「アキノキリンソウ」とくれば、「ハルノキリンソウ」「ナツノキリンソウ」「フユノキリンソウ」と並びそうだと思えるくらい分かりやすい名前です。
実際に、「キリンソウ」というキリンを連想させる花が、先にあったのも面白い偶然ですが、花の形からそのままに「黄輪草」というのも、アイディアのようで、あんちょこのようで、いずれにしても、一度聞いたら忘れにくい名前です。
日本では、あまり人気がありませんが、北米では、アラバマ、ケンタッキー、ネブラスカの三州は、州の花としています。
- アキノキリンソウとはどんな花?
- アキノキリンソウの花言葉
- アキノキリンソウの効能
- アキノキリンソウの名前の由来
- アキノキリンソウの開花時期
- アキノキリンソウの原種や園芸品種
- まとめ
1. アキノキリンソウとはどんな花?
もともと、キリンソウという、5月から8月にかけて、黄色い花をつける、背丈が高くても30㎝という花がありました。
その花と、成育の様子、とりわけ、花全体がとてもよく似ているところから。
開花の時期のズレに目を付けて、「アキノキリンソウ」と名付けられた植物です。
昔は、里山や水田、あぜ道やため池の土手など、九州から北海道まで、日本全国、そこいら一面に、秋になると咲いている、雑草と変わらないような多年草の植物でした。
また、「酒を醸す際にできる泡」にも似ているところから「アワダチソウ」とも呼ばれていました。
ところが、「セイタカアワダチソウ」という、これまた似たような生命力の、極めて強い外来種が渡来し、またたく間に、生育範囲を全国レベルへと塗り替えてしまいました。
結果として、今では、あまり目に掛からない花になりつつあります。
薬に用いるなど、古くから人間社会とも深いつながりのある身近な花です。
2. アキノキリンソウの花言葉
花言葉としては、あまりいい意味を持っていませんので、贈ったりする際には、十分な注意が必要です。
2-1. 予防
古くからアキノキリンソウは、薬として利用されてきました。
そこを根拠とした花言葉ですが、言葉としては、「予防」ではなく、「用心」としてもおかしくない内容(逆に、「用心」の根拠内容は、「予防」の根拠としても、違和感はありません。)です。
しかし、ここでは、一応、病気の「予防」という意味づけを重視して、花言葉の意味は「予防」とします。
また、学名の「ソリダーゴ(Solidago)」には、「傷をつなぎ合わせる」という意味があって、かなり昔から、この花が「万能の薬」とされていたことを根拠としたネーミングです。
2-2. 用心
花の構造から生まれた花言葉です。
アキノキリンソウは、ハチから大事な蜜を守るために、絹のように細い綿毛で囲っていることから「用心」や「予防」といった花言葉が生まれたものと思われます。
どちらの花言葉が、どの根拠にふさわしいかは、判定の根拠がなく、あまり重要なことでもないので、ここでは、「用心」の項で、まとめます。
2-3. 警戒(「警戒心」を含む)
同様の花言葉「警戒心」をも含む花言葉として、その基となる見方をまとめます。
キリスト教を主たる宗教とする国々では、黄色は、忌み色として、嫌ったり、避けたりすることがあります。
それは、あのキリストを裏切った、ユダが着ている服の色、つまり黄色だからです。
そこからは、たとえ親しい人とはいえ、時には、警戒する、警戒心を忘れないことが、大事だという花言葉になります。
2-4. 励まし
万能の薬として用いられてきたことから転じて、これさえあれば、どんな病気やケガも治るという安心感や安堵感を得られることが、別の視点から見れば、「励まし」につながります。
全てに効く万能薬を手中に収めていれば、強い味方を得たのと同じようなものです。
2-5. 要注意
黄色は、注意信号です。
黄色い看板は、注意のお知らせです。
新幹線の安全を見守るイエロー新幹線の色は、もちろん黄色。
黄色は、注意の色から生まれた花言葉です。
黄色い色には要注意です。
2-6. 幸せな人生
唯一、プラスイメージでの花言葉ですが、確固たる根拠がありません。
強いて言うならば、万能薬としてのアキノキリンソウをもっていれば、様々な困難も、万能薬の力を借りて、乗り越えながら、幸せな人生を送ることができるという意味での花言葉になります。
3. アキノキリンソウの効能
