ネリネ(学名:Nerine)は、ヒガンバナ科ヒメヒガンバナ属(ネリネ属)の多年草です。
原産地は南アフリカで、草丈は30~40cm程になります。
一般に流通している園芸種の多くは、ネリネ・サルニエンシスをもとに作出されたものです。
ヒガンバナには毒がありますが、ネリネには毒はありません。
- ネリネとはどんな花?
- ネリネ(ダイヤモンドリリー)の花言葉
- ネリネ(ダイヤモンドリリー)を見られる植物園
- ネリネ(ダイヤモンドリリー)名前の由来
- 花びらがキラキラ光るのはなぜ?
- 近年まで日本で人気がなかった理由
- ネリネ(ダイヤモンドリリー)開花時期や見頃
- ネリネ(ダイヤモンドリリー)を育てるポイント
- 種類(原種、園芸品種)など
- まとめ
1. ネリネとはどんな花?
ヒガンバナに似た花を咲かせます。
欧米では以前から人気のある花で「ダイヤモンドリリー」と呼ばれ親しまれてきましたが、日本で人気が出てきたのは近年になってからのことです。
開花の期間が長く、切り花にしても花もちが良いので、花束やアレンジメントにも使われます。
花色は、白、オレンジ、赤、ピンク、紫などがあります。
複色のものもあり、美しい花を咲かせる品種が様々あります。
2. ネリネ(ダイヤモンドリリー)の花言葉
2-1. 「華やか」「幸せな思い出」「輝き」
ネリネの花は、キラキラと輝くとても美しい花びらを持っており、気品溢れる優雅な姿をしています。
そのような華やかな見た目のイメージから、この花言葉がつけられたと考えられています。
ネリネのイメージを良く表している花言葉です。
2-2. 「箱入り娘」「忍耐」
この花言葉は、ネリネの花名の由来にもなっている、ギリシャ神話の妖精「ネレイデス」に由来しています。
ネレイデスは海の神ネーレウスの娘たちの総称で、海底の洞窟で親子一緒に暮らしているとされています。
若い娘達が父と共に洞窟の中で暮らしていることから、「箱入り娘」「忍耐」という花言葉がつけられたと考えられています。
2-3. 【また会う日を楽しみに】
この花言葉は、ネリネはヒガンバナに似た花を咲かせることから、花が咲いている時には葉は出ず、葉が出ている時には花は咲かないというヒガンバナの特徴に由来していると考えられています。
しかし実際は、ネリネは開花時期にも葉を出す植物です。
3. ネリネ(ダイヤモンドリリー)を見られる植物園
3-1. 六甲高山植物園(兵庫県)
六甲山頂付近あり、1933年(昭和8年)に開園された歴史のある植物園です。
50,000㎡の園内には、約1,500種もの植物が栽培されています。
ネリネ(ダイヤモンドリリー)の見ごろは11月上旬~中旬頃です。
植物園スタッフが一緒に園内を回りながら植物の解説してくれるサービスもあります。
園内にある山小屋風のカフェも人気です。
3-2. 京都府立植物園(京都府)
大正13年に開園した歴史ある植物園です。
園内には花壇や庭園の他、観覧温室があります。
この温室は、規模も植物の種類も日本最大級です。
園芸植物も豊富ですが、日本各地の山野草が自然に近い状態で見ることができるエリアも人気があります。
3-3. 茨城県植物園(茨城県)
昭和56年に開園した植物園です。
約600種5万本の植物が栽培されています。
園内にある熱帯植物館には、約240種23,000本もの熱帯・亜熱帯の植物が集められています。
展望室からの眺望も楽しめます。
園内には庭園や広々とした芝生広場もあり、憩いの場として人気のスポットになっています。
4. ネリネ(ダイヤモンドリリー)名前の由来
ネリネという名前は、ギリシャ神話の水の妖精「ネレイデス」の名に因んでつけられたと考えられています。
ダイヤモンドリリーという別名は、花びらが日に当たってキラキラ輝くことから宝石のダイヤモンドの名で呼ばれるようになったと考えられています。
5. 花びらがキラキラ光るのはなぜ?
