ブルースターという花をご存知でしょうか。
その花はほんのり青く、花弁の中央までもが可憐な青で構成されている清楚な花です。
この花は、ウエディングでよくみられる花であり、その花言葉や由来を聞けば納得せざるを得ない理由があります。
今回は、美しく結婚式に映える花、ブルースターをご紹介します。
- ブルースターとはどんな花?
- ブルースターの花言葉
- ブルースターについて解説
- ブルースターのマメ知識
- ブルースターを育てる時の注意点
- ブルースターの種類
- ブルースターに似た植物、その花言葉など
- まとめ
1. ブルースターとはどんな花?
実はブルースターとは通俗であり、学術上の名前とは異なります。
正しくはキョウチクトウ科ガガイモ亜科ルリトウワタ属の植物の中の1種とされています。
英語圏でブルースターと呼ぶ場合はチョウジソウ科の植物を指すことがほとんどです。
2〜3年ほどで老化してしまいますが、性質としては多年草であり、5月中旬から10月上旬を開花時期としています。
常緑性のため、花が終わっても緑を楽しむことのできる植物です。
原産国が暑い国なのですが、特に耐寒性に劣るわけではありません。
そのうえ大暑性はかなりのものなので、日本で育てるのにぴったりの植物と言えます。
1-1. ブルースターの外見
ブルースターは長い三角形の葉が向き合うように2枚の葉が出てくる対生です。
葉の色はやや灰色がかった緑で、うぶ毛がびっしりと生えています。
葉腋から花梗を伸ばし、それが5本ほどに枝分かれしたところに花が咲きます。
花はその名の通り青、花の中心までも青い珍しい花です。
しかし咲き始める前のつぼみと花が終わりかけの頃はそこにピンクの色味が加わります。
蔓性の茎を持ち、その長さは40センチから100センチほどまでに及びます。
本来、星形の5枚の花弁を持ちますが、品種改良により花弁数、また色も異なる栽培品種も出てきました。
種には白い冠毛があります。
2. ブルースターの花言葉
ブルースターは、そのすがすがしい青い色の花のイメージから素敵な花言葉を2つ持っています。
一つ目の花言葉は女性に贈ることはもちろん、結婚式の色どりやブーケに使われるほど縁起のいい花言葉です。
その花言葉と花の色は、結婚式に切っても切れない由来があります。
また、もう一つの花言葉の由来にはキリスト教からのイメージが入ってきています。
こちらも、結婚式に使うことこそふさわしいと思わせる花言葉です。
2-1. 「幸福な愛」
欧米では、結婚式を挙げる際に4つのアイテムを身に着けると言います。
いわゆるサムシング・フォーというものです。
その種類はサムシング・オールド(何か古いもの)、サムシング・ニュー(なにか新しいもの)、サムシング・ボロウ(なにか借りたもの)、そしてサムシング・ブルーです。
サムシング・ブルーはその名の通りなにか青いものを身に着けることで誠実、純潔を意味し、夫婦が添い遂げるために必要なものと言われています。
ブルースターはその色から、まさにサムシング・ブルーの定番として扱われてきました。
幸せな結婚式を見守り続けてきたブルースターに、「幸福な愛」という花言葉が授けられたのです。
2-2. 「信じあう心」
キリスト教の始祖であるイエス・キリストの母たる聖母マリア。
聖母マリアのイメージカラーは実は青なのです。
そうそうたる芸術家たちが綿々と描き続けた聖母マリアは、たいていは青い外套を身に着けて描かれています。
青は空であり海であり、包容力の象徴であり、絶対的な信頼感を約束する母なるものの色なのです。
ブルースターの高貴な青が聖母マリアのイメージと重なり、お互いを信じあうという花言葉を持つことになりました。
どちらの花言葉も、結婚式にぴったりの花言葉ですね。
3. ブルースターについて解説
ブルースターは園芸上の区別と学術上の区別があいまいで、近い種、あるいはまったく別の植物がその名で呼ばれていることもあります。
また、日本でブルースターと呼ばれている品種と英語圏での呼び名が異なる場合もあります。
3-1. 英語での呼び名
英語圏ではツィーディア、トゥイーディア(Tweedia)と呼ばれることが一般的です。
これはエディンバラ王立植物園のガーデナーであり、南アフリカに移住し、アフリカ各地で植物標本を採集した人物のジェームス・ツィーディーへの献名です。
むしろ、英語圏でブルースターと呼ぶ植物は同じキョウチクトウ科でも縁の遠いチョウジソウ属の植物を指す場合が多いです。
なお、高知県は特産品としてブルースターを挙げていますが、このブルースターは本稿でご紹介しているルリトウワタ属の植物です。
3-2. 原産地
