キンセンカは、細かい花びらがびっしりと丸くついた、愛らしい小さな花を咲かせます。
オレンジや黄色など鮮やかな色で花壇を彩っていることも多く、見るだけで元気が出そうな姿を目にする機会も多いのではないでしょうか。
また、古くから薬草・ハーブとしても用いられてきた歴史もあります。
そんなキンセンカについて、花言葉や育て方、また薬草・ハーブとしての効能などをご紹介します。
- キンセンカはどんな花?
- キンセンカの花言葉
- キンセンカの効能は?
- どのように使えばいいの?
- キンセンカの名前の由来
- キンセンカの開花時期
- キンセンカの育て方や注意点
- 種類(原種、園芸品種)など
- まとめ
1. キンセンカはどんな花?
キンセンカは和名で、漢字で書くと金盞花。
難しい漢字ですが“盞”は盃の意味です。
キク科の植物で、良く見ると花びらの形は菊に似ています。
原産はヨーロッパで、なんと江戸時代に日本に渡来しました。
英名ではポットマリーゴールドやカレンデュラと呼ばれます。
春(3月頃)になると、鮮やかなオレンジ色・黄色の小さめの花を咲かせます。
冬を越す品種もあり、その場合には冬にも花が咲きます。
小さい花びらが中心の円を囲むようにびっしりと沢山ついているので、見た目も華やかで綺麗。
そのため公共施設の花壇でもよく見かけます。
ガーデニングにもおすすめです。
また昔から薬草・ハーブとして、内用にも外用にも使われてきた歴史もあります。
2. キンセンカの花言葉
愛らしく、華やかなキンセンカですが、花言葉は明るい意味ばかりではない様です。
不思議と明るい色の花には悲しい花言葉が多かったりするものなのですね。
また黄色い花はキリスト教迫害の史実から、裏切りの色として宗教的に否定的に捉えられることが多く、そういった事情もあるのではないかと言われています。
2-1. 「別れの悲しみ」「悲嘆」「失望」
正に暗い言葉のオンパレードとなっています。
これは、このキンセンカという花にまつわるギリシア神話からきています。
これは太陽神アポロンにまつわる神話なのですが、アポロンとレウトコエ王女は恋人同士でした。
ところがそれを知りながら、水の精クリティはアポロンに恋をします。
どうしてもアポロンを振り向かせたい一心で、2人の中を引き裂こうとしたクリティは王女の父である王様に2人のことを密告します。
そのせいで激怒した王様は、王女を生き埋めにして殺してしまいました。
その結果に自らを恥じ、責めたクリティは9日間もの間座って、空を翔けるアポロンを見つめ続け、いつの間にかキンセンカに姿を変えしまった。
というお話です。
そう聞くと、キンセンカは何となく乙女が座っているような形です。
また、キンセンカはそのせいで太陽の方を必ず向いているのだそうです。
こんな神話から、悲しい花言葉が生まれているのですね。
2-2. 「乙女の姿」「初恋」「変わらぬ愛」
諸説ありますが、こんな良い意味の花言葉もあります。
これは先の神話により、一途な思いの水の精クリティからきている言葉だと思われます。
同じ物語を違う方向から見たことに由来しているのですね。
3. キンセンカの効能は?
鑑賞用だけではなく、キンセンカは古くから薬草・ハーブとして使われてきました。
日本でも江戸時代に虫刺されの薬として使われていたそうです。
それだけではなく、また外用だけではなく内用としても、様々な効果が認められています。
但し過剰摂取には注意が必要です。
妊婦さんも念のため摂取は控えましょう。
またキク科の植物にアレルギーがある方は使用できません。
3-1. 皮膚に効く
皮膚を修復、再生を助ける効果があります。
また消炎作用も強く、収れん効果もあるので止血作用もあります。
具体的には、やけど・日焼け・虫刺され・擦り傷などに使われてきました。
保湿効果も高いので、肌につけるのも効果的。
また、飲めば胃の炎症や粘膜の修復にも効果があります。
3-2. ホルモンを助ける働きがある
女性には大切なホルモンであるエストロゲンのような働きもするため、女性特有の症状にも効果的です。
PMSや更年期障害などホルモンバランスが関係する症状に飲むと効果があります。
3-3. むくみに効く
利尿作用や解毒作用があります。
またリンパを流す効果もあり、飲むとむくみに効果的です。
4. どのように使えばいいの?