開花の時期に刈り取って、日干しにして、からからに乾燥させ、粉末状にしたものが「一枝黄花」(いっしこうか)という飲み薬です。
その効能は、かなり昔から知られていたようです。
3-1. 胃の強壮剤として
体調に直結するのが、胃です。
食が進まなかったり、胃もたれがしたり、場合によっては胃痛がしたりと、体調が悪いと覿面に胃にきます。
それは、食べることだけでなく、極度の緊張や心配事、悩みなどでも胃にきます。
何かとお騒がせな胃を強く、健康的なものにするのに、大いに役立つ成分を含んだ日常的な「胃の強壮」に効きめのある薬です。
3-2.排尿を促す利尿剤として
尿は、体内で不要になった老廃物を腎臓で濾過し、水分と一緒に、体外に放出する、極めて重要な廃棄物です。
だから、尿が出ないということは、老廃物に含まれる有害物質が体内に蓄積、逆流し、命に関わる大問題のも発展しかねない需要課題です。
そんな状態を忌避し、スムーズな排尿を促すのに効果があります。
3-3. 頭痛やのどの痛みの鎮痛剤として
風邪の初期段階の症状や、罹患した時に、微熱と共に見られる症状の一つに、頭痛や、のどが乾燥気味になって、やたら空咳が多くなり、のどの奥が、ヒリヒリ痛んだりする症状を緩和します。
また、食べ物を嚥下する際に、痛みがあったりする症状をも押さえる働きをします。
3-4. 解毒作用
夏場に食べる魚介類は、生で食べる場合には、よほど新鮮であることが条件ですが、食べ物にあたりそうな時などに、服用しておけば、中毒しにくい体に調整したり、中毒症状を軽くしたりする働きがあります。
4. アキノキリンソウの名前の由来
ベンケイソウ科の花で5月から8月にかけて黄色い花を付ける、伝説の動物、麒麟を名前に冠した花があります。
その花に似ていて、秋に花をつけるところから「アキノキリンソウ」と名付けられています。
また、黄色の丸い輪の花が咲くことから「秋の黄輪草」と書く場合があります。
なお、「麒麟草」と、伝説の生き物、麒麟の字を使ってはいますが、何の関係もありません。
5. アキノキリンソウの開花時期
8月から11月にかけて咲きます。
6. アキノキリンソウの原種や園芸品種
6-1.ミヤマアキノキリンソウ
北海道より北に位置する千島列島から、シベリア東部、アジアの中でも東北に当たる地方、日本の本州は、中部地方より北の地域、南の方では高山から、それよりは低い亜高山帯に成育する種類で、花びらが、舌のように大きくて見栄えがよく、7月頃には開花する早咲きの種です。
6-2. イッスンキンカ
屋久島の高地に成育する極、小さい小型の種で、草丈も3㎝から6㎝くらいにしかならない。
葉に独特の光沢があり、茎の先には、多くても5輪程度の花をつけます。
6-3. アオヤギバナ
日本だけに成育する固有種です。
増水すると水没するような渓流の岸辺に生えています。
アキノキリンソウと同じような花をつけますが、葉の形が、柳の葉のような細長い葉になっていてアキノキリンソウとは、また、違った印象を与えます。
6-4. ハチジョウアキノキリンソウ
伊豆諸島に成育するミヤマアキノキリンソウの変化した、いわゆる異種とよばれるものです。
姿は似ていますが、開花時期が、10月から11月とずれており、葉も厚くて光沢があり、全国に成育するミヤマアキノキリンソウとは、似ているようで似ていない島特有の固有種です。
まとめ
アキノキリンソウは、ちょっと見ただけでは、セイタカアワダチソウにも似ています。
おまけに、どちらも「アワダチ」を名前の一部にもっています。
セイタカアワダチソウの草丈と繁殖力の旺盛さに、隅へ隅へと追いやられそうです。
アキノキリンソウ、本家のキリンソウとも手を組んで、日本の里山の風景を守ってほしいものです。
「アキノキリンソウ」とくれば、「ハルノキリンソウ」「ナツノキリンソウ」「フユノキリンソウ」と並びそうだと思えるくらい分かりやすい名前です。
実際に、「キリンソウ」というキリンを連想させる花が、先にあったのも面白い偶然ですが、花の形からそのままに「黄輪草」というのも、アイディアのようで、あんちょこのようで、いずれにしても、一度聞いたら忘れにくい名前です。
日本では、あまり人気がありませんが、北米では、アラバマ、ケンタッキー、ネブラスカの三州は、州の花としています。
1. アキノキリンソウとはどんな花?