ブルースターの原産地はブラジル、ウルグアイです。
3-4. ブルースターの名前の由来
ブルースターの名前の由来は、その青い花の色と花弁の形からきています。
重ならず、一枚一枚が独立した花弁が星のように見え、またそのすがすがしいブルーからブルースターと呼ばれるようになったのです。
なお、学術名であるルリトウワタ(瑠璃唐綿)とは、その種子からきています。
ブルースターは種子に冠毛を持つ植物です。
冠毛を持つ種子の植物と言えば、代表的なのはタンポポ。
いわゆるタンポポの綿毛です。
ブルースターの種子はタンポポと比較にならないほど大きく、そのため冠毛ももっと大きくなります。
密集した冠毛を見ていると、まるで集中した蜘蛛の巣が茎に張られてしまったかのようです。
この様子から瑠璃唐綿と呼ばれるようになりました。
3-5. ブルースターが誕生日花の日
ブルースターを誕生花として扱う日は実は大変多いです。
1月24日、3月8日、4月14日、5月2日、5月17日、5月25日、6月14日、9月7日などです。
4. ブルースターのマメ知識
ブルースターは園芸品種として多数の呼び名を持つ花で、それに伴う誤用も多くなっています。
しかも、全く別の花を挿している場合も。
これは学術名がギリシャ語から取られていることから由来します。
また、欧米ではブルースターが赤ちゃんへの贈り物として重宝されています。
それはその花の色が関係しています。
しかし、贈り物やブーケに使われることも多い花なのになんと体に害のある成分を持ってもいるのがブルースターなのです。
4-1. ブルースターの別名の由来と誤用例
ブルースターはオキシペタラムと呼ばれることも多く、これは属名であるルリトウワタ属の英語読みです。
オキシペタラムとはギリシャ語の「鋭い」という意味の言葉と、花弁という意味の言葉を掛け合わせて作られた言葉です。
また、オキシペタラムというとエピフィルム・オキシペタラムという植物もあります。
これは和名を月下美人という白い花で、孔雀サボテンの一種。
確かに尖った花弁がありそうですが、ブルースターとは全く違う品種の植物となります。
4-2. 男の子の赤ちゃんへの贈り物
欧米にはベイビーブルーという言葉があり、赤ちゃん、特に男の子の赤ちゃんのラッキーアイテムとして青い色のものを贈るという風習があります。
そのため、ブルースターは男の子の赤ちゃんが生まれたお家へのお祝い品として最適。
見た目も美しいブルースターはきっと新しい命の誕生に文字通り華を添えるはずです。
なお、全く違う品種ですがネモフィラという花も男の子赤ちゃんへの贈り物として人気です。
花がラピスラズリのような青で、英名をベイビーブルーアイズと言います。
英語圏で、青い色の花が赤ちゃんへの贈り物にされている様子がうかがえますね。
4-3. 有毒性がある?
ブルースターは茎を切ると白汁を分泌します。
これが皮膚についた場合、人によってひどいかぶれを引き起こす場合がありまう。
毒成分としては成分は良く分かっておらず、アレルギー反応であると言われます。
切り花やブーケでも使われることの多いブルースター。
それを個人でさらに切るなどのアレンジを加える場合は注意が必要です。
5. ブルースターを育てる時の注意点
ブルースターは暑い国に生まれたため、その涼し気なたたずまいを裏切って暑さに強い植物です。
もちろんそのため日本の霜などには弱く、寒い地方では年をまたいで育てる際に環境に十分注意してあげる必要があります。
寒さ以外にはあまり弱点のない、比較的丈夫な植物です。
繁殖力も強いため、こぼれ種で翌年増えている、なんてこともあります。
また、蔓性の植物ですので通常の花よりも準備が必要です。
更にさし芽をする際には、切り口の乳液に触れないように十分注意して行ってください。
かぶれを起こす人がいるため、手袋をしっかりする、あるいは切り口をしっかり乾かすなどの対策を行ってください。
5-1. 環境や土の用意
環境としては、日当たりが良いことが絶対条件です。
湿度に強いわけではないので加湿環境は避け、水はけのよい場所を選びましょう。
また、花や葉は雨にあたるとしみができてしまうことがあります。
鉢植えで育てる場合、できれば梅雨時などの長雨時に雨の当たらない軒下に移動してあげましょう。
また、強い霜に当たると枯れてしまいます。
これも鉢植えであれば軒下や室内に取り込むことで越冬可能です。
また、庭上でも暖地であれば越冬する可能性が高いです。
寒地では鉢で育てることをお勧めします。
5-2. 水やりや肥料について
土が乾き始めたくらいを目安に、たっぷりと水を与えます。
