南天というと、のど飴が思い浮かぶ人が多いのではないでしょうか。
平安時代に中国から渡ってきて、昔から咳を鎮める生薬として親しまれている植物です。
また「難を転じて福となす」=「難転」=「南天」ということで縁起木としても有名です。
ここではそのような「南天」について詳しくまとめてみました。
では最後まで読んでみてください。
- 南天とはどんな花?
- 南天の花言葉
- 南天の植える場所や縁起
- 南天の名前の由来
- 南天の開花時期や見頃
- 気をつけたいこと、病気、害虫について
- 種類(原種、園芸品種)など
- 南天の実は食べられるのか?
- まとめ
1. 南天とはどんな花?
南天は、メギ科ナンテン属の常緑低木です。
原産地は中国です。
1~3メートルほどまでに生長します。
夏に白い花をつけた後に冬には赤い実がつきます。
南天は花を楽しむよりは、葉の色、南天の実の色を楽しむ植物として親しまれています。
2. 南天の花言葉
南天の花言葉は縁起がいい言葉ばかりだといわれています。
それでは見ていきましょう。
2-1. 「私の愛は増すばかり」
南天は初夏に白い花をつけます。
その後、晩秋から初冬にかけて真っ赤な実がつきます。
その色がついていく様子からこのような花言葉が生まれたのだとか。
思いが少しずつ膨らんでいき、愛があふれているといったイメージでしょうか。
2-2. 「機知に富む」
南天は難を転じて福となすの「難転」と読み方も同じですので、そこから生まれた花言葉なのかもしれません。
2-3. 「福をなす」
「難転」、難を転じて福となすからきている花言葉でしょうか。
南天はお正月の飾りにも使われますように縁起がいい植物です。
2-4. 「良い家庭」
白い花ではなく、赤い実の方に「良い家庭」という花言葉があります。
3. 南天の植える場所や縁起
南天は昔から厄災を退ける力があるといわれています。
「難転」ともいわれますように、縁起かつぎ、縁起物として愛されている木なのです。
お正月の生け花、寄せ植えとして使われています。
そのような縁起の良い南天を育ててみるのはいかがでしょうか。
それでは南天の育て方を紹介していきます。
3-1. 苗から購入した方がおすすめ
種から育てることもできますが、種まきから育てると花がつくまで時間がかかります。
園芸初心者の場合は苗から購入した方がおすすめです。
3-2. 鉢植えでも地植えでも大丈夫
南天は鉢植えでも地植えでもどちらでも大丈夫です。
植え付けに適しているのは3~4月、または9月下旬~10月です。
鉢植えの場合はこれまでの鉢よりも一回り大きい鉢を用意してください。
底に軽石を入れて土、苗と入れてください。
地植えの場合は、午前中に日が当たり、西日があたらない場所に植えるようにしましょう。
土は2週間ほど前に掘り起こしておきましょう。
腐葉土、牛糞など混ぜておくと根付きが良くなるのでおすすめです。
3-3. 適した土は?
南天を育てるのに適している土は、水はけ、水もちが良いもの、やや粘土質のものが好まれます。
3-4. 水の与え方
南天の水やりですが、鉢植えの場合は、土が乾いたら与えるようにしましょう。
土が乾燥しすぎていないか注意が必要です。
地植えの場合は基本的に水やりはいりません。
しかし、乾燥した日が続いている時は水を与えるようにしましょう。
地植えの方が水やりの手間がないので楽に育てることができるといえるでしょう。
3-5. 肥料の与え方
南天は基本的に肥料は与えなくても育ちます。
しかし地植えで、心配な場合は固形肥料を土に混ぜておくと良いでしょう。
注意点は窒素分が多い肥料を与えすぎないことです。
与えすぎると実が育ちにくくなってしまいます。
3-6. 植え替えの時期と注意点
南天は2~3年に一度、植え替えを行います。
特に鉢植えの場合は根が生長して根詰まりを起こしてしまうと、花や実が育ちにくくなりますので、定期的に植え替えてください。
時期としては、4月、9月に行います。
地植えの場合の注意点は、植え替える場所に2週間前から腐葉土などをまぜて用意をしておきます。
株の根元30センチほどに、スコップを入れて根の周りの土をそのままつけて植え替えてあげてください。
株が大きすぎる場合は、半年前ぐらいに株の周りにスコップを入れて根を切っておいてください。
3-7. 南天の剪定
南天の幹の数が増えることで、風通しが悪くなり、病害虫にあいやすくなってしまいます。
それを予防する為にも剪定は行ってください。
時期的には2月~3月に行います。
枯れ枝、細い、弱い枝は付け根から切りましょう。
また一度実がなった枝は1~3年は花や実がつきませんので、その枝を選んで切るといいでしょう。
3-8. 南天を元気に育てるポイントは?
