何ごとにも繊細で疲れやすい、大きな音に敏感だ、一度に多くの物事を処理できないとお悩みの方はいらっしゃいませんか。
そのような方は「HSP」かもしれません。
繊細で疲れやすく、生きづらいと感じている方へ向けて、「HSP」をご紹介します。
- HSPとは?
- HSPの特徴
- HSPの方に向いている仕事や種類
- HSPの方の普段からできる対策
- HSPは病気ではなく性質
- まとめ
1. HSPとは?
HSPとは「Highly sensitive person(ハイリー・センシティブ・パーソン/とても敏感な人)」の略で、繊細で感受性が高く、内向的な特性を持つ人を表します。
繊細で内向的と聞くと、対人場面で吐き気を催したり、赤面などの身体症状が表れる「社交不安障害」をイメージしますが、HSPには、それらの症状はありません。
HSPは、アメリカの心理学者であるエレイン・N・アーロン博士が1991年から研究をはじめ、現代社会では、全人口の15%〜20%の人に、HSPの特性が見られるとされます。
2. HSPの特徴
HSPの人は、繊細で疲れやすいという特性がありますが、他にも様々な特徴があるとされます。
以下に、HSPの人の特徴をご紹介します。
2-1. 感受性が高い
HSPの人は、人一倍感受性が高いという特徴があります。
例えば、絵画などの芸術作品を見ると、人一倍感動したり、音楽などを聞くと、感銘を受けることがあります。
また、感受性が高いため、映画やドラマを見ると、他の人には感じることができない、「行間を読む」ことが可能であったり、他人は感動しない場面で涙を流すこともあります。
そして、HSPの人は、感受性が高いことにより勘が鋭く、人のちょっとした行動で、その人の気持も察知できるという特徴も持っています。
しかし、HSPの人は、良い意味でも悪い意味でも感受性が高すぎるため、みんなが集まる場所で、感じる必要がない「場の空気」を感じ取り、一人で疲弊したり、使う必要がない気を使ってしまうなど、人一倍苦労することもあります。
2-2. 大きな音や臭いに敏感
HSPの人は、音や臭いに敏感という特徴があります。
例えば、扉を閉める音や、物を落とす音、救急車やパトカーのサイレンなど、突然聞こえる大きな音、また、煙草の煙や野焼きの臭い、他人の体臭などに敏感です。
さらに、HSPの人は、それらの音や臭いの出処を全て、無意識のうちに脳内で判断しようと努めるため、ショッピングモールなど、人が多く集まる騒がしい場所や、居酒屋など、様々な臭いがある場所は、特に疲れるという特徴があります。
これら以外にも、HSPの方は、他の人が平気な音や臭いも不快に感じることがあり、人一倍大変です。
2-3. 一度に複数のことを処理できない
HSPの人は、短時間に多くの物事を処理できないという特徴があります。
例えば、事務職など、次から次に多種多様な仕事がこなす必要がある職業は苦手です。
また、パソコンで作業をしている最中に、複数のウインドウが表示されていたり、スマートフォンを操作中に、たくさんのアプリが起動していると、混乱してしまいます。
しかし、HSPの人は、一度に複数のことを処理できない反面、一つのことを深くやり遂げられるという特徴があります。
このため、HSPの人は、時間を掛ければ、人より良い仕事ができます。
2-4. 何ごとも慎重
HSPの人は、あらゆる物事に慎重という特徴があります。
例えば、何かに挑戦する時は、メリットだけではなく、徹底的にデメリットを洗い出し、もしものことを考え、リスク管理を怠りません。
このため、HSPの人は、人から頼られることが多く、責任感も強いため、会社では評価が高い傾向があります。
