「勝ち馬に乗る」とは、「勝っている人に味方してその勢いに便乗すること・勝ちそうな有利な側に味方すること」を意味していますが、勝ち馬に乗る人にはどのような特徴があるのでしょうか?
この記事では、勝ち馬に乗るの「類語(同義語)・反対語(対義語)」を示して、「勝ち馬に乗る人の特徴・勝ち馬に乗るための方法」を説明していきます。
- 勝ち馬に乗るとは?
- 勝ち馬に乗るの類語・反対語・語源・英語
- 勝ち馬に乗る人の性格行動パターンの特徴
- 勝ち馬に乗るための方法
- 勝ち馬に乗るの使い方「例文」
- 勝ち馬に乗れる人の特徴や傾向
- 現在の流行に逆らうようなビジネスをしてもまず上手くいきません
- まとめ
1. 勝ち馬に乗るとは?
「勝ち馬に乗る」というのは、「勝ちそうな有利な方について利益を得ること・勝っている人に味方してその勢いに便乗すること」を意味している慣用句です。
具体的には、「勝負事に勝った人・ビジネスや社会で成功した人・集団内で影響力を持っている人」の側について味方になり、その勝利の恩恵(余慶)を受け取るということです。
「勝ち馬」とは、「競馬の競争における優勝馬」のことを意味しています。
「負けている人(負けそうな人)」よりも「勝っている人(勝ちそうな人)」に味方した方が、実利的な恩恵を受けやすくて得をするという「処世術・要領の良さ(都合の良さ)」を示す意味合いもあります。
勝ち馬に乗る人は、勝負事の状況判断に優れている人でもあり、誰につけば得をするのかを瞬時に判断できる「人を見る目」がある人でもあります。
しかし、基本的に他力本願で利益を得る意味があるため、「褒め言葉」として勝ち馬に乗るを使うことはありません。
2. 勝ち馬に乗るの類語・反対語・語源・英語
勝ち馬に乗るの「類語・反対語・語源・英語表現」について解説していきます。
2-1. 勝ち馬に乗るの類語(同義語)
勝ち馬に乗るの類語には、以下のようなものがあります。
勝ち馬に乗るの類語には、「他人の勝利・幸運・成功の勢いに乗ったり利用したりして、自分も恩恵(利益)を受けるといった意味合いがあります。
「肖る (あやかる)・便乗する・おこぼれに与る(あずかる)・幸運のお裾分けに与る(こううんのおすそわけにあずかる)・ご利益を貰う・他人の成功に乗っかる」
あやかる(肖る)には、「他人や物事から影響を受けて同様の良い状態になる・他人や物事に感化されて同じような性質を持つようになる」という意味があります。
便乗する(びんじょうする)には、「どこかに行く時に、他人の乗り物についでに乗せてもらうこと」や「巧みに機会をとらえて他人の権威(影響力)を利用すること」という意味があります。
2-2. 勝ち馬に乗るの反対語(対義語)
勝ち馬に乗るの反対語(対義語)は辞書では示されていませんが、勝ち馬に乗るの意味を「他力本願・他人任せ」ととらえると、反対語は自分の力でどうにかして結果を出す(困難な状況を打開する)ということから、「自力救済・自助努力・自力本願・活路を見出す・血路を開く」などになるでしょう。
勝ち馬に乗るの意味を「他人から恩恵を受け取る」ととらえると、反対語は「巻き添えになる」になります。
2-2-1. 勝ち馬に乗るの反対語として解釈できる「判官贔屓」「池魚の殃」
「勝ち馬に乗る」の反対の意味を持つ慣用句としては、「判官贔屓 (ほうがんびいき)」もあります。
判官贔屓には「弱い立場にある者を、弱いから(可哀想だから)という理由だけで敢えて支持すること」や「弱者のことを深く考えもせずに、同情だけで味方になってしまうこと」といった意味があります。
強い人(勝ちそうな人)に味方する「勝ち馬」に乗るの反対語として、弱い人に同情して味方する「判官贔屓」を上げることができます。
「池魚の殃(ちぎょのわざわい)」ということわざにも、「何の関わりもない物事に巻き込まれて不幸になったり損害を受けること」の意味があり、自分から有力者に関わって幸福になったり利益を受けたりする「勝ち馬に乗る」の反対語になっています。
2-3. 勝ち馬に乗るの語源
勝ち馬に乗るの語源も辞書では示されていませんが、勝ち馬が「競馬の優勝馬」を指すという説が有力であることから、勝ち馬に乗るという言葉の歴史そのものが短い可能性もあります。
「勝ち馬に乗る」よりも古くからある似た意味のことわざ(諺)に「尻馬に乗る」というものがあります。
「勝ち馬に乗る」はこの類似した意味合いを持つ「尻馬に乗る」が、時代の流れと共に段階的に変化してきたのではないかとの考え方もあります。
尻馬に乗るの意味は、「他人が乗っている馬の尻の部分に乗って楽をするということから、自分の考えを持たずに他人の言動に同調して軽はずみなことをする・人の後についていって同じように真似をする」というものです。
「尻馬」というのは、他人が乗って操っている馬の後部のことで、そこに乗ることで他人に馬をコントロールさせて、自分は楽をすることが出来るのです。
2-4. 勝ち馬に乗るの英語表現
勝ち馬に乗るの英語表現は、以下のような英文になります。
You are jumping on the bandwagon.