キンセンカの効能をお話ししましたが、塗ったり、飲んだりする必要がありますよね。
具体的にはどのように使ったら良いのでしょうか?
4-1. ハーブティで
キンセンカの内服には、ハーブティが一番便利です。
これには花びらを乾燥させたものを使います。
作り方は小さじ1杯くらいの乾燥花びらに、お湯を注いで数分待つだけです。
但し、味はありませんので、他のハーブと味や香り、効能を考えて組み合わせると良いでしょう。
ハーブティは、飲む他に肌用に化粧水として使うこともできます。
4-2. カレンデュラオイルで
キンセンカは別名カレンデュラ。
カレンデュラオイルは市販もしていますが、自分で作ることも出来ます。
材料はハーブティの時と同じく、乾燥花びらとキャリアオイルのみです。
キャリアオイルは、植物油であれば使えますが、オリーブオイルやヒマワリオイルが良いでしょう。
清潔な瓶に乾燥花びらを入れ、浸るくらいのオイルを入れます。
オイルは酸化しますので、まずは少量から作って下さい。
日の当たる場所で2週間置きますが、1日1回、瓶を優しくゆすって下さい。
2週間たったらキッチンペーパーなどで濾せば出来上がりです。
肌のマッサージや保湿オイルとして、また手作り化粧品の材料として使って下さい。
4-3. 煮だして抽出する
ハーブティの要領ですが、お湯を注ぐだけでなく、煮だして濃いエキスにする方法です。
使う際にはそのままつけることは避けて、クリームに混ぜたり化粧品の材料として使って下さい。
また湿布として使うのも良いでしょう。
5. キンセンカの名前の由来
日本名は漢字で書くと「金盞花」。
“盞”は盃のことです。
丸い中心を囲んだ花びらが斜め上を向いているので、横から見ると金の盃の形に見えるからです。
また、英名の「カレンデュラ」は現在のカレンダーの語源であるラテン語の「Calendae」に由来します。
意味は“月の最初の日”ですが、その意味からの由来ははっきりしません。
1か月間咲き続けるから、という説もあるようです。
6. キンセンカの開花時期
キンセンカの旬の時期は3月と4月、春真っ盛りの時期です。
但し耐寒性のある種類のものは、開花時期は長く12月から5月です。
上手に育てれば冬の間も長く楽しめます。
7. キンセンカの育て方や注意点
キンセンカは寒さにも強く、比較的簡単に育てられる花です。
但し育て方によって、花の付き方(咲く数)が違ってきますので、基本は守って育てた方が良いでしょう。
ここでは育てる際の注意点などをご紹介します。
7-1. 育てる環境
まず大事なのは日当たりです。
日当たりが少ないと花の数に影響してしまいますので、日当たりは確保できるところに置くようにしましょう。
また、風通しも良い事が必要です。
水はけも大事ですので、水はけの良いように草花用の土で鉢やプランターを作りましょう。
日当たり、風通し、水はけの3点が問題なければ、あとは手のかかる花ではありません。
直植えの場合もこの3点が出来るだけ満たせるようにしましょう。
霜は当たらない様に気を付けて下さい。
7-2. 植えつけの時期
種から蒔くのであれば9月からですが、間引きが必要だったり、ひと手間かかりますので苗を植え付けるのがおすすめです。
その場合10月から翌3月に行いましょう。
植えたらまず水をたっぷりと与えます。
7-3. 水やり
水やりは、適度にするのが一番です。
水のあげすぎに注意しましょう。
具体的には土の表面が乾いたらたっぷりあげるという方法で大丈夫です。
花壇などに直に植えている場合は、よっぽど乾いている状態にならない限りは、基本的には水やりはしなくても大丈夫です。
7-4. その他
次々と花を咲かせますが、1年草なので花が終わると枯れてしまいます。
翌年のために種を取りたければ、そのまま種が出来るまで待って、翌年に蒔くことも出来ます。
種を取る目的が無いのであれば、株が弱らない様に、花がらはすぐ取りましょう。
8. 種類(原種、園芸品種)など
キンセンカはキク科キンセンカ属の1年草又は多年草で、地中海や南西アジア、西ヨーロッパなどに20種類程度の分布で、種類はそんなに多くありません。
特に美しい花をつけることから、市場に出回っており広く育てられている品種は、トウセンキカと呼ばれるカレンデュラ・オフィシナリス種で、主にキンセンカと呼んでいるのはこの品種です。
また寒さに強く冬にも花を咲かせる品種であるカレンデュラ・アルベンシス種は、ホンセンキカと呼ばれています。
