日本の秋を代表する花の1つともなっているシュウメイギク。
気品あふれる優雅な花を咲かせるシュウメイギクは愛好家も多い植物です。
近年では一般の家庭でも小型の品種をガーデニングに取り入れることが増えています。
そんな魅力的なシュウメイギクについて解説します。
- シュウメイギクとはどんな花?
- シュウメイギクの花言葉
- シュウメイギクについて解説
- シュウメイギクの名前の由来
- シュウメイギクの誕生日花の日
- シュウメイギクの種類(原種、園芸品種の花言葉や特徴)
- シュウメイギクに似た花(花言葉や特徴)
- まとめ
1. シュウメイギクとはどんな花?
シュウメイギク(学名:Anemone hupehensis)は、キンポウゲ科・イチリンソウ属(アネモネ属)の多年草です。
原産地は中国、台湾で、草丈は30〜150cmほどです。
8月中旬〜11月ごろに白、薄ピンク、紫色の優雅な花を咲かせます。
花は一重咲きのものや八重咲のものがあり、大きさは5〜6cmです。
日本では北海道以外の地域で見ることができます。
日本へは江戸時代に中国から渡ってきたと伝えられており、古くから秋の花として親しまれています。
京都の貴船には帰化したものが多く見られます。
シュウメイギクは世界的にも人気が高い花です。
日本ではガーデニングで楽しまれている他、生け花に利用されたり、茶花として利用されることも多い花です。
和名は秋明菊(シュウメイギク)。
貴船菊(キブネギク)、貴船牡丹(キブネボタン)、秋牡丹(アキボタン)の別名もあります。
2. シュウメイギクの花言葉
2-1. 「薄れゆく愛情」「あせていく愛」「淡い思い」
シュウメイギクは、上から下へと順番に花を咲かせていく性質があります。
まだ堅いつぼみがほころんで徐々に花を開き、やがて満開になり、花びらを散らせてゆく様子を、移ろいやすい恋心に例えて、この花言葉がつけられたと考えられています。
2-2. 「忍耐」
ギリシャ神話には、シュウメイギクと同じアネモネ属であるアネモネにまつわる切なく悲しい話があります。
この「忍耐」は、シュウメイギクもアネモネの仲間であることから、この花言葉がつけられたと考えられています。
3. シュウメイギクについて解説
3-1. 英語での呼び名
英名はJapanese thimbleweed、 Japanese anemone
シュウメイギクの原産地は中国や台湾ですが、ヨーロッパへは日本を経由して渡ったと伝えられています。
そんなことから、英名には「Japanese」が付けられています。
学名Anemone hupehensisのAnemoneは、ギリシャ語で風を意味するanemosが語源になっています。
3-2. 原産地
シュウメイギクの原産地は、中国、台湾です。
江戸時代に日本へ渡ってきました。
1681年に発刊された「花壇網目」にも記載があります。
花壇網目は、日本最古の園芸書と言われています。
そして、日本経由でヨーロッパに渡りました。
ヨーロッパでは品種改良が盛んに行われ、様々な園芸品種が作出されています。
日本では帰化植物として、北海道以外の各地で目にすることができます。
3-3. シュウメイギクのマメ知識
シュウメイギクは、花びらがない花です。
シュウメイギクといえば大きな花びらを、舞を舞うようにひらひらと風にそよがせて優雅に咲くイメージがあります。
シュウメイギクを象徴する優雅な花びらは、萼片と呼ばれる、萼が変化したものなのです。
4. シュウメイギクの名前の由来
秋に咲くシュウメイギクの八重咲の花が菊に似ていることから「秋明菊(シュウメイギク)」の和名が付けられたと言われています。
名前にキクと付きますが、シュウメイギクはキンポウゲ科で、菊とは別の仲間です。
別名の「秋牡丹(アキボタン)」は、牡丹を思わせる優雅で華やかな花を秋に咲かせることに由来しているとされています。
又、「貴船菊(キブネギク)」、「貴船牡丹(キブネボタン)」は、京都の貴船地方に多くのシュウメイギクが帰化していたことに由来しているとされています。
中国では、この花があまりに美しくこの世のものとは思えないことから、「秋冥菊」という漢字で表記されていました。
5. シュウメイギクの誕生日花の日
シュウメイギクは9月14日、9月30日、10月8日、10月15日の誕生日花です。
丁度、シュウメイギクが見頃を迎えている時期ですので、切り花をブーケにしてプレゼントしてみてはいかがでしょうか。
6. シュウメイギクの種類(原種、園芸品種の花言葉や特徴)
シュウメイギクは、花の形や色に変化をつけるのが難しいとされています。
現在一般に流通しているシュウメイギクの園芸種の多くは、ヨーロッパで品種改良されたものです。
小型品種が表れたことで日本国内でも一般の注目が高まり、園芸品種が増えてきています。
6-1. タイワンシュウメイギク(学名:Anemone vitifolia)
キンポウゲ科・イチリンソウ属(アネモネ属)の多年草です。
