ベツレヘムの星、と聞いて、いったいどのようなものを思い浮かべるでしょうか。
美しい空の星?それともきらめく水晶でしょうか。
その答えは、真っ白な花弁を持つ花の英名です。
6枚の花びらが重ならず、きれいに広がっているためにまるで星のような見た目をしているのです。
和名はオオアマナと言い、日本でも観賞用植物として流通している花です。
しかし、その英名が示す通り、その歴史は古く旧約聖書の時代までさかのぼります。
また、その古さゆえか、学術上は異なる花でも同じくオオアマナと認識されている花も多いのです。
今回は、美しい星のような花弁を持つオオアマナのことをご紹介します。
- オオアマナとはどんな花?
- オオアマナの花言葉
- オオアマナについて解説
- オオアマナの名前の由来
- オオアマナが誕生日花の日
- オオアマナの種類
- オオアマナに似た花
- まとめ
1. オオアマナとはどんな花?
オオアマナとは、キジカクシ科オオアマナ属の多年草で、欧州からアジアの南西部にかけての地域を原産としています。
ただし、園芸品種としてのオオアマナは学術上の区分けより幅広く認識されており、その区分けで行くと原産国は南アフリカや地中海沿岸なども含まれます。
また、原産国により耐寒性か半耐寒性かが分かれます。
4月から5月くらいに開花します。
1-1. 花について詳し
花の直径は3センチほどで、真っ白な花がきれいに六方向に分かれて開きます。
日の光を察知し、光が射すと開き、日が陰ると閉じる習性を持っています。
草丈は20センチほどです。
なお、花が終わった後の11月ごろに葉は枯れてしまいますが、根の際から線上の葉をさらに開き、それをつけたまま冬を越す珍しい植物です。
観賞用植物の歴史としては、日本に明治末期に渡来したと言われています。
分球により繁殖しますが、大変丈夫で増えやすいため観葉植物として重宝されていました。
また、あまりに繁殖力が旺盛なため一部野生化している品種もあります。
日本の風土にも根付き、帰化植物として認識されています。
美しい見た目と丈夫な性質からガーデニングにも向きますが、有毒種のためペットの誤食などには気を付ける必要があります。
2. オオアマナの花言葉
美しい純白の花を咲かせるオオアマナ。
その光を跳ね返すような見事な白から、気高く美しい花言葉をいくつも持っています。
2-1. 「純粋」
その白く、ほかの色が混ざらない花の色は、まさに純粋という言葉がふさわしい色合いです。
オオアマナの花は透けるような色合いではなくペンキの色をしっかり載せたような強い白。
後ろの景色さえ混ざらない強い色です。
2-2. 「才能」
まばゆく、まるで光るような花の色。
その自信に満ちたかのような白さからイメージされた花言葉です。
才能という言葉は、まだ世間に表出していないもののイメージです。
純真無垢な白い花は、隠し持った才覚を表しているのかもしれませんね。
2-3. 「潔白」
自らの心のうちまでも白く汚れがない、という身の潔白を、オオアマナの美しい花色に託した花言葉です。
2-4. 「無垢」
オオアマナは大変生命力が強く、野生化して帰化植物になってしまうくらいです。
その命のきらめきと美しい花の取り合わせは、無垢な幼子のようなイメージを与えます。
野草でありながら、ウエディングブーケにも使われることのあるオオアマナ。
見た目の美しさもさることながら、このような結婚にぴったりの花言葉を持つことも理由の一つと言えます。
2-5. 「清純な誘惑」
今までご紹介した花言葉とは少し毛色の違う、色っぽい花言葉です。
しかし、オオアマナのけがれなく無垢なイメージと、誘惑というキーワードは必ずしも相反したものではありません。
むしろその野性味あふれる生命力は、生命の営みあってのものです。
艶っぽいイメージというよりは、強い命の輝きという印象を受けますね。
3. オオアマナについて解説
オオアマナはキリスト教の始祖、イエス・キリストの生誕に関わる英名を持っています。
それは、その花の美しい六片の花弁からイメージされたものです。
また、オオアマナという名で称される植物はたくさんあり、そのため原産国も大変多くなっています。
3-1. 英語での呼び名
オオアマナは、英名を「Star of Bethlehem」、ベツレヘムの星といいます。
これは、イエス誕生の際に、東方の賢者たちにそれを知らせたベツレヘムの星が、そのまま野に降りて星になったという伝説からくる命名です。
