「アガパンサス」と聞くと馴染みがない方が多いでしょうか?日本名の「紫君子蘭(むらさきくんしらん)」でもまだ聞いたことが無い方が多いと思います。
でも、姿を見たら“あぁ、この花のことなのね”と思われるのではないでしょうか?公園などに群生していることもあります。
薄い青紫色の小さい花が放射状に咲き、まるで大玉の花火のように見える花です。
そんなアガパンサスについて、花言葉や花名の由来、育て方、品種などをご紹介します。
- アガパンサスってどんな花?
- アガパンサスの花言葉は?
- アガパンサスの色別の花言葉
- アガパンサスの名前の由来
- アガパンサスにまつわる神話
- アガパンサスと風水
- アガパンサスの開花時期
- アガパンサスの育て方
- アガパンサスの品種
- アガパンサスではない?
- まとめ
1. アガパンサスってどんな花?
アガパンサスは、公園や畑の隅などに群生している姿を見かけることも多い花です。
花としては、数少ない青系で水色に近い色もあるため、自然の中で咲いていると目に入ることが多く“何の花だろう?”と思われている方も多いのでないでしょうか?そんな方のためにまずは、アガパンサスの花についての基本からご紹介します。
1-1. 原産・名称
南アフリカが原産の、ヒガンバナ科アガパンサス属の花です。
そう言われてみると、ヒガンバナの花のつき方に似ている気もします。
花びらの形がユリに似ていることから以前の旧分類ではユリ科とされていました(まだ諸説あるようです)。
和名は「紫君子蘭(むらさきくんしらん)」、英名は「アフリカンリリー」や「アフリカンブルーリリー」と言います。
日本には明治時代に入ってきたようです。
1-2. 性質
とても丈夫な性質を持っています。
地下茎を伸ばしその茎をどんどん太くして株のようにしていきます。
乾燥に強く、半日蔭でも育ちますし、耐寒性もある程度あります。
毎年花が咲く多年草で、冬でも葉を枯らさない常緑種と、枯らせて休眠する落葉種とがあります。
日本では寒冷地でなければ、植えっぱなしでも毎年花を咲かせてくれることも少なくない様です。
1-3. 花期など
花期は梅雨時が中心で、夏の花です。
スーッと伸びた長い茎の先に小さいユリ状の花が放射状に丸く咲く様は、まるで花で出来たマリか大玉の花火のようです。
また、色が見た目にも涼やかなブルー系なので梅雨の鬱陶しさや夏の暑さも吹き飛ばしてくれそうな姿です。
2. アガパンサスの花言葉は?
花言葉は、見た目の感じからつけられる場合と、そのものの持つ性質からつけられる場合、また、名前の由来などからのイメージからつけられる場合などがありますが、アガパンサスはどちらでしょうか?花言葉をいくつかご紹介します。
2-1. 「恋の訪れ」
アガパンサスの花名の由来から、ヨーロッパでは“愛の花”と言われることから、愛にまつわる言葉が多いのが特徴です。
また地下茎で、茎はすくすくと伸びその先で花がぱっと開花するイメージから“訪れ”と連想したのでしょう。
2-2. 「ラブレター」
愛の花ですので、告白の際や愛する人に贈られることが多いために、この言葉が付けられたのではと思われます。
好きな人にプレゼントし、告白するには最適な花ではないでしょうか?
