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ご冥福をお祈りしますの意味・メール・返信方法など

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ご冥福をお祈りしますの意味・メール・返信方法など

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お葬式などで故人に対して用いる代表的なお悔やみの言葉として「ご冥福をお祈りします」があります。

「ご冥福をお祈りします」というお悔やみの言葉にはどのような意味があり、どういった場面や相手に対して用いることができるのでしょうか? この記事では、「ご冥福をお祈りします」という言葉の意味・用い方・類語・返事の仕方などについて詳しく解説していきます。

  • 「ご冥福をお祈りします」という言葉の意味
  • 「ご冥福をお祈りします」以外の葬式で使われるお悔やみの類語・言葉
  • 「ご冥福をお祈りします」を使ってはいけない宗教宗派と別の言い回し
  • 「ご冥福をお祈りします」のメールでの使い方
  • ペット(動物)の死に対して「ご冥福をお祈りします」を使っても良いのか?
  • まとめ

1. 「ご冥福をお祈りします」という言葉の意味

「ご冥福をお祈りします」という言葉の意味

通夜・葬儀(葬式)では「お悔やみ申し上げます」という言葉と並んで「ご冥福をお祈りします」という言葉がよく使われていますが、この言葉にはどのような意味があるのでしょうか。

「ご冥福をお祈りします」の意味を直訳的に示すと、「故人の死後の幸せを祈っています」という意味になります。

1-1. 「冥福」とは何か?

「冥福」とは何か?

そもそもご冥福をお祈りしますという時の「冥福」とは何を指し示しているのでしょうか。

「冥福(めいふく)」の意味を正しく理解するためには、「冥」と「福」の漢字に分けて言葉の意味を調べる必要があります。

「冥」とは冥土(めいど)という言葉があるように、「あの世」のことを意味しています。

「福」はそのまま「幸福」を指し示しています。

「ご」は接頭語であり、ご冥福は「死後の幸福・あの世での幸福」を意味しているのです。

1-2. 「ご冥福をお祈りします」という言葉の正しい用い方

「ご冥福をお祈りします」という言葉の正しい用い方

「ご冥福をお祈りします」は「故人の死後の幸福をお祈りします」という意味なので、厳密に考えれば「すでに亡くなってしまった故人」に対して使うべき言葉ということになります。

ただし現実には、すでに亡くなっている人に直接お悔やみの言葉を届けることはできませんから、実際のお葬式などでは故人ではなく「家族・遺族」に対してこの言葉を用いることになります。

そのため、「ご冥福をお祈りします」という言葉を正しく用いる場合には、家族・遺族に対して言う時には「故人に対してのお悔やみの気持ち」が伝わるように、「この度は、まことにご愁傷様でございます。○○様(亡くなった故人)には生前お世話になりました。○○様のご冥福を心からお祈りいたします」といった表現にすべきということになります。

○○様という故人の名前をつけずに、ただ「ご冥福をお祈りします」と言ってしまうと、家族・遺族が亡くなっている人であるかのようなおかしなニュアンスになるので、基本的には「○○様のご冥福を心からお祈りします」という言い方をしたほうが良いでしょう。

1-3. 「謹んで」の接頭語をつけるとより丁寧な表現になる

「謹んで」の接頭語をつけるとより丁寧な表現になる

「ご冥福をお祈りします」というお悔やみの言葉をもっと丁寧な表現にしたい場合には、「謹んで(つつしんで)」という接頭語をつけると良いでしょう。

「謹んでご冥福をお祈り申し上げます」というと、よりフォーマルなしっかりした印象を与える丁寧な言い回しとなります。

「謹んで」は相手への敬意を表現する場合に使う表現ですが、厳粛な雰囲気で畏まって(かしこまって)いるという意味もあるのです。

1-4. 「冥福」にネガティブなイメージを持たれる恐れもある

「冥福」にネガティブなイメージを持たれる恐れもある

「ご冥福をお祈りします」というお悔やみの言葉は、(浄土真宗以外の)仏教式の葬式であれば使用しても概ね問題はありません。

一方で、冥福の「冥」という文字には「暗い・暗黒の死後の世界」といった意味合いもあるので、宗教宗派や個人の受け取り方によっては「適切ではない表現・言い回し」として受け取られてしまう恐れもあるので気をつけましょう。

