたすところです」「想い人に私の思いを致しておりました」という表現はこれにあたります。
それに対し、ひらがなは補助動詞として使われます。
もしも「致す」を「する」に変換できる場合、それは補助動詞であり、ひらがなの方が良いと言えるでしょう。
例えば、「不徳の致すところです」を「不徳のするところです」とは言えないですよね。
それに対し、「ご指摘通りに致します」は「ご指摘通りにします」ということができます。
だからこそ、前者は漢字、後者はひらがな、ということになるのです。
4-3. ところとは?
ところというのは事実や内容など、事象そのものさします。
つまり、人の道を外れた「こと」をした、の「こと」に当たるのです。
つまり、「不徳の致すところ」とは敬語であり、私の責任によってこのようなことが起こってしまいました、ということを指しているのです。
何より敬語であるということを覚えておきましょう。
5. 「不徳の致すところ」を仕事で使う相手
「不徳のいたすところ」という表現は金に格式張ったものであり、一般的なビジネスで使うにはとても丁寧な表現ということになります。
つまり、日常的に使うには丁寧すぎてしまい、ましてやもしも毎日のように使ってしまえば馬鹿丁寧のように思われてしまうこともあります。
さらに、「その表現しか知らないの?」と思われてしまうことがありますから、もしも「不徳の致すところ」というのであればそれは特殊な環境でしか使えないということを覚えておきましょう。
また、あまりにも使いすぎてしまうと馬鹿のひとつ覚えのように思われてしまう可能性もあります。
6. 「不徳の致すところ」の英語
6-1. "I'm awfully sorry. "
「不徳の致すところ」は謝罪文ですから、"I'm sorry"でも問題はありません。
しかし、「不徳の致すところ」はあくまでも謙譲語ですから、それに"awfully"を加えることによって謝罪の気持ちをさらに強めることができます。
これ以外にも"very"や"so"を加えても良いですね。
申し訳なさそうにいうことがポイントです。
6-2. "I apologize"
"I apologize"は「謝ります」「謝罪します」という意味です。
直接的に「申し訳ありません」「ごめんなさい」という意味はありませんが、自分が謝る、謝罪する、という動作を示しているのです。
そのため、ごめんなさい、申し訳ありません、よりもより格式張ったまで使われることが多いです。
例えば、何度も謝らなければいけない場合など、"I'm sorry"に加えて使うことができます。
同じ表現ばかりを繰り返すわけにはいきませんので、言い換えとして利用することも可能です。
6-3. "It was my responsibility"
これは「それは私の責任です」という表現です。
自分が悪かった、それは自分の責任だ、ということを表現するときに使うことができます。
人間は謝る時、場合によっては他人の失敗について謝らなければいけないこともありますよね。
しかし、この言い方は自分の失敗、自分の責任について誤っているということを指します。
あるいは、他人の間違いであったとしても自分が指示を出した場合など、それは元は自分が悪い、という時にも使えます。
まとめ
いかがでしょうか。
ビジネス等の場でかしこまって謝罪をしなければいけない時、確かに様々な言い方がありますがそれらを簡潔に短くまとめた表現が「不徳の致すところ」になるのです。
簡潔にまとめた方が賢く聞こえるという効果もあり、政治家の会見などでもよく使われますね。
そしてビジネスの場においても、例えば取引先の相手などに謝罪をしなければいけない場合、やはり賢い、頭が切れる、という印象を与えつつしっかりと謝らなければいけないと言う時によく使われるのです。
謝罪をするときには、決まった言い回しがあります。
そんな中、よく政治家の謝罪の記者会見などで「不徳の致すところ」という表現を聞いたことがあるという人もいるのではないでしょうか。
ここでは、「不徳の致すところ」の意味について解説します。
1. 「不徳の致すところ」とは?
「不徳の致すところ」というのは失敗や不都合など、好ましくない状態が生じてしまった場合に謝罪の意味を込めて使う表現です。
「不徳の致すところ」は「自分の不徳が原因となって引き起こしたこと」ということを指しており、自分が悪かった、自分の声でこのようなことが起こった、という意味を含んでいるのです。
つまり、「不徳の致すところ」と言った場合は自分の非を認めているということです。
しかし「私が悪かったためにこのような状態になってしまいました」というとどうしても文章がなかったらしいですよね。
そのため、「不徳の致すところ」と短く述べることによって簡潔にすることができるのです。
2. 「不徳の致すところ」の言い換えや似た言葉
2-1. 「このたびは大変ご迷惑をお掛けし、申し訳ありません」
「不徳のいたすところ」というのは自分の言動によって迷惑をかけてしまった、自分の言動によって問題を起こしてしまった、という事ですから、「このたびは大変ご迷惑をお掛けし、申し訳ありません」という表現を使うことができます。
自分のせいで相手に迷惑をかけたということを認め、素直に謝るという気持ちが読み取れます。
「申し訳ありません」との代わりに「お詫び申し上げます」ということもできます。
2-2. 「このたびの失態を大変遺憾に感じております」
今回、自分の失敗や自分の失態を反省している、申し訳なく思っている、という気持ちを示すことによって謝罪の言葉にすることも可能です。
自分自身が申し訳なく感じている、と述べることにより、はっきりと「申し訳ありませんでした」と述べているわけではなくても謝罪を述べているということが伝わります。
ただし、この言い方ではその失態や失敗が自分の声で起こったという事ははっきりと伝わりません。
例えば、部下の失敗を上司が謝罪する時もこのように述べることができてしまいます。
そのため、相手に対してそれが誰の失敗なのかということを隠しているように思われてしまう可能性があります。
2-3. 「不注意であった反省しております」
直接「申し訳ありませんでした」と謝るわけではなくても、「反省している」という気持ちを述べることによって謝罪にすることも可能です。
自分の責任によって問題が起こってしまった場合、その問題は自分の不注意によって起こってしまったと言えるでしょう。
そのため、それをはっきりと述べた上で「反省しています」あるいは「猛省しています」と述べ、二度とこのような事は繰り返さない、という気持ちを表すことができるのです。
反省しているという事は謝罪をしているという事ですから、直接謝る言葉を加えなかったとしても10分気持ちは伝わるでしょう。
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