ダイヤモンドリリーの大きな特徴は、花びらがダイヤモンドパウダーを振りかけたようにキラキラ輝くことです。
これは、花びら表面の細胞が不規則にでこぼこしていて、それに光に当たると乱反射してキラキラと光って見えるのです。
6. 近年まで日本で人気がなかった理由
ネリネは17世紀頃からイギリスで品種改良が始まりました。
美しい花を咲かせる品種が盛んに作出され、人気を博しました。
欧米では古くから親しまれているネリネですが、日本では近年まで人気のない花でした。
日本へは大正時代に入ってきましたが、その姿がヒガンバナに似ていて縁起の悪いイメージが持たれたために、あまり普及しませんでした。
不吉なイメージが付きまとって敬遠されていたネリネですが。
品種改良がすすンえ花色のバリエーションが豊富になってきたことや、花もちの良さから、ブーケやアレンジメントの材料として注目されるようになり、人気が高まっています。
日本国内でも育種家の手により新しい品種が作出されています。
7. ネリネ(ダイヤモンドリリー)開花時期や見頃
ネリネは、10月中旬~12月中旬に開花します。
開花した花は、1か月程咲き続けます。
長い期間、優雅な花姿を楽しめることから、鉢植えの贈り物としても人気があります。
品種改良により様々な色合いの花を楽しむことができます。
8. ネリネ(ダイヤモンドリリー)を育てるポイント
8-1. 栽培環境
日当たりの良い場所で育てます。
園芸品種は寒さに弱いので、鉢植えにして、冬は霜に当てないように室内の日当たりが良い窓辺に置きましょう。
水はけが良く通気性のある土を用意しましょう。
赤玉土7:腐葉土2:砂1の割合で配合した用土が適しています。
用土には元肥として緩効性肥料を混ぜこんでおきましょう。
8-2. 植え付け
植え付けの時期は8月下旬から9月中旬が適しています。
根を深く伸ばしませんので、鉢は浅めのものが好ましいです。
球根が肩が出る程度に浅く植えましょう。
鉢のサイズは球根1つなら3号、3~4個まとめて植えるなら5号を目安にします。
8-3. 植え付け後
球根を植え付けたら2、3週間は直射日光を避け、日陰の涼しい場所に置きます。
鉢の中が過湿状態にならないように管理します。
10月頃につぼみが出始めます。
蕾が出たら、日当たりの良い場所に移動させ、土が十分に乾いたら、水を与えます。
鉢が過湿状態になるのを避けるために、水を与えるのは晴れた日の午前中にしましょう。
花は日によく当てたほうが、色が鮮やかになります。
8-4. 花後の管理
花が終わると葉が伸び始めてきます。
冬の間は、株が凍らないように、室内の日当たりの良い窓辺で冬越しさせましょう。
この時期は、かなり乾燥気味に管理します。
3月下旬頃からは、日当たりの良い屋外で育てることができます。
長雨に当たると根腐れを起こしやすくなりますので、雨に当たらない場所へ移動しましょう。
気温が25度を超える日が続くようになると休眠します。
葉が黄ばんできたら休眠に入ったと思って良いでしょう。
休眠中は水やりをしてはいけません。
涼しく、雨の当たらない場所で夏越しさせます。
8-5. 肥料
ネリネは、もともと栄養分が乏しい土壌に生えている植物です。
肥料を多く与える必要はありません。
花が終わった後、11月中旬から2月上旬頃までの間、月に1回カリ分の多い液体肥料を薄めにして与えるだけで十分です。
8-6. 病害虫
ネリネは病気や害虫に強く、ネリネに適した環境で育てていれば、病害虫に悩まされることはほとんどありません。
大変丈夫で育てやすい植物です。
土を乾燥気味に管理していれば、根腐れや球根を腐らせてしまうことも防げます。
9. 種類(原種、園芸品種)など
9-1. ネリネ・サルニエンシス(Nerine sarniensis)
冬~初夏にかけて生育する冬型の品種です。
ダイヤモンドリリーと呼ばれる園芸品種の多くが、この品種を改良して作出されています。
一般的にはネリネといえばネリネ・サルニエンシスを指します。
花が大きく、バランスの良い花姿から人気の高い品種です。
花色は赤、ピンク、白などがあり、草丈は45cm程まで育ちます。
春になると休眠に入ります。
9-2. ネリネ・ボーデニー(Nerine bowdenii)
夏成長型の品種で、耐寒性がありますので、庭植えでも育てることができます。
切り花として一般に出回っているネリネのほとんどは、この品種です。
草丈は40~50cm程に成長します。
夏~秋に濃いピンクや白の花を咲かせます。
9-3. ネリネ・ウンデュラータ(Nerine undulate)