なお、属名でオーニソガラムやオルニソガルムと呼ばれることもあります。
オーニソガラムとはギリシャ語で鳥と乳という意味であり、その花色が乳白色であることからつけられています。
3-2. 原産地
オオアマナの原産国はヨーロッパと言われていますが、園芸品種で線引きがあいまいなものも含めると、西アジア、アフリカ、地中海沿岸、南アフリカにもその原種があるとされています。
なお、その幅広い原種の中でも一定の区分けはあり、それが耐寒性です。
ヨーロッパ原産の種は寒さに強く、アフリカや地中海沿岸などの品種は耐寒性に劣ります。
3-3. オオアマナのマメ知識
オオアマナの歴史は古く、旧約聖書にその姿を見ることもできます。
ただし、その文章の中ではオオアマナはなんと「鳩の糞」と呼ばれています。
しかしこれは蔑称ではなく、地面を白く彩るオオアマナの花の色にちなんでの呼び名です。
どちらかと言えば親しみを込めた命名であると言えるでしょう。
また、同じく旧約聖書では「大飢饉に見舞われた際、鳩の糞四分の一株が5シェケルで売られるようになった」という記述があるそうです。
食用として販売されていたとのことなので、これはオオアマナではなくアマナのことかと思いますが、紀元前からベツレヘムの星が人々の生活に根付いていたことをうかがわせます。
更に、オオアマナは「潔白」という花言葉を持っていますが、その花言葉がある有名ゲームの一場面に採用されています。
アメリカを舞台にしたリアルなビジュアルのゲームで、オオアマナの咲き乱れるその美しいシーンは必見です。
4. オオアマナの名前の由来
オオアマナは、アマナという花に似ていることからつけられました。
アマナとはユリ科アマナ属の多年草で、オオアマナの花が狭くすぼんだチューリップ型で咲いたような花です。
しかし、アマナは球根が甘くおいしいため、クワイのような調理方法で食用できますが、オオアマナは有毒種。
似ていても決して食べてはいけない花です。
5. オオアマナが誕生日花の日
オオアマナが誕生花となっている日は2月27日です。
ちなみに、この日は日本では「冬の恋人の日」とされています。
バレンタインとホワイトデーの間の日であることから由来しているそうですが、こんな日にオオアマナのような美しい花言葉を持つ花を贈るのもいいですね。
6. オオアマナの種類
オオアマナは古くから観賞用として栽培されてきた花で、その品種は100種類以上と多岐にわたります。
学術上は異なる種類でも、園芸界ではオオアマナとなっているものはここではオオアマナとして分類します。
そのほんの一部をご紹介します。
6-1. オーニソガラム・サンデルシー
ユリ科オーニソガラム属の耐寒性球根植物です。
めしべが濃い緑色をしているのが特徴で、白い花弁によく映えます。
また、花はてまりのようにまとまって円状に花が咲きます。
大き目のアジサイのイメージです。
南アフリカが原産で、英名はミルクスターと言います。
6-2. オーニソガラム・アラビカム
地中海原産のオオアマナです。
花茎が50センチほど、3センチほどの花を咲かせるというオオアマナのイメージとは少々異なるサイズ感の花です。
花の中央部に、真っ黒な鳥の目のような子房を持っており、白い花弁とのコントラストが鮮やかです。
しかし、その良い香りのある乳白色の花はオオアマナとはまた違った美しさ。
和名では、その子房の黒さからクロボシオオアマナと呼ばれています。
見た目としてはサンデルシーに近い形状をしています。
6-3. オーニソガラム・シルソイデス
南アフリカ原産。
白い花が穂状に咲きます。
草丈40センチほどです。
花が咲く前の姿はまるでサボテンのよう。
こんなオオアマナもあるんですね。
園芸店などではマウントエベレストという名前で販売されています。
6-4. オーニソガラム・ダビウム
ドゥビウムとも呼ばれることのある、半耐寒性の品種です。
花は星のようなというには重なりあった花弁で、黄色かはオレンジの花を咲かせます。
硬いつぼみからよく花を咲かせ、簡単に栽培できるうえに花を一か月以上咲かせます。
特に鉢に適した品種です。
草丈は25センチから30センチほどに育ちます。
6-4. 子持ちオーニソガラム
南アフリカ原産で、ユリ科オオアマナ属の植物です。
とても大きな球根をつけることで知られ、玉ねぎに大変よく似ているため偽シーオニオンと別名をつけられています。