お悔やみの言葉として、どの宗教宗派でも使えてもっとも無難な言い回しは、「この度はご愁傷様でございます」や「お悔やみを申し上げます」になります。

1-5. 「ご冥福をお祈りします」と言われた時の返事・返答

「ご冥福をお祈りします」と言われた時の返事・返答

通夜・葬儀に参列した人から「ご冥福をお祈りします」と言われた時に、遺族はどのような返事・返答をすれば良いのでしょうか。

故人や自分たち遺族のことを慰めようとして気遣ってくれたその参列者の気持ちに応える返事をすれば大丈夫でしょう。

具体的には、「ご丁寧にありがとうございます・お心遣いありがとうございます」といった返事が一般的になります。

「ありがとう」という言葉を葬儀の場で使うことに違和感がある場合には、「恐縮です・痛み入ります・黙礼のみ」でも良いと思います。

2. 「ご冥福をお祈りします」以外の葬式で使われるお悔やみの類語・言葉

「ご冥福をお祈りします」以外の葬式で使われるお悔やみの類語・言葉

「ご冥福をお祈りします」以外にも、誰かがお亡くなりになられたお葬式では、状況や場面、相手、宗教宗派などに応じて以下のような様々な「お悔やみの言葉(同じような弔意を伝える意味合いを持つ類語)」が用いられています。

2-1. お悔やみ申し上げます

お悔やみ申し上げます

「ご冥福をお祈りします」と「お悔やみ申し上げます」の意味の違いが取り上げられることが多いのですが、お悔やみ申し上げますのほうが、相手や宗教宗派を選ばずに使いやすい「一般的なお悔やみの言葉」になります。

通夜や葬儀に参列して、どういった言葉をご遺族にかければ良いのか分からないという時には、とりあえず「この度は心からお悔やみ申し上げます」と言っておけば、マナー違反になる心配はありません。

「お悔やみ申し上げます」は、故人が亡くなったことに対する残念な気持ちや悲しい思いを伝えるものであり、葬儀(葬式)の弔問をした時に「ご遺族にかける慰め・弔辞の言葉」としてもっとも一般的に使われているものです。

「冥福」というような死後の世界(暗い地下にある死後の世界)の存在に触れる言葉も入っていないので、キリスト教や神道、浄土真宗の信者の方が亡くなられた時にも使えるお悔やみのフレーズです。

「お悔やみ申し上げます」は書き言葉と話し言葉の両方に用いることができます。

2-2. ご愁傷様です

ご愁傷様です

「ご愁傷様です」も「ご冥福をお祈りします」との意味の違いに注目されることが多いのですが、「ご愁傷様です」は人が亡くなっていない時にも使えるより一般的な慰めの言葉になります。

「愁傷(しゅうしょう)」には、嘆き悲しむという意味があります。

「ご愁傷様です」は、逝去(人が亡くなること)に限らず、不幸のあった人に対する慰めるための定形的な挨拶の言葉であり、「お気の毒さまでしたね・今回は大変でしたね」といった意味合いが込められています。

ご愁傷様ですは、話し言葉・書き言葉の両方に使うことができます。

「ご愁傷様です」は「通夜・葬儀(葬式)・不幸な出来事」などに対して使うことのできる応用範囲の広いお悔やみの言葉ですが、「人の失敗(ミス)・苦労などを皮肉ったりからかったりする時に使うという慣例的な用法」もあるため、実際に使う時には言い方や表情などに一定の注意が必要になってきます。

例えば、一生懸命に走って登校してギリギリで遅刻した人に対して「ご愁傷様」というと、「頑張って走っていたけど、結局、間に合わなくて残念でしたー」というやや皮肉なニュアンスが出てくるのです。

