レンゲソウという花・植物の特徴と名前の由来を詳しく説明しながら、「レンゲソウの花言葉の意味」について紹介していきます。
レンゲソウの花に関する興味深い情報やエピソードも紹介します。
レンゲソウの花には主に「紅紫色・紫色・白色・赤色」の花色があり、花色によって花言葉も変化してきます。
このレンゲソウにはどのような花言葉や花(植物)の特徴があるのでしょうか。
- レンゲソウとはどんな花・植物なのか?
- レンゲソウの花言葉
- レンゲソウの花の色別の花言葉
- レンゲソウ(蓮華草)の名前の由来
- レンゲソウの開花時期
- レンゲソウの育て方のポイントや注意点
- レンゲソウと同じ「マメ科植物」の種類(原種・品種など)
- まとめ
1. レンゲソウとはどんな花・植物なのか?
レンゲソウの花や植物としての特徴について解説していきます。
1-1. レンゲソウはマメ科ゲンゲ属の多年草・二年草:田畑の肥料として栽培されていた
レンゲソウ(学名:Astragalus sinicus)は、中国を原産地とするマメ科・ゲンゲ属の二年草であり、秋に種まきをすると翌年の春に紫色(赤紫色)や白色の花を咲かせる特徴があります。
レンゲソウはハチミツ採取のための「ハチミツ(蜂蜜)」を作ってくれる蜜源植物としても活用されており、レンゲソウの花が咲いているとミツバチが集まってきやすくなります。
レンゲソウは柔らかな草で草丈は約10~30cmですが、気候が温暖な地域では水平方向にも匍匐状態で約60~150cmまで茎が伸びていくこともあります。
春に咲くレンゲソウの花は、茎の先端に輪のような状態(輪生状)にまとまって咲きます。
レンゲソウ花色は基本的に「紅紫色・紫色」ですが、希に「白色」のレンゲソウもあります。
レンゲソウの根には窒素を取り込む根粒菌(バクテリア)が常在しており、田畑にレンゲソウの種を撒いておいて漉き込むと「緑肥(りょくひ)」として利用できます。
茎・花には肥料の窒素成分、花・実にはリン酸、根・球根にはカリが含まれているからです。
春に田んぼを紅紫の花で埋め尽くすレンゲソウは、昭和の時代までは農村地帯の原風景に近く、「春の風物詩」として人々の目を楽しませていました。
1-2. レンゲソウの別名と生薬として用いられた歴史
レンゲソウの和名としての別名には、「翹揺草(ゲンゲソウ)・紫雲英(ゲンゲ)・蓮華(レンゲ)」があります。
蓮華(レンゲ)という別名は、蝶形の花が輪になって咲く姿がハス(蓮)の花に似ていることからつけられたものです。
翹揺草(ゲンゲソウ)や紫雲英(ゲンゲ)というのは聞きなれない言葉ですが、レンゲソウの花が草原や田畑の一面に咲いている光景を遠くから見ると、「紫色の雲」が低空に漂っているようにも見えるということに由来しています。
17世紀に中国から日本に輸入されたレンゲソウは、江戸期まで花・根を煎じることで「利尿作用・解熱作用(解熱鎮痛剤の作用」を期待できる生薬としても利用されていました。
このレンゲソウの漢方薬的な生薬としての薬効が、レンゲソウの癒しの花言葉である「あなたと一緒なら苦痛が和らぐ・心が和らぐ」につながったとも伝えられています。
レンゲソウは食用にもなり、「花」は天ぷらに「若芽」はおひたしにして食べることができます。
1-3. レンゲソウに関するギリシア神話のエピソード
古代ギリシア神話では、ある姉妹が祭壇に捧げる花を探すために野原に出かけて、水辺に咲く綺麗な紫色のレンゲソウを見つけました。
姉がレンゲソウの花を摘むと、折った茎からドボドボと血液が流れ出てきました。
その花は、ストーカーのような嫌な男から逃げていたニュンペー(精霊・下級の女神)が姿を変えていたもので、姉が摘み取ったために死んでしまったのです。
ニュンペーとは知らずにレンゲソウを摘んでしまった姉の足は、いつの間にか植物に変わって、地面に根が張ってしまいました。
姉は「花はみな女神が姿を変えたもの。
もう花は摘まないで」と妹に言い残して、自分自身もレンゲソウに変わってしまったのです。
