白や紫色をした優雅な大輪の花を咲かせるテッセンは、着物の絵柄としてよく用いられていたり、家紋にも使われていたり、日本では古くから馴染みの深い花です。
そんなテッセンの花言葉や育て方など、テッセンの魅力について詳しく解説します。
- テッセンとはどんな花?
- テッセンの花言葉
- テッセンについて解説
- テッセンを育てる時の注意点
- テッセンの種類(原種、園芸品種の花言葉や特徴)
- テッセンに似た花(花言葉や特徴)
- まとめ
1. テッセンとはどんな花?
春から初夏にかけて美しい花を咲かせる植物です。
優雅で気品のある大きな花を咲かせるテッセンは「つる植物の女王」と呼ばれて、愛好家が多くいます。
家紋としても使われており、日本でも古くから茶花として利用されるなど、広く親しまれている植物の1つです。
つるを伸ばしてフェンスなどに広がり、大きな花を沢山咲かせるテッセンは見応えがあります。
和風の庭にも洋風の庭にも良く合う姿をしているため、ガーデニングでも人気があります。
2. テッセンの花言葉
「甘い束縛」「縛りつける」
テッセンは「鉄線」とも書かれるように、鉄で作られたかのような大変丈夫なつるを伸ばして成長しながら、とても優雅で美しい花を咲かせます。
そのようなテッセンの特徴から、これらの花言葉が付けられたと考えられています。
「高潔」
テッセンの花には気品があり、凛とした美しさがあります。
その花の印象から、この花言葉が付けられたと考えられています。
3. テッセンについて解説
テッセン(学名: Clematis florida)は、キンポウゲ科・センニンソウ属(クレマチス属)のつる性の多年草です。
テッセンはクレマチスの原種の1つです。
5月〜7月に大きな花を咲かせます。
白い花びらに見える萼片が6枚で、花の中心は紫の複色、紫、緑などになります。
元来は白と紫色の花を咲かせる品種でしたが、品種改良が盛んに行われたことにより、花色が豊富になってきました。
花の大きさは8〜12cmほどで、草丈は1〜3mほどになります。
愛好家が多いことでも有名です。
たいへん強いつるを伸ばすことが大きな特徴です。
3-1. 英語での呼び名
テッセンを含むクレマチスは、英語ではVirgin’s Bower、Old-Man’s Beardと呼ばれています。
Virgin’s Bowerは、バージニア州の木陰の休憩所といった意味で、バージニアにクレマチスが自生していたことに由来するとされています。
Old-Man’s Beardは、老人のアゴ髭という意味で、種子に白い毛が付いていることに由来するとされています。
学名のClematis floridaのClematisは、ギリシャ語でつるを意味するclemaが語源となっており、floridaには、花が目立つ、という意味があります。
3-2. 原産地
原産地は中国です。
中国では鉄線蓮と呼ばれています。
日本へは1600年代に中国から渡来したと伝えられています。
江戸時代にはテッセンが大人気となり、その美しい花姿は、着物の柄に用いられたり、浮世絵に描かれたりしています。
ヨーロッパへは1700年代後半に紹介されたとされています。
それ以降品種改良が盛んに行われ、美しい品種が様々作り出されてきました。
テッセンは多くの園芸品種の交配親になっています。
今では世界中の多くの人々に親しまれています。
3-3. テッセンのマメ知識
3-3-1. 漢方薬
テッセンは、漢方薬にも利用されています。
根は威霊仙(いれいせん)という生薬の原料となっており、鎮痛、利尿、整腸作用があるとされています。
腰痛、神経痛、変形性膝関節症、リウマチ、痛風、肩や上腕の痛みなどを改善する目的で漢方に処方されています。
威霊仙は、疎経活血湯(そけいかっけつとう)、二朮湯(にじゅつとう)と呼ばれる漢方薬に配合されています。
民間療法でも、テッセンの根はリウマチや神経痛に効果があるとされています。
3-3-2. テッセンとクレマチス
テッセンはクレマチス全般を指すこともあり、また、テッセンをクレマチスと呼ぶこともあり、よく混同されています。
正確には、テッセンは品種(原種)の1つであり、テッセンを含む仲間の総称をクレマチスといいます。
クレマチスの和名がテッセン(鉄線)という訳ではありません。
3-4. テッセンの名前の由来
テッセン(鉄線)の和名は、中国の「鉄線蓮」に由来しています。
細いつるは鉄のように強靭で堅くなる性質があることからこの名前が付けられたと考えられています。
パッと目を引く優雅で上品な花のイメージには似つかわしくないように思われる鉄線という名は、このような性質が由来となっています。
3-5. テッセンの誕生日花の日
