キキョウ(桔梗)という花・植物の特徴と名前の由来を分かりやすく解説しながら、「キキョウ(桔梗)の花言葉の意味」について紹介していきます。
キキョウの花には「青紫色・白色・ピンク色」など複数の色があって華やかですが、キキョウにはどのような花言葉や花(植物)の特徴があるのでしょうか。
- キキョウ(桔梗)とはどんな花・植物なのか?
- キキョウ(桔梗)の花言葉
- キキョウ(桔梗)の花の色別の花言葉
- キキョウ(桔梗)の名前の由来
- キキョウ(桔梗)の開花時期
- キキョウ(桔梗)の育て方や注意点
- キキョウの種類(原種・園芸品種)など
1. キキョウ(桔梗)とはどんな花・植物なのか?
キキョウの花や植物としての特徴について解説していきます。
1-1. キキョウはキキョウ科キキョウ属の多年生植物で野生品種は絶滅危惧種
キキョウ(桔梗,学名Platycodon grandiflorus)はキキョウ科キキョウ属の多年生草本植物で、野生種は山野の日照量が多い所で育つことが多くなっています。
キキョウの茎はまっすぐ伸びて高さは約15~120cm、花は直径5~7cmで1~10輪程度の花が咲きます。
キキョウの植生は、「日本全土・朝鮮半島・中国・東シベリア」に広く分布していましたが、近年は乱獲や気候変動の影響もあり、園芸種を除く野生品種のキキョウは「絶滅危惧種Ⅱ類」に指定されていて個体数は減っています。
古くから日本人に愛されてきたキキョウの花は、清々しくて深みのある青紫色の花を咲かせます。
キキョウの花の野生品種は、「星形の綺麗な紫色の花」を咲かせます。
1-2. キキョウは古代からずっと日本人に愛されてきた花・植物
キキョウの花と日本人の歴史的な関係は非常に古く、奈良時代に編纂された「万葉集」の山上憶良(やまのうえのおくら)の和歌の中でも、「秋の七草」の一つに数えられていると言われます。
「万葉集」で秋の七草の一つとして紹介されている「朝貌(あさがお)の花」はキキョウである可能性が高いとされているのです。
キキョウは古代の昔から和歌に詠まれただけではなく、「家紋の意匠(デザイン)」としても採用されてきました。
「万葉集」に収載された「秋の七草」についての山上憶良の歌
奈良時代の貴族・歌人である山上憶良(660~733)は、「万葉集」に以下の2首の歌が収載されています。
この山上憶良の古代の和歌は、「秋の七草」の文献的に確認できる重要な由来の一つとして解釈されています。
・秋の野に 咲きたる花を 指折り(およびをり) かき数(かぞ)ふれば 七種(ななくさ)の花
・萩の花 尾花 葛花 瞿麦(なでしこ)の花 姫部志(をみなへし) また藤袴 朝貌(あさがお)の花
「朝貌の花」がどの植物を指すのかについては、「朝顔(あさがお)・木槿(むくげ)・桔梗・昼顔」などの色々な予測があるのですが、現時点では「キキョウ説(桔梗説)」を有力と考える学者・専門家が多いようです。
1-3. キキョウは「秋の七草」の一つ
七草粥(ななくさがゆ)の材料として認知度が高いのは「春の七草」であり、春の七草は「芹(せり)・薺(なずな)・五行(ごぎょう)・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ・スズシロ」でいずれも後味がサッパリしていて美味しい食用植物になっています。
キキョウが含まれている「秋の七草」は、「女郎花(オミナエシ)・薄(ススキ)・桔梗(キキョウ)・撫子(ナデシコ)・藤袴(フジバカマ)・葛(クズ)・萩(ハギ)」です。
秋の七草は食用に適した花・植物ばかりではないので、春の七草と比較するとマイナーになってしまいますが、いずれも風情や趣きのある素敵な植物・花になっています。
秋の七草は、上から頭の文字をつなげると「お好きな服は(おすきなふくは)」の語呂合わせで簡単に覚えることができます。
1-4. キキョウは「漢方の生薬」でもある
キキョウの植物の根は、「サポニン」と呼ばれる配糖体を多く含んでいて、漢方の「生薬(桔梗根)」として利用されてきた歴史があります。
サポニンは現在でも、「コレステロール値低下・肥満予防(脂肪分解促進)・免疫力アップ」などの効果が知られています。
キキョウの根を煎じたものには、「去痰・鎮咳・鎮痛・鎮静・解熱作用」などの薬効があるとされます。
2. キキョウ(桔梗)の花言葉