最大で10センチほどとなる球根のまわりに、小さな球根がたくさんできます。
更に、花の茎は1メートルほどとほかのオオアマナの種類と比べ物にならないくらい大きく育ちます。
オーニソガラム属の中ではかなり変わった種と言えます。
6-4. オーニソガラム・ナルボネンセ
地中海原産のオオアマナ。
白い花をぱらぱらと枝分かれしたように咲かせる品種です。
6-4. オーニソガラム・ミニアツム
ダビウムと同じように、オレンジや黄色の美しい花を咲かせる品種です。
6-4. オーニソガラム・ヌタンス
ヨーロッパ原産。
草丈は25センチほどになります。
オオアマナの特徴的な白い花を咲かせますが、花弁の裏側が灰緑色という少し変わった色の花です。
7. オオアマナに似た花
オオアマナはもとから品種が多く、学術上の区分けも越境して呼ばれる植物ですが、オオアマナの名前も更に遠い種類でも似た花がいくつかあります。
7-1. ハナニラ
ハナニラはアルゼンチン原産の多年草で、英名を「スプリングスターフラワー」、春の星の花と呼ばれています。
これはオオアマナと同じく、きれいに開いた星のような花の形に由来します。
そのため、「星のような形の花」としてオオアマナと呼ばれてしまうこともあります。
なお、ハナニラは葉にニラのようなにおいを持ち、ニラに似ているのに花をつけるためハナニラという名前になりました。
なお、ハナニラの花言葉はあまりいいイメージの花言葉ではありません。
「恨み」「悲しい別れ」「卑劣」「耐える愛」、また「愛しい人」という花言葉も持っています。
生命力が強いこと、そして青く悲し気な花の色を持っていることからこんな花言葉がついたそうですが、いずれにせよ贈り物には適した花ではないでしょう。
7-2. アマナ
ユリ科アマナ属の多年草です。
花の色、形はオオアマナに似ていますが、チューリップ型にすぼまった花の咲き方は少々異なる趣を持っています。
また、開花時期は春咲きであり、春の早いうちから咲きだして、ほかの花が育つ夏ごろになると地下で過ごすスプリング・エフェメラルと呼ばれる植物でもあります。
花言葉は「お天気屋」。
オオアマナと同じく、日が射している時だけ花を開く植生からその花言葉がつけられたようです。
7-3. カタクリ
片栗粉の原料のカタクリ。
オオアマナに似た花弁がアマナのようにチューリップ型に咲きますが、それが下向きに咲きます。
そのため傾いた花の形状から、傾いた籠、カタカゴと呼ばれ、そこからカタクリになったと言われています。
ちなみに、現在片栗粉と呼ばれているのは馬鈴薯でんぷん、ジャガイモの粉です。
過去にはカタクリの粉を片栗粉と呼んでいたのですが、昭和初期に材料が変わりました。
花言葉は「消極的」「寂しさに耐える」「初恋」「嫉妬」などです。
ハナニラと同じく、あまりいい意味の花言葉ではありませんね。
7-4. キバナノアマナ
ユリ科キバナノアマナ属の多年草です。
キバナアマナとも呼ばれます。
花の形はアマナに似ており、しかし花の色が黄色いことからその名が付きました。
20センチほどの小さな山野草で、その可憐な見た目はオオアマナやアマナとはまた違った趣があります。
花言葉は「運が向いてくる」。
そのけなげな姿から連想される花言葉なのでしょうね。
まとめ
清廉で美しい花言葉をたくさん持つオオアマナ。
その花言葉だけでなく、真っ白な花の色と凛とそそり立つ六枚の花弁は、それだけで高貴さや気高さを感じさせる花です。
ウエディングブーケなどに使われることも多いオオアマナ。
しかし、山野に咲く野草という素朴な一面も持っています。
結婚式などの改まった席でなくても、ちょっとした贈り物に添えて贈ってみてはいかがでしょうか。
ベツレヘムの星、と聞いて、いったいどのようなものを思い浮かべるでしょうか。
美しい空の星?それともきらめく水晶でしょうか。
その答えは、真っ白な花弁を持つ花の英名です。
6枚の花びらが重ならず、きれいに広がっているためにまるで星のような見た目をしているのです。
和名はオオアマナと言い、日本でも観賞用植物として流通している花です。
しかし、その英名が示す通り、その歴史は古く旧約聖書の時代までさかのぼります。
また、その古さゆえか、学術上は異なる花でも同じくオオアマナと認識されている花も多いのです。
今回は、美しい星のような花弁を持つオオアマナのことをご紹介します。
1. オオアマナとはどんな花?