(あなたは勝ち馬・時流に乗っています。)
「bandwagon」というのは、アメリカで19世紀半ばに作られた言葉で、サーカスの音楽隊のバンドがワゴンに乗って、サーカスの宣伝告知をしていたことに起源があります。
このサーカスのバンドワゴンがみんなの注目を集めて、人気もあったことから、いつの間にか「勢いのあるもの・有力なもの・時流(時の勢い)」のような意味を持つ英単語になっていったと推測されています。
3. 勝ち馬に乗る人の性格行動パターンの特徴
勝ち馬に乗る人は、以下のような性格行動パターンの特徴を持っています。
3-1. 利益・得に目ざとくて行動の基準が現金である
勝ち馬に乗る人の性格行動パターンの特徴は、利益・損得に非常に目ざとくて、自分がどちらに味方すれば得(損)をするのかが良く分かっているという事です。
普段から「得になること」はしても、自ら「損になること」をすることはまずないのです。
勝ち馬に乗る人の行動基準は一言でいえば「現金」であり、自分個人の信念やプライドに従って「損する行動の選択」をすることなどはありません。
勝ち馬に乗る人の現金な行動基準では、「その人についていったらどんな恩恵を受けられるのか?」や「その人は今現在の重要な競争・戦いにおいて確実に勝てそうなのか?」ということが重要になってきます。
「利益(損得)が分かれてくる判断」が的確なので、勝ち馬に乗りやすくなっているのです。
3-2. 弱者よりも強者(美しい者・豊かな者)が好きである
勝ち馬に乗る人の性格の典型的な特徴として、「弱者よりも強者のほうが純粋に好き」ということがあります。
勝ち馬に乗る人の「人間の好き嫌い」には優生学的なシンプルさがあり、倫理的・人格的な問題が指摘されることもありますが、「相対的な強者が好き」なのです。
ここでいう相対的な強者とは、「競争・戦いに勝ちそうな人」「その場で有力な人」「美しくて魅力的な人(見た目の影響力がある人)」「豊かで経済的な影響力を持つ人」などになります。
弱者よりも強者(美しい者・豊かな者)が好きというシンプルな人の好き嫌いによって、勝ち馬に乗る人は必然的に「味方をすると得しそうな人」ばかりに囲まれた環境にいやすくなるのです。
3-3. 自分で勝負しない他力本願な生き方でリスクヘッジしようとする
勝ち馬に乗る人の性格行動パターンの特徴として、「負ける可能性・損失をこうむるリスク」があるから、自分自身では勝負しないということがあります。
勝ち馬に乗る人は、どちらが勝負事で勝ちやすいのかの大局を観察して予測することが主な活動であり、自分自身が「競争・勝負の主体的なプレイヤー」になることはまずありません。
勝ち馬に乗る人にとって、競争や勝負はあくまで予測するだけの他人事であり、「勝ちそうな側・有利な勢力や個人」を見極めることこそが重要だからです。
自分で勝負することがない「他力本願な生き方」を敢えてすることによって、「負けて損をするリスク(負けて取り返しのつかないダメージを受けるリスク)」をあらかじめヘッジしていると考えることができるでしょう。
3-4. 固定の人間関係にこだわらず情が薄い・節操がない
勝ち馬に乗る人の性格行動パターンの特徴として、「特定の友情・愛情・義理」に対するこだわりや信念が弱いということがあります。
表面的には、勝ちそうな人に取り入るために「友情・信義・忠誠心」を見せることもありますが、勝ちそうな人が劣勢になって負けそうになってくると、途端に手のひらを返してそれまで敵だった側に味方することも有り得るのです。
勝ち馬に乗る人は、親しい友達でさえも時と場合によっては裏切る可能性があるという意味では、「関ヶ原の戦いの小早川秀秋(徳川家康という勝ち馬に乗ろうとした戦国武将)」のようにあまり信用することのできない相手でもあるのです。