南天は基本的に丈夫なので、園芸初心者の方でも比較的簡単に育てることができるのです。
注意点は乾燥に弱いことと覚えておくといいでしょう。
土が乾いてそのまま放置しておきますと、南天は弱ってしまいます。
鉢植えの場合は乾燥させないように気をつけると共に与えすぎ、過湿にならないようにも注意が必要です。
土の様子をしっかり観察しておく習慣をつけるといいでしょう。
また地植えの場合、花が咲いている時期にビニールをかけて雨をよけてあげることで、秋の実つきが良くなります。
南天は水やり、土の養分などさほど神経質になることもなく、育てることができますから、楽しみながら育てていきましょう。
4. 南天の名前の由来
南天という名前の由来は漢名の「南天燭」を略したものです。
南天の花は仲夏の季語です。
仲夏(ちゅうか)とは夏の真ん中という意味になります。
具体的には6月のはじめぐらいから7月はじめぐらいのことをいいます。
「夏が始まります」「これから暑くなりますね」といった意味で使うことになります。
また南天の実は三冬の季語となります。
三冬(さんとう、みふゆ)とは初冬、仲冬、晩冬の3か月のことをいいます。
陰暦の10月、11月、12月のことです。
5. 南天の開花時期や見頃
南天の開花時期は6~7月です。
花の色は白、黄色、赤色です。
11~12月に実をつけます。
南天は開花した花よりも、果実、葉の色を楽しむ木ですので、見頃は紅葉の頃、10月頃と、実がなる11~2月頃となります。
南天の実はお正月の飾りとしてよく使われています。
どちらかというと、冬のイメージが強い植物といえるでしょう。
6. 気をつけたいこと、病気、害虫について
6-1. カイガラムシ
発生しやすい時期は、初夏から秋にかけてです。
カイガラムシは南天の汁を吸って弱らせてしまう害虫です。
枝や葉の付け根に寄生していますので、綿のようなものが木についていましたら、ブラシなど使って落としておきましょう。
このまま放置することで「すす病」を起こしてしまいますので注意してください。
6-2. すす病
カイガラムシの排泄物が原因となって「すす病菌」が集まり、病気になってしまいます。
南天の葉の表面が黒いすすで覆われてしまいます。
光合成ができなくなり、枯れてしまう病気です。
もしもすす病を見つけたらすぐに切り取って殺虫剤を散布してください。
6-3. モザイク病
南天の葉が縮れてモザイク状になってしまいます。
4月~7月に発生します。
原因はウイルスでアブラムシが媒介します。
モザイク病を防除できる薬はないのですが、アブラムシを防除することで病気にかかる機会を減らすことに繋がりますので、アブラムシに気をつけるようにしましょう。
6-4. 南天に実がつかない理由
南天に実がつかないのには理由があります。
それは開花時期に雨が多かった時です。
雨が降っていることで受粉が上手くいかなかったことが考えられます。
雨が降っている時はビニールをかけてあげるなど工夫するといいでしょう。
また日照不足も考えられます。
南天は日陰でも育つのですが、実をつけるには日当たりがいい場所を選んでください。
最後に都会で育てるとどうしても昆虫が少ないことから受粉ができていない場合があります。
人工的に筆を使うなどして受粉させる工夫が必要となります。
7. 種類(原種、園芸品種)など
南天は江戸時代から品種改良が行われていて、100種類以上の園芸品種が生まれたのだそうです。
現在は「古典園芸植物」として40種類ほどがあります。
その中から代表的な品種を紹介しましょう。
7-1. チモトナンテン
株の根元に低い枝が茂り、その中から数本だけ立ち上がる独特の育ち方をします。