2-3. 心中お察し致します

心中お察し致します

「心中(胸中)お察し致します」は、「相手の胸中(心の中・心理状態・気持ち)を推測して気の毒に思う・可哀想に思う」という意味のお悔やみの言葉です。

「心中(胸中)お察し致します」も「ご冥福をお祈りします」よりも応用範囲は広くなっていて、相手や宗教宗派を選ばずに使いやすくなっています。

「心中(胸中)お察し致します」は、特に事件・事故などの不幸な出来事によって故人が亡くなられたケースにおいて使われることの多いお悔やみの言葉です。

「心中(胸中)お察し致します」も、書き言葉・話し言葉の両方に使えます。

2-4. 哀悼の意を表します

哀悼の意を表します

「哀悼の意を表します」という言葉には、「人の死を悲しみ悼む(いたむ)こと」という辞書的な意味がありますが、やや畏まったフォーマルな響きのある言い回しになります。

そのため、内閣総理大臣(首相)が重要な公人や誰かの役に立った人が亡くなった時などに、「哀悼の意を表します」と口頭でお悔やみを述べることがあります。

しかし、厳密に言うと「哀悼の意を表します」は書き言葉だけに用いる言い回しなので、口頭の話し言葉として伝えた場合は間違いになります。

原則として、「哀悼の意を表します」はメール・手紙・弔電などでお悔やみの言葉を述べたい時に使うようにしましょう。

3. 「ご冥福をお祈りします」を使ってはいけない宗教宗派と別の言い回し

「ご冥福をお祈りします」を使ってはいけない宗教宗派と別の言い回し

「ご冥福をお祈りします」という言葉を使ってはいけない場面や使うべきではない宗教宗派には以下のようなものがあります。

ご冥福をお祈りしますというお悔やみの言葉が使えない時には、どのような言い回しをすれば良いのかの対応策についても合わせて説明しています。

3-1. キリスト教

キリスト教

キリスト教の宗教においては、人間の霊魂は「永遠不滅」であり人間は死後に神による「最後の審判」を受けることになります。

最後の審判を受けて生前の善行を認められたものは、永遠の生命を受けて復活するという教義もあり、その時に備えて火葬ではなく肉体が残る土葬をするとも言われています。

キリスト教では、人間が死んですぐに死後の世界で幸福を味わえるという考え方にはならず、「死後の幸福(冥福)」という概念そのものがないということになるのです。

キリスト教の信仰を持つ人が亡くなった時には、故人に対しては「どうぞ安らかにお眠りください」と言葉をかけ、故人のご遺族に対しては「○○様が安らかにお眠りになられることを、心からお祈り申し上げます」といった言葉をかけるようにすると良いでしょう。

3-2. 浄土真宗

浄土真宗

浄土真宗の宗教においては、阿弥陀如来の本願によって信者はみんな極楽浄土で成仏することができるとされていますので、改めて他人が「ご冥福をお祈りする必要」がありません。

浄土真宗の信者は絶対に、死後に極楽浄土に行けることが保証されているからです。

必要がないどころか、ご冥福をお祈りすることは、浄土真宗において絶対的な存在である「阿弥陀如来の人々を確実に救済して極楽往生させる本願の力」を疑うことになるので、基本的にご冥福をお祈りしてはいけないのです。

