ネトゲ廃人の心理や依存しやすい人の特徴・原因・抜け出す方法 | SPITOPI

新時代の社会問題として、話題に上がることも多くなったネトゲ廃人について、依存しやすい人の特徴や原因を例に挙げながら、そこから脱出する方法を探っていきます。

1. ネトゲ廃人とは?

ネトゲ廃人とは、複数の匿名の人たちと同時に遊べるオンラインのゲームに集中するがあまり、廃人のようになってしまうことを表す言葉で、ネットゲーム廃人の略です。

世界保健機関でも病として認定されるようになったこの症状を患う人は、ゲームに集中しすぎて現実の生活を疎かにし、睡眠や食事を軽視するようになったり、人と会うことも億劫になり、対人関係に支障をきたすようになることを意味しています。

また、有料ゲームにハマってしまう場合は、莫大な課金をして借金を抱えてしまう問題もあり、たかがゲームと侮ってはいけない被害を及ぼします。

2. ネットゲームに依存する人の心理

2-1. 自分が活躍する場が欲しい

ネットゲームに依存する人がそのようになってしまう動機として、自分が活躍する場が欲しいという心理が働いていることは、一般的な理由として挙げられます。

誰もが自分の活躍の場が欲しいと多少なりとも思っているものですが、その感情が色濃く出ている人は、ゲームの中で誰からも一目置かれるようなヒーローとして崇められたいという願望が芽生え、そのためなら多少の犠牲も構わないという信念のもとに、他の誰よりも多くの時間をゲームに費やすことを肯定します。

このような心理に至るのは特に男性が多く、自分の縄張りを誇示したがる男性的な習性が関係しています。

2-2. 今さえ楽しければ良い

今さえ楽しければそれで良いと考えている人は、適当な食事によって栄養のバランスが悪くなろうが、睡眠時間が削られようが、ゲームが楽しいという目の前の感情を優先し、明日のことを考えることなく、ゲームに没頭します。

そこから読み取れるのは、夢や目標がない現実を生きていることの裏返しであり、命すらも軽視するような感情がそこにあることが伺えます。

このように、刹那的な快楽に突き動かされて生きている人は、周囲の人に嫌われることすらも恐れていないので、自らの気力と体力がなくなる以外、ゲームから離れることはありません。

2-3. 現実を忘れたい

仮想の世界に依存してしまうことを裏返せば、現実の世界に依存していないということを読み取ることができます。

言い換えればそれは現実を忘れたいということであり、できるだけ多くの時間、憂さ晴らしのためにゲームの世界に滞在しようとする心理が働いています。

うだつの上がらない現実の自分を直視するよりも、社会的地位や年収やルックスの良し悪しで他人を線引きすることのないオンラインの世界に身を置きたいという心理には、現実逃避することでしか今の自分を慰められない、苦々しい思いが見え隠れしています。

2-4. 承認欲求を満たしたい

現実の世界で誰からも相手にされない人は、仮想の世界で承認欲求を満たそうとします。

かつてのゲームのように、予めコンピューターにプログラミングされた動きしかしないわけではなく、生身の人間がそれぞれのキャラクターを動かしていることを思えば、仮想現実の世界でも心の交流を体感できる瞬間は訪れます。

例えば、自分よりも低い能力のキャラを助けてあげたり、逆に自分が危ない場面で誰かに助太刀に入ってもらうことで、現実の世界ではなかなか赤の他人にそのような親切行動を示す機会がない人たちも、承認欲求を互いに満たしています。

2-5. 人に迷惑をかけたくない

意外な心理に感じられるかもしれませんが、人に迷惑をかけたくないという理由から、ネトゲ廃人になってしまう人もいます。

それはなぜかといえば、ゲームの中で知り合った住民たちと協力関係が結ばれていくため、自分がその世界に参加しないことで、仲間になったパーティーの勢力が弱くなってしまうことを懸念し、すべての時間を自分の仲間のために費やすようになります。

そのことを客観視できないゆえに、顔も分からない仮想の仲間に協力することで、現実の世界で同居している親や妻に迷惑をかけていることに気づくことができません。

3.ネットゲームに依存しやすい人の特徴

3-1. 得意な事には異常な集中力を見せる

ネットゲームに依存しやすい人の特徴として不可欠なのは、自分の得意なことには異常な集中力を見せる要素です。

人間は誰しもそのような一面をもっているものですが、そのジャンルがネットゲームに適性した人が、ネトゲ廃人と揶揄されてしまうほど依存してしまう傾向があります。

物事を成し遂げるために、他人よりも秀でた集中力を持つことは素晴らしいことですが、日常生活に支障をきたすほど娯楽と言えるゲームに没頭することは、奨励されるべきことではありません。

