春になると野山には、待っていましたとばかりに花が咲き始めます。
色とりどりの美しい花は見ている人の気持ちを明るくしてくれますが、控えめに咲いている地味な花も素敵です。
ニリンソウ(二輪草)は、小さな白い花で春の訪れを教えてくれます。
決して目立たずそれでも白く清らかに咲くニリンソウの花言葉と様々な豆知識について紹介します。
- ニリンソウとはどんな花?
- ニリンソウの花言葉
- ニリンソウについて解説
- ニリンソウの名前の由来
- ニリンソウの誕生日花の日
- ニリンソウの種類(原種、園芸品種の花言葉や特徴)
- ニリンソウに似た花(花言葉や特徴)
- まとめ
1. ニリンソウとはどんな花?
ニリンソウは「キンポウゲ科イチリンソウ属」の植物で春になると山のふもとや山道の脇、土手などに自生します。
花の色は真っ白で、開花時期は4月〜5月です。
ニリンソウは1本の茎が分かれて2本の長い茎を生長させて、先に1本目の花が咲き、次に少し遅れてその花に寄り添う様にして2本目の花が咲くのです。その姿から「夫婦草」として演歌の題材に使われることもあります。
ニリンソウは北海道から九州まで幅広く分布していて、全国の野山で普通に見かける植物で針葉樹林が多い場所や高山地帯ではなく、広葉樹が多い地帯を好んで育ちます。
背の高い樹木が葉を茂らせる前、日光がたっぷりと当たり明るい状態の地面に発芽します。
春から夏にかけてしっかりと生長して、樹木に葉が茂り森林の中が暗くなる7月頃になると、すっかり枯れて休眠してしまい、そのまま枯葉に埋もれて冬を越し、また翌年になると目覚めて伸びてくるのです。
小さくてもしっかりと自分のライフサイクルを持っている植物です。
2. ニリンソウの花言葉
ニリンソウの花言葉は数少なく、以下の通りです。
ニリンソウの花言葉は、「友情」「協力」「ずっと離れない」です。
ニリンソウは1つの茎から2つの花を咲かせます。
このことから「友情」「協力」「ずっと離れない」という花言葉が生まれました。
ニリンソウの花のように、よく一緒にいる友人に贈る花言葉です。
花言葉「予断」は、山野ではニリンソウの中にトリカブトも混ざって生えていることからきているようです。
2-1. 「友情」
ニリンソウは、1本の茎から2つに分かれて花を咲かせる植物です。
このことから、相手との絆が繋がっていることを表しています。
2-2. 「協力」
こちらもニリンソウの見た目からお互いが力を合わせて生長していくイメージにより付けられました。
毎年必ず2つの花を咲かせるに当たり、どちらか一方だけの力ではなく、お互いの協力が必要であるという意味もあります。
2-3. 「ずっと離れない」
こちらも正にニリンソウの2つの花に因んでいます。
2つの花が咲くだけではなく、ひっそりと寄り添っているその姿は、仲睦まじい恋人や夫婦に例えられています。
2-4. 「油断」
他の3つとはガラリとイメージの違う花言葉です。
ニリンソウは、昔から山菜として食用にされてきました。
しかしニリンソウの葉っぱは、「トリカブト」という猛毒を持つ植物に良く似ており、ニリンソウと間違えてトリカブトを摘んで食べてしまい、命を落としてしまった人も数多くいます。
そこで、うっかり油断をすると間違えてしまい大変な目に遭うという意味でつけられた花言葉です。
トリカブトに関する詳しい内容は後ほど紹介します。
3. ニリンソウについて解説
ニリンソウは地味ですが、意外と興味深い情報もあります。
3-1. 英語での呼び名
ニリンソウの英語名は「Soft windflower(柔らかな風の花)」です。
丈が低く春の風に乗って優しく揺れている姿から名づけられました。
小さく控えめな花のイメージも捉えています。
3-2. 原産地
ニリンソウの原産地は「日本・朝鮮半島・樺太」など幅広い地域です。
3-3. ニリンソウのマメ知識
山菜としてのニリンソウ
ニリンソウは、雪どけ後の早春の頃、森林の地面近くに密生して生える多年草です。
北海道や東北地方では春の訪れを告げる植物で「フクベラ」とも呼ばれています。