3. アガパンサスの色別の花言葉
花言葉は花によっては、その色によって違う意味を持つものもあります。
見た目の印象から付けられた場合にはそうなるケースが多い傾向があります。
アガパンサスのものをご紹介します。
3-1. 青紫-「知的な装い」
薄紫色のアガパンサスの個別の花言葉です。
茎は長くスマートな印象ですし、花はぱっと華やかですが、薄紫の色がクールに見え美人がスッと立っているような、知的な印象となることからの連想だと思われます。
3-2. 白-「誠実な愛」
こちらもやはり、愛の花ゆえの言葉ですね。
紫や青に比べて清楚な色からのイメージで付けられました。
ジューンブライドの季節に咲くことから、花嫁のブーケに使われることもあるようです。
丸い形が縁起が良さそうですし、花言葉からもピッタリですね。
4. アガパンサスの名前の由来
学名は「Agapanthus(アガパンサス)」。
これはギリシア語が語源で「agapeアガペー(愛)」と「anthosアントス(花)」が合わさって出来た花名です。
これがもととなり、ヨーロッパでは愛の花として定着したのだと思われます。
但し、本来の意味合いからいうと、恋愛関係の“情熱的な愛”には、「エロス」を使うことが多く「アガペー」の方は“家族的な愛”であるとか“無償の愛”、一歩進んで神の全人類的な愛として使うことが多いのだそうです。
英名の「アフリカン(ブルー)リリー」は、“アフリカの青いユリ”ですから見た目そのままを名付けたのですね。
また和名の「紫君子蘭(むらさきくんしらん)」は、まず花の色から紫を、そしてアガパンサスの花の一つ一つが君子蘭の花の形に似ていることから付けられたようです。
5. アガパンサスにまつわる神話
アガパンサスの誕生に関してはギリシア神話があります。
主神であり全知全能の神ゼウスと妻の女神ヘラのお話です。
ヘラにはイリスという侍女がいました。
ヘラはもちろんゼウスもこの侍女を可愛がっていたのですが、ゼウスの方はいつしか恋愛感情を抱いてしまいました。
求愛されたイリスは困ってしまい、とうとうヘラに助けを求めます。
どこか遠くへ行きたいというイリスの願いに、ヘラは神の酒をイリスにふりかけました。
結果イリスは虹の神となり空へ。
その時にイリスにかかった酒のしずくが地表に落ちて、その場所に咲いた花がアガパンサスです。
この話には、イリスという侍女の名前から「アイリス」の花だという説もあります。
アガパンサスもアイリスも、紫系で茎がすっとしており、その先に花をつけます。
その様子はスタイルの良い女性を連想させるという意味では同じですね。
6. アガパンサスと風水
風水では運気のアップに植物を使うことも出来ます。
ここでは庭と花の色による風水をご紹介します。
風水ではブルーの花色は仕事運に良いとされています。
そして仕事運に関わる月の一つに7月があります。
アガパンサスの花期とちょうど一致しますので、家の東側に当たる場所にブルー系のものを植えてみて下さい。
花が咲いた時、仕事運のアップが見込めます。
7. アガパンサスの開花時期
アガパンサスの花時は梅雨時がメインです。
よって6月くらいから咲き始め夏中咲いています。
アジサイと言い、じめじめした蒸し暑い時期に涼しげな花姿が見られるようになっているのですから、自然の不思議を感じますね。
また種類によっては、春と秋に2回咲くものや、晩秋まで花を咲かせるものもあります。
8. アガパンサスの育て方
アガパンサスはとても丈夫な花です。
どんなところでも、どんな環境でも育つと言っても過言ではないくらいです。
寒さ暑さにも強く、病害虫もほとんど付きません。
非常に育てやすい花となっています。
株もどんどん大きくなり、根もまっすぐしっかりと伸びますのでどちらかと言えば、鉢植えよりも直植えが向いている花かもしれません。
但し、まだ株が小さかったり葉が少なかったりする場合には花がつかないこともあります。
育てる際には気長に待つことが必要な場合も。
そして、綺麗な花をたくさん咲かせるためには、手入れが必要です。
群生させると見事な眺めですので少しは手もかけましょう。
そのためのポイントをご紹介します。
8-1. 植え方・時期
園芸店やホームセンターで球根(根茎)を販売しています。
植えるのは秋(9月~10月)にして下さい。
また育っているものから株分けしてもらうことも可能です。
鉢植えであれば、根が下に伸びるので、なるべく背の高い鉢にし、球根は土に球根2個分が入るくらいの深さに植えます。
市販の草花用の土を使うと良いでしょう。
また直植えにする場合は、球根の頭がのぞくくらいの深さにします。
苗を買ってきて植える際も、難しいことは無くポットから外した苗を植えれば大丈夫です。
8-2. 日当たりと水はけ
日当たりを好みますが、半日蔭でも育ちます。
夏の強い直射日光では葉焼けを起こしますので注意が必要です。
また、水はけの良いところを好みます。
乾燥には強いのですが過湿は嫌いますので、気を付けましょう。
鉢植えであれば、土が乾いていると思ってからの水やりで大丈夫です。
直植えであれば、植えた直後の水やりのみで大丈夫な場合も多く、雨の少ない年で、地面がカラカラになってしまったような場合にあげれば大丈夫です。
水分過多にすると根腐れを起こし、花が付かなくなる場合もありますので注意して下さい。
8-3. 肥料
肥料は必要無いくらいですが、あげるのであれば、春になったら(4月ごろ)に化成有機混合肥料などを。