自らの特異稀な集中力が仇になることもあることを、自覚すべきです。

3-2. 他人に関心がない

他人に関心がない人は、ネットゲームに依存しやすい傾向があります。

他人との交流を楽しんでいる人は、飲み会に誘われたり、SNSでの交流を楽しんだりと、ネットゲーム以外の時間に没頭する時間も生まれるので、ネトゲ廃人と言われるほどゲームに時間を割くことができません。

人への関心がなければ、誘うことも誘われることもありませんので、全ての時間が自分自身の意思によって決定できるようになり、ネットゲームに一点集中した時間を過ごすことになります。

実際にネトゲ廃人と言われている人の多くは、ラインでの交流も一般より少ないことがわかっています。

3-3. 仕事に関心がない

仕事に関心がない人もまた、ネットゲームに依存しやすい傾向があります。

暇な時間を何に当てるかは人それぞれですが、仕事が充実している人はそのための準備や付随する時間に時間をとられるので、ネットゲームに没頭している時間などなくなります。

また、ネット廃人になるほどゲームに時間を費やせるということは、職場での出世にも興味がないという後ろ向きの姿勢が伺えますし、ゲームに集中して睡眠不足になってしまえば、翌日の仕事に響くことは明白ですので、仕事が充実している人でネットゲームに依存している人など皆無なのが現実です。

3-4. 怠惰な性格

ネットゲームに依存しやすい傾向として、怠惰な性格であることも関係しています。

何時間もゲームに没頭していられることは、集中力があると表現すれば聞こえが良いですが、逆に言えば、いつまでも止められない怠惰な一面によって、そのような状況を引き起こしていると表現することもできます。

めんどくさいという心理の根底には、現状を変える動作が必ず含まれますので、そろそろ止めて眠りに着こう、食事を取ろう、風呂に入ろうといったように、ゲームを止めることが次の行動への起点となることを避けるために、ダラダラとゲームを続けてしまうケースもあります。

4. ネットゲームに依存する原因

4-1. 強制的にやめる理由がない

ネットゲームに依存してしまう原因を探れば、やめなければならない理由がないということは、多くのネトゲ廃人に共通しています。

多くの人は、明日も仕事が早いからこのへんで止めようとか、一緒に暮らしている家族に文句を言われるから電源を落とそうといったように、良い意味で強制的にストッパーになってくれる理由が生活の中にあるものですが、例えば、極端に甘い親のすねをかじりながら、実家暮らしでゲームを楽しんでいる人などは、強制的にゲームを止める理由が何もない場合もあり、欲望のままにネトゲ廃人への一途を辿ります。

4-2. 匿名のまま他人と触れ合える

オンラインゲームの特性である、匿名のまま他人と触れ合えることの喜びは、ネットゲームに依存する人の心を掴んで離しません。

現実世界の自分に自信がない人は、SNSを筆頭に、匿名で新しい自分となって生きることができる場に依存しやすい傾向がありますが、オンラインゲームの世界もそのような願望を叶えてくれるシステムが完備されているため、ゲームの中にだけ存在する自分のキャラクターを作り上げ、他人から尊敬されたり、人の優しさに触れられる瞬間と出会うために、その世界の住人でい続けることを最優先します。

4-3. まだ痛い目に遭っていない

様々な情報が入ってくるオンライン環境にいながら、ネトゲ廃人は危険だという話を一度も聞いたことがないネトゲ廃人予備軍など、一人もいないでしょう。

それにもかかわらず、現状を変えようとしないということは、実際に痛い目に遭ったことがない心のゆとりがそうさせるのであり、自分の身には起こり得ないこととして、他人事のように聞き流している可能性が高いです。

5. ネトゲ廃人から抜け出すには

ネトゲ廃人にまでなってしまう意志の弱い人が、そこから抜け出すには、今の生活のままでもいつか抜け出せると過信せず、まずは環境を変えてみることをお勧めします。

具体的には、携帯電話をいつでも手に取れる環境に置かないようにすることが必須であり、例えば、深夜は金庫に収納して鍵をかけてしまうなど、自分の意思の及ばない強制力のあるツールを利用するのも効果的です。

また、人間は新たな欲望を見つけることで、過去の欲望を手放すことができるので、ネットゲームをやらない代わりに何をするのかを明確にすると、自然とゲームをやる時間を減らすことができます。

まとめ

ネトゲ廃人の特徴や原因、またその脱出方法について、まとめてみました。

ネットゲームが心の拠り所になっている人にとって、その世界にいる時間を減らすことはなかなか難しいかもしれませんが、苦労して作り上げた仮想世界の自分や仲間との絆と、完全に決別する必要などありませんので、まずはそのことを念頭に置きつつ、仮想と現実の双方の世界を充実させるために、勇気を出してネトゲ廃人から脱出するための道を歩み始めましょう。