茎の高さは15センチ程で、葉っぱは3つに分かれていて特徴的です。
北海道ではアイヌの人達により「プクサキナ」「オハウキナ」等と呼ばれ、山菜として汁ものに加えて食されてきました。
ニリンソウは、葉っぱだけではなく茎や花など地上に生えている部分は全て食べることができます。
発芽したばかりの若い茎よりも、ある程度生長して花が咲いているものの方が美味しいという情報もあります。
春先でまだ食べ物が少ない時期に、アイヌの人々にとっては貴重な食料となっていました。
ニリンソウにも毒がある
後に紹介しますが、ニリンソウと良く似た植物に猛毒を持つトリカブトがあります。
しっかりと間違えずにニリンソウを採取してきたから大丈夫、という訳ではなく、実はニリンソウにも「プロトアネモニン」という毒性のある成分が含まれているのです。
プロトアネモニンはアレルギー物質を持っていますので、肌が弱い人は触れただけでかぶれてしまうこともあります。
ニリンソウを採取する時には長袖で、手袋を忘れない様にしましょう。
ニリンソウの下ごしらえ
ニリンソウは、地上に出ている部分全体が食用で、つぼみも花も食べられます。
しかし上記の様に毒性があり、アクも強いので、熱湯でゆがいてから調理に使うのがおすすめです。
鍋に水を入れて沸騰させ、塩をひとつまみ入れた後、ニリンソウを花ごと入れて5分程ゆがきましょう。
次に冷水に入れて10分〜15分程すれば、アクと有毒成分が抜けて美味しく食べられます。
ニリンソウのおすすめレシピ
ニリンソウのおすすめレシピで最も簡単なのは「おひたし・胡麻和え・辛子味噌和え」です。
あまり加熱し過ぎるとニリンソウの風味が失われてしまいます。
また、ニリンソウは汁物の具材にも良く合います。
お味噌汁に入れて卵でとじたものは郷土料理として親しまれています。
お酒のおつまみとしては、ニリンソウの天ぷらが知られています。
こちらも葉っぱや茎、花がついたままで油で揚げても美味しく食べられます。
4. ニリンソウの名前の由来
ニリンソウの名前の由来は、1つの茎から2本ずつ茎別れして花が咲くことから名づけられましt。
稀に1輪や3輪のものもありますが、まず普通は2輪の花を咲かせます。
また、ニリンソウは別名「鵞掌草(ガショウソウ)」とも言います。
「掌」は手や足のことで、これはニリンソウの葉っぱの形が「鵞鳥(ガチョウ)の足形」に似ていることから付けられたものです。
5. ニリンソウの誕生日花の日
ニリンソウのは3月7日の誕生花です。
もうすぐ卒業式のシーズンという時に、野山に咲く花をイメージしています。
6. ニリンソウの種類(原種、園芸品種の花言葉や特徴)
ニリンソウの種類は、どれもニリンソウと良く似た花を咲かせます。
6-1. イチリンソウ
イチリンソウは、本州〜九州の幅色い地域に分散していて、野山に生える春の代表的な植物です。
最近では人里でも見かける様になり、白くて可愛らしい花はガーデニング愛好家に親しまれています。
木陰になっている場所を好み、地下茎が発達していて次々と株を広げて生長していきます。
イチリンソウと呼ばれるだけあり、1本の茎に3枚の葉っぱが柄について生えていて、その中央から伸びた茎の先に花が咲きます。
たまに一輪先のニリンソウもありますが、こちらは花が咲く茎に直接葉っぱがくっついている形になるのですぐに分かります。
花が咲き終わると初夏の頃には地上部分が枯れてしまい、冬が終るまで地下茎として過ごします。
花言葉は「追憶・永遠の美」です。
6-2. サンリンソウ
こちらもニリンソウに良く似ていますが、葉っぱに柄があり、地下茎も太くてしっかりとしています。
開花時期は5月頃とニリンソウよりも若干遅めです。
良く「花が一輪付くのがイチリンソウ、二輪付くのがニリンソウ、三輪付いているのがサンリンソウ」と思っている人もいますが、実際にはどれも一輪だったり、二輪だったりすることもあるので、あてになりません。
「葉っぱに柄があるのがイチリンソウ、葉っぱに柄がないのがニリンソウ、葉っぱに柄があるのがサンリンソウ」と覚えておいた方が良いでしょう。