浄土真宗の信仰を持つ人が亡くなった時には、「謹んでお悔やみ申し上げます」や「哀悼の意を表します」といったお悔やみの言葉をかけるようにしましょう。

また浄土真宗では香典に「御霊前」と記すのも不適切とされていて、通夜・葬儀では原則として「御仏前」と書くのが正しい浄土真宗のお葬式の作法になります。

浄土真宗では「草葉の陰・泉下・昇天」などの概念も用いることはないので気をつけましょう。

3-3. 神道

神道

神道は先祖崇拝・(死者の)守護神の要素が強く、黄泉の国はありますが死後の世界という概念はあまり用いられていません。

神道では仏教用語である「冥福・成仏・供養」などの言葉も用いないので、「ご冥福をお祈りします」は不適切なお悔やみの言葉として受け取られやすいのです。

神道を信仰していた方が亡くなられた時には、「御安霊(ごあんれい)をお祈りします」や「安らかあるようにとお祈りいたします」といった言葉をかけるほうが良いでしょう。

神道の正式なお悔やみの言葉は、「御御霊様(おみたまさま) お安らかにお鎮まりませと慎み敬って申 し上げます」とかなり畏まった言い回しになりますが、そこまで正式な言い方をしなくても通常は大丈夫でしょう。

4. 「ご冥福をお祈りします」のメールでの使い方

「ご冥福をお祈りします」のメールでの使い方

誰か親しい人や知り合いの人が亡くなって、どうしても自分が「通夜・葬儀」に参加できない時には、メールでお悔やみの言葉である「ご冥福をお祈りします」を伝えても良いのでしょうか。

この項目では、ご冥福をお祈りしますなどのお悔やみの言葉をメールで伝えても良いのか、どのような書き方をすれば良いのかについて説明していきます。

4-1. メールでお悔やみを伝えても良い場合:親しい友達・身内(親戚)や仕事上の付き合いであればメールで伝えても良い 親戚や親しい友人知人が亡くなったという訃報を受け取った時には、基本的にはよほどの用事・事情がない限りは、自分自身が足を運んで通夜・葬儀に参加した上で「お悔やみの言葉」を伝えるべきです。

「身内の親戚・親しい友達」など近しい関係にある人のほうが、メールでお悔やみの言葉を伝えやすいとは言えますが、原則的には通夜・葬儀に駆けつけたほうが良いでしょう。

お悔やみの言葉をメールで送ること自体は禁止されているわけではありませんが「略式のお悔やみ」になるので、「関係性が深い人(気心の知れている友達・身内の親戚など)」に対して送るほうが失礼に当たりにくくなるとされています。

以下のような状況や場合であれば、メールで「ご冥福をお祈りします」と送っても構わないでしょう。

○相手からメールで訃報の連絡を受け取った場合 ○訃報メールの送信者が、「親しい親戚・友達・知人」など比較的近しい関係にある人の場合 ○訃報メールの送信者が、「会社の上司部下・取引先の担当者」などビジネス上の付き合いに留まる人の場合 メールに「ご冥福をお祈りします」と書く時には、より丁寧に「謹んで心よりご冥福をお祈り申し上げます」といった表現で書いたほうがいいでしょう。

4-2. 「ご冥福をお祈りします」をメールで伝える場合の注意点

「ご冥福をお祈りします」をメールで伝える場合の注意点

「ご冥福をお祈りします」「謹んで心よりご冥福をお祈り申し上げます」といったお悔やみの言葉をメールで伝えたい時には、以下の注意点に気をつけるようにしましょう。



・簡潔な件名(タイトル)で送る

メールの件名(タイトル)には余計な文面は盛り込まず、シンプルに書くようにしましょう。

お悔やみメールの件名(タイトル)のテンプレートは、「誰から送られたお悔やみのメールであるか」が分かるようになっていればいいのです。

「○○より~様のご逝去についてお悔やみを申し上げます」という簡潔な件名のメールが望ましいと言えるでしょう。

ビジネス上の付き合いのある相手に対しては、「~株式会社営業部の○○よりお悔やみを申し上げます」という件名で大丈夫です。

会社員や公務員である場合には、「会社名(役所名)+役職・所属」も合わせて記述することが原則となります。



・前置きは無しで内容を手短に書く

お悔やみメールを書く時には、一般的なメールに多い「気候が厳しくなって参りましたが、いかがお過ごしでしょうか?」などの時候・季節の挨拶は省略するようにして下さい。

故人の家族・遺族に対するお悔やみメールは、色々な話題でおしゃべりをすることを目的にしているものではなく、「故人が亡くなって自分も悲しい思いをしていること+故人のご遺族に弔意を伝えること」を目的にしています。