加湿にならないようにくれぐれも注意する必要があります。
また、肥料は元肥として緩効性の化成肥料を土に混ぜ込んでおきましょう。
その後、追肥として初夏〜秋ごろに化成肥料を置き肥、あるいは液体肥料を与えるようにします。
5-3. 予想される病害虫
病気には強く、あまり目立った病気にかかることはありません。
害虫はアブラムシが付くことがあります。
春ごろ、アブラムシを見つけたらすぐに駆除します。
殺虫剤を散布して予防するのも効果的です。
5-4. ふやし方
春に種を蒔く、あるいはさし芽をすればふやすことができます。
発芽から開花まで5か月ほどと長い時間がかかります。
そのため4月ごろに室内で蒔くと良いです。
ポットで育苗をし、本葉が2枚になったら根が育ち切らないうちに庭、コンテナなど希望の場所に植え替えます。
発芽から2〜3節伸びたころ合いで摘心し、わき目を伸ばすようにしましょう。
摘心を繰り返すことによって枝の数が増えます
種を蒔いた年はあまり花が咲くことがなかったとしても、越冬によりたくさんの花をつけるようになります。
花がら摘みを適度にし、種を付けた場合、そのこぼれ種でも増えていくことが多いです。
5-5. その他必要な作業
花がら摘みをする必要があります。
種をつけやすい品種ですので、面倒でも終わりかけの花を摘み取りましょう。
次の花が良く咲きます。
また、半つる性であることから倒れやすいため、支柱を立てることが必要になります。
支柱を立てない場合は草丈の半分くらいで切り戻しておきます。
6. ブルースターの種類
ブルースターはそもそも、オキシペタラムという植物の青い花弁から名づけられたもの。
そのため、同じオキシペタラムでほかの色のものも、ブルースターの品種と呼ぶことができます。
品種改良で様々な色、また咲き方も色々な品種が出そろっています。
6-1. ブルー・スター
青いブルースターはとても品種が多いです。
くっきりした青のブルースタードリーム、淡い色のピュア・ブルー、ホッピー、ホッピーペガサス、シェーンブルー、ブルーセミダブルなど…
いずれも可憐な印象で、結婚式の贈り物やウエディングブーケに最適です。
切り花でも喜ばれる花です。
6-2. ホワイト・スター
ブライダルでも人気の高い白いブルースター。
花の中央まで真っ白のエンジェルホワイトという品種や、花弁が縦に丸まって咲くフェアリーホワイトという品種があります。
また、青というには薄く、水色といった品種もあります。
フェアリーホワイトの品種改良で、フェアリーという品種です。
更に、水色から白にグラデーションするエンジェル・ブルーなど多数の品種があります。
6-3. ローズ・スター
ピンク・スタートも呼ばれる赤系のブルースター。
ブライダルルージュという品種は、濃いめのピンクの花弁に紫がかった白い花の中央部を持ちます。
インカレッドという品種は、かなり鮮やかな赤。
真っ白な花の中央とビビットな花弁の色のコントラストがはっきりして美しい品種です。
可憐な印象ではありませんが、大変目立つので花束などにぴったりでしょう。
6. ブルースターに似た植物、その花言葉など
ブルースターはキョウチクトウ科の植物で、この科の植物は園芸植物として人気があるため流通数も多くなっています。
しかし、その本筋の種であるキョウチクトウにはなんともものものしい花言葉があります。
6-1. キョウチクトウ
キョウチクトウ科キョウチクトウ属の植物です。
花は一重咲きの場合は白、八重咲の場合は桃のようなピンクで咲きます。
美しい見た目と裏腹に強い毒を持ち、経口で摂取した場合嘔吐や嘔気、脱力感を感じたり、腹痛などを引き起こします。
そのためか、花言葉は「注意」「危険」「用心」など恐ろしいものばかり。
見た目によらない花言葉です。
6-2. ニチニチソウ
キョウチクトウ科ニチニチソウ属の植物です。
初夏から秋にかけ、次々と花を咲かせ続け、花が毎日咲き続けることからその名が付けられました。
花言葉は「楽しい思い出」。
鮮明な花の色が、まるで子供の時の楽しい思い出のようにきらめき続けることからその花言葉が付けられました。
6-3. プルメリア
キョウチクトウ科インドソケイ属の花です。
「気品」「恵まれた人」「日だまり」「内気な乙女」など、歴々とした花言葉を持っています。
見た目はブルースターとも似た可憐で楚々とした一重咲きの花ですが、さらに上品な香りも持っていることから高貴なイメージを連想させます。
また、夏に咲く花で太陽の光が大好き。
「日だまり」という花言葉はそんな日差しを一身に浴びている姿からつけられたと言われます。
6-4. ツルニチニチソウ
ブルースターと同じく、半つる状の茎を持つ植物です。