4月10日、4月27日、5月3日、5月5日、5月9日、6月5日、7月1日、7月2日、9月12日、10月22日の誕生花です。
誕生花を贈るときは、テッセンの鉢植えを贈りましょう。
気品があり美しいのが特徴のテッセンの花は観賞価値も高く、和の雰囲気にも洋風な雰囲気にも、どちらとも合いますので、贈られた相手にも喜んでいただけます。
又、テッセン(鉄線)の名前に因んで、金属製のワイヤーを用いて作られたアクセサリーやインテリアグッズを贈るのもアイデアの1つです。
4. テッセンを育てる時の注意点
4-1. 咲き方
テッセンは、花の咲き方によって「旧枝咲き」「新枝咲き」「新旧枝咲き」の3つのグループに分けられ、それぞれ育て方が異なります。
購入する際は、どのグループに属する品種なのかをチェックしましょう。
旧枝咲きの品種は、冬の休眠期から生えていたツルに花を咲かせます。
新しいく生えたツルには花を付けません。
新枝咲きの品種は、 新しく生えたツルからしか花を咲かせません。
新旧枝咲きの品種は、 古いツルと新しいツルの両方から花を咲かせます。
旧枝咲きと新枝咲きの両方の特徴を併せ持った品種です。
4-2. 育てるコツ
基本的な育て方
日当たりの良い場所で育てます。
日当たりが悪いと生育が悪くなり、花が咲かないことがあります。
1日に4〜5時間以上は日に当てましょう。
鉢土の表面が乾いたら、鉢底から水が出てくるまでたっぷりと水を与えます。
ただし、水を与えすぎると根腐れを起こしますので、注意しましょう。
受け皿に水を溜めたままにしておくのも良くありません。
10月と3月には、クレマチス専用の緩行性化成肥料を与えます。
花芽が出てきてから開花するまでは、7〜10日に一度を目安に、液体肥料を水の代わりに与えます。
4-3. 病気
夏のように暑くて乾燥した時期には、うどんこ病が発生することがあります。
花や茎に白い斑点が現れます。
うどんこ病が発生したら、その箇所を取り除いて薬剤を散布します。
大発生してしまうと株を処分するしかなくなってしまいますので、うどんこ病は早期発見が大切です。
日頃からまめにチェックするようにしましょう。
4-4. 害虫
春〜秋にはアブラムシが付くことがあります。
新芽やツルに付いて植物の栄養を吸い取ってしまいます。
発見したら薬剤を散布するなどして退治します。
初夏のじめじめした時期にはナメクジの活動が活発になります。
新芽や葉を食べてしまいますので、見つけたら退治するか、ナメクジが寄り付かないようにしておきましょう。
4-5. 植え付け
鉢底にネットを敷きます。
害虫の侵入を防いでくれます。
底石を敷き詰め、用土を1/3ほどいれます。
苗の根に付いた土を軽く落とし、鉢の中心に苗を置きます。
苗の周囲に用土を入れます。
鉢底から水が出てくるまでたっぷりと水を与えます。
そして、支柱を立てます。
テッセンを含むクレマチスにはツルを這わせる支柱が必要ですが、数本の支柱を輪で囲った、あんどん仕立てがおススメです。
株全体に日があたりますので、沢山の花を付けるようになります。
4-6. 植え付け時期
旧枝咲きの品種は、2月〜3月頃に苗を植え付けます。
新枝咲きの品種は、1月〜3月頃に苗を植え付けると、春に発芽した新しい芽が育ち、夏には花たくさん咲かせます。
新旧枝咲きの品種は、1月〜3月頃に苗を植え付けます。
4-7. 誘引
テッセンは、ツルを伸ばして成長します。
ツルはあらゆる方向に伸びますので、ツルを支柱に絡ませる誘引という作業が欠かせません。
支柱に伸びたツルを絡ませる作業ですが、必要であれば、麻ひもや誘引テープを使いましょう。
つるを誘引することで花芽が付きやすくなり、沢山の花を咲かせるようになります。
旧枝咲きの品種は誘引の時期は選びませんが、新枝咲きや新旧枝咲きの品種は、3〜10月の間に行います。
4-8. 剪定
伸びたツルを切り戻して株の形を整える剪定も、テッセンには欠かせない作業です。
品種によって花を咲かせる場所が異なりますので、剪定の時期や方法も変わってきます。
4-9. 咲き方別の剪定方法
旧枝咲き品種は、古いツルを残して剪定をします。
4月〜5月頃、花が咲き終わった後に剪定をします。
花の下から3〜5cmのあたりでツルを切り戻します。
新枝咲きの品種は、2月〜3月頃と、花が咲き終わった後の5月〜8月頃に行います。
2月〜3月冬の剪定は、生え際から10〜15cm上のあたりでツルを切ります。
そして、花の8割ほどが咲き終わったら、ツルの先を3〜10cm切って全体の形を整えます。
新旧枝咲きの品種は、株が十分成長してから剪定をします。
苗を植えてから2年後くらいが目安です。
2月〜3月頃に、ツルの先を3〜5cmほど切ります。
花が8割ほど咲き終わったら、ツルを3〜5cmほど切ります