花の後に固形油粕などを軽く施す程度にして下さい。
あげすぎは禁物です。
8-4. 花後、越冬について
花の咲いた後は、茎を切っておくのが良いとされています。
その後はそのまま放っておいても翌年には花が咲くことが多いです。
常緑種であれば葉はそのままで、落葉種は一旦葉を落とします。
関東地方までくらいであれば、真冬に霜が当たって枯れてしまっても、春になれば緑が立ち上がってきます。
8-5. 株分け
株が大きくなりやすいので、株分けして増やすのが一般的です。
また鉢植えでは何年かで鉢を壊す勢いになるので、その前に株分けした方が好ましいでしょう。
株分けは手で分けられれば手で割る形で十分です。
刃物を使う場合には、刃物を消毒してからの方が安全です。
分けたら移して植えるだけで大丈夫です。
一つだけ、分けるときに株をあまり小さくしないことを注意して下さい。
あまり小さくしてしまうと、その株には花がつかないことがあります。
8-6. その他の増やし方
実は、アガパンサスは種も取ることが出来ます。
花が咲き終わったあと、何もせずにいれば普通の植物のように種を付けます。
その種を蒔けば種から育てることも可能です。
但しこの方法の場合、茎根が十分に力を蓄えられるまで花は咲かないので、開花まで4~5年かかると言われています。
時間はかかりますが、花が咲いたら喜びもひとしおかもしれませんね。
8-7. 害虫、病気について
ここでもアガパンサスの強さは発揮され、害虫がつくことも病気にかかることも、ほとんどない花です。
ごくたまにアブラムシなどの害虫がつくことがあるようですが、その際には殺虫剤で殺虫して下さい。
9. アガパンサスの品種
アガパンサスの花色は、紫・薄紫・青紫・青などのブルー系と白、ピンクがあります。
ほとんどはブルー系です。
また、花丈は30センチくらいの小ぶりのものから1メートルを超えるものもあります。
その他、花の直径の大きさ(マリような花形になるので)も種類があります。
どこに植えるのかによって選んで下さい。
栽培種として販売されている中からいくつかご紹介します。
9-1. ブルーヘブン
その名の通り青い花色です、特徴は初夏と秋に2度咲く品種だということ(二季咲き種)。
しかも、夏には淡いブルー秋には深いブルーと、とにかく花色が楽しめますので青が欲しい方には特におすすめです。
冬近くまで咲くこともあり、草丈は60センチほどになります。
9-2. ホワイトヘブン
花色は白で特徴は何といっても極大輪の花で、花が付いた直径は約25センチにまでなる品種です。
また花の数が多く密集して咲くので、白いのにとても華やかになります。
切り花にしても迫力があります。
草丈は60~70センチほどです。
9-3. リリープット
花色は濃いブルーです。
小さめの作りですが花つきは良く、可愛らしい花姿になります。
丈夫な種で放置にも強く、草丈も小さめなのでコンテナや鉢にも向いています。
落葉種ですがそれ以外の季節のグラウンドカバーにもなります。
9-4. ゴールデンドロップ
花色は薄紫です。
小さい種で葉に黄色が入っているので春夏秋とグラウンドカバーにも綺麗です。
可憐な感じで可愛らしい花になります。
鉢植えにもぴったりです。
9-5. シルバーベイビー
花色は白中心ですが、うっすらと縁に青みが入る場合が多く(特に寒冷地では青みが強い)バイカラーのようにも見える綺麗な品種です、花形はユリに近い釣り鐘状です。
草丈が40センチほどなので、グランドカバーや鉢植えにも適しています。
9-6スターゲイザー
一番の特徴は花びらにあります。
淡いブルーの花弁の内側に濃いブルーのラインが入るという珍しいものです。
その上花つきが良く、花の直径も小さいので密な花姿が、花弁の色と相まってとても美しくなります。
40センチほどの丈ですので、鉢植えも大丈夫です。
9-7. ツイスター
一番の特徴は花の色合いです。
花びらの元から先に向けて青から白へのグラデーションになっているバイカラーです。
花のつきも良く、花の一つ一つがユリのような形なのでとても美しく見とれるような花姿です。
草丈は70~80になる常緑タイプです。
9-8. チェリーミルク
これは前述のツイスターのピンクバージョンと言ったら良いでしょうか。
白い花びらに薄紅色の挿し色が入る、ピンクのバイカラータイプです。
ツイスターと同じ美しさですがピンクな分可愛らしさも感じます。
並べてみたら見事な眺めになりそうですね。
9-9. ガーデンクイーン
これも花の色が変わっているタイプです。
つぼみのうちはピンクグレー、咲くと純白になり咲き終わりにはピンクになります。
その変化を見ているだけで楽しいですね。
花つきもよく直径は15センチほど。
草丈は70センチ程度です。
9-10. フローラプレノ(八重咲き)
これはまた珍しいもので、八重咲きなのですが“袋咲き”という品種です。
色はアガパンサスらしい青紫で花のつき方も放射状で同じなのですが、蕾のまま?というような咲き方なのです。
膨らんだ蕾の先がちょこっとはじけて開いたような感じで、ユリのように花が開いた状態にはなりません。
その時の状況によっては、先も開かずに袋のままかと思うものもあるようです。
八重の花弁がもったいないような気がしてしまいますね。
草丈は60~80センチほどになります。
10. アガパンサスではない?