花言葉はニリンソウと同じく「友情、協力」です。
6-3. ミドリニリンソウ(緑二輪草)
花が緑色のニリンソウです。
これは、ニリンソウの白い花弁が葉緑体ににより緑色になった変異種です。
元々ニリンソウの白い花びらに見える部分は「がく」であり、花びらではありません。
つまり、進化というよりは先祖帰りしたものであると言えます。
その他の特徴はニリンソウと全く同じで、丈は20センチ位、開花時期は4月〜5月です。
決して希少な花ではないのですが、葉っぱと同じ緑色なので殆ど目立たず、ニリンソウが密生しているところでは見逃されてしまいがちです。
1本生えている周辺では数多く見られるので、その気があれば比較的簡単に見つけることができます。
花言葉はニリンソウの花言葉が適用されます。
6-4. キクザキイチゲ
春の代表的な植物として、北国では雪どけの象徴とされています。
こちらはニリンソウの品種の中でも花が大きく、花びらの数も多くて、まるで野ギクの様に華やかです。
花の色も「白・ピンク・紫」と華やかで、八重咲きの品種もあることから愛好家も多くいます。
花言葉は「静かな瞳・追憶」です。
6-5. アズマイチゲ
花びらが多くて野ギクの様な形をしています。
色は白ですが、中には薄ピンクの色もあります。
葉っぱは長くて丸みがあり、花の咲いている茎を囲む様にして下に向かって行儀よく開きます。
花言葉は「温和」です。
6-6. ユキワリイチゲ
ニリンソウは冬の間は地下で過ごすのですが、こちらは冬の前から葉っぱが生長し始めます。
春になると薄い藤色の花を咲かせて、花びらの数も多くて上品です。
その優美な色合いから「ルリイチゲ」とも呼ばれています。
葉っぱに独特の斑点模様があり、花とのコントラストで人気があります。
但し、自宅で栽培するのはかなり難しい品種です。
花言葉は「しあわせになる」です。
6-6. ヒメイチゲ
本州でも北の山地や、高山でよく見られる品種です。
花は非常に小さく、白い花びらが5枚ついています。
地味ですが可愛らしさで人気がありますが、生長が遅くしかも人里の高温多湿な気候を好まないので、栽培は難しくなります。
花言葉は「あなたを守りたい」
6-6. ヒロバヒメイチゲ
北海道の山地に自生していて、「エゾイチゲ」とも呼ばれています。
ヒメイチゲに良く似ていますが、葉っぱが丸みを帯びていて、花もヒメイチゲよりも丸くて大型です。
花びらの数も5枚〜7枚とすこし豪華です。
ヒメイチゲよりも開花時期が遅くなります。
花言葉はヒメイチゲと同じです。
7. ニリンソウに似た花(花言葉や特徴)
ニリンソウは、現在でもよく有毒植物のトリカブトと間違えられます。
これは花が似ているのではなく、葉っぱがそっくりな為です。
トリカブトは猛毒を持っていて、間違って食べるとかなりの高確率で死に至る恐ろしい植物です。
春先に食用としてニリンソウを採取する時には、知識が豊富な人にしっかりと見極めて貰う必要があります。
トリカブトは恐ろしい植物ですが、花言葉も数多くありますので紹介します。
7-1. 「騎士道・武者修行」
トリカブトは、花の形が兜に似ていることから別名「ヘルメットフラワー」と呼ばれています。
ここから段々と中世の騎士のイメージに繋がり、更に騎士が腕を上げる為に訓練している姿に重ねあわせていったのです。
7-2. 「栄光・美しい輝き」
こちらもトリカブトの形により騎士がイメージされて、戦いで勝利をして名を挙げた騎士の栄光を意味しています。
騎士は忠誠を誓った王の為に戦い、自分の命を惜しまずに勇敢に戦いへ赴いて行きます。
国の為に戦う騎士には聖なる力が宿ると考えられ、光り輝く存在として人々から崇拝されていたことに因んでいます。
7-3. 「人嫌い・厭世家(えんせいか)」
上記2つの花言葉は、トリカブトを「兜」と見たことから付けられました。
しかしもう一つの味方として「修道士の被っている頭巾」に見えるという意味もあります。
修道士は宗教の教えに基づいて生活をしていて、一切俗悪なものに接する行為は禁止されています。