原産地は台湾で、草丈は50〜100cm程です。
7月〜10月ごろに、小さな白い一重咲きの花を咲かせる原種です。
花は、原種らしい楚々とした可憐な姿をしていて趣があります。
日本では山野草として扱われています。
現在流通しているシュウメイギクの園芸品種のほとんどが、シュウメイギクとタイワンシュウメイギクを交配させて作出されたものです。
和名は、台湾秋明菊(タイワンシュウメイギク)。
6-2. チャボシュウメイギク(ミニシュウメイギク)
シュウメイギクの小型品種です、ヨーロッパで作出されました。
草丈が20〜40cmほどとコンパクトなのが人気で、ガーデニングではコンテナでの寄せ植えによく利用されています。
赤、白、ピンクなどの綺麗な花を咲かせる品種で、一重咲き、八重咲があります。
6-3. ダイアナ
シュウメイギクの仲間としては早めの8月〜9月に一重咲きの花を咲かせます。
濃いピンクと黄色のコントラストが見事なとても見栄えのする花で、コンパクトに成長することから、鉢植えで育てるのに人気があります。
6-4. ももいろブーケ
可憐なピンク色をした一重咲きの花がブーケ状に咲く品種です。
草丈は50〜60cm程で、9〜10月に沢山の花を咲かせます。
庭植えやコンテナ植えに向いています。
6-5. ハドスペン アバンダンス
ローズピンクの濃淡が美しい一重咲きの品種です。
9月〜10月に4〜6cmほどの花を咲かせます。
草丈は60〜80cmほどで、庭植えにもコンテナ植えにも向いています。
花付きがよく見栄えもすることから人気があり、定番の品種となっています。
6-6. オノリーヌ ジョベール
9月〜10月ごろに白色の一重咲きの花を咲かせます。
花は5〜6cmほどで、優雅な姿をしている定番品種です。
純白の花は清々しい印象で、ガーデニングに人気があります。
草丈は60〜100cm程で、庭植えにもコンテナ植えにも向いています。
6-7. プリンツ ハインリッヒ
目を引く濃いピンク色の八重咲き品種です。
5cm程ある花は、優雅さと華やかさを兼ね備えて美しく、ガーデニングの定番となっています。
9〜10月ごろに花を咲かせる品種で、草丈は50〜70cm程です。
庭植えにもコンテナ植えにも向いています。
6-8. プリティレディ ジュリア
可憐なピンク色の濃淡が魅力の八重咲き品種です。
9月〜10月に開花します。
草丈は35〜45cmほどとコンパクトで、庭植えや鉢植えに人気があります。
とても丈夫な品種です。
6-9. 祭りシリーズ
チャボシュウメイギク(ミニシュウメイギク)と、ダイアナを交配して出来た小型の品種です。
ピンク系の花には一重咲き、八重咲、複色一重咲きがあり、それぞれ違った魅力があります。
一重咲き品種の「花笠祭り」、八重咲き品種の「ねぶた祭り」「葵祭り」「祇園祭り」、複色一重咲き品種の「うねめ祭り」などがあります。
6-10. 娘シリーズ
ヨーロッパやアメリカを中心に海外の園芸愛好家をも虜にしている品種です。
9月上旬〜9月中旬頃に花を咲かせる一重咲きピンク色の「星娘」、八重咲きピンクの「福娘」や、9月下旬〜10月上旬頃に花を咲かせる八重咲きサクラ色の「桜娘」などがあります。
開花時期の異なる品種を寄せ植えすれば、長い期間、花を楽しむことができます。
6-11. 舞姫
濃いピンク色の花を咲かせる一重咲きの品種です。
草丈はあまり大きくなりません。
ピンク色の衣をまとって舞を舞うような優雅な姿が魅力です。
6-12. ルフィア
ピンク色の可憐な一重咲きの花を咲かせます。
花は上を向いて咲きます。
花びらが厚いのが特徴です。
草丈35cmほどとコンパクトで、鉢植えでも育てられるのが魅力です。
7. シュウメイギクに似た花(花言葉や特徴)
アネモネ(学名:anemone coronaria)
キンポウゲ科・イチリンソウ属(アネモネ属)の多年草です。
世界に120種ほどがあると言われています。
原産地は地中海沿岸地域で、草丈は15〜50cmほどになり、3〜5月に花を咲かせます。
赤、青、紫、ピンク、白などの花色があり、一重咲きや八重咲など咲き方も様々です。
極彩色のビビットな色合いの花は、とても見栄えがします。
ガーデニングには欠かせない花ですが、切り花としても人気があり、花束やアレンジメントにもよく使われます。
色や形の美しさから、洋服やアクセサリーなどのデザインとしてもよく使われています。
日本では、牡丹一華(ボタンイチゲ)、花一華(ハナイチゲ)、紅花翁草(ベニバナオキナグサ)とも呼ばれています。
英名は、Anemone,Windflower。
欧米では、アネモネは愛と美の女神アフロディーテを象徴する花で、「愛の象徴の花」とされています。
恋人への贈り物として人気があります。
7-1. 花言葉
アネモネ全般:「はかない恋」「恋の苦しみ」「見捨てられた」「見放された」「消えゆく希望」「無実の犠牲」
赤いアネモネの花言葉:「君を愛す」
白いアネモネの花言葉:「真実」「期待」「希望」
青いアネモネの花言葉:「堅い誓い」
