春が訪れる頃、散歩途中に鈴なりに咲いた白い花を見かけたことはありますか。
見た目の通りの名前を持つスズラン、野生の多くは北海道に咲いています。
可愛らしいその姿からは想像できませんが、実は毒性もあるのです。
- スズランとはどんな花?
- スズランの花言葉
- スズランの毒性
- スズランの育て方や注意点
- スズランの名前の由来
- スズランの開花時期
- 種類(原種、園芸品種)
- 日本でのスズラン観賞スポット
- まとめ
1. スズランとはどんな花?
スズランは、キジカクシ目キジカクシ科スズラン亜科スズラン属の多年草の植物です。
日本で多く栽培されなじみ深いのは、ヨーロッパ原産のドイツスズランです。
日本原産のスズランより大きく丈夫なのが特徴です。
和名は「君影草」と言います。
主な原産地はヨーロッパやアジアで「春の訪れをしらせる花」として知られています。
また、香りが強くフレグランスの原材料としても使用されています。
草丈は15㎝から20㎝程度で、開花期になると、葉の間から花茎を伸ばし茎の上部に白い花を数輪咲かせます。
花は1㎝前後の釣鐘状で下向きに咲き小さく反り返ります。
色は白色やピンクで、寒さに強く日陰でも良く育ちます。
花が咲いた後には、1㎝弱の果実を実らせ熟すと赤色になります。
2. スズランの花言葉
2-1. 再び幸せが訪れる
寒い土地で良く生育することから、北国の人にとって春が訪れるよろこびを表しており、それが由来です。
しかし、再び幸せが訪れると言われますが、幸せだけではなく不幸や困難、災難などいろいろなものを引き寄せる力が強いと言われています。
2-2. 純粋・純潔
聖母マリアの花とされていることに由来しています。
2-3. 癒し・平静
セント・レオナード伝説が由来とされています。
セント・レオナード伝説とは、清い若者セント・レオナードが修行の旅に出た際、大蛇に襲われた際に流した血からスズランの花が咲き、セント・レオナードの心を癒したとされる話です。
この伝説から、スズランは「幸福をもたらす」として皇族に献上されるようになりました。
その名残で、スズランは恋人や花嫁に贈られる花としても人気があります。
2-4. 裏花言葉
日本のみですが、スズランの花言葉には裏の花言葉があります。
「再び幸せが訪れる」は、幸せだけではなく不幸や災難までも引き寄せるという裏花言葉があります。
「純粋・純潔」は、いつまでも純粋な心を守り続けることは難しく、逆に大人になっても純粋すぎることは嫌味として使用される場合もあります。
「癒し・平穏」は、平穏で穏やかな状態が続くとは限らず、突然終わりを迎えることもあるので、惑わされることないようにするという意味があります。
これらの裏花言葉は、もともとスズランが持っていたものではなくスズランに似た「スノードロップ」という花から派生したと言われています。
スノードロップは「あなたの死を望む」という恐ろしい花言葉があり、その影響でスズランにも悪い印象を与えるような花言葉が作られました。
3. スズランの毒性
スズランは強心配糖体のコンバラトキシンやコンバラマリンなどが含まれた有毒植物です。
全草に強い毒を持ちますが、特に花や花粉、根に毒が多く含まれています。
摂取した場合、嘔吐、頭痛、めまい、心不全、血圧降下、心臓麻痺などの症状が出、重症の場合は死に至る恐ろしい毒です。
山菜として珍重されているギョウジャニンニクと外見が似ており、誤った摂取し中毒症状を起こす例が多く見られます。
尚、スズランを活けていた水を飲んでも中毒を起こしますので、誤飲しないよう注意しましょう。
4. スズランの育て方や注意点
4-1. 日当たり、置き場所
暑いところは苦手なので、夏場は半日陰となる落葉樹の下などで育てましょう。
優しい木漏れ日を好みます。
直射日光は乾燥し枯れてしまいますが、日光が当たらないと生育が進まず花が咲かなくなるので、適度に日光に当てるようにしましょう。
4-2. 水やり
鉢植えの場合は、表面の土が乾いたらたっぷりと水やりをしましょう。
地植えの場合は、湿気の多い場所であれば特段水やりは不要ですが、土が乾きやすいような場合は、表面の土が乾いたら水やりをしましょう。
水はけが良い土を好みます。
4-3. 用土
水はけと通気性の良い土が良いです。
赤玉土や腐葉土、軽石を混ぜた用土が適します。
日本産のスズランを植える場合は、軽石の量を少し多めにしましょう。
4-4. 肥料
植え付けの際に、緩効性化成肥料を土に混ぜます。
また、花が咲き終わった後、5月から6月以降は地下茎を育てる目的で緩効性化成肥料もしくは液体肥料を施しましょう。
4-5. 植え付け
植え付けは10月から12月上旬、または4月から5月上旬に行います。
株元の芽が隠れる程度の浅さで植えましょう。
4-6. 増やし方
10月から11月上旬、または3月の休眠期に地下茎を4~5芽くらいに切ります。
4年を目安に株分けしましょう。
放置すると株がどんどん増えてしまいますので注意しましょう。
鉢植えの場合は2~3年が目安です。
4-7. お手入れ
花がほとんど咲き終わることに花がら摘みをしましょう。
花茎の付け根で切ります。
5. スズランの名前の由来
5-1. 日本名
スズラン(鈴蘭)は、鈴のようにかわいい小さな花をつけ、スズランの葉が蘭に似ていることに由来します。