集団で質素倹約をして、物欲とは無縁の環境で生活しているのです。
その様な状態から、人と関わらないことや世間い疎い様子などのイメージがつきました。
7-4. 「復習・敵意・死・あなたは私に死を与えた」
非常に恐ろしい花言葉ですが、これは正にトリカブトの持つ猛毒を意味しています。
昔はトリカブトの研究の為に、多くの研究者や被験者が命を落としました。
そのことからこの花言葉がついてしまったのです。
まとめ
ニリンソウは春の訪れが待ち遠しい人にとっては良い知らせを運んでくれる植物です。
春先に野山を散歩する機会があったら、是非絶景だけではなく、足元につつましく咲いているニリンソウにも注意してみて下さい。
ステキな花言葉を持つ花ですので、画像やイラストをカードにして友達にプレゼントするのも良いでしょう。
春になると野山には、待っていましたとばかりに花が咲き始めます。
色とりどりの美しい花は見ている人の気持ちを明るくしてくれますが、控えめに咲いている地味な花も素敵です。
ニリンソウ(二輪草)は、小さな白い花で春の訪れを教えてくれます。
決して目立たずそれでも白く清らかに咲くニリンソウの花言葉と様々な豆知識について紹介します。
1. ニリンソウとはどんな花?
ニリンソウは「キンポウゲ科イチリンソウ属」の植物で春になると山のふもとや山道の脇、土手などに自生します。
花の色は真っ白で、開花時期は4月〜5月です。
ニリンソウは1本の茎が分かれて2本の長い茎を生長させて、先に1本目の花が咲き、次に少し遅れてその花に寄り添う様にして2本目の花が咲くのです。その姿から「夫婦草」として演歌の題材に使われることもあります。
ニリンソウは北海道から九州まで幅広く分布していて、全国の野山で普通に見かける植物で針葉樹林が多い場所や高山地帯ではなく、広葉樹が多い地帯を好んで育ちます。
背の高い樹木が葉を茂らせる前、日光がたっぷりと当たり明るい状態の地面に発芽します。
春から夏にかけてしっかりと生長して、樹木に葉が茂り森林の中が暗くなる7月頃になると、すっかり枯れて休眠してしまい、そのまま枯葉に埋もれて冬を越し、また翌年になると目覚めて伸びてくるのです。
小さくてもしっかりと自分のライフサイクルを持っている植物です。
2. ニリンソウの花言葉
ニリンソウの花言葉は数少なく、以下の通りです。
ニリンソウの花言葉は、「友情」「協力」「ずっと離れない」です。
ニリンソウは1つの茎から2つの花を咲かせます。
このことから「友情」「協力」「ずっと離れない」という花言葉が生まれました。
ニリンソウの花のように、よく一緒にいる友人に贈る花言葉です。
花言葉「予断」は、山野ではニリンソウの中にトリカブトも混ざって生えていることからきているようです。
2-1. 「友情」
ニリンソウは、1本の茎から2つに分かれて花を咲かせる植物です。
このことから、相手との絆が繋がっていることを表しています。
2-2. 「協力」
こちらもニリンソウの見た目からお互いが力を合わせて生長していくイメージにより付けられました。
毎年必ず2つの花を咲かせるに当たり、どちらか一方だけの力ではなく、お互いの協力が必要であるという意味もあります。
2-3. 「ずっと離れない」
こちらも正にニリンソウの2つの花に因んでいます。
2つの花が咲くだけではなく、ひっそりと寄り添っているその姿は、仲睦まじい恋人や夫婦に例えられています。
2-4. 「油断」
他の3つとはガラリとイメージの違う花言葉です。
ニリンソウは、昔から山菜として食用にされてきました。
しかしニリンソウの葉っぱは、「トリカブト」という猛毒を持つ植物に良く似ており、ニリンソウと間違えてトリカブトを摘んで食べてしまい、命を落としてしまった人も数多くいます。
そこで、うっかり油断をすると間違えてしまい大変な目に遭うという意味でつけられた花言葉です。
トリカブトに関する詳しい内容は後ほど紹介します。
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