キョウチクトウ科ツルニチニチソウ属となります。
花言葉は「楽しき思い出」「幼なじみ」と、ニチニチソウと少し似ています。
違うのは由来で、哲学者ジャン・ジャック・ルソーが自伝的小説「告白」に書いたエピソードがもととなっています。
ルソーが恋をしたヴァランス夫人が、ツルニチニチソウと思われる花を話題にしたことがありました。
それを覚えていたルソーが、ツルニチニチソウを見て恋の思い出に浸るという記述です。
ニチニチソウと同じく、毎日のように花を咲かせ続けるツルニチニチソウ。
恋の記憶を呼び戻すのに十分な時期咲いていたのでしょうね。
まとめ
結婚式に最適なブルースター。
ウエディングブーケに使うことはもとより、結婚式のお祝いに豪華な花籠を作る時に選ぶと大変喜ばれますね。
また、その後赤ちゃんが産まれても、贈り物としてブルースターは重宝します。
男の子の赤ちゃん限定ではありますが、欧米で歴史のある贈り物のひとつ。
ブルースターで新しい家庭と、新しい生命をお祝いしましょう。
ブルースターという花をご存知でしょうか。
その花はほんのり青く、花弁の中央までもが可憐な青で構成されている清楚な花です。
この花は、ウエディングでよくみられる花であり、その花言葉や由来を聞けば納得せざるを得ない理由があります。
今回は、美しく結婚式に映える花、ブルースターをご紹介します。
1. ブルースターとはどんな花?
実はブルースターとは通俗であり、学術上の名前とは異なります。
正しくはキョウチクトウ科ガガイモ亜科ルリトウワタ属の植物の中の1種とされています。
英語圏でブルースターと呼ぶ場合はチョウジソウ科の植物を指すことがほとんどです。
2〜3年ほどで老化してしまいますが、性質としては多年草であり、5月中旬から10月上旬を開花時期としています。
常緑性のため、花が終わっても緑を楽しむことのできる植物です。
原産国が暑い国なのですが、特に耐寒性に劣るわけではありません。
そのうえ大暑性はかなりのものなので、日本で育てるのにぴったりの植物と言えます。
1-1. ブルースターの外見
ブルースターは長い三角形の葉が向き合うように2枚の葉が出てくる対生です。
葉の色はやや灰色がかった緑で、うぶ毛がびっしりと生えています。
葉腋から花梗を伸ばし、それが5本ほどに枝分かれしたところに花が咲きます。
花はその名の通り青、花の中心までも青い珍しい花です。
しかし咲き始める前のつぼみと花が終わりかけの頃はそこにピンクの色味が加わります。
蔓性の茎を持ち、その長さは40センチから100センチほどまでに及びます。
本来、星形の5枚の花弁を持ちますが、品種改良により花弁数、また色も異なる栽培品種も出てきました。
種には白い冠毛があります。
2. ブルースターの花言葉
ブルースターは、そのすがすがしい青い色の花のイメージから素敵な花言葉を2つ持っています。
一つ目の花言葉は女性に贈ることはもちろん、結婚式の色どりやブーケに使われるほど縁起のいい花言葉です。
その花言葉と花の色は、結婚式に切っても切れない由来があります。
また、もう一つの花言葉の由来にはキリスト教からのイメージが入ってきています。
こちらも、結婚式に使うことこそふさわしいと思わせる花言葉です。
2-1. 「幸福な愛」
欧米では、結婚式を挙げる際に4つのアイテムを身に着けると言います。
いわゆるサムシング・フォーというものです。
その種類はサムシング・オールド(何か古いもの)、サムシング・ニュー(なにか新しいもの)、サムシング・ボロウ(なにか借りたもの)、そしてサムシング・ブルーです。
サムシング・ブルーはその名の通りなにか青いものを身に着けることで誠実、純潔を意味し、夫婦が添い遂げるために必要なものと言われています。
ブルースターはその色から、まさにサムシング・ブルーの定番として扱われてきました。
幸せな結婚式を見守り続けてきたブルースターに、「幸福な愛」という花言葉が授けられたのです。
2-2. 「信じあう心」
キリスト教の始祖であるイエス・キリストの母たる聖母マリア。
聖母マリアのイメージカラーは実は青なのです。
そうそうたる芸術家たちが綿々と描き続けた聖母マリアは、たいていは青い外套を身に着けて描かれています。
青は空であり海であり、包容力の象徴であり、絶対的な信頼感を約束する母なるものの色なのです。
ブルースターの高貴な青が聖母マリアのイメージと重なり、お互いを信じあうという花言葉を持つことになりました。
どちらの花言葉も、結婚式にぴったりの花言葉ですね。
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