また、別名「君影草(きみかげそう)」や「谷間の姫百合(たにまのひめゆり)」という別名もあります。
これらは、葉の陰に隠れてひっそりと花を咲かせる姿に由来していると言われています。
5-2. 外国名
ドイツ語名「天国への階段(Ladders to Heaven)」は、強い毒性に由来するのではなく、階段状に咲く花姿が由来です。
6. スズランの開花時期
スズランの開花時期は、4月から5月です。
7. 種類(原種、園芸品種)
7-1. ドイツスズラン
ヨーロッパやアジア、北アメリカ原産のスズランです。
美しい花を咲かせ、世界で多く栽培されています。
葉は幅広で、花茎を同じ高さまで伸ばし花を咲かせます。
強い芳香があるのが特徴です。
7-2. ピンクスズラン
ドイツスズランの園芸品種です。
白色ではなく、淡いピンク色の花色をしています。
ドイツスズランよりも小ぶりですが、丈夫です。
7-3. スズラン
耐寒性多年草で、日本では本州中部以北、主に北海道の産地や高原の草地に自生しています。
ドイツスズランの変種とされています。
全体的に小ぶりで、葉よりも低い位置で花が咲きます。
ドイツスズランに比べると高温多湿に弱い性質を持っています。
8. 日本でのスズラン観賞スポット
芽生(めむ)すずらん群生地(北海道沙流郡平取町字芽生)
北海道の初夏と言えばスズランとも言えます。
芽生すずらん群生地は広さ約15haと日本一の広さを誇り、絶滅の危機に瀕したスズランを保護管理し自然の状態に回復してあります。
見ごろは5月下旬~6月中旬の1か月程度です。
男鹿山すずらん群生地(広島県世羅郡世羅町)
日本の自生スズランの南限地として有名な場所です。
世羅町大字青近男鹿山の北側斜面に可憐な花をさかせています。
漆塚すずらん公園(高山市朝日町甲)>
スズラン国体を記念して作られた公園で、5月中旬に約2万株のスズランの花が咲きます。
終日自由に入園できます。
まとめ
スズランは、その可愛らしい花姿から世界的に多くの人に愛されている植物です。
ガーデニングとしても人気で多く流通しています。
栽培難易度はさほど高くありませんが、高温多湿を嫌いますので、育てる環境に注意が必要です。
なるべく涼しい場所で栽培するようにしましょう。
花束などのアレンジメントフラワーとしても使われることも多いですが、花言葉には裏の意味もありますので、結婚祝いなどで使用する場合は少し注意が必要となります。
また、全草に毒性がありますので、切り花として活ける際なども、活けていた水には注意をしましょう。
春が訪れる頃、散歩途中に鈴なりに咲いた白い花を見かけたことはありますか。
見た目の通りの名前を持つスズラン、野生の多くは北海道に咲いています。
可愛らしいその姿からは想像できませんが、実は毒性もあるのです。
1. スズランとはどんな花?
スズランは、キジカクシ目キジカクシ科スズラン亜科スズラン属の多年草の植物です。
日本で多く栽培されなじみ深いのは、ヨーロッパ原産のドイツスズランです。
日本原産のスズランより大きく丈夫なのが特徴です。
和名は「君影草」と言います。
主な原産地はヨーロッパやアジアで「春の訪れをしらせる花」として知られています。
また、香りが強くフレグランスの原材料としても使用されています。
草丈は15㎝から20㎝程度で、開花期になると、葉の間から花茎を伸ばし茎の上部に白い花を数輪咲かせます。
花は1㎝前後の釣鐘状で下向きに咲き小さく反り返ります。
色は白色やピンクで、寒さに強く日陰でも良く育ちます。
花が咲いた後には、1㎝弱の果実を実らせ熟すと赤色になります。
2. スズランの花言葉
2-1. 再び幸せが訪れる
寒い土地で良く生育することから、北国の人にとって春が訪れるよろこびを表しており、それが由来です。
しかし、再び幸せが訪れると言われますが、幸せだけではなく不幸や困難、災難などいろいろなものを引き寄せる力が強いと言われています。
2-2. 純粋・純潔
聖母マリアの花とされていることに由来しています。
2-3. 癒し・平静
セント・レオナード伝説が由来とされています。
セント・レオナード伝説とは、清い若者セント・レオナードが修行の旅に出た際、大蛇に襲われた際に流した血からスズランの花が咲き、セント・レオナードの心を癒したとされる話です。
この伝説から、スズランは「幸福をもたらす」として皇族に献上されるようになりました。
その名残で、スズランは恋人や花嫁に贈られる花としても人気があります。
2-4. 裏花言葉
日本のみですが、スズランの花言葉には裏の花言葉があります。
「再び幸せが訪れる」は、幸せだけではなく不幸や災難までも引き寄せるという裏花言葉があります。
「純粋・純潔」は、いつまでも純粋な心を守り続けることは難しく、逆に大人になっても純粋すぎることは嫌味として使用される場合もあります。
「癒し・平穏」は、平穏で穏やかな状態が続くとは限らず、突然終わりを迎えることもあるので、惑わされることないようにするという意味があります。
これらの裏花言葉は、もともとスズランが持っていたものではなくスズランに似た「スノードロップ」という花から派生したと言われています。
スノードロップは「あなたの死を望む」という恐ろしい花言葉があり、その影響でスズランにも悪い印象を与えるような花言葉が作られました。
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