キキョウ(桔梗)には、以下のような花言葉があります。
2-1. 永遠の愛
キキョウは、「戦(いくさ)・出稼ぎ」などで遠方に出かけていった夫や恋人のことを、一生涯ずっと待ち続けた若い娘であったという物語にちなんだ花です。
そのエピソードにちなんで、何があっても愛する人のことを忘れない「永遠の愛」という花言葉を持っているのです。
一人の異性を永遠に愛し続けるというロマンティックな花言葉を持ったキキョウですが、現代では「ひたむきで一途な女性」だけではなく「浮気心のない一途で真面目な男性」にもぴったりとくる花です。
永遠の愛を誓いたくなるほどの大切なパートナーに贈ってあげると喜ばれる花でしょう。
2-2. 気品
キキョウのベーシックな青紫色の花には、清々しい雰囲気だけではなく落ち着いた品の良い風情が漂っています。
キキョウの花言葉は「気品」であり、古代から日本人に深く愛されてきたキキョウの花には、粗雑さのない上品で優雅な深みがあります。
見ているだけで心が清々しくなってくるような気品の良さが、キキョウの花にはあるのです。
凛とした美しい気品が漂う花ですので、家に一本キキョウを飾っておくだけでも、気持ちが華やか・前向きになってきます。
2-3. 誠実
キキョウの花言葉には、「永遠の愛」からの連想で「誠実・正直さ」というものもあります。
キキョウは愛する人や大切な人のことを絶対に裏切らないという、「誠実な精神性」を感じさせてくれる花であり、誠実で正直な人生を生きてきた人の心に訴えかけてくる素朴な美しさが宿っています。
深みのある青紫の色合いをした可憐なキキョウの花を見ていると、大切な人のことを傷つけてはいけないという誠実な気持ちが自然に高まってくるようです。
いつまでも愛し続けたいと思える「自分の大好きな人」に贈るのにふさわしい花なのです。
2-4. 西洋におけるキキョウの英語の花言葉
西洋ではキキョウ(balloon flower)の花言葉は、「endless love(永遠の愛)・honesty(誠実さ・正直さ)・obedience(従順)・the return of a friend is desired(友の帰りを願う)」となり、日本ともほぼ共通する花言葉になっています。
3. キキョウ(桔梗)の花の色別の花言葉
キキョウ(桔梗)の花には、「青紫色・白色・ピンク色」など様々な色がありますが、その色によって花言葉とその意味が変わってくることがあります。
この項目では、キキョウ(キキョウ)の花の色別の花言葉をご紹介します。
3-1. 紫色のキキョウの花の花言葉:気品
紫色のキキョウの花の花言葉は、一般的な青紫色のキキョウと同じく「気品」です。
キキョウの花は紫色の妖艶な深みのある色合いの中に、下品な雰囲気や大衆的な熱狂に呑み込まれないだけの凛とした「気品」を漂わせています。
人生の目的に向かって気持ち(意思・意見)をしっかりと持ちたい時には、紫色のキキョウの花を一本、身近に置いておきたいものです。
3-2. 白色のキキョウの花の花言葉:清楚・従順
白色のキキョウの花の花言葉は「清楚・従順」であり、伝統的に日本人男性が好んできた「大和撫子(やまとなでしこ)の性格・言動の特徴」を表している花とされています。
現代ではやや「男尊女卑・女性軽視」の価値観も滲み出してしまいますが、愛する男性に付き添って清楚な裏切らない生き方を貫き、優しくて従順な態度を示す伝統的な日本人女性・大和撫子の魅力をそのままに体現しているのが白色のキキョウの花なのです。
付き合っている女性や自分を好きになってくれた女性が「白色のキキョウの花」をプレゼントしてくれた場合には、「永遠の愛+清楚で従順」の花言葉の意味を知った男性が、絶対にその魅力的で真面目な彼女(奥さん)のことを手放したくないと思ってくれるかもしれません。
3-3. ピンク色のキキョウの花の花言葉:薄幸(はっこう)・従順
ピンク色の桔梗の花の花言葉は「薄幸・従順」であり、ピンク色の淡くて可愛らしい花の色合いが、「女性的な柔らかい魅力・従順な性格傾向」と合わせて「儚くて弱々しい印象・幸が薄そうな切ない運命」を象徴しているのです。
ピンク色のキキョウの花の花言葉には、「生命力の弱さ+儚くて幸の薄い運命の予感」が含まれているので、「好きな人・大切な人に対するプレゼント」として、ピンク色のキキョウの花を贈ることは控えた方がいいかもしれません。
4. キキョウ(桔梗)の名前の由来
キキョウは漢字では桔梗と書きますが、桔梗の音読みである「キチコウ」の音韻が段階的に「キキョウ」に変化していったと伝えられています。
古代の日本ではキキョウもアサガオと同じく「朝顔」と呼ばれていたと考えられています。
「万葉集」で秋の七草の一つになっている「朝貌(あさがお)の花」も、キキョウの花のことを意味しているとする説が有力です。
中世の時代には、桔梗の花をお供物として神仏に捧げることで、神聖な吉凶占いをしていた時期もあり、「吉凶=キッキョウ」の発音が「キキョウ」に変わっていったとする説もあります。
英語では、キキョウの花の蕾(つぼみ)の形態が、膨らんだ風船のようにも見えるので「バルーン・フラワー(Balloon flower)」と呼ばれています。
4-1. キキョウ(桔梗)が日本の名門家系の「家紋の意匠」に使われた歴史
キキョウの花の星形をモチーフにして、「桔梗紋」という家紋が考案されています。
美濃の山県氏・土岐氏の一族が桔梗紋を家紋に採用したので、土岐氏一族だった明智光秀(1528~1582)の家紋も桔梗紋であることは有名です。
薩長同盟を実現した坂本龍馬(1836~1867)の坂本家の家紋も「組合い角に桔梗」の明智家とつながる桔梗紋でした。
5. キキョウ(桔梗)の開花時期
キキョウ(桔梗)の開花時期は、「6~9月」で基本的に夏から秋に咲く花です。
6. キキョウ(桔梗)の育て方や注意点
キキョウ(桔梗)の育て方や注意点について説明していきます。
6-1. キキョウは暑さ寒さに強い丈夫な植物
キキョウの草丈は約15~120cmであり、開花時期が夏場の6月~9月頃であることから、キキョウは非常に暑さに強い植物で、気温30~35度を越える真夏日でも生育に障害が生じることはありません。
キキョウは真夏の暑さに強いだけではなく、-10℃の寒冷な気候にも耐え抜くことができる特徴を持っていて、「暑さ寒さの気温の変化」に神経質になる必要はないでしょう。
6-2. キキョウの苗の選び方・種まきの仕方
キキョウを苗(なえ)から育てる場合には、茎がしっかりと真っ直ぐ伸びていて、葉が青々として色が濃い目の苗を選ぶと順調に生長しやすいでしょう。
種まきから始めて育てるよりも苗を選んで育てた方が、園芸の初心者は上手くいきやすいです。
キキョウの種まきをする場合は、4月上旬を目処にして「春」の季節に種まきをします。
園芸用品として肥料などが含まれた細かい赤土の「種まき用の土」が販売していますので、専用の土に種まきをしましょう。
種をまいたら土は薄くかぶせて、水分の蒸発(乾燥)に気をつけて水遣りをしましょう。
水遣りは上から勢いよく水をかけると、種が流れるので霧吹きなどで水を多めに吹きかけると良いでしょう。
双葉が2枚出て本葉が4枚出たら、ビニールポットなどに植え付けてから育てます。
6-3. 植え付け・植え替えをする時の注意点
キキョウを鉢に植え付ける時には、キキョウの根を折ったり傷つけたりしないように丁寧に気をつけながら作業をして下さい。
キキョウの根は「直根(ちょっこん)」でまっすぐに伸びるので、植え替えにはあまり向いていないのですが、どうしても植え替えをする時には、根を傷つけないように固くなっている根のかたまりをほぐしてから植え替えるようにしましょう。
根が完全に固まってほぐしにくい時は、2~4箇所程度ならハサミで切り込みを入れてほぐしましょう。
6-4. 置き場所の注意点
キキョウは野生品種が日照量の多い山野に多く咲いているように、基本的に「日当たりの良い場所(日照量の多い場所)」を好みます。
キキョウは日照量の少ない日陰や風通しの悪い場所では、順調に生育しない恐れがあるので気をつけましょう。
キキョウは地上に出ている部分が枯れても、根が生きていて来年も花を咲かせる「宿根草(しゅっこんそう)」なので、花の季節が終わっても春頃に再び芽が出てきます。
6-5. 水遣り(みずやり)の注意点
キキョウの水遣りの基本は、少し多めなくらいにたっぷりと水を上げることです。
夏場は特に水分の蒸発による乾燥のしすぎに気をつけましょう。
土の表面が乾いてきたら、たっぷりと水を上げるようにすれば大丈夫です。
キキョウは鉢植えの場合はこまめな水遣りが必須ですが、地植えであればよほど晴天・高温の日が続かない限りは、地面が乾燥した時に水遣りをすればOKです。
6-6. キキョウの剪定(せんてい)・増やし方
夏にキキョウの花がいったん咲き終わったら、茎を半分位の長さに切って、葉っぱも剪定しましょう。
そうしておけば、秋には再びキキョウが花を咲かせてくれます。
宿根草のキキョウは、地上部分の茎・葉はなくなっても根は生きているので、腐葉土などをかぶせてあげて越冬させると、春頃に再び芽を出してくれます。
キキョウの数を翌年以降に増やしたい場合は、「株分け・挿し芽(さしめ)・種まき」の方法によって増やすことができます。
7. キキョウの種類(原種・園芸品種)など
キキョウ(桔梗)には、以下のような種類があります。
7-1. アポイギキョウ
背丈の低い矮性(わいせい)タイプのキキョウの代表的な品種で、野生品種の青紫色のキキョウに近いとされています。
栽培方法のノウハウは、高山植物のキキョウとして扱いますが、背丈は高さ約10~20センチほどで日本人がイメージする「オーソドックスなキキョウの見た目」を維持している品種です。
7-2. ウズキキョウ
ウズキキョウは江戸時代以前からあるとされる歴史の古い園芸品種であり、葉がちりめん状にくしゃくしゃの縮れた形状をしているという特徴があります。
草丈が低い桃色の花を咲かせるウズキキョウが良く知られていますが、草丈が少し高くなってくる白色の花を咲かせるウズキキョウもあります。
7-3. 小町
小町は、キキョウの花の中では珍しい「袋咲きの青紫色の花」の形状を持っている早生(早咲き)の園芸品種です。
キキョウの品種改良が施された結果、花びらが最後まで開ききらない風船が膨らんだような袋咲きの形状をしているのが特徴であり、英語名の「バルーン・フラワー」の名称がぴったりと来る種類のキキョウです。
7-4. 五月雨
カラフルな花の色を楽しめるオーソドックスなキキョウの外見をしている早生(早咲き)の園芸品種であり、市販されているキキョウの花はこの五月雨系のキキョウが多いでしょう。
五月雨の花の色には「青紫色(紫色)・白色・桃色」などがあり、花の形状にも「一重咲・八重咲・絞り」などのバリエーションがあります。
キキョウの色々な色や形を楽しみたいという一般的な市場のニーズに応える種類になっています。
キキョウ(桔梗)という花・植物の特徴と名前の由来を分かりやすく解説しながら、「キキョウ(桔梗)の花言葉の意味」について紹介していきます。
キキョウの花には「青紫色・白色・ピンク色」など複数の色があって華やかですが、キキョウにはどのような花言葉や花(植物)の特徴があるのでしょうか。
1. キキョウ(桔梗)とはどんな花・植物なのか?
キキョウの花や植物としての特徴について解説していきます。
1-1. キキョウはキキョウ科キキョウ属の多年生植物で野生品種は絶滅危惧種
キキョウ(桔梗,学名Platycodon grandiflorus)はキキョウ科キキョウ属の多年生草本植物で、野生種は山野の日照量が多い所で育つことが多くなっています。
キキョウの茎はまっすぐ伸びて高さは約15~120cm、花は直径5~7cmで1~10輪程度の花が咲きます。
キキョウの植生は、「日本全土・朝鮮半島・中国・東シベリア」に広く分布していましたが、近年は乱獲や気候変動の影響もあり、園芸種を除く野生品種のキキョウは「絶滅危惧種Ⅱ類」に指定されていて個体数は減っています。
古くから日本人に愛されてきたキキョウの花は、清々しくて深みのある青紫色の花を咲かせます。
キキョウの花の野生品種は、「星形の綺麗な紫色の花」を咲かせます。
1-2. キキョウは古代からずっと日本人に愛されてきた花・植物
キキョウの花と日本人の歴史的な関係は非常に古く、奈良時代に編纂された「万葉集」の山上憶良(やまのうえのおくら)の和歌の中でも、「秋の七草」の一つに数えられていると言われます。
「万葉集」で秋の七草の一つとして紹介されている「朝貌(あさがお)の花」はキキョウである可能性が高いとされているのです。
キキョウは古代の昔から和歌に詠まれただけではなく、「家紋の意匠(デザイン)」としても採用されてきました。
「万葉集」に収載された「秋の七草」についての山上憶良の歌
奈良時代の貴族・歌人である山上憶良(660~733)は、「万葉集」に以下の2首の歌が収載されています。
この山上憶良の古代の和歌は、「秋の七草」の文献的に確認できる重要な由来の一つとして解釈されています。
・秋の野に 咲きたる花を 指折り(およびをり) かき数(かぞ)ふれば 七種(ななくさ)の花
・萩の花 尾花 葛花 瞿麦(なでしこ)の花 姫部志(をみなへし) また藤袴 朝貌(あさがお)の花
「朝貌の花」がどの植物を指すのかについては、「朝顔(あさがお)・木槿(むくげ)・桔梗・昼顔」などの色々な予測があるのですが、現時点では「キキョウ説(桔梗説)」を有力と考える学者・専門家が多いようです。
1-3. キキョウは「秋の七草」の一つ
七草粥(ななくさがゆ)の材料として認知度が高いのは「春の七草」であり、春の七草は「芹(せり)・薺(なずな)・五行(ごぎょう)・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ・スズシロ」でいずれも後味がサッパリしていて美味しい食用植物になっています。
キキョウが含まれている「秋の七草」は、「女郎花(オミナエシ)・薄(ススキ)・桔梗(キキョウ)・撫子(ナデシコ)・藤袴(フジバカマ)・葛(クズ)・萩(ハギ)」です。
秋の七草は食用に適した花・植物ばかりではないので、春の七草と比較するとマイナーになってしまいますが、いずれも風情や趣きのある素敵な植物・花になっています。
秋の七草は、上から頭の文字をつなげると「お好きな服は(おすきなふくは)」の語呂合わせで簡単に覚えることができます。
1-4. キキョウは「漢方の生薬」でもある
キキョウの植物の根は、「サポニン」と呼ばれる配糖体を多く含んでいて、漢方の「生薬(桔梗根)」として利用されてきた歴史があります。
サポニンは現在でも、「コレステロール値低下・肥満予防(脂肪分解促進)・免疫力アップ」などの効果が知られています。
キキョウの根を煎じたものには、「去痰・鎮咳・鎮痛・鎮静・解熱作用」などの薬効があるとされます。
2. キキョウ(桔梗)の花言葉
キキョウ(桔梗)には、以下のような花言葉があります。
2-1. 永遠の愛
キキョウは、「戦(いくさ)・出稼ぎ」などで遠方に出かけていった夫や恋人のことを、一生涯ずっと待ち続けた若い娘であったという物語にちなんだ花です。
そのエピソードにちなんで、何があっても愛する人のことを忘れない「永遠の愛」という花言葉を持っているのです。
一人の異性を永遠に愛し続けるというロマンティックな花言葉を持ったキキョウですが、現代では「ひたむきで一途な女性」だけではなく「浮気心のない一途で真面目な男性」にもぴったりとくる花です。
永遠の愛を誓いたくなるほどの大切なパートナーに贈ってあげると喜ばれる花でしょう。
2-2. 気品
キキョウのベーシックな青紫色の花には、清々しい雰囲気だけではなく落ち着いた品の良い風情が漂っています。
キキョウの花言葉は「気品」であり、古代から日本人に深く愛されてきたキキョウの花には、粗雑さのない上品で優雅な深みがあります。
見ているだけで心が清々しくなってくるような気品の良さが、キキョウの花にはあるのです。
凛とした美しい気品が漂う花ですので、家に一本キキョウを飾っておくだけでも、気持ちが華やか・前向きになってきます。
2-3. 誠実
キキョウの花言葉には、「永遠の愛」からの連想で「誠実・正直さ」というものもあります。
キキョウは愛する人や大切な人のことを絶対に裏切らないという、「誠実な精神性」を感じさせてくれる花であり、誠実で正直な人生を生きてきた人の心に訴えかけてくる素朴な美しさが宿っています。
深みのある青紫の色合いをした可憐なキキョウの花を見ていると、大切な人のことを傷つけてはいけないという誠実な気持ちが自然に高まってくるようです。
いつまでも愛し続けたいと思える「自分の大好きな人」に贈るのにふさわしい花なのです。
2-4. 西洋におけるキキョウの英語の花言葉
西洋ではキキョウ(balloon flower)の花言葉は、「endless love(永遠の愛)・honesty(誠実さ・正直さ)・obedience(従順)・the return of a friend is desired(友の帰りを願う)」となり、日本ともほぼ共通する花言葉になっています。
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