オオアマナとは、キジカクシ科オオアマナ属の多年草で、欧州からアジアの南西部にかけての地域を原産としています。
ただし、園芸品種としてのオオアマナは学術上の区分けより幅広く認識されており、その区分けで行くと原産国は南アフリカや地中海沿岸なども含まれます。
また、原産国により耐寒性か半耐寒性かが分かれます。
4月から5月くらいに開花します。
1-1. 花について詳し
花の直径は3センチほどで、真っ白な花がきれいに六方向に分かれて開きます。
日の光を察知し、光が射すと開き、日が陰ると閉じる習性を持っています。
草丈は20センチほどです。
なお、花が終わった後の11月ごろに葉は枯れてしまいますが、根の際から線上の葉をさらに開き、それをつけたまま冬を越す珍しい植物です。
観賞用植物の歴史としては、日本に明治末期に渡来したと言われています。
分球により繁殖しますが、大変丈夫で増えやすいため観葉植物として重宝されていました。
また、あまりに繁殖力が旺盛なため一部野生化している品種もあります。
日本の風土にも根付き、帰化植物として認識されています。
美しい見た目と丈夫な性質からガーデニングにも向きますが、有毒種のためペットの誤食などには気を付ける必要があります。
2. オオアマナの花言葉
美しい純白の花を咲かせるオオアマナ。
その光を跳ね返すような見事な白から、気高く美しい花言葉をいくつも持っています。
2-1. 「純粋」
その白く、ほかの色が混ざらない花の色は、まさに純粋という言葉がふさわしい色合いです。
オオアマナの花は透けるような色合いではなくペンキの色をしっかり載せたような強い白。
後ろの景色さえ混ざらない強い色です。
2-2. 「才能」
まばゆく、まるで光るような花の色。
その自信に満ちたかのような白さからイメージされた花言葉です。
才能という言葉は、まだ世間に表出していないもののイメージです。
純真無垢な白い花は、隠し持った才覚を表しているのかもしれませんね。
2-3. 「潔白」
自らの心のうちまでも白く汚れがない、という身の潔白を、オオアマナの美しい花色に託した花言葉です。
2-4. 「無垢」
オオアマナは大変生命力が強く、野生化して帰化植物になってしまうくらいです。
その命のきらめきと美しい花の取り合わせは、無垢な幼子のようなイメージを与えます。
野草でありながら、ウエディングブーケにも使われることのあるオオアマナ。
見た目の美しさもさることながら、このような結婚にぴったりの花言葉を持つことも理由の一つと言えます。
2-5. 「清純な誘惑」
今までご紹介した花言葉とは少し毛色の違う、色っぽい花言葉です。
しかし、オオアマナのけがれなく無垢なイメージと、誘惑というキーワードは必ずしも相反したものではありません。
むしろその野性味あふれる生命力は、生命の営みあってのものです。
艶っぽいイメージというよりは、強い命の輝きという印象を受けますね。
スポンサーリンク