綺麗な野草を摘んで持って帰らないでという自然保護の警告めいた神話のエピソードになっています。
江戸時代の俳人である滝野瓢水(たきのひょうすい)が詠んだ「手に取るな やはり野に置け 蓮華草」という俳句にも、レンゲソウは摘み取らずに野原に置いたままにしておくのが一番良いというメッセージが込められています。
2. レンゲソウの花言葉
レンゲソウには、以下のような花言葉があります。
2-1. あなたと一緒なら苦痛が和らぐ・心が和らぐ
レンゲソウの「生薬としての苦痛緩和(解熱作用)の効果」に由来するともいわれる花言葉は、「あなたと一緒なら苦痛が和らぐ・心が和らぐ」です。
人間は自分のことを何でも理解してくれる愛する人、大切な人と一緒にいることで、「苦痛・絶望・悲哀」を劇的に癒してもらうことができます。
レンゲソウの花言葉である「あなたと一緒なら苦痛が和らぐ・心が和らぐ」という感謝のメッセージを伝えたい「最愛のパートナー」があなたにいるのであれば、迷うことなくこのレンゲソウの花をプレゼントしましょう。
今、そういった配偶者や両思いの恋人がいない人でも、普段からお世話になっている人、悲しくてつらい時に支えてくれた親友などに、「ありがとうの気持ち」を込めてレンゲソウを贈るのも良いでしょう。
2-2. あなたは幸福です・私は幸福です
レンゲソウの花言葉は「あなたは幸福です・私は幸福です」になります。
レンゲソウの持つもっともポジティブな花言葉は、「あなたは幸福です・私は幸福です」というものです。
レンゲソウは、人生を前向きに生きていくためにもっとも重要な「他者肯定+自己肯定」の花言葉をあなたに送り届けてくれているのです。
長い人生を生きていく途中では、苦しいことやつらいこと、悲しい出来事がたくさんありますが、そんな時にはレンゲソウの可憐でたくましい紫色の花を見つめて、「あなたは幸福なのですよ」というパワフルな応援メッセージを受け取ってみて下さい。
もちろん、人生が楽しくて仕方ない幸福でいっぱいの人に、レンゲソウをプレゼントするのも良いでしょう。
2-3. 感化
レンゲソウの花言葉は、他者の価値観や主張、感情・気分などに自分も一緒になって影響を受けてしまうという「感化」になります。
感化には「良い影響を受ける感化」と「悪い影響を受ける感化」の二つを想定することができますが、レンゲソウの花言葉の感化はもちろん、「相手から良い影響を受ける感化=意欲・元気・自己肯定感が高まる感化」のことを意味しています。
つらい時には自分をいつも励ましてくれたり、一緒にいるだけでやる気が出てきたりする家族・恋人・友人知人に、「ポジティブな感化」を意味するレンゲソウを贈ってみて下さい。
2-4. レンゲソウの英語の花言葉
レンゲソウの英語の花言葉は、「your presence softens my pains(あなたと一緒なら苦痛がやわらぐ)」になっています。
3. レンゲソウの花の色別の花言葉
レンゲソウの花には「紫色・白色・赤色・紅紫色・ピンク色」の花色がありますが、花色によって花言葉とその意味が変わってきます。
この項目では、レンゲソウの典型的な花色である「紅紫色(紫色)・白色」の花言葉をご紹介します。
3-1. 紅紫色(紫色)のレンゲソウの花の花言葉:あなたと一緒なら苦痛が和らぐ・心が和らぐ・私は幸福です
もっともベーシックな紅紫色(紫色)のレンゲソウの花言葉は、「あなたと一緒なら苦痛が和らぐ・心が和らぐ・私は幸福です・感化」など上で紹介したすべての花言葉を含みます。
しかし、紅紫色のレンゲソウで特に強調される花言葉は「あなたと一緒なら苦痛が和らぐ・心が和らぐ」という自分の側にいてくれるパートナーが持つ「苦痛緩和のリラックス効果」についてでしょう。
あなたが側にいてくれるから、自分は苦痛や悲しみにも耐えて今日も頑張れている、そんな感謝の気持ちを込めて、紅紫色(紫色)のレンゲソウの花を大切なパートナーに贈ってみましょう。