夏成長型の品種で、比較的耐寒性がありますので、庭植えでも育てることができます。
南アフリカの東ケープ州を中心に分布しています。
サルニエンシスよりも小ぶりな淡いピンク色の花を咲かせます。
花びらは繊細で美しく、派手というよりは可憐な印象の品種です。
別名「ネリネ・クリスパ」とも呼ばれています。
9-4. ネリネ・フレクオサ〔N. flexuosa〕
繊細な細長い花びらは縁がフリル状に波打って大きく平きます。
花色は淡いピンクで、変種に白色の花を咲かせるものがあります。
この白色の花からは、優れた交配品種が作出されています。
草丈が50~60cmになる大型種です。
9-5. ネリネ・フミリス(Nerine humilis)
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冬生育型の品種で、秋に淡いピンクから濃いピンクの花を咲かせます。
夏は休眠に入ります。
南アフリカ、ケープ地方南部から南西部に分布しています。
を咲かせます。
繊細な細長い花びらの縁はフリル状に波打って大きく平きます。
9-6. ネリネ・クリゲイ(Nerine krigei)
南アフリカ中部から東部に分布しています。
草丈は30~60cm程に育ちます。
夏にビビッドな濃いピンク色の花を咲かせます。
日の光を受けてキラキラ輝くビビッドピンクの花は、とても鮮烈な印象を与えます。
冬は地上部を枯らせて休眠に入ります。
9-7. ネリネ・プディカ(Nerine pudica)
10月中旬〜11月下旬頃に花を咲かせる原種です。
ユリに近い花姿をしています。
白い花びらにはピンクのラインが入ります。
草丈は30~40cm程に育ちます。
寒さには弱く、鉢植えで育てるのに適しています。
園芸種のような派手さはありませんが、原種らしい可憐な印象の花姿が魅力です。
9-8. ネリネ・マソノルム(Nerine masonorum )
南アフリカ原産の品種です。
9月~10月頃に花を咲かせます。
草丈は20~30cm程に育ちます。
花径は2~3cm程。
淡いピンク色の花びらは細長く縁がフリル状に波打っています。
とても優しい印象の花を咲かせる品種です。
庭植えで育てることもできます。
まとめ
優雅で華やかな花姿が魅力のネリネ。
切り花で売られていることも多い植物です。
花もちの良さが特徴ですので、お部屋に飾ってインテリアに彩を加えてみましょう。
キラキラ輝く花を眺めながら、ネリネの由来になったギリシャ神話の世界に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
ネリネ(学名:Nerine)は、ヒガンバナ科ヒメヒガンバナ属(ネリネ属)の多年草です。
原産地は南アフリカで、草丈は30~40cm程になります。
一般に流通している園芸種の多くは、ネリネ・サルニエンシスをもとに作出されたものです。
ヒガンバナには毒がありますが、ネリネには毒はありません。
1. ネリネとはどんな花?
ヒガンバナに似た花を咲かせます。
欧米では以前から人気のある花で「ダイヤモンドリリー」と呼ばれ親しまれてきましたが、日本で人気が出てきたのは近年になってからのことです。
開花の期間が長く、切り花にしても花もちが良いので、花束やアレンジメントにも使われます。
花色は、白、オレンジ、赤、ピンク、紫などがあります。
複色のものもあり、美しい花を咲かせる品種が様々あります。
2. ネリネ(ダイヤモンドリリー)の花言葉
2-1. 「華やか」「幸せな思い出」「輝き」
ネリネの花は、キラキラと輝くとても美しい花びらを持っており、気品溢れる優雅な姿をしています。
そのような華やかな見た目のイメージから、この花言葉がつけられたと考えられています。
ネリネのイメージを良く表している花言葉です。
2-2. 「箱入り娘」「忍耐」
この花言葉は、ネリネの花名の由来にもなっている、ギリシャ神話の妖精「ネレイデス」に由来しています。
ネレイデスは海の神ネーレウスの娘たちの総称で、海底の洞窟で親子一緒に暮らしているとされています。
若い娘達が父と共に洞窟の中で暮らしていることから、「箱入り娘」「忍耐」という花言葉がつけられたと考えられています。
2-3. 【また会う日を楽しみに】
この花言葉は、ネリネはヒガンバナに似た花を咲かせることから、花が咲いている時には葉は出ず、葉が出ている時には花は咲かないというヒガンバナの特徴に由来していると考えられています。
しかし実際は、ネリネは開花時期にも葉を出す植物です。
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