7-2. オリヅルナンテン
葉が折り鶴のように曲がります。
7-3. オタフクナンテン(ゴシキナンテン、オカメナンテン)
紅葉する時に、葉の色が黄色から赤へ徐々に変化していきます。
幅広の丸みのある葉をつけます。
株が充実していない時は実をつけません。
高さが20~50センチと低いのが特徴です。
花壇、寄せ植えなどに適しています。
7-4. キンシナンテン
高さが低く、生長が遅いのが特徴です。
葉が糸のように細い品種です。
キンシナンテンを元にして園芸品種が作られています。
7-5. シロミナンテン
薄い黄色の実をつけます。
葉が紅葉しないのが特徴です。
8. 南天の実は食べられるのか?
南天の実は野鳥のえさにはなりますが、人の食用ではありませんから食べないでください。
実には毒があるのです。
しかし咳止め、喘息の薬にはなりますので、南天のど飴など市販されています。
南天の実には運動神経、知覚神経を麻痺させる成分があるのです。
大量に食べるなどしなければ大丈夫とされていますが、注意をしておいてください。
もしもお正月飾りなどを子供が口に入れてしまった場合も苦くて出してしまうでしょうから、そこまで心配する必要はないでしょう。
ですが子供の手の届くところに置かないなど工夫して飾るようにしましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
南天の花言葉、特徴、育て方などを紹介しました。
身近な植物なのですが、案外知らないことがあるものだと思われたのではないでしょうか。
縁起物、お正月の飾り、のど飴といったことで昔から私たちの生活に自然と存在していて、親しまれている南天ですが、育て方は特別に難しいこともなく、丈夫に育ってくれるのでこれを機会にぜひ庭や鉢植えで育ててみてはいかがでしょうか。
庭に南天があると毎年縁起がいいと感じられることでしょう。
ぜひお庭のシンボルツリーとして育ててみてください。
南天というと、のど飴が思い浮かぶ人が多いのではないでしょうか。
平安時代に中国から渡ってきて、昔から咳を鎮める生薬として親しまれている植物です。
また「難を転じて福となす」=「難転」=「南天」ということで縁起木としても有名です。
ここではそのような「南天」について詳しくまとめてみました。
では最後まで読んでみてください。
1. 南天とはどんな花?
南天は、メギ科ナンテン属の常緑低木です。
原産地は中国です。
1~3メートルほどまでに生長します。
夏に白い花をつけた後に冬には赤い実がつきます。
南天は花を楽しむよりは、葉の色、南天の実の色を楽しむ植物として親しまれています。
2. 南天の花言葉
南天の花言葉は縁起がいい言葉ばかりだといわれています。
それでは見ていきましょう。
2-1. 「私の愛は増すばかり」
南天は初夏に白い花をつけます。
その後、晩秋から初冬にかけて真っ赤な実がつきます。
その色がついていく様子からこのような花言葉が生まれたのだとか。
思いが少しずつ膨らんでいき、愛があふれているといったイメージでしょうか。
2-2. 「機知に富む」
南天は難を転じて福となすの「難転」と読み方も同じですので、そこから生まれた花言葉なのかもしれません。
2-3. 「福をなす」
「難転」、難を転じて福となすからきている花言葉でしょうか。
南天はお正月の飾りにも使われますように縁起がいい植物です。
2-4. 「良い家庭」
白い花ではなく、赤い実の方に「良い家庭」という花言葉があります。
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