勝ち馬に乗る人は、固定の人間関係に対するこだわり・愛着が弱いために「情が薄い」という性格的な特徴を持っています。
損得勘定や勝敗の行方によって、人間関係をすぐに乗り換えるという意味では「節操がない」とも言えるのです。
4. 勝ち馬に乗るための方法
勝ち馬に乗るための方法は、「その場面における権力者や有力者を見極めること」が何よりも大切になってきます。
相対的な強者となる個人や集団を見つけて、その人(集団)についていくことによって、勝利の恩恵やおこぼれに与ることができるからです。
信念やプライド、こだわりを持ちすぎると、「有利で勝ちそうな人」のご機嫌を取ったり追従して行動することができませんから、場合によっては信念やプライドを捨ててでも強そうな人(勝ちそうな人)についていくという現実主義も必要です。
勝ち馬に乗るためには、「勝負事(競争場面)の大局の見極め」と「複数の人・集団の間にある力関係の見極め」も大切になります。
その勝負や競争において、どちらが勝つ可能性が高いのかを的確に予測できることによって、「勝ち馬に乗れる確率」が格段に高くなってくるからです。
勝負事でどちらが勝つのかを読み間違えれば、勝ち馬に乗るどころか負ける側について、自分も巻き添えになって損をすることになるでしょう。
勝ち馬に乗るということは、勝者についていって敗者を見捨てるということでもありますから、人間関係においてある種の「節操の無さ・割り切りの良さ・変わり身の速さ」も求められることになります。
5. 勝ち馬に乗るの使い方「例文」
勝ち馬に乗るの使い方を示す「例文」としては、「勝ち馬に乗るのが上手い・勝ち馬に乗って瞬く間に成功した・異例の出世を遂げられたのは勝ち馬に乗ったからである・時代の成功者は勝ち馬に乗る方法を心得ていたのである・勝ち馬に乗る生き方も悪くはない・世の中の動静を見極めれば勝ち馬に乗ることができる・勝ち馬に乗ったつもりだったがダメだった・あの人はただ勝ち馬に乗っただけで本人の実力があるわけではない」などがあります。
6. 勝ち馬に乗れる人の特徴や傾向
勝ち馬に乗れる人が持っている「特徴・傾向」について紹介していきます。
6-1. すでに力を持っている権力者や有徳者の近くにいる
勝ち馬に乗れる人の特徴として、その場(その集団)において影響力を持っている人を見極めるのが上手く、いつも「権力者(地位や力があって人を集めている人)・有徳者(人望があって人を集めている人)」の近くにいるということがあります。
すでに力を持っている権力者や有徳者の近くにいることによって、「権力者(有力者)の気持ち」を掴むようなコミュニケーションを取る機会を伺っているのです。
勝ち馬に乗れる人は、力を持っている権力者・有徳者の近くにいて、彼らから気に入られるように愛想良く振る舞って、お世辞やご追従を言うことにもためらいがないのです。
力を持っている人を気分良くさせるコミュニケーション能力にも優れています。
6-2. 時代の流行や価値観に敏感である
勝ち馬に乗れる人の傾向として、現時点で流行っているモノや現象について、アンテナを張り巡らしているということがあります。
勝ち馬に乗るためには、「今の時代の流行・価値観」について敏感に反応することが有利に働きやすいからです。
勝ち馬に乗れる人は、その時々の流行や価値観が「状況の大勢・勝ち負けの大局」に関わってくることを知っているのです。
現在の流行に逆らうようなビジネスをしてもまず上手くいきません