3-2. 白色のレンゲソウの花の花言葉:感化・あなたは幸福です
白色のレンゲソウの花が特に強調している花言葉は、「感化・あなたは幸福です」になります。
あなたは周囲にいてくれる恋人・配偶者・親友などから、「ポジティブな方向性に向かう感化・影響」を強く受けているという良い意味合いがあります。
白色の清楚・純粋なイメージのあるレンゲソウの花が、「あなたは幸福です」という心がまったりと和むようなメッセージも送り届けてくれているようです。
周囲の親密な仲間たちとお互いにプラスの感化をし合いながら、毎日を幸福に生きていきましょう。
4. レンゲソウ(蓮華草)の名前の由来
レンゲソウ(蓮華草)の名前の由来は、輪のような形状で咲く花の姿が「蓮(ハス)の花」に似ているということから「蓮華草」と名付けられました。
レンゲソウの正式な和名は「紫雲英(ゲンゲ)」ですが、紫雲英(ゲンゲ)とはレンゲソウの花が一面に咲き渡っている風景を遠くから眺めると、低く棚引いている「紫雲」のようにも見えるということに由来しています。
英名の「Chinese milk vetch(中国のミルクのスズメノエンドウ)」という奇妙な名前は、このレンゲソウの草を家畜の羊が食べると乳の量が増えるくらいに栄養たっぷりという意味が起源になっています。
5. レンゲソウの開花時期
レンゲソウの開花時期は「4月~6月(最盛期は5月)」で、春に生命力に溢れた紅紫色・白色の可憐な輪生状の花をたくさん咲かせます。
かつては、レンゲソウは日本全国の農村や原っぱ、河原、公園などでよく見ることができた花でしたが、近年は自生するレンゲソウの数は減ってきています。
特に、化学肥料が主流になるまで「緑肥」として大量にレンゲソウが田畑に植えられていた農村部では、田畑いっぱいに紫雲のように咲き乱れているレンゲソウ畑は「春の風物詩・日本の原風景」とされてきました。
花持ち期間は「3~5日程度」になります。
レンゲソウが誕生花の人は、「3月3日、3月22日、4月8日、8月31日」になります。
6. レンゲソウの育て方のポイントや注意点
レンゲソウの育て方のポイントや注意点について説明していきます。
6-1. レンゲソウの育成に適した気候条件・種まきの時期のポイント
レンゲソウは日当たりが良くて一定の温度があり、風通しの良い場所を好みます。
レンゲソウは水分を多く必要とするので、適度に水持ちのする土壌を選びましょう。
レンゲソウは秋に種まきをして春の開花を待つ花ですが、大体、9~10月頃に種をまいて、冬を越してから春に開花することになります。
3~4月の春に種まきをしても発芽はしますが、花を咲かせるためには「5度以下の気温・環境で最低2週間を過ごさなければいけない」という条件があるので、春に種まきをしてもレンゲソウが開花することはまずありません。
6-2. レンゲソウに適した土・水やりの方法と注意点
レンゲソウは酸性土が苦手なので、植えつける前に土壌を中性・アルカリ性に傾けるため、「苦土石灰」を撒いてから暫く置いておきましょう。
レンゲソウは水を吸収する力が強い植物なので「極端に水はけが良すぎる土」は苦手であり、ある程度、水持ちのする土を選びましょう。
ただし土壌の栄養成分などの影響は弱いので、市販されている花用・野菜用の土であれば問題ありません。
レンゲソウは一度、土中に根を張った後には移植することが出来ないので、植える場所をきちんと選んでから栽培を始めましょう レンゲソウは乾燥に弱い植物で、根がよく張って水分吸収量が多い植物です。
水やりをすると水分をよく吸い上げるので、水が切れないようにこまめかつやや多めに水を上げましょう。
水やりのし過ぎで、常に土が濡れている状態も好ましくなく、生育不良や根腐れのリスクになるので注意しましょう。
6-3. レンゲソウの肥料のやり方の方法と注意点
レンゲソウをはじめとする「マメ科植物」には空気中の窒素を取り込んで栄養にする性質が備わっているため、特に肥料を加えなくても順調に生長します。