アガパンサスと名の付く花には、名前がそう付けられているだけで種が違う花もあります。
最も、アガパンサス自身が君子蘭とは全く違うのに「紫君子蘭」という名前で呼ばれているのですから、同じことですね。
その花の名前は「ヒメアガパンサス」。
やはりアガパンサスに花の形が似ていることから名づけられました。
本当の名前は「トリテレイア(ブローディア)」といい、アガパンサスを小さくしたような花の形をしています。
色も同じような色でユリ科の多年草です。
まとめ
アガパンサスについて、いろいろとご紹介しましたがいかがでしたでしょうか?アガパンサスの魅力はやはり色と立ち姿。
切り花でも迫力がありますし、花言葉的にもプレゼントにも最適です。
また植えて眺めるにしても、何しろお世話が簡単で初心者向き。
放っておいても花をつけてくれることが多い、ガーデニングにはありがたい花です。
華やかな色のお花にはちょっと飽きた時、夏だから涼しげな花が見たいという時にはベストマッチな花です。
花が無くても、葉のグリーンにも品種によって表情があり、目を和ませてくれそうです。
次の秋には是非、ガーデニングのラインナップに加えてみて下さい。
「アガパンサス」と聞くと馴染みがない方が多いでしょうか?日本名の「紫君子蘭(むらさきくんしらん)」でもまだ聞いたことが無い方が多いと思います。
でも、姿を見たら“あぁ、この花のことなのね”と思われるのではないでしょうか?公園などに群生していることもあります。
薄い青紫色の小さい花が放射状に咲き、まるで大玉の花火のように見える花です。
そんなアガパンサスについて、花言葉や花名の由来、育て方、品種などをご紹介します。
1. アガパンサスってどんな花?
アガパンサスは、公園や畑の隅などに群生している姿を見かけることも多い花です。
花としては、数少ない青系で水色に近い色もあるため、自然の中で咲いていると目に入ることが多く“何の花だろう?”と思われている方も多いのでないでしょうか?そんな方のためにまずは、アガパンサスの花についての基本からご紹介します。
1-1. 原産・名称
南アフリカが原産の、ヒガンバナ科アガパンサス属の花です。
そう言われてみると、ヒガンバナの花のつき方に似ている気もします。
花びらの形がユリに似ていることから以前の旧分類ではユリ科とされていました(まだ諸説あるようです)。
和名は「紫君子蘭(むらさきくんしらん)」、英名は「アフリカンリリー」や「アフリカンブルーリリー」と言います。
日本には明治時代に入ってきたようです。
1-2. 性質
とても丈夫な性質を持っています。
地下茎を伸ばしその茎をどんどん太くして株のようにしていきます。
乾燥に強く、半日蔭でも育ちますし、耐寒性もある程度あります。
毎年花が咲く多年草で、冬でも葉を枯らさない常緑種と、枯らせて休眠する落葉種とがあります。
日本では寒冷地でなければ、植えっぱなしでも毎年花を咲かせてくれることも少なくない様です。
1-3. 花期など
花期は梅雨時が中心で、夏の花です。
スーッと伸びた長い茎の先に小さいユリ状の花が放射状に丸く咲く様は、まるで花で出来たマリか大玉の花火のようです。
また、色が見た目にも涼やかなブルー系なので梅雨の鬱陶しさや夏の暑さも吹き飛ばしてくれそうな姿です。
2. アガパンサスの花言葉は?
花言葉は、見た目の感じからつけられる場合と、そのものの持つ性質からつけられる場合、また、名前の由来などからのイメージからつけられる場合などがありますが、アガパンサスはどちらでしょうか?花言葉をいくつかご紹介します。
2-1. 「恋の訪れ」
アガパンサスの花名の由来から、ヨーロッパでは“愛の花”と言われることから、愛にまつわる言葉が多いのが特徴です。
また地下茎で、茎はすくすくと伸びその先で花がぱっと開花するイメージから“訪れ”と連想したのでしょう。
2-2. 「ラブレター」
愛の花ですので、告白の際や愛する人に贈られることが多いために、この言葉が付けられたのではと思われます。
好きな人にプレゼントし、告白するには最適な花ではないでしょうか?
スポンサーリンク