しかし、HSPの人は、何ごとにも慎重になりすぎ、石橋を叩きすぎて、可能なことを不可能にすることがあるため、「慎重過ぎる」と評価されることもあります。
また、繊細なだけに、頼まれごとをされたときは、相手の気持ちを考慮しつつ断れず、常にプレッシャーに晒され、働けば働くほど、人一倍疲れてしまいます。
2-5. 孤独を愛し、刺激を憎む
HSPの人は、日々の生活の中で、動揺したり、刺激的な体験を嫌う傾向があります。
また、繊細なだけに、ちょっとした環境の変化も大きく捉えてしまいます。
例えば、職場で新しい上司が配属されると聞くと、厄介なことを言われるのではないかと心配し、不意に電話のベルが鳴ると、不幸なことを告げられるのではと不安に思い、玄関チャイムが鳴ると、面倒な来客ではと動揺します。
そのため、HSPの人は孤独を深く愛し、また、疲れたときは、誰にも邪魔されず、一人で休みたいと希望します。
しかし、HSPの人は、自分が動揺することだけではなく、他人を動揺させることも嫌うため、言動が優しく、思いやりがあり、誰からも好かれるという特徴があります。
3. HSPの方に向いている仕事や種類
HSPの人は、繊細で疲れやすいなどの特性があるため、生きづらさを感じることがありますが、特性を活かした仕事に就けば、人より大成することができます。
ここからは、HSPの方に向いている職種をご紹介します。
3-1. 感受性の高さを活かせる仕事
HSPの人は、感受性が高いという特性がありますが、その特性を活かした仕事に就けば、大成することができます。
例えば、HSPの人が画家になり、ありふれた風景を描写すれば、他人には見えない風情を描くことが可能です。
また、芸術家になり、アート作品を作れば、他人とは違った感性で、様々な物を作り出すことができます。
その他にも、HSPの人は感受性が高いだけに、人の考えていることを察しやすいという、優れた才能を持っています。
そのため、心理カウンセラーや心理セラピスト、臨床心理士、精神科医、心理学者、占い師など、他人の悩みごとを解決する職業は、HSPの人に最適です。
3-2. 敏感な臭覚を活かせる仕事
HSPの人は、臭覚が優れているという特性があるため、臭覚を活かせる職業が向いています。
具体的には、食品に使われる香りや、シャンプーや香粧品の香りを調合する調香師、工場などから排出される排気ガスの臭いを数値化する臭気判定士などです。
調香師や臭気判定士は、忍耐力を必要とする仕事ですが、食いっぱぐれがない職業で、生涯安泰といえます。
また、アロマオイルの香りを提案する、女性に人気のアロマテラピストも、HSPの方には適職です。
これら以外にも、HSPの人は、聴覚も優れているという特性があるため、ミュージシャンや音楽講師なども最適といえます。
3-3. 職人
HSPの人は、一度に複数のことを処理できないという特性がありますが、時間を掛ければ、一つの物事を深くやり遂げられるという特徴があります。
そのため、HSPの人は、職人向きだといえます。
職人といっても、様々な職種がありますが、HSPの人は、聴覚に優れているため、ピアノの音色を作るピアノ調律師、ギターやバイオリンを作る楽器クラフトマン、楽器を修理する楽器リペアマンなどが最適です。
3-4. 一人でできる仕事
HSPの人は、孤独を愛し、刺激を憎むという特性があるため、一人で働く職業に向いているといえます。
具体的には、トラックやタクシーの運転手、ケーブルテレビの宅内接続作業員、ホテルの清掃員やビルの警備員、新聞配達員、農作業、ポスティングなどの職業で、場合によっては、工場作業員なども、一人で働けることがあります。
また、クラウドワークスやランサーズなどでお馴染みの在宅ワークや、自分でサイトを運営するアフィリエイター、情報を発信するブロガーやYouTuber(ユーチューバー)なども、HSPの人には最適です。