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また、現在の価値観と正反対の行動をすれば、法律や倫理に違反して大勢からバッシングされるリスクがあります。
その現実を良く知っているのが勝ち馬に乗れる人であり、時代の流行や価値観に対して敏感なセンサーを働かせているのです。
6-3. 勝ち負けのある状況(大局)の判断能力が優れている
勝ち馬に乗れる人の特徴として、勝ち負けのある状況(大局)の判断能力が優れているということがあります。
複数の個人(集団)の勝負事が展開している時に、勝ち馬に乗れる人は前半のかなり早い段階で(あるいは実際の勝負が始まる前の段階で)、大体、どちらが勝ちそうなのかの予測が的確にできているのです。
勝負・競争のプロセスと最終的な結果を予測する能力が高いので、勝ち馬に乗れる人は常に「勝ちそうな人(有利に物事を運べる人)」を見定めて、その人についていくことで利益・恩恵を手に入れることができるのです。
6-4. 人物の影響力や将来性を見極める目を持っている
勝ち馬に乗れる人の傾向として、「人の能力・影響力の強弱」と「その人の将来性」を適切に予想(推測)することができるということがあります。
勝ち馬に乗れる人の頭の中には、過去の無数の競争場面(勝負事の状況)についてのデータベースが収納されており、「その人の影響力・可能性・将来性」を概ね的確に言い当てることができるのです。
人物の可能性と将来性を見極めるだけの確かな目を持っているからこそ、勝ち馬に乗れる人は「付いていくべき有力な相手」を見誤ることがないのです。
6-5. 価値観や人間関係の切り替えが早い
勝ち馬に乗れる人の特徴として、「人物(個人)の能力・将来性の見極め」と「複数の人間(集団)の力関係の分析」が的確であるために、「損得勘定と合わせた人間関係の切り替え」が非常に早いということがあります。
勝ち馬に乗れる人は、相手が「勝てそうな人」か「負けそうな人」かを瞬時に見極めることによって、半ば本能的に人間関係の取捨選択をやってのける事ができるのです。
臨機応変な状況判断と行動方針の転換ができるということは、「価値観の切り替えの早さ」も意味しています。
勝ち馬に乗れる人は、一銭にもならない(何の得にもならない)価値観やプライドにいつまでもこだわることはまずありません。
得をすることや利益になることが明らかであれば、今まで持っていた価値観やプライドを捨てることにもためらいはないのです。
価値観と人間関係の切り替えが早くて柔軟に言動をコントロールできる人ほど、勝ち馬に乗りやすくなるという事を意味しています。
まとめ
この記事では、「勝ち馬に乗る」の意味を示して、「勝ち馬に乗る」の類語や反対語を紹介してきましたがいかがだったでしょうか。
勝ち馬に乗る人には、「利益・得に目ざとくて損得勘定をする」「行動の基準が現金である」「弱者よりも強者が好き」「特定の人間関係にとらわれず冷淡である」「状況判断能力に優れている」「その人の将来性や影響力を見抜くだけの目がある」「複数の人間や集団の力関係の分析が的確である」などの特徴があります。
「勝ち馬に乗る」の意味や類語・反対語・語源、勝ち馬に乗る人の特徴、勝ち馬に乗るための方法について調べたい時には、この記事を参考にしてみて下さい。
「勝ち馬に乗る」とは、「勝っている人に味方してその勢いに便乗すること・勝ちそうな有利な側に味方すること」を意味していますが、勝ち馬に乗る人にはどのような特徴があるのでしょうか?
この記事では、勝ち馬に乗るの「類語(同義語)・反対語(対義語)」を示して、「勝ち馬に乗る人の特徴・勝ち馬に乗るための方法」を説明していきます。
1. 勝ち馬に乗るとは?