この中で、日本で育てやすいよう改良されている品種など、ポピュラーなものをいくつかご紹介します。
8-1. 冬知らずシリーズ
寒さに強いホンセンキカから生まれた品種です。
花期は12月からと、冬にも花を咲かせます。
花は直径2センチほどの可愛らしさで、そのままこぼれた種で、翌年に自生することもあります。
8-2. まどかシリーズ
キンセンカの大敵であるうどん粉病に強いように改良された品種です。
寒さにも強いのが特徴です。
花は一重咲きも八重咲きもあり、色や花姿もバリエーションが多く人気があります。
8-3. カレンシリーズ
多くのキンセンカは八重咲きですが、このシリーズは一重咲きなのが特徴です。
花の大きさは3センチくらいで次々と花が咲きます。
花色もオレンジ色から薄めのクリーム色まで様々な色を持っています。
カレンデュラの名と“可憐”をかけて名づけられました。
まとめ
キンセンカ(カレンデュラ)についてご紹介しました。
鮮やかな色の可愛い花姿が長く楽しめる優秀さ。
またその花にまつわる、悲しくもロマンティックな神話も魅力の一つです。
その上、薬草・ハーブとして実用的な効能もあり、役に立つことがお分かりいただけたと思います。
育て安く、品種を選び少しの注意を払えば冬にも花を楽しめることが出来ますので、冬の殺風景なベランダや庭の彩にもなり目を楽しませてくれるでしょう。
是非育ててみてはいかがでしょうか。
キンセンカは、細かい花びらがびっしりと丸くついた、愛らしい小さな花を咲かせます。
オレンジや黄色など鮮やかな色で花壇を彩っていることも多く、見るだけで元気が出そうな姿を目にする機会も多いのではないでしょうか。
また、古くから薬草・ハーブとしても用いられてきた歴史もあります。
そんなキンセンカについて、花言葉や育て方、また薬草・ハーブとしての効能などをご紹介します。
1. キンセンカはどんな花?
キンセンカは和名で、漢字で書くと金盞花。
難しい漢字ですが“盞”は盃の意味です。
キク科の植物で、良く見ると花びらの形は菊に似ています。
原産はヨーロッパで、なんと江戸時代に日本に渡来しました。
英名ではポットマリーゴールドやカレンデュラと呼ばれます。
春(3月頃)になると、鮮やかなオレンジ色・黄色の小さめの花を咲かせます。
冬を越す品種もあり、その場合には冬にも花が咲きます。
小さい花びらが中心の円を囲むようにびっしりと沢山ついているので、見た目も華やかで綺麗。
そのため公共施設の花壇でもよく見かけます。
ガーデニングにもおすすめです。
また昔から薬草・ハーブとして、内用にも外用にも使われてきた歴史もあります。
2. キンセンカの花言葉
愛らしく、華やかなキンセンカですが、花言葉は明るい意味ばかりではない様です。
不思議と明るい色の花には悲しい花言葉が多かったりするものなのですね。
また黄色い花はキリスト教迫害の史実から、裏切りの色として宗教的に否定的に捉えられることが多く、そういった事情もあるのではないかと言われています。
2-1. 「別れの悲しみ」「悲嘆」「失望」
正に暗い言葉のオンパレードとなっています。
これは、このキンセンカという花にまつわるギリシア神話からきています。
これは太陽神アポロンにまつわる神話なのですが、アポロンとレウトコエ王女は恋人同士でした。
ところがそれを知りながら、水の精クリティはアポロンに恋をします。
どうしてもアポロンを振り向かせたい一心で、2人の中を引き裂こうとしたクリティは王女の父である王様に2人のことを密告します。
そのせいで激怒した王様は、王女を生き埋めにして殺してしまいました。
その結果に自らを恥じ、責めたクリティは9日間もの間座って、空を翔けるアポロンを見つめ続け、いつの間にかキンセンカに姿を変えしまった。
というお話です。
そう聞くと、キンセンカは何となく乙女が座っているような形です。
また、キンセンカはそのせいで太陽の方を必ず向いているのだそうです。
こんな神話から、悲しい花言葉が生まれているのですね。
2-2. 「乙女の姿」「初恋」「変わらぬ愛」
諸説ありますが、こんな良い意味の花言葉もあります。
これは先の神話により、一途な思いの水の精クリティからきている言葉だと思われます。
同じ物語を違う方向から見たことに由来しているのですね。
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