もともと、キリンソウという、5月から8月にかけて、黄色い花をつける、背丈が高くても30㎝という花がありました。
その花と、成育の様子、とりわけ、花全体がとてもよく似ているところから。
開花の時期のズレに目を付けて、「アキノキリンソウ」と名付けられた植物です。
昔は、里山や水田、あぜ道やため池の土手など、九州から北海道まで、日本全国、そこいら一面に、秋になると咲いている、雑草と変わらないような多年草の植物でした。
また、「酒を醸す際にできる泡」にも似ているところから「アワダチソウ」とも呼ばれていました。
ところが、「セイタカアワダチソウ」という、これまた似たような生命力の、極めて強い外来種が渡来し、またたく間に、生育範囲を全国レベルへと塗り替えてしまいました。
結果として、今では、あまり目に掛からない花になりつつあります。
薬に用いるなど、古くから人間社会とも深いつながりのある身近な花です。
2. アキノキリンソウの花言葉
花言葉としては、あまりいい意味を持っていませんので、贈ったりする際には、十分な注意が必要です。
2-1. 予防
古くからアキノキリンソウは、薬として利用されてきました。
そこを根拠とした花言葉ですが、言葉としては、「予防」ではなく、「用心」としてもおかしくない内容(逆に、「用心」の根拠内容は、「予防」の根拠としても、違和感はありません。)です。
しかし、ここでは、一応、病気の「予防」という意味づけを重視して、花言葉の意味は「予防」とします。
また、学名の「ソリダーゴ(Solidago)」には、「傷をつなぎ合わせる」という意味があって、かなり昔から、この花が「万能の薬」とされていたことを根拠としたネーミングです。
2-2. 用心
花の構造から生まれた花言葉です。
アキノキリンソウは、ハチから大事な蜜を守るために、絹のように細い綿毛で囲っていることから「用心」や「予防」といった花言葉が生まれたものと思われます。
どちらの花言葉が、どの根拠にふさわしいかは、判定の根拠がなく、あまり重要なことでもないので、ここでは、「用心」の項で、まとめます。
2-3. 警戒(「警戒心」を含む)
同様の花言葉「警戒心」をも含む花言葉として、その基となる見方をまとめます。
キリスト教を主たる宗教とする国々では、黄色は、忌み色として、嫌ったり、避けたりすることがあります。
それは、あのキリストを裏切った、ユダが着ている服の色、つまり黄色だからです。
そこからは、たとえ親しい人とはいえ、時には、警戒する、警戒心を忘れないことが、大事だという花言葉になります。
2-4. 励まし
万能の薬として用いられてきたことから転じて、これさえあれば、どんな病気やケガも治るという安心感や安堵感を得られることが、別の視点から見れば、「励まし」につながります。
全てに効く万能薬を手中に収めていれば、強い味方を得たのと同じようなものです。
2-5. 要注意
黄色は、注意信号です。
黄色い看板は、注意のお知らせです。
新幹線の安全を見守るイエロー新幹線の色は、もちろん黄色。
黄色は、注意の色から生まれた花言葉です。
黄色い色には要注意です。
2-6. 幸せな人生
唯一、プラスイメージでの花言葉ですが、確固たる根拠がありません。
強いて言うならば、万能薬としてのアキノキリンソウをもっていれば、様々な困難も、万能薬の力を借りて、乗り越えながら、幸せな人生を送ることができるという意味での花言葉になります。
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