「勝ち馬に乗る」というのは、「勝ちそうな有利な方について利益を得ること・勝っている人に味方してその勢いに便乗すること」を意味している慣用句です。
具体的には、「勝負事に勝った人・ビジネスや社会で成功した人・集団内で影響力を持っている人」の側について味方になり、その勝利の恩恵(余慶)を受け取るということです。
「勝ち馬」とは、「競馬の競争における優勝馬」のことを意味しています。
「負けている人(負けそうな人)」よりも「勝っている人(勝ちそうな人)」に味方した方が、実利的な恩恵を受けやすくて得をするという「処世術・要領の良さ(都合の良さ)」を示す意味合いもあります。
勝ち馬に乗る人は、勝負事の状況判断に優れている人でもあり、誰につけば得をするのかを瞬時に判断できる「人を見る目」がある人でもあります。
しかし、基本的に他力本願で利益を得る意味があるため、「褒め言葉」として勝ち馬に乗るを使うことはありません。
2. 勝ち馬に乗るの類語・反対語・語源・英語
勝ち馬に乗るの「類語・反対語・語源・英語表現」について解説していきます。
2-1. 勝ち馬に乗るの類語(同義語)
勝ち馬に乗るの類語には、以下のようなものがあります。
勝ち馬に乗るの類語には、「他人の勝利・幸運・成功の勢いに乗ったり利用したりして、自分も恩恵(利益)を受けるといった意味合いがあります。
「肖る (あやかる)・便乗する・おこぼれに与る(あずかる)・幸運のお裾分けに与る(こううんのおすそわけにあずかる)・ご利益を貰う・他人の成功に乗っかる」
あやかる(肖る)には、「他人や物事から影響を受けて同様の良い状態になる・他人や物事に感化されて同じような性質を持つようになる」という意味があります。
便乗する(びんじょうする)には、「どこかに行く時に、他人の乗り物についでに乗せてもらうこと」や「巧みに機会をとらえて他人の権威(影響力)を利用すること」という意味があります。
2-2. 勝ち馬に乗るの反対語(対義語)
勝ち馬に乗るの反対語(対義語)は辞書では示されていませんが、勝ち馬に乗るの意味を「他力本願・他人任せ」ととらえると、反対語は自分の力でどうにかして結果を出す(困難な状況を打開する)ということから、「自力救済・自助努力・自力本願・活路を見出す・血路を開く」などになるでしょう。
勝ち馬に乗るの意味を「他人から恩恵を受け取る」ととらえると、反対語は「巻き添えになる」になります。
2-2-1. 勝ち馬に乗るの反対語として解釈できる「判官贔屓」「池魚の殃」
「勝ち馬に乗る」の反対の意味を持つ慣用句としては、「判官贔屓 (ほうがんびいき)」もあります。
判官贔屓には「弱い立場にある者を、弱いから(可哀想だから)という理由だけで敢えて支持すること」や「弱者のことを深く考えもせずに、同情だけで味方になってしまうこと」といった意味があります。
強い人(勝ちそうな人)に味方する「勝ち馬」に乗るの反対語として、弱い人に同情して味方する「判官贔屓」を上げることができます。
「池魚の殃(ちぎょのわざわい)」ということわざにも、「何の関わりもない物事に巻き込まれて不幸になったり損害を受けること」の意味があり、自分から有力者に関わって幸福になったり利益を受けたりする「勝ち馬に乗る」の反対語になっています。
2-3. 勝ち馬に乗るの語源
勝ち馬に乗るの語源も辞書では示されていませんが、勝ち馬が「競馬の優勝馬」を指すという説が有力であることから、勝ち馬に乗るという言葉の歴史そのものが短い可能性もあります。
「勝ち馬に乗る」よりも古くからある似た意味のことわざ(諺)に「尻馬に乗る」というものがあります。
「勝ち馬に乗る」はこの類似した意味合いを持つ「尻馬に乗る」が、時代の流れと共に段階的に変化してきたのではないかとの考え方もあります。
尻馬に乗るの意味は、「他人が乗っている馬の尻の部分に乗って楽をするということから、自分の考えを持たずに他人の言動に同調して軽はずみなことをする・人の後についていって同じように真似をする」というものです。
「尻馬」というのは、他人が乗って操っている馬の後部のことで、そこに乗ることで他人に馬をコントロールさせて、自分は楽をすることが出来るのです。
2-4. 勝ち馬に乗るの英語表現
勝ち馬に乗るの英語表現は、以下のような英文になります。
You are jumping on the bandwagon.
(あなたは勝ち馬・時流に乗っています。)
「bandwagon」というのは、アメリカで19世紀半ばに作られた言葉で、サーカスの音楽隊のバンドがワゴンに乗って、サーカスの宣伝告知をしていたことに起源があります。
このサーカスのバンドワゴンがみんなの注目を集めて、人気もあったことから、いつの間にか「勢いのあるもの・有力なもの・時流(時の勢い)」のような意味を持つ英単語になっていったと推測されています。
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