4-10. 植え替え
2〜3年に1度を目安に、一回り大きな鉢に植え替えをしましょう。
株の成長と共に、鉢の中が根でいっぱいになってきます。
そのままにしておくと根詰まりを起こして枯れていまいます。
水やりの時に土に水が浸み込みにくくなったら、根詰まりをしている可能性があります。
鉢の底から根が出てきている場合も、植え替えをするサインです。
4-11. 増やし方
テッセンは、挿し木で増やすことができます。
作業は5月〜6月に行います。
新しく伸びてきたツルを10〜15cmくらい切り取ります。
この時、ツルの硬い部分を切ります。
よく切れる園芸用のハサミなどを使って行いましょう。
そして、ツルの先端の葉2〜3枚を残して、葉を切り落とします。
ツルの切り口に発根剤を付けて、鉢などに入れた用土に5〜8cmほど埋めたら、たっぷりと水を与えます。
明るい日陰に置いて、土が乾かないように水を与えながら管理します。
新芽と根が生えて育ってきたら、別の鉢に植え替えましょう。
5. テッセンの種類(原種、園芸品種の花言葉や特徴)
テッセン(原種)は、クレマチスのフロリダ系に属します。
5-1. フロリダ系・クレマチス 白万重(シロマンエ)
テッセンの変種です。
5月〜11月頃に八重咲の豪華な花を咲かせます。
咲き始めは薄い緑色で、徐々に白く変化していくのが特徴です。
樹高は3mほどに育ちます。
扱いが難しく、上級者向けの品種です。
咲き方は新旧枝咲きです。
5-2. フロリダ系・クレマチス ビエネッタ
トケイソウにも似た独特な花姿をしています。
開花時期の長い品種です。
白く大きな萼片の中心が、紫の複色、紫、緑などになります。
開花してしばらくたつと、中央部分が丸まります。
咲き方は新枝咲きです。
6. テッセンに似た花(花言葉や特徴)
6-1. カザグルマ(風車)
キンポウゲ科・センニンソウ属のつる性植物です。
日本では、秋田県から九州にかけて自生している原種です。
4月〜6月頃に、10〜15cmもある大輪の花を咲かせます。
萼片は8枚で、薄い紫色や白色をしています。
花の中心には紫色の雄しべが沢山あります。
環境省のレッドリストでは、準絶滅危惧(NT)に指定されています。
クレマチスの大輪系園芸種の交配親になっており、現在の園芸品種に多大な影響を与えた品種です。
花言葉「高潔」「精神的な美しさ」「旅人の喜び」
6-2. センニンソウ(仙人草)
キンポウゲ科・クレマチス属のつる性植物です。
原産国は、日本、中国、朝鮮半島で、路傍や林の縁などに自生しています。
8月〜9月に白い花を咲かせます。
日本のクレマチスとも呼ばれています。
全体に毒があり、葉や茎の汁に触れると皮膚がかぶれます。
食べた場合は胃腸炎や嘔吐などを引き起こし、死に至ることもあります。
漢方では、根を乾燥させたものを原料にした「和威霊仙(わいれいせん)」という生薬があります。
扁桃腺の腫れ、扁桃腺の発熱などの治療薬とされています。
花言葉「安全」「無事」「あふれるばかりの善意」
まとめ
つる植物の女王と呼ばれるテッセンは、その名に恥じない風格と気品があり、育てるのが難しそうなイメージがありますが、ポイントさえ押さえれば、ぐんぐん育って見事な大輪の花を咲かせてくれます。
花色や花の形も様々ありますので、好みの花を見つけて育ててみましょう。
白や紫色をした優雅な大輪の花を咲かせるテッセンは、着物の絵柄としてよく用いられていたり、家紋にも使われていたり、日本では古くから馴染みの深い花です。
そんなテッセンの花言葉や育て方など、テッセンの魅力について詳しく解説します。
1. テッセンとはどんな花?
春から初夏にかけて美しい花を咲かせる植物です。
優雅で気品のある大きな花を咲かせるテッセンは「つる植物の女王」と呼ばれて、愛好家が多くいます。
家紋としても使われており、日本でも古くから茶花として利用されるなど、広く親しまれている植物の1つです。
つるを伸ばしてフェンスなどに広がり、大きな花を沢山咲かせるテッセンは見応えがあります。
和風の庭にも洋風の庭にも良く合う姿をしているため、ガーデニングでも人気があります。
2. テッセンの花言葉
「甘い束縛」「縛りつける」
テッセンは「鉄線」とも書かれるように、鉄で作られたかのような大変丈夫なつるを伸ばして成長しながら、とても優雅で美しい花を咲かせます。
そのようなテッセンの特徴から、これらの花言葉が付けられたと考えられています。
「高潔」
テッセンの花には気品があり、凛とした美しさがあります。
その花の印象から、この花言葉が付けられたと考えられています。
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