お悔やみメールでは「文面をひねって時間をかけて書く」のではなく、「手短に急いで書く(取るものも取りあえず故人と遺族のために急いで書く)」ことを意識して書くべきなのです。



・丁寧な言葉遣い・忌み言葉は使わない

お悔やみメールは「簡潔なタイトル+手短な文章」で急いで書くべきですが、亡くなった故人・ご遺族に敬意を払うことを忘れてはいけません。

丁寧な言葉遣いの文章でメールを書くように気をつけて下さい。

お悔やみメールの文書においては、一般的な葬儀・葬式の場と同じように、「重ね重ね・再三・死」などの忌み言葉(不幸・死去を繰り返すような意味のある不吉な言葉)は絶対に使わないようにしましょう。

4-3. 「ご冥福をお祈りします」のお悔やみの言葉は英語で何と書くのか?

「ご冥福をお祈りします」のお悔やみの言葉は英語で何と書くのか?

英語の文面で「ご冥福をお祈りします」というお悔やみの言葉を伝えたい時には、以下のように書くと良いでしょう。

May your soul rest in peace. (R. I. P. ) (故人に対して)あなたの魂が安らかな眠りにつかれることをお祈り申し上げます。

I'm sorry for your loss. (遺族に対して)大切な人を失われたことに対してお悔やみ申し上げます。

I pray his(her) soul may rest in peace. (遺族に対して)故人の魂が安らかな眠りにおつきになられることを、お祈り致しております。

5. ペット(動物)の死に対して「ご冥福をお祈りします」を使っても良いのか?

ペット(動物)の死に対して「ご冥福をお祈りします」を使っても良いのか?

最近は犬猫などのペットを「家族の一員」として可愛がっている人が増えていて、ペットが亡くなった時には人間の家族が亡くなった時以上に悲しむ人も多くなっています。

大切に可愛がっていたペットが亡くなった時の「ペットロス」は深刻な問題になることもありますが、動物であるペットが亡くなった時に「ご冥福をお祈りします」というフレーズを使っても良いのでしょうか。

「冥福」という仏教用語には「六道輪廻・輪廻転生」も含意されているので、結論から言えば、「ご冥福をお祈りします」と言っても良いということになります。

仏教的な世界観では、犬猫の動物の魂も次の輪廻に向かっていていずれ生まれ変わる運命にあるため、「冥福という概念」を用いても何ら違和感はないのです。

まとめ

まとめ

「ご冥福をお祈りします」というお悔やみの言葉について詳しく解説してきましたが、いかがだったでしょうか。

「ご冥福」は故人に対して使うべきお悔やみの言葉なので、ご遺族に対して直接「ご冥福をお祈りします」と伝えるのは間違った使い方になります。

ご遺族に対しては「この度は、まことにご愁傷様でございます。

○○様のご冥福をお祈り致します」という正しい言い方をするように気をつけましょう。

「ご冥福をお祈りします」というお悔やみの言葉は、原則として「キリスト教・神道・浄土真宗の信者の故人や遺族」に対しては使うことができません。

「ご冥福をお祈りします」の意味・使い方・類語などについて知りたい時は、この記事を参考にして下さい。

お葬式などで故人に対して用いる代表的なお悔やみの言葉として「ご冥福をお祈りします」があります。

「ご冥福をお祈りします」というお悔やみの言葉にはどのような意味があり、どういった場面や相手に対して用いることができるのでしょうか? この記事では、「ご冥福をお祈りします」という言葉の意味・用い方・類語・返事の仕方などについて詳しく解説していきます。


「ご冥福をお祈りします」という言葉の意味

通夜・葬儀(葬式)では「お悔やみ申し上げます」という言葉と並んで「ご冥福をお祈りします」という言葉がよく使われていますが、この言葉にはどのような意味があるのでしょうか。

「ご冥福をお祈りします」の意味を直訳的に示すと、「故人の死後の幸せを祈っています」という意味になります。

1-1. 「冥福」とは何か?