紫のアネモネの花言葉:「あなたを信じて待つ」
ピンクのアネモネの花言葉:「待望」
英語の花言葉はanticipation(期待)」「forsaken(見捨てられる、見放される)」
7-2. 花言葉の由来
ギリシャ神話には、アネモネにまつわる悲しい伝説があります。
悲しい花言葉は、この伝説に由来しているとされています
Anemoneの名前は、ギリシャ語で風を意味するanemosが語源になっていることから、英語ではWindflowerと呼ばれています。
美しい花を春風に揺らしながら何かを待っているように見える様子から、「期待」「希望」「あなたを信じて待つ」「待望」といった花言葉が付けられたと考えられています。
7-3. ギリシャ神話のアネモネ・その1
ギリシャ神話の愛と美の女神アフロディーテ(ローマ神話ではヴィーナス)はある時、息子であるキューピッドが誤って放った矢に当たってしまいました。
愛の矢と呼ばれるこの矢に当たると、最初に見た人間に恋をしてしまいます。
アフロディーテは最初に目に入った美少年のアドニスに恋をしてしまいました。
アフロディーテの恋人であった戦いの神アレス(マルス)は、彼女がキューピッドの矢に当たったことなど知る由もなく、彼女が心変わりしたと誤解してしまいました。
アレスは嫉妬に狂い、自らイノシシの姿に変身して、狩りに来たアドニスを襲って殺してしまいました。
アネモネの花は、その時にアドニスが流した血から生まれた花だとされています。
又、アドニスの死を知ったアフロディーテが流した涙から生まれた花とも言われています。
7-4. ギリシャ神話のアネモネ・その2
西風の神ゼピュロスが春風を運びます。
そして、ゼピュロスの妻である花と春の女神クロリスの神殿で妖精たちの花が咲くことで、世界に春が訪れるとされています。
ある時ゼピュロスは、アネモネという一人の妖精に恋をしてしまいました。
妻のクロリスは、妖精アネモネの花だけが早く咲くことに気が付いて、夫の浮気心を見抜きました。
嫉妬したクロリスは、妖精アネモネを神殿から追い出してしまいました。
追い出された妖精アネモネは、妖精の力を奪われ、希望も奪われ、失意のどん底に落とされて毎日泣き暮らしていました。
ゼピュロスは妖精アネモネを可哀そうに思いながらも、妻を気にして神殿に連れ戻してやることができませんでした。
悩んだ末に、生きる気力を失い変わり果てた少女の姿を、密かにアネモネの花に変えてあげたのだとされています。
まとめ
シュウメイギクといえば、すらっとした茎に優雅な花を咲かせる貴婦人のような姿を秋の庭先でよく見かけます。
欧米で人気に火が付き、近年では日本でも様々な園芸品種が注目されています。
小型で育てやすい品種も数々作り出されていますので、まずは鉢植えから挑戦して、白やピンク色の美しい花姿を愛でる楽しみを体験してみてはいかがでしょうか。
秋の庭で舞を舞うようなその美しい花姿を見ていると、時間が過ぎるのも忘れてしまうものです。
日本の秋を代表する花の1つともなっているシュウメイギク。
気品あふれる優雅な花を咲かせるシュウメイギクは愛好家も多い植物です。
近年では一般の家庭でも小型の品種をガーデニングに取り入れることが増えています。
そんな魅力的なシュウメイギクについて解説します。
1. シュウメイギクとはどんな花?
シュウメイギク(学名:Anemone hupehensis)は、キンポウゲ科・イチリンソウ属(アネモネ属)の多年草です。
原産地は中国、台湾で、草丈は30〜150cmほどです。
8月中旬〜11月ごろに白、薄ピンク、紫色の優雅な花を咲かせます。
花は一重咲きのものや八重咲のものがあり、大きさは5〜6cmです。
日本では北海道以外の地域で見ることができます。
日本へは江戸時代に中国から渡ってきたと伝えられており、古くから秋の花として親しまれています。
京都の貴船には帰化したものが多く見られます。
シュウメイギクは世界的にも人気が高い花です。
日本ではガーデニングで楽しまれている他、生け花に利用されたり、茶花として利用されることも多い花です。
和名は秋明菊(シュウメイギク)。
貴船菊(キブネギク)、貴船牡丹(キブネボタン)、秋牡丹(アキボタン)の別名もあります。
2. シュウメイギクの花言葉
2-1. 「薄れゆく愛情」「あせていく愛」「淡い思い」
シュウメイギクは、上から下へと順番に花を咲かせていく性質があります。
まだ堅いつぼみがほころんで徐々に花を開き、やがて満開になり、花びらを散らせてゆく様子を、移ろいやすい恋心に例えて、この花言葉がつけられたと考えられています。
2-2. 「忍耐」
ギリシャ神話には、シュウメイギクと同じアネモネ属であるアネモネにまつわる切なく悲しい話があります。
この「忍耐」は、シュウメイギクもアネモネの仲間であることから、この花言葉がつけられたと考えられています。
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