なお、営業なども、場合によっては、一人で得意先をまわるなど、単独での仕事が可能ですが、HSPの人は、孤独を愛すると共に、人との競争は苦手という特性があります。
そのため、HSPの人は、競争を迫られる営業は不向きです。
4. HSPの方の普段からできる対策
HSPの人は、繊細で疲れやすく、生きづらいという特性がありますが、対策を講じることにより、ある程度であれば、克服することが可能です。
以下に、HSPの方ができる対策をご紹介します。
4-1. 自分らしさを大切にする
HSPの人は、感受性が高く繊細なため、他人から神経質と評されることがありますが、その反面、人の気持を細かに察することが可能で、気配りが利くという、素晴らしい特性を持っています。
そのため、HSPの人は、HSPであることを素直に認め、神経質な側面が表れたときは、「自分はHSPのため、何事も気にしすぎる傾向があるが、気配りが効いたり、人の気持ちを思いやることができる」と自分に言い聞かせ、安心させることが大切です。
また、現代社会において、全人口の15%〜20%の人は、HSPの特性を持つとされるため、HSPの方は、自分を特別な人種と思わず、決して孤独ではないと考えることも、対策の一つといえます。
4-2. 音に敏感であれば、耳栓を付ける
HSPの人は、音に敏感という特性があり、人が気にならない音を耳障りだと感じることがありますが、単に音に不快になるのではなく、耳栓を付けるなど、行動的な処置をとることが大切です。
また、HSPの人は、臭いに敏感で、煙草の煙や、他人の体臭が苦手な方もいらっしゃいますが、それらの臭いを不快だと感じた時は、無理に我慢せず、速やかにその場から去るなど、行動的に回避することが重要です。
4-3. 焦らずマイペースで行動する
HSPの人は、一度に複数のことを処理できないという特性があります。
そのため、HSPの人は、何事も焦らず、一つ一つの仕事を丁寧にこなし、マイペースで行動することが大切です。
例えば、家事をする際に、洗濯機で洗濯をしながら掃除機を掛け、さらに野菜も煮るなど、複数のことを同時に処理することは、できるだけ避ける必要があります。
また、働く際に、緻密なスケジュールをこなし続けると、疲れてしまうため、ある程度、余裕を持ったスケジュールで仕事をする必要があります。
5. HSPは病気ではなく性質
HSPは、うつ病やパニック障害に似ている側面があるため、病気と勘違いされることがありますが、決して病気ではなく、その人の性質です。
また、現代社会において、全人口の15%〜20%の人が、HSPの特性を持つとされることも、HSPが病気ではなく、その人の性質や特性であることを物語っています。
そのため、突然の電話のベルや、玄関のチャイムに驚くなど、HSPならではの繊細な側面が表れた際は、これは病気ではなく特性だと自分に言い聞かせ、何事にも過敏にならないように気をつけることが重要です。
まとめ
HSPの特徴や性質をご紹介しました。
まとめると、HSPの人は、人一倍繊細なため、疲れやすく、生きづらいと感じることがありますが、その反面、他人を思いやる気持ちがあるなど、優しい側面を併せ持っています。
また、HSPの人は、一度に複数のことを処理するのが苦手であり、音などにも敏感なため、パニック障害やうつ病などの病気と誤解されることがありますが、決して病気ではなく、その人の特性であり、また、人格でもあります。
あなたがもし、ご紹介したHSPの特性があり、生きづらいと感じている場合は、自分はHSPであることを認めつつ、HSPと上手に付き合い、自分に素直に生きることが、人生を楽に生きる秘訣です。
何ごとにも繊細で疲れやすい、大きな音に敏感だ、一度に多くの物事を処理できないとお悩みの方はいらっしゃいませんか。
そのような方は「HSP」かもしれません。
繊細で疲れやすく、生きづらいと感じている方へ向けて、「HSP」をご紹介します。
1. HSPとは?
HSPとは「Highly sensitive person(ハイリー・センシティブ・パーソン/とても敏感な人)」の略で、繊細で感受性が高く、内向的な特性を持つ人を表します。
繊細で内向的と聞くと、対人場面で吐き気を催したり、赤面などの身体症状が表れる「社交不安障害」をイメージしますが、HSPには、それらの症状はありません。
HSPは、アメリカの心理学者であるエレイン・N・アーロン博士が1991年から研究をはじめ、現代社会では、全人口の15%〜20%の人に、HSPの特性が見られるとされます。
2. HSPの特徴
HSPの人は、繊細で疲れやすいという特性がありますが、他にも様々な特徴があるとされます。
以下に、HSPの人の特徴をご紹介します。
2-1. 感受性が高い
HSPの人は、人一倍感受性が高いという特徴があります。
例えば、絵画などの芸術作品を見ると、人一倍感動したり、音楽などを聞くと、感銘を受けることがあります。
また、感受性が高いため、映画やドラマを見ると、他の人には感じることができない、「行間を読む」ことが可能であったり、他人は感動しない場面で涙を流すこともあります。
そして、HSPの人は、感受性が高いことにより勘が鋭く、人のちょっとした行動で、その人の気持も察知できるという特徴も持っています。
しかし、HSPの人は、良い意味でも悪い意味でも感受性が高すぎるため、みんなが集まる場所で、感じる必要がない「場の空気」を感じ取り、一人で疲弊したり、使う必要がない気を使ってしまうなど、人一倍苦労することもあります。
2-2. 大きな音や臭いに敏感
HSPの人は、音や臭いに敏感という特徴があります。
例えば、扉を閉める音や、物を落とす音、救急車やパトカーのサイレンなど、突然聞こえる大きな音、また、煙草の煙や野焼きの臭い、他人の体臭などに敏感です。
さらに、HSPの人は、それらの音や臭いの出処を全て、無意識のうちに脳内で判断しようと努めるため、ショッピングモールなど、人が多く集まる騒がしい場所や、居酒屋など、様々な臭いがある場所は、特に疲れるという特徴があります。
これら以外にも、HSPの方は、他の人が平気な音や臭いも不快に感じることがあり、人一倍大変です。
2-3. 一度に複数のことを処理できない
HSPの人は、短時間に多くの物事を処理できないという特徴があります。
例えば、事務職など、次から次に多種多様な仕事がこなす必要がある職業は苦手です。
また、パソコンで作業をしている最中に、複数のウインドウが表示されていたり、スマートフォンを操作中に、たくさんのアプリが起動していると、混乱してしまいます。
しかし、HSPの人は、一度に複数のことを処理できない反面、一つのことを深くやり遂げられるという特徴があります。
このため、HSPの人は、時間を掛ければ、人より良い仕事ができます。
2-4. 何ごとも慎重
HSPの人は、あらゆる物事に慎重という特徴があります。
例えば、何かに挑戦する時は、メリットだけではなく、徹底的にデメリットを洗い出し、もしものことを考え、リスク管理を怠りません。
このため、HSPの人は、人から頼られることが多く、責任感も強いため、会社では評価が高い傾向があります。
しかし、HSPの人は、何ごとにも慎重になりすぎ、石橋を叩きすぎて、可能なことを不可能にすることがあるため、「慎重過ぎる」と評価されることもあります。
また、繊細なだけに、頼まれごとをされたときは、相手の気持ちを考慮しつつ断れず、常にプレッシャーに晒され、働けば働くほど、人一倍疲れてしまいます。
2-5. 孤独を愛し、刺激を憎む
HSPの人は、日々の生活の中で、動揺したり、刺激的な体験を嫌う傾向があります。
また、繊細なだけに、ちょっとした環境の変化も大きく捉えてしまいます。
例えば、職場で新しい上司が配属されると聞くと、厄介なことを言われるのではないかと心配し、不意に電話のベルが鳴ると、不幸なことを告げられるのではと不安に思い、玄関チャイムが鳴ると、面倒な来客ではと動揺します。
そのため、HSPの人は孤独を深く愛し、また、疲れたときは、誰にも邪魔されず、一人で休みたいと希望します。
しかし、HSPの人は、自分が動揺することだけではなく、他人を動揺させることも嫌うため、言動が優しく、思いやりがあり、誰からも好かれるという特徴があります。
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