「冥福」とは何か?

そもそもご冥福をお祈りしますという時の「冥福」とは何を指し示しているのでしょうか。

「冥福(めいふく)」の意味を正しく理解するためには、「冥」と「福」の漢字に分けて言葉の意味を調べる必要があります。

「冥」とは冥土(めいど)という言葉があるように、「あの世」のことを意味しています。

「福」はそのまま「幸福」を指し示しています。

「ご」は接頭語であり、ご冥福は「死後の幸福・あの世での幸福」を意味しているのです。

1-2. 「ご冥福をお祈りします」という言葉の正しい用い方

「ご冥福をお祈りします」という言葉の正しい用い方

「ご冥福をお祈りします」は「故人の死後の幸福をお祈りします」という意味なので、厳密に考えれば「すでに亡くなってしまった故人」に対して使うべき言葉ということになります。

ただし現実には、すでに亡くなっている人に直接お悔やみの言葉を届けることはできませんから、実際のお葬式などでは故人ではなく「家族・遺族」に対してこの言葉を用いることになります。

そのため、「ご冥福をお祈りします」という言葉を正しく用いる場合には、家族・遺族に対して言う時には「故人に対してのお悔やみの気持ち」が伝わるように、「この度は、まことにご愁傷様でございます。○○様(亡くなった故人)には生前お世話になりました。○○様のご冥福を心からお祈りいたします」といった表現にすべきということになります。

○○様という故人の名前をつけずに、ただ「ご冥福をお祈りします」と言ってしまうと、家族・遺族が亡くなっている人であるかのようなおかしなニュアンスになるので、基本的には「○○様のご冥福を心からお祈りします」という言い方をしたほうが良いでしょう。

1-3. 「謹んで」の接頭語をつけるとより丁寧な表現になる

「謹んで」の接頭語をつけるとより丁寧な表現になる

「ご冥福をお祈りします」というお悔やみの言葉をもっと丁寧な表現にしたい場合には、「謹んで(つつしんで)」という接頭語をつけると良いでしょう。

「謹んでご冥福をお祈り申し上げます」というと、よりフォーマルなしっかりした印象を与える丁寧な言い回しとなります。

「謹んで」は相手への敬意を表現する場合に使う表現ですが、厳粛な雰囲気で畏まって(かしこまって)いるという意味もあるのです。

1-4. 「冥福」にネガティブなイメージを持たれる恐れもある

「冥福」にネガティブなイメージを持たれる恐れもある

「ご冥福をお祈りします」というお悔やみの言葉は、(浄土真宗以外の)仏教式の葬式であれば使用しても概ね問題はありません。

一方で、冥福の「冥」という文字には「暗い・暗黒の死後の世界」といった意味合いもあるので、宗教宗派や個人の受け取り方によっては「適切ではない表現・言い回し」として受け取られてしまう恐れもあるので気をつけましょう。

お悔やみの言葉として、どの宗教宗派でも使えてもっとも無難な言い回しは、「この度はご愁傷様でございます」や「お悔やみを申し上げます」になります。

1-5. 「ご冥福をお祈りします」と言われた時の返事・返答

「ご冥福をお祈りします」と言われた時の返事・返答

通夜・葬儀に参列した人から「ご冥福をお祈りします」と言われた時に、遺族はどのような返事・返答をすれば良いのでしょうか。

故人や自分たち遺族のことを慰めようとして気遣ってくれたその参列者の気持ちに応える返事をすれば大丈夫でしょう。

具体的には、「ご丁寧にありがとうございます・お心遣いありがとうございます」といった返事が一般的になります。

「ありがとう」という言葉を葬儀の場で使うことに違和感がある場合には、「恐縮です・痛み入ります・黙礼のみ」でも良いと思います。

「ご冥福をお祈りします」以外の葬式で使われるお悔やみの類語・言葉

「ご冥福をお祈りします」以外にも、誰かがお亡くなりになられたお葬式では、状況や場面、相手、宗教宗派などに応じて以下のような様々な「お悔やみの言葉(同じような弔意を伝える意味合いを持つ類語)」が用いられています。