ただし、肥料を与えてはいけないわけではなく、緩効性化成肥料や薄めた液体肥料を与えたほうが成育は良くなります。
昭和期には水田の肥料にするために周囲にレンゲソウを大量に植えることも多かったのですが、今は化学肥料が主流なので、肥料目的でレンゲソウ栽培をする農家は大きく減少しています。
レンゲソウは花のシーズンが終わった後に、そのまま水田・畑に漉いて混ぜ込むだけで良質な肥料になるのです。
レンゲソウの根には「根粒菌」が常在していて、この根粒菌が土壌の微生物に対して肥料的な役割を果たすのです。
6-4. レンゲソウの病害虫に対する注意点
レンゲソウで気をつけるべき病害虫は、葉・茎に付着して養分を吸い取る「アブラムシ」になります。
アブラムシ専用の殺虫剤で駆除するのが一番効果的ですが、木酢液を薄めた水にも一定のアブラムシ駆除効果があります。
発生初期であればブラシで擦って落としたり、セロハンテープにくっつけて取り除いたりしても良いでしょう。
7. レンゲソウと同じ「マメ科植物」の種類(原種・品種など)
レンゲソウはマメ科ゲンゲ属の植物で、春先に可愛らしい紅紫色(紫色)や白色の可愛らしい花を咲かせますが、レンゲソウは基本的に自生や緑肥利用のための野生種であるため、レンゲソウそのものの観賞目的の品種改良が行われているわけではありません。
この項目では、レンゲソウと同じ「マメ科植物」に分類されている花の種類・品種について紹介します。
レンゲソウと同じ「ゲンゲ属(Astragalus)」に属する植物として、「ムラサキモメンヅル」を紹介しています。
7-1. ムラサキモメンヅル
ムラサキモメンヅル(紫木綿蔓)は学名を「Astragalus adsurgens」といい、レンゲソウと同じ「マメ科ゲンゲ属」に分類されている珍しい匍匐性の多年草の種になります。
富士山周辺の高山地帯には比較的多く自生していると言われますが、山梨県で絶滅危惧IB類(EN)に指定されていて、基本的に個体数が少ない貴重な植物で紫色の美しい可憐な花を咲かせます。
学名の「adsurgens」には、段階的に少しずつ立ち上がるという面白い意味があり、花色が「紫色」で根の部分が「木綿質」であることから「ムラサキモメンヅル」という和名がつけられました。
ムラサキモメンヅルの花言葉は「深層心理」であり、自分自身にも気づくことができない深層心理を反映しているような神秘的な雰囲気があります。
7-2. スイートピー
春にカラフルな花を咲かせるスイートピー(学名:Lathyrus odoratus)は、中高年の方には松田聖子の人気曲「赤いスイートピー」でお馴染みの花ですが、実際のスイートピーに多い花色は「白色・オレンジ色・ピンク色・紫色」などになります。
スイートピーの原産地はイタリアシチリア島ですが、英国で品種改良を施され、日本には明治時代に輸入されてきました。
甘酸っぱい香りのする、大きな蝶形の花を咲かせるスイートピーも「マメ科レンリソウ属」の花です。
和名として花の香りの強さを意味する「香豌豆(カオリエンドウ)・麝香連理草(ジャコウレンリソウ)・麝香豌豆(ジャコウエンドウ)」などがあります。
スイートピーの花言葉は「デリケート・ほのかな喜び」になります。
7-3. フジ
フジ(学名:Wisteria floribunda、富士)も、「マメ科フジ属」に分類される日本ではとても馴染みの深いつる性の落葉木です。
藤色の語源ともなった「薄い紫色の小さな花」を春(4~6月)に大量に咲かせます。
植物学者・牧野富太郎の命名では、つるが右巻きの藤の和名は「フジ、ノダフジ」、左巻きは「ヤマフジ、ノフジ」と異なる種とされています。
フジの花言葉は「恋に酔う・決して離れない」で、恋愛の強い情念を表すものになっており、熱愛中の恋人・愛する人に贈る(見せてあげる)のに良い花です。
7-4. ノボリフジ
観賞用の華やかなノボリフジ(学名:Lupinus polyphyllus)も「マメ科ルピナス属」に分類される北アメリカ原産の花で、「白色・黄色・オレンジ色・ピンク色・赤色・紫色」の鮮やかな花を咲かせて楽しませてくれます。
ノボリフジの属名の「Lupinus」はラテン語の「lupus(オオカミ)」に由来しており、どんな土地・土壌でも生育しやすいタフな性質から命名されたといいます。
ノボリフジの花言葉は「光が踊る」というとても煌びやかで、「ポジティブな希望・光」に満ちたものになっています。
まとめ
レンゲソウはマメ科ゲンゲ属(Astragalus)の植物で、秋に種まきをして春先に紅紫色(紫色)の美しい花を大量に咲かせてくれます。
かつては緑肥として田畑で栽培されていたため、日本の田園風景における「春の風物詩」として人々に親しまれていました。
レンゲソウの花には「紅紫色(紫色)・白色」の花色の花があり、花の色によって花言葉のニュアンスが若干変わります。
レンゲソウの一般的な花言葉は、「あなたと一緒なら苦痛がやわらぐ」「心がやわらぐ」「感化」「あなたは幸福です・私は幸福です」などになります。
レンゲソウの花言葉や植物・花の特徴、種類について知りたい方は、この記事を参考にしてみて下さい。
レンゲソウという花・植物の特徴と名前の由来を詳しく説明しながら、「レンゲソウの花言葉の意味」について紹介していきます。
レンゲソウの花に関する興味深い情報やエピソードも紹介します。
レンゲソウの花には主に「紅紫色・紫色・白色・赤色」の花色があり、花色によって花言葉も変化してきます。
このレンゲソウにはどのような花言葉や花(植物)の特徴があるのでしょうか。
1. レンゲソウとはどんな花・植物なのか?
レンゲソウの花や植物としての特徴について解説していきます。
1-1. レンゲソウはマメ科ゲンゲ属の多年草・二年草:田畑の肥料として栽培されていた
レンゲソウ(学名:Astragalus sinicus)は、中国を原産地とするマメ科・ゲンゲ属の二年草であり、秋に種まきをすると翌年の春に紫色(赤紫色)や白色の花を咲かせる特徴があります。
レンゲソウはハチミツ採取のための「ハチミツ(蜂蜜)」を作ってくれる蜜源植物としても活用されており、レンゲソウの花が咲いているとミツバチが集まってきやすくなります。
レンゲソウは柔らかな草で草丈は約10~30cmですが、気候が温暖な地域では水平方向にも匍匐状態で約60~150cmまで茎が伸びていくこともあります。
春に咲くレンゲソウの花は、茎の先端に輪のような状態(輪生状)にまとまって咲きます。
レンゲソウ花色は基本的に「紅紫色・紫色」ですが、希に「白色」のレンゲソウもあります。
レンゲソウの根には窒素を取り込む根粒菌(バクテリア)が常在しており、田畑にレンゲソウの種を撒いておいて漉き込むと「緑肥(りょくひ)」として利用できます。
茎・花には肥料の窒素成分、花・実にはリン酸、根・球根にはカリが含まれているからです。
春に田んぼを紅紫の花で埋め尽くすレンゲソウは、昭和の時代までは農村地帯の原風景に近く、「春の風物詩」として人々の目を楽しませていました。
1-2. レンゲソウの別名と生薬として用いられた歴史
レンゲソウの和名としての別名には、「翹揺草(ゲンゲソウ)・紫雲英(ゲンゲ)・蓮華(レンゲ)」があります。
蓮華(レンゲ)という別名は、蝶形の花が輪になって咲く姿がハス(蓮)の花に似ていることからつけられたものです。
翹揺草(ゲンゲソウ)や紫雲英(ゲンゲ)というのは聞きなれない言葉ですが、レンゲソウの花が草原や田畑の一面に咲いている光景を遠くから見ると、「紫色の雲」が低空に漂っているようにも見えるということに由来しています。
17世紀に中国から日本に輸入されたレンゲソウは、江戸期まで花・根を煎じることで「利尿作用・解熱作用(解熱鎮痛剤の作用」を期待できる生薬としても利用されていました。
このレンゲソウの漢方薬的な生薬としての薬効が、レンゲソウの癒しの花言葉である「あなたと一緒なら苦痛が和らぐ・心が和らぐ」につながったとも伝えられています。
レンゲソウは食用にもなり、「花」は天ぷらに「若芽」はおひたしにして食べることができます。
1-3. レンゲソウに関するギリシア神話のエピソード
古代ギリシア神話では、ある姉妹が祭壇に捧げる花を探すために野原に出かけて、水辺に咲く綺麗な紫色のレンゲソウを見つけました。
姉がレンゲソウの花を摘むと、折った茎からドボドボと血液が流れ出てきました。
その花は、ストーカーのような嫌な男から逃げていたニュンペー(精霊・下級の女神)が姿を変えていたもので、姉が摘み取ったために死んでしまったのです。
ニュンペーとは知らずにレンゲソウを摘んでしまった姉の足は、いつの間にか植物に変わって、地面に根が張ってしまいました。
姉は「花はみな女神が姿を変えたもの。
もう花は摘まないで」と妹に言い残して、自分自身もレンゲソウに変わってしまったのです。
綺麗な野草を摘んで持って帰らないでという自然保護の警告めいた神話のエピソードになっています。
江戸時代の俳人である滝野瓢水(たきのひょうすい)が詠んだ「手に取るな やはり野に置け 蓮華草」という俳句にも、レンゲソウは摘み取らずに野原に置いたままにしておくのが一番良いというメッセージが込められています。
2. レンゲソウの花言葉
レンゲソウには、以下のような花言葉があります。
2-1. あなたと一緒なら苦痛が和らぐ・心が和らぐ
レンゲソウの「生薬としての苦痛緩和(解熱作用)の効果」に由来するともいわれる花言葉は、「あなたと一緒なら苦痛が和らぐ・心が和らぐ」です。
人間は自分のことを何でも理解してくれる愛する人、大切な人と一緒にいることで、「苦痛・絶望・悲哀」を劇的に癒してもらうことができます。
レンゲソウの花言葉である「あなたと一緒なら苦痛が和らぐ・心が和らぐ」という感謝のメッセージを伝えたい「最愛のパートナー」があなたにいるのであれば、迷うことなくこのレンゲソウの花をプレゼントしましょう。
今、そういった配偶者や両思いの恋人がいない人でも、普段からお世話になっている人、悲しくてつらい時に支えてくれた親友などに、「ありがとうの気持ち」を込めてレンゲソウを贈るのも良いでしょう。
2-2. あなたは幸福です・私は幸福です
レンゲソウの花言葉は「あなたは幸福です・私は幸福です」になります。
レンゲソウの持つもっともポジティブな花言葉は、「あなたは幸福です・私は幸福です」というものです。
レンゲソウは、人生を前向きに生きていくためにもっとも重要な「他者肯定+自己肯定」の花言葉をあなたに送り届けてくれているのです。
長い人生を生きていく途中では、苦しいことやつらいこと、悲しい出来事がたくさんありますが、そんな時にはレンゲソウの可憐でたくましい紫色の花を見つめて、「あなたは幸福なのですよ」というパワフルな応援メッセージを受け取ってみて下さい。
もちろん、人生が楽しくて仕方ない幸福でいっぱいの人に、レンゲソウをプレゼントするのも良いでしょう。
2-3. 感化
レンゲソウの花言葉は、他者の価値観や主張、感情・気分などに自分も一緒になって影響を受けてしまうという「感化」になります。
感化には「良い影響を受ける感化」と「悪い影響を受ける感化」の二つを想定することができますが、レンゲソウの花言葉の感化はもちろん、「相手から良い影響を受ける感化=意欲・元気・自己肯定感が高まる感化」のことを意味しています。
つらい時には自分をいつも励ましてくれたり、一緒にいるだけでやる気が出てきたりする家族・恋人・友人知人に、「ポジティブな感化」を意味するレンゲソウを贈ってみて下さい。
2-4. レンゲソウの英語の花言葉
レンゲソウの英語の花言葉は、「your presence softens my pains(あなたと一緒なら苦痛がやわらぐ)」になっています。
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