2-1. お悔やみ申し上げます

お悔やみ申し上げます

「ご冥福をお祈りします」と「お悔やみ申し上げます」の意味の違いが取り上げられることが多いのですが、お悔やみ申し上げますのほうが、相手や宗教宗派を選ばずに使いやすい「一般的なお悔やみの言葉」になります。

通夜や葬儀に参列して、どういった言葉をご遺族にかければ良いのか分からないという時には、とりあえず「この度は心からお悔やみ申し上げます」と言っておけば、マナー違反になる心配はありません。

「お悔やみ申し上げます」は、故人が亡くなったことに対する残念な気持ちや悲しい思いを伝えるものであり、葬儀(葬式)の弔問をした時に「ご遺族にかける慰め・弔辞の言葉」としてもっとも一般的に使われているものです。

「冥福」というような死後の世界(暗い地下にある死後の世界)の存在に触れる言葉も入っていないので、キリスト教や神道、浄土真宗の信者の方が亡くなられた時にも使えるお悔やみのフレーズです。

「お悔やみ申し上げます」は書き言葉と話し言葉の両方に用いることができます。

2-2. ご愁傷様です

ご愁傷様です

「ご愁傷様です」も「ご冥福をお祈りします」との意味の違いに注目されることが多いのですが、「ご愁傷様です」は人が亡くなっていない時にも使えるより一般的な慰めの言葉になります。

「愁傷(しゅうしょう)」には、嘆き悲しむという意味があります。

「ご愁傷様です」は、逝去(人が亡くなること)に限らず、不幸のあった人に対する慰めるための定形的な挨拶の言葉であり、「お気の毒さまでしたね・今回は大変でしたね」といった意味合いが込められています。

ご愁傷様ですは、話し言葉・書き言葉の両方に使うことができます。

「ご愁傷様です」は「通夜・葬儀(葬式)・不幸な出来事」などに対して使うことのできる応用範囲の広いお悔やみの言葉ですが、「人の失敗(ミス)・苦労などを皮肉ったりからかったりする時に使うという慣例的な用法」もあるため、実際に使う時には言い方や表情などに一定の注意が必要になってきます。

例えば、一生懸命に走って登校してギリギリで遅刻した人に対して「ご愁傷様」というと、「頑張って走っていたけど、結局、間に合わなくて残念でしたー」というやや皮肉なニュアンスが出てくるのです。

2-3. 心中お察し致します

心中お察し致します

「心中(胸中)お察し致します」は、「相手の胸中(心の中・心理状態・気持ち)を推測して気の毒に思う・可哀想に思う」という意味のお悔やみの言葉です。

「心中(胸中)お察し致します」も「ご冥福をお祈りします」よりも応用範囲は広くなっていて、相手や宗教宗派を選ばずに使いやすくなっています。

「心中(胸中)お察し致します」は、特に事件・事故などの不幸な出来事によって故人が亡くなられたケースにおいて使われることの多いお悔やみの言葉です。

「心中(胸中)お察し致します」も、書き言葉・話し言葉の両方に使えます。

2-4. 哀悼の意を表します

哀悼の意を表します

「哀悼の意を表します」という言葉には、「人の死を悲しみ悼む(いたむ)こと」という辞書的な意味がありますが、やや畏まったフォーマルな響きのある言い回しになります。

そのため、内閣総理大臣(首相)が重要な公人や誰かの役に立った人が亡くなった時などに、「哀悼の意を表します」と口頭でお悔やみを述べることがあります。

しかし、厳密に言うと「哀悼の意を表します」は書き言葉だけに用いる言い回しなので、口頭の話し言葉として伝えた場合は間違いになります。

原則として、「哀悼の意を表します」はメール・手紙・弔電などでお悔やみの言葉を述べたい時に使うようにしましょう。

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この記